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牧師 メルセデスは隠居 ベリエスに意志を預けようとしました。
旅人 ルイ は 老女 ゼルマ を心の中で指差しました。
奉公人 ドロテア は 木こり ドミニク を心の中で指差しました。
牧師 メルセデス は 旅人 ルイ を心の中で指差しました。
木こり ドミニク は 旅人 ルイ を心の中で指差しました。
老女 ゼルマ は 隠居 ベリエス を心の中で指差しました。
少女 アナ は 老女 ゼルマ を心の中で指差しました。
隠居 ベリエス は 旅人 ルイ を心の中で指差しました。
羊飼い アルベリヒ は 老女 ゼルマ を心の中で指差しました。
旅人 ルイ を 3人が心の中で指差しました。
木こり ドミニク を 1人が心の中で指差しました。
老女 ゼルマ を 3人が心の中で指差しました。
隠居 ベリエス を 1人が心の中で指差しました。
旅人 ルイ は人々の意思により処断されたのです……。
奉公人 ドロテア は、牧師 メルセデス を占いました。
次の日の朝、羊飼い アルベリヒ が無残な姿で発見されました。
今、ここにいるのは、奉公人 ドロテア、牧師 メルセデス、木こり ドミニク、老女 ゼルマ、少女 アナ、隠居 ベリエス の全部で 6 人かしら。
[ベリエスに木こりは視線を向けます。
首は縦にも横にも動きません。]
……けど、ほっといたらみんな食われちまう。
[ホラントの残骸を見た大男は、低い声で呟くのでした。]
/*
え。あらら(汗。
ま、またやってしまったのです。
……投票、変え忘れな上に、ランダムって。
そして。
このジンクスの継続は……orz
〔ゼルマが見ているのに気づいたらしいアナは、きょとんとして。〕
ゼルマお婆ちゃん、心配しているの?
アルベリヒさんだけじゃなくて、エリーやフリー、みんなもいるから、だいじょうぶ。
それに、アナ、お手伝いだってできるもの。
〔へいきだと笑って、アナは、アルベリヒの手を取った。〕
[アナの言葉に、牧師は困ったように微笑みます]
ええ、貴女の仰る通りですね。
人はそれぞれに、自分に与えられたお仕事をするのです。
牧師は神様に祈るのが、お仕事。
子供は大人に護られながら、
やがて立派な大人になって、道を照らすのがお仕事なのですよ。
そうじゃのう……。
[ドミニクに頷くおじいさんの顔は、やっぱりかなしそうなものでした]
じゃからわしも、やめろとは言えぬのじゃが……。
[首を振るおじいさん。本当は、わかっているのかもしれません。
疑い合うことでしか、狼は見つけられないことを]
[アナのしっかりした答えに戸惑いながら]
ああ、ええ、そうね。そうだわね。アナはお手伝いもできることは知っているわ。ホラント兄さんが居た時だってあなたが世話をしていたような、、
それじゃ、帰るわね。また明日。
[言ってから慌てて取り繕いましたが亡くしたばかりの兄のことに触れるなど子供に酷なことを言ってしまったと後悔するゼルマでした。]
/*
あの流れから処刑に行くなんて、いくらなんでも非道すぎますわ……orz
……信頼フラグが全崩壊しそうですので、特攻してよろしいかしら。
あああ、ねこまっしぐら体質がorz
[ぱしゃ、ぱしゃり。
足元で水がはねます。
走るのに合わせて、籠の持ち手の花も揺れるのです。
その色は、いつの間にか白から薄紫に戻っていました。]
思っていたよりも、のんびりとしてしまったわね。
……後で、ちゃんとホラントさんのお墓参りにいかないと。
[そんな呟きをもらしていると、ふわ、ふわり。
花の中から小さなひかりが飛び立ちました。]
牧師さまは大人じゃないの?
〔やっぱり不思議そうにアナは言って、同意を求めて、二匹の羊を見た。
そうしているうちに葬儀は終わって、ホラントのからだとは、さようならをしなければいけないときが来る。〕
……?
うん、また明日、ゼルマお婆ちゃん。
〔急いで去ってしまったゼルマを首をかしげて見送ったアナは、アルベリヒの袖を引く。そろそろ帰ろうと、言うように。〕
[御隠居のかなしそうな顔に木こりは口を引き結びました。
ベリエスの気持ちは伝わっても、やめる気はありません。
首を振る姿をじっと見ます。]
………。
[雨に濡れた柄を後ろ手に握り、その場を去るのでした。
弔いの鐘が鳴り響いています。**]
[小さなひかりは、魔法の蛍。
それを使うのは、亡くなったお母さまに教わった秘術です。
小さな蛍は、誰か一人の側に行って、その力を少しだけもらって。
そうして、その人の在り方のいろを、蛍袋に映すのです。
昨日の蛍は気まぐれでしたけれど。
今日の蛍は違います。
信じる方が難しいなら、誰よりも信じたいひとを見定めよう。
ずっと、お仕えしてきた方を。
そんな想いが舞わせた蛍は──果たして。
どんな色彩を、映すのでしょうか?**]
牧師は牧師ですよ。
[アナさんは賢いですね、と牧師は微笑みを作ります。
言葉遊びのようなやりとりを終えて、
少女が羊飼いの袖を引くのを見やります]
ゼルマさん、さようなら。
お気をつけて。
[ちょうど宿へと帰る老女に頭を下げると
最近口癖になってしまった別れの挨拶の言葉に
牧師は溜息をついたのでした]
[宿に戻るとルイの作った夕食が待っていました。
ちょっと前までは小さいなりに賑わっていたのに。
ツィンカも行ってしまった。女将さんも行方不明。とても静かになってしまっています。
せめてルイさんを待ってから食事にしよう。]
早く戻ってくださいね。
[そう口にして、疲れがどっと出たのかゼルマはそのままロビーのソファで*眠ってしまいました。*]
/*
とりあえず、占い先の示唆だけ。
実働は、様子を見てやってまいりましょう。
それにしても。
予測していた事が大半ですけど、さすがにちょっとショックが大きいですわ……orz
ああ、でも、ルイさんはぎりぎりまでのお付き合い、本当にありがとうございます。
[それは何時のことでしょうか、月のない夜のこと。
雨上がりの蛍舞う水辺に、銀の頭がころりんこ。
清き流れのあちらとこちら、体は別れてさようなら。
白い指から零れた短剣が、十字架のように煌きます。]
[教会を去るドミニクの姿を、おじいさんは静かに見送りました]
……あやつが、最初の一歩を踏み出してしまうのかのう。
[それは、果てしない下り坂への一歩です]
人狼を見つけねば、みんな食われてしまう。
けれど全部の人狼を見つけたとて……。
[それは、とてもとても悲しいお話です。
けれどそれを聞かせても、果たしてドミニクの考えが変わるかどうか]
〔一度、家に戻って、着替えを用意して。
村のお店で食材を買って、アルベリヒの家に着くと、料理をして。
メニューは、シチュー。
アナはじぶんが作ると言っていたけれど、危なっかしかったんだろう、結局、半分以上はアルベリヒ任せになってしまった。
誰かといっしょのごはんに、アナは満足のようだった。
まるでホラントと一緒のときと同じように。
時おり、「お兄ちゃん」と言いかけてしまって、アナは恥ずかしそうにしていたけれど、アルベリヒは、いったい、どう思っただろう?
そんなふうに、平和な時間は過ぎていく。
昇った月は、今日は、どんな姿をしていたやら。
おやすみなさいの挨拶をして、借りたベッドでアナは目を閉じる。
ほんとうはアルベリヒのものなんだろうけれど、彼は、別の場所で寝ることにしたみたいだった。
ふかい、くらい、夢の中。
アナは、とても、とてもよく、眠っていた。〕
旅人さんが来て、女将さんがいなくなった。
旅人さんが来て、ホラントの噂話が始まった。
不幸な偶然? そんなのしらねえ。
あんたが人間でも人狼でも、オイラを怨めばいいさ。
/*
みんなころりんこ好きだな!
何気に夕食とか短剣とか拾ってもらえてうれしかったり。
そして死んだら自由に使っていいよって言うの忘れてた。
こんな時でも、腹は減るんじゃのう。
[おじいさんはいつものように、宿へと向かいます]
お邪魔するぞい。
[先に宿に着いていたゼルマは、ルイの帰りを待っているといいました。
けれど彼が帰って来るよりも早く、ソファで眠ってしまいます]
やれやれ、仕方ないのう……。
[おじいさんは毛布を引っ張ってきて、ゼルマに掛けてやりました。
そして、今夜はゼルマの隣で眠ろうかと、そんな風に思ったのでした**]
[やがて葬儀は終わります。
降りしきる雨の中、牧師は人々が帰っていくのを見送って
弔いの鐘を鳴らした所で]
……。
[くぅ、くぅと牧師のお腹が二回、鳴ります]
やれやれ、少々疲れましたね。
食事にでも行きましょうか。
[遠くでからからと、雷の鳴る音。
綺麗な月は、きっと雲の向こうです。
牧師は自分の影を確かめてから、教会から外へと出て*行きました*]
[斧を持つ腕からは赤い雫が滴ります。
身を守る術を持つ旅人へ斧を振るうのと、木を切るのとではまったく違います。
木こりは最後までルイの名を呼びません。
ドミニクにとっては余所者でしかなかったのでした。**]
[けれどその前に、お食事を済ませなくてはなりません。
ルイの作ったお料理では、ちょっとばかり物足りないのです。
狼は、そおっと足を忍ばせて、宿を抜け出したのでした**]
〜 ×××××の牧場 〜
〔朝が来るのは、いつだって変わらない。
けれどアナが見た光は朝陽ではなくて、ランタンに灯る炎。
きれいな色だった。
ただの白、とは言いづらいそれは、まるで銀のきらめきのよう。
早く誰かに見せようと、アナは、身支度も忘れて、部屋から出て行った。〕
あのね、あのね、
〔けれど、そこは、しずかなもの。
さわがしいのは、外だった。
めぇめぇ、めぇめぇ、羊が鳴いている。〕
〔いつの間に、小屋から出てしまったのだろう。
真っ白な羊の毛は、その日は、なんだか赤かった。
緑の中に、赤い果実が転がってる。
ここは牧場で、農場ではないのにね。〕
……アルベリヒさん、どこにいるの?
〔きょとんとしたアナは、ランタンの炎を見る。
そこにいるのは、違う人。
ぽつんと尋ねたけれど、答えは、アナには聞こえない。〕
〔ぱたぱたぱた、
アナはパジャマ姿のまま、村へと駆けていく。
誰かを見かけたら、こう言うんだ。〕
アルベリヒさん、いなくなっちゃった。
からだをなくしちゃった。
それから、誰か、もうひとりも。
〔アナの腕の中、ランタンの中。
* きれいな灯りがゆらゆら、揺れている。*〕
おいらはここだよ。
[アルベリヒは、少女のすぐ傍らで答えました。もちろん少女には聞こえませんけれど]
ああ、おいらの羊の自慢の毛がすっかり染みになっちまった。
[嘆く声は羊達には聞こえたでしょうか?]
[それは何時のことでしょうか、月のない夜のこと。
ころり転がる丸いもの。
そのそばに、一羽の小鳥がおりました。]
チチチ。
[真っ青な羽の小さな小鳥は、ドミニクを見上げて小首をかしげます。
けれども不思議なことに、ドミニクがそれに気がつくことはないのです。]
[いいえ、彼だけではありません。
村にいるだれひとりとして、その小鳥を見れはしないのです。
だれかさんみたいに、頭がころりんこと*落ちたりしないかぎりは、きっと。*]
あのランタンの灯は、旅人さんだな、ルイって言ったっけ?
[今のアルベリヒには、それが判るのでした。多分、おんなじものになったからでしょう]
[どこかで小鳥が鳴いています。アルベリヒは、その声に呼ばれるように、ふうわりと空に浮かびました。羊雲のようにふうわりと]
ああ、おいらも羊に産まれたかったなあ。
[めえめえと、七匹の羊が空に向かって鳴いておりました**]
[ふいに、小鳥は首をくるりと回します。
そしてぱたぱた、短い羽をはばたかせました。
小鳥が飛んでいく先には、ふんわり浮かぶ羊雲。
・・・ではなく、*羊飼い。*]
/*
さて、どうしましょう。
黒だし話せる相手がPC視点で軒並みいませんわー。
[くろねこは ころころ している]
いずれにせよ、今日黒落ちがないと即エピですのよね。
どうなるにせよ、ねこまっしぐらかしら。
取りあえず恒例のネタだけは。
えい。<<奉公人 ドロテア>>
/*
……自分は 占え ません わ!
ううん、ルイさんの話を聞いたら、ドミニクさんを、と考えるのが流れ的には自然かしら。
もう少し、考えましょう。
それにしても。
何気に、牧師様とはリアルタイムで絡めていないわたくしなのでした。
在席重なった時は、居場所がずれているのですもの。
[教会に帰り着いたのは、葬儀が終わる頃でした。
まだ人は残っていたようでしたけど、濡れたままでご挨拶をするのは失礼かしら、と奥へ回ります。
支度を整えた頃には、教会には人の姿はありません。]
……牧師様、お出かけになられたのかしら?
[空を見て、呟いて。
それから、誰も居ないその場所で、神様にお祈りを捧げます。
部屋に戻ると、昨夜眠れなかったせいでしょうか、すぐに眠りの精がやってくるのでした。]
[やがて朝が訪れます。
始まるのは、いつも通りのお仕事。
ご飯の支度やお掃除などを一通り済ませて部屋に戻ると、ふわり、魔法の蛍が戻ってきて花の中へと入り込みました。]
ああ、おかえりなさ……え?
[どのくらい、そうやって立ち尽くしていたのでしょうか。]
とにかく。
誰かに、お話しないと。
[誰か、って言っても、限られてしまうんですけれど。
とにかく、籠を手に取ると、外へと駆け出しました。
籠の持ち手に挿した、天鵞絨のように艶やかな黒い花が風に揺れました。**]
/*
うう。
最終段落の二行目の語尾。
進行形にすべきでしたわ……!
ところで、相変わらず主文からは一人称代名詞徹底排除なわたくし。
……入れにくく感じてしまうのですよねぇ。
入れないほうが、文がつながるというか。
その癖が、一次創作にまで反映されてしまうのは、直さないといけませんけれど。
[気づくと自分が毛布と膝をかかえこむようにソファで眠っていたことがわかりました。
傍らにはベリエスが何も掛けずに鼾をかいています。]
ありがとう、そばに居てくれて。
[起こさないようにそっと毛布を掛け返します。
それから何かを思い出して食堂に向かいます。]
[食堂はルイの作った夕食が手つかずのままになっていました。]
ルイ…戻ってないのね。
[せめて朝食は支度しておこうと準備にとりかかるのでした]
[ゼルマは朝食を済ませるとまだ眠っているベリエスに出かけてくると書置きを残して宿を出ました。
特に当てがあったわけではありません。
ルイが、ドミニクが、アナが、それぞれに心配でした。
そうして、聞いた話をもう一度牧師に相談してみよう、そう思うのでした。]
会って話してみよう。昼間は人間に化けているのだから、その間ならあたしでも多分食われない。
[ぶつぶつと考え事をなかば呟きながらゼルマは*先を急ぐのでした。*]
―村の道―
[宿へと急ぐ途中、出会ったのはゼルマでした。]
あら、ゼルマ様。
ルイさんは、宿におられますかしら。
[問いかけに、返されたのは昨夜から戻らないという言葉でした。]
え……だって昨日、宿に戻るって……。
[言葉にできない不安にかられ、籠を抱きしめます。
黒の花が、揺れました。]
……とにかく、わたくしも探してみます……。
ゼルマ様は、どちらへ?
[嫌な予感を押さえながら尋ねかけます。
いつになく落ち着きない様子は、不思議に見えるかもしれませんけれど。
そうしてゼルマとの話が終わったなら、ルイを探しに行くのです。**]
[夜半が過ぎ、黒い森に不気味な声が響く中
お腹がいっぱいになった牧師は、教会へと戻って行きました。
あくる朝]
私たちの日ごとのかてを、今日もお与え下さい。
[牧師はお祈りの言葉を発するのです]
[くぅ、くぅと寝息を立てて眠っている間
たとえ頭の辺りを淡い光が舞っていたとしても
牧師はそんなことは知りません。
喉の渇きを覚えた牧師は、寝起きのお茶を求めて
寝室から出てきました]
ドロテアさん、ドロテアさん。
どこにいらっしゃるのですか?
[いつもの服に着替えた牧師は、
ドロテアさんの姿を求めて
教会の中を探し歩きます。しかし、誰の姿も見えません]
いったい、どこへ行ってしまったのでしょう。
村では物騒な噂が立っているというのに。
困ったものですねぇ。
[牧師は溜息をついた後、教会から外へと向かいました]
[ドミニクは今日も木こり小屋。
けれど薪を割る音ではなく、斧を研ぐ音がします。
鉄色の刃が動く度、小山のような背が揺れました。]
……こんなもんか。
[やがて木こりの手は止まり、研ぎあがった刃に触れます。
その腕には乱暴に手当てした包帯が巻きついていました。]
人狼は二人。
まだ…よそ者以外にも村にいる。
[腰布に斧を差して大男はのそりと動きます。]
……その前に、何か食わないとな。
いざという時に動けない。
[木こりが呟くゼルマの料理への解説に、食べながら頷いていた銀色の髪が過ぎります。
手を付けらなかった、ルイが作ったらしい夕食も。]
………。
[だからと言って、したことはもう戻りません。
それにきっと、時間が巻き戻っても同じことをしたでしょう。]
[木こりが何を思ったかは木こり以外には分かりません。
ぼそり呟く抑揚が乏しいのも、いつものことです。]
……アルベリヒにでもチーズ分けてもらえばいいさ。
[踏み出した足は、村外れの小さな牧場へと向かいます。]
[めぇめぇ、めぇめぇ、遠く羊が鳴いています。
牧草の空に浮かぶもこもこの雲は、朝焼け色に見えました。
パジャマ姿の少女が駆けてきます。
その手に持つランタンは不思議な色に揺れています。]
アナ、どうした。
何があった。
[木こりの問いと少女の訴え、どちらが先だったでしょう。
いえ、どちらが先でもいいのです。
アナの言う話をドミニクは黙って聞きました。
ぐっと偏屈な口が歪みます。]
アルベリヒが………、やられたのか。
[人狼か、それとも人間の仕業か。
確かめようと毛皮を染めた羊たちの方へ踏み出します。
それから、背を向けた形になったアナに言うのです。]
もう一人。旅人さんならオイラがやった。
頭落とせば、人に化ける狼も生き帰りゃしねえだろ。
[表情は見えなくても、渋い声が物語っていました。**]
旅人さん。
ルイさん?
〔手に提げたランタンの灯と、おおきなドミニクの背中。その間で行ったり来たりを繰り返すのは、アナの視線。〕
でも、木こりさん。
あのひとは、人間よ。
きれいな色を、しているもの。
そう思うでしょう、フリー?
〔めぇ。
アナを追ってきたんだろう、ちいさな羊が一匹、いつの間にかそばまでやってきてた。〕
木こりさん。
ルイさんのからだ、どこですか?
〔答えがあってもなくっても、双子の一匹をおともにしたアナは、ふわりとパジャマの裾を翻して、道の先、村のほうへと行ってしまう。
てんてんと、残るひづめの跡はあかい。
パンよりよほど、目印になりそうだ。**〕
[アナが心配で牧場に向かったゼルマは、ドロテアと行き会いました。ルイさんを見ていない? と尋ねようとして同じ問いをドロテアから返され何かを悟るのでした。]
いいえ、夕べから御戻りではないのよ。それで、探しているの。
[ゼルマはドロテア様子が違うことと、籠の花が黒いことに気づきました。]
あら、その花の色?
[ドロテアは気にしないで下さい、とだけ答えるばかりでした。]
……この、花の、事は。
……理由を、確かめたら、お話しますわ。
[花の事を気にするゼルマに、小さな声で言いました。
蛍が嘘をつかないのは知っていますけど。
いえ、知っているから。
皆を気遣うゼルマには、言い難かったのです。]
それでは、わたくし、参りますね。
[だから、それ以上は言わずに丁寧なお辞儀を一つして、歩き出しました。]
――翌朝・宿のロビー――
[次の日、おじいさんはちょっぴり寝過してしまったようでした。
隣に寝ていたはずのゼルマの姿はもうありません。
代わりに書置きと、朝食の良い香りが残されていたのでした。
それは少なくとも、狼にさらわれたのではないという意味でしょう]
おお、牧師どのの所に行ったのか。
ふむ、ゼルマばあさんもこの事件について、何か思う所があったのかのう。
[そうすると、おじいさんも、のんびりしている訳にはいかないような気がしてきたのでした。
並んだ朝ごはんには手をつけないまま、宿の外へと歩き出します]
−−牧場近く−−
[アナの無事を確かめようと牧場に向かったゼルマはアナに行きあいました。]
ああ、無事だったのね。アルベリヒは一緒じゃないの?
[アナの話はゼルマには分かりにくいながらも、ルイがもうこの世にはいないことはどうにか理解できたのでした]
そう。ドミニクが、ルイさんを。ではアルベリヒは誰が?
[思わずアナに尋ねましたが、子羊がぴったりつき従っていますし、ヴァイスにもおかしな様子は見られません。]
アナ、気をつけてね。私の宿にはベリエスが居たから、なるべくなら教会か宿に行きなさい。私はドミニクと話してみるわ。
[まだ近くに居るかもしれないとゼルマはドミニクを探しに行きました。**]
……理由を確かめたら、もう、お話しする所ではないかも知れませんけれど。
[歩きながら、小さく呟きます。]
でも、ルイさんはどこに……。
ゼルマ様のご様子だと、急に発った、というわけではないようですし……。
[そうなると、考えられる事は限られてしまいます。
寒気がしたような気がして、ふる、と身を震わせました。]
[もしあの時、雨でぬかるんだ地面に足を取られなかったら。
振り上げられた斧を見て、短剣で戦おうなんて思わなかったら。
突然あらわれた木こりのことばに、しっかり「ちがう」と言っていたなら。
雨がやんだあと、あの川辺に行かなかったら。
雨宿りしているあいだ、蛍のことを気にしなかったら。
雨など気にせずに、宿にまっすぐ戻っていたら。
もっと早く、この村を出ていたら。
いいえ、そもそも、この村に来なければ。
こんなことには、ならなかったかもしれません。
けれど、そうはならなかったのです。]
[からだをまっぷたつにされた旅人は、中身もまっぷたつになってしまいました。
ひとつはアナの持つランプの中で、ゆらゆらゆれる銀色の火に。
ひとつは、どういうわけだか、小さな青い鳥になって、『おんなじ』になった羊飼いの周りを飛び回っています。]
……ううん。
アルベリヒさんにお話ししても、困らせてしまいそう。
わたくしの事から、お伝えしないといけないし。
……やっぱり、直接……お話にいくしかないのかしら。
[呟いて、籠を抱きしめます。
籠の底には、白い布に包まれた何かがひっそりと横たわっていました。]
[別段行く宛てもなかった牧師は
やがて村の広場に到着すると、腰かけます]
こんにちは。
こんにちは。
[声をかけてくる信徒や村人に挨拶を返しながら、
牧師は行き交う人をぼんやりと眺めて*いました*]
ルイは……昨日は結局戻って来なかったんじゃのう。
……何事もなければ良いのじゃが。
[こういう時、余所者が真っ先に疑われることを、おじいさんは知っていました。
村に良くないことが起こるのは、外から来たもののせい。
誰かが早まったことをしなかったか、おじいさんは気がかりです]
[と、その時、おじいさんはどこかへ急ぐドロテアの姿を見付けました。
籠を抱き締めるその姿は、どこかそわそわしているようにも見えました]
おうい、どうしたね。
[おじいさんはドロテアに話し掛けます。けれど無理に引き止めるつもりはないようです]
/*
そういえば。
この村って、PC以外の村人もいるんですよね。
……ってことは、NPCは「積極的に処刑をしない村人」という位置付けなのかなぁ。
そうすると、ベリエスのスタンスってちょっと微妙かもしれないのだけれど。
あ、でも、NPCが無抵抗に滅びを受け入れるのか、単に人狼がPC喰ったら満足して村を去っていくのかで違いがあるかな。
違和感ないのは後者の方だけど。
[呼びかける声に、はっとしてそちらを振り返ります。]
……あ。
御隠居様。
[籠を抱きしめたまま、ぺこり、とお辞儀をしました。]
チ。
[忙しく飛び回っていた小鳥は、ふいに短く鳴いて、遠く離れた地面に降りていきます。
ドロテアの姿を見つけたからです。
小鳥は籠に挿さった真っ黒な花をつつこうとしてみますけれど、どういうわけだがすり抜けて、ころり転げてしまいました。]
/*
余談ですけれど。
このこの場合。
……どうやって糾弾すればいいのか、が浮かばないのですっ!
縁故が近いから、余計に切り口が難しいんですの……。
無事だったようで何よりじゃ。
[まずはそんな言葉を、ドロテアにかけるのです]
おや、珍しい花を持っておるのう。
ホラントの所へでも行くのかのう?
[黒い花を見たおじいさん。目をぱちくりとさせました]
[無事で何より、という言葉に、ほんの少し表情が和らぎました。]
……そう、ですわね。滅多に咲かない花ですわ。
ホラントさんの所ではありませんけれど……もしかしたら、行く事になるかも知れません。
[次の問いかけには、少しだけ曖昧にこう答えます。]
[小鳥は地面で羽づくろいをしてから、ドロテアとベリエスを見上げます。
そうして、なんだか困ったように首をかしげるのでした。]
[ふうわりと羊雲のように浮かんだ羊飼い。そのままふわふわ漂っていると青い小鳥が近付いて来ました。普通の小鳥でないことはすぐに判ります]
あれあれ?おまえさんは、もしかして…
[青い小鳥の黒い瞳は、どこかで見かけた色でした。けれど全部を口にする前に、小鳥は地面に飛んでいきます]
[小鳥がころりと転げると、アルベリヒはふわふわ傍に漂って行きました]
大丈夫かい?
[小鳥と一緒に見つめるのは、天鵞絨のような黒い花]
そうかそうか、気を付けてのう。
……ところで、ルイどのは見なかったかのう?
[それはドロテアにとっては二度目の質問になるでしょうか。返ってくるのは同じ答えかもしれません]
チィ。
[アルベリヒにお返事をするように、小鳥はひとつさえずりました。
やっぱり困ったように、首をかしげたままでしたけれど。]
はい。
[気をつけて、という言葉に、素直に頷きました。]
ルイさんとは、昨日少しお話をして、別れたきりですわ。
……宿に戻る、と仰っていましたのに、戻られていないと、ゼルマ様からお聞きしました。
[その花をどこかで見たことがあるようにアルベリヒは感じました。けれどどこで見たのかは思い当たりません。ただなんとなく悲しくなって、黙って首を振りました]
やれやれ、なんてこった。
[ドロテアがルイの名を口にするのを聞いて、アルベリヒは、自分を見上げる小鳥を見つめました]
お前さんは、ドロテアに何か聞いていたのかい?
きっと聞いていたんだな。
そうじゃの、わしも宿屋にいたが、確かに戻ってきた気配はなかったようじゃ。
ふむ、それならわしも、もう少し探してみようかの。
邪魔したのう。
[と、おじいさんはドロテアに頭を下げるのでした]
[旅人の名前がきこえたとたん、小鳥はこんどは反対側にくびをかしげるのでした。]
チ、チ。
[小さく鳴いてみるのですけど、やっぱりそれはふたりには聞こえないのです。]
[牧師はしばらく広場にいましたが
やがて立ち上がると、
遠くから聞こえてくる
鴉たちの鳴き声に導かれるように
牧場の方へと向かいます]
いいえ、お気遣いなく。
[頭を下げるご隠居に、にっこりと笑ってゆるく首を振ります。]
それでは、わたくし、参りますね。
……御隠居様、もしルイさんにお会いできましたら。
『探し物を見つけました』と伝えていただけますかしら?
[言伝る相手は、いないかも知れません。
それでも、もしかしたら、という思いから、こうお願いすると、また、慌しく歩き出しました。]
[てく、てく、と牧場へと続く道。
向こうからはパジャマ姿の少女が歩いてきます。
彼女の脇には、紅白の羊。
彼女の後ろには、赤い足跡]
こんにちは、アナさん。
昨日はよく眠れましたか?
[怯えた様子の羊を見やり、
牧師は少女に丁寧に挨拶をします]
そうか。
それじゃあ、ドロテアは心細いだろうな。
[溜め息をついて(もう息はしていないので、格好だけです)アルベリヒは牧場の方を見やりました。遠くにドミニクの大きな背中が見えたでしょうか]
なあ、旅人さん…ルイ。ドミニクはほんとは優しい奴なんだよ。
出来たら、恨まないでやってくれな。
[ふわふわと漂いながら、アナとドミニクの会話もアルベリヒには聞こえていたのでした]
/*
実は、PL視点でももう一人がはっきり見えていなかったりするのです(待。
狼センサー、元々そんなに強くないのですけれど。
ええ、きっとお伝えしておこう。
[そう言って、慌ただしく行ってしまったドロテアの背中を、おじいさんは見送るのです]
[それから、おじいさんは、村のあちこちを探しました。
そして、いつしかその足は、村の外れへと。
さらさら流れる川のそばへ、少しずつ近づいていきます]
−−牧場−−
[ドミニクを見つけたゼルマは我慢が出来なくなり、単刀直入に質問します。]
ドミニク。あんた、ルイを手に掛けたんだって?
[つき従うヴァイスは少しばかり逃げ腰です。]
チ。
[小鳥は『伝言』を聞いて、ひとつ鳴きました。
地面からぱたぱた飛び上がって、ドロテアの背中を見ています。]
チチ。
[それからアルベリヒに振り返って、もう一声。
「はい」なのか「いいえ」なのか、それとももっと別の答えなのかは、*分かりませんけれど。*]
[どうしましたシリーさん?ああ違いますか、デリーさん。
いいえ、アリーさん、エリーさん、その立派な角はイリーさん?
もしかしたら、その毛並みはベリーさんでしたか。
牧師は思いつくままに、羊の名前を呼びました]
え、アルベリヒさんが行方不明なのですか?
[揺らめくランタンの灯りを見ていた牧師は、
少女の言葉に、驚いたように身体を仰け反らせます]
[ぱたぱたと、教会へ向けて急ぎ足。
でも、そこには人の姿はありません。]
……どちらへ?
[ちいさく呟いて、村へと引き返し。
たどり着いた広場で話を聞くと、牧師様が牧場の方へ向かわれた、という話を聞けました。
どうかしたの? という問いに無理に笑ってなんでもありません、と答えるとまた急ぎ足。
牧場へ向けて、走るのです。]
[木こりは牧場へ向かいます。
緑の中の羊雲たち、その陰に赤い果実を見つけます。
羊飼いの帽子が中身をなくし、ちょこんと鎮座してました。]
からだをなくした…食われちまったってことか。
羊を守ろうとしたか、アナを守ろうとしたか。
アイツなら……アルベリヒならどっちもだな。
[木こりは涙もろい羊飼いを思い、大きく息を吐きました。
今日の木こりはずた袋なんて持っていません。
羊飼いの家からシーツを借りて、残された欠片を集めます。]
牧師 メルセデスは、奉公人 ドロテア を心の中で指差しました。
牧師 メルセデスは、奉公人 ドロテア を力(襲う)の対象に決めました。
そうだ。
オイラがやった。
[老婆の声に止まった手が、再び動き出します。
小さな欠片を丁寧に、白かったシーツに集めるのでした。]
〔行ってしまうゼルマを、アナは手を振って見送った。
それからまた、アナはちいさな足で広い道を歩いていく。〕
こんにちは、牧師さま。
〔いつもと違う格好のアナは、いつも通りにご挨拶。〕
全然違います、牧師さま。
神さまの光は、牧師さまの目を曇らせてしまったかしら。
〔おびえる羊の名前を当てられないメルセデスに、アナは言う。
ゼルマに話したのと同じように、アルベリヒのことを話していたけれど、行方不明という言葉にはちょっと首をかしげてみせた。〕
からだはあったけれど、こころがどこか、行ってしまったの。
それとも、アナには見えないだけかしら。
[小鳥の鳴き声を聞くと、アルベリヒはこくんと一つ頷きました。答えはどちらでも良かったのです。だってもう、誰にもそれは届かない]
そういえば、牧師さま。
アナは聞きたいことがあったんです。
牧師さま、
牧師さまは、人はそれぞれに、与えられたお仕事があると言いました。
それなら、人狼に与えられたお仕事って、なんですか?
――川縁――
[ルイのからだが、二つにわかれてごろんごろん。
鋭い切り口は、木こりの斧を思い出させます]
[おじいさんは、しばらく黙って旅人を見詰めた後に言いました]
『探し物を見つけました』
ドロテアからの伝言じゃよ。確かに伝えたからのう。
[そうしておじいさんは、家へと引き返そうとしました。
家には確か、作物をしまう袋があったはずです。
人間の体が入るかどうかはわかりませんけれど]
[足が止まったのは、紅白の羊に驚いたからでしょうか。
それとも、どう声をかければいいか、悩んだせいでしょうか。
一番の理由は、アナの投げかけた問いが、自分も聞きたい事だったから、でしょうけれど。]
……。
[ちょっと迷ってから、ゆっくりそちらに近づきます。
黒い花はゆらゆら、迷うように揺れていました。]
[ドミニクが頷くのを見て言葉をつづけました]
そうかい。確かにルイさんが来てからいろいろなことがあったものね。村のためを思ってやったのだと思いたいわ。でも少し聞かせてほしいんだよ。ルイさんが人に化ける獣だと思った理由ってなにかあるのかい? 実際そうだったのかい?
もうひとつ不思議なのはアナはルイが人間だと言っていたことだよ。
[木こりの背中に問いかけながらアルベリヒだったものに十字を切りました。]
おやおや、これは手厳しい。
羊なんて、……、どれもみな同じですから。
[牧師は悔し紛れに、羊をこっそり睨みます]
からだはあって、こころがない。
こころがあって、からだがない。
どちらも大変、困ります。
どちらも急いで探しましょう。
不思議なことをお聞きになりますね。
人狼に与えられたお仕事ですか?
さあて、私にはわかりません、けれど。
[牧師は指を口にあてて、考えます]
狼の仲間なら、
人を食べてしまうのがお仕事なのかもしれませんね。
[牧師はおお恐ろしい、と天を仰ぎ見て、
ぶつぶつと祈るようにつぶやきます]
同じではなくて、全然違うものだと思います。
神さまはひとつとして、同じものをお作りにならないもの。
同じものを作ろうとするのは、人間だけ。
〔大変だという言葉にはこっくり、おおきく頷いて。〕
うん、大変、困ります。
だから、そう。
アナは旅人さんに、こころの欠片をお届けしなくちゃ。
[老婆はなんとかドミニクの手伝いをしてアルベリヒだったものをひとつにまとめます。]
アルベリヒ、あんたのチーズはおいしかったよ。
[何も言わぬものに向かって、昨日までの感謝を口にします。]
[おじいさんは、袋にせっせと旅人を詰め込みます。
しかし小さい方はともかく、大きい方はひとりではどうにもなりません。
仕方がないので、他の人を呼びに行きました。
みんな牧場に行っていると、村の人が教えてくれたかもしれません]
……冷たいもんじゃ。
ルイが余所者だったからかのう?
[おじいさんは、いつかの自分も余所者だったことを、ふと思い出すのでした]
[木こりは老婆に背を向けたまま、手を動かし続けます。
けれど、ちゃんと聞いてる証拠に時々動きが鈍るのでした。]
…旅人さんが来るまで、オイラの村に人狼なんか出なかった。
女将さんが消えたのも、ホラントが噂しだしたのも、全部アイツが来てからだ。
人狼か人間かなんて、前も今もわからねえ。
[ゼルマの手伝いで纏まったシーツを固く結び合わせます。]
アナはきれいな色って言ってた。
それしかオイラは聞いてない。
食べるのが、お仕事ですか?
お腹が空いたのなら、ごはんを食べるのは、当たり前のことです。
お仕事だとしたら、不思議だって思います。
当たり前ではなくて、しなくちゃいけないって、ことなのかしら。
でも、人狼は、人で、狼なんですよね。
とっても、不思議。
どうして、半分ずつなのかしら。
人なら、人を食べてしまわなくたって、きっと、いいのに。
アナさんは、神様のことをよくご存知なのですね。
神様もお喜びになっておられます。
[牧師は笑顔の仮面を作って、頷きます]
おや、旅人さんが、どうかされたのですか?
こころの欠片とは、いったい何でしょう。
どこにあるのでしょうか。
[牧師は不思議そうにパジャマ姿の少女を見ます]
牧師さまは、牧師さまなのに、知らないの?
〔アナがメルセデスとおはなししていると、フリーが服の袖を引く。〕
ああ、そうね、フリー。
早く行かなくっちゃ。
牧師さま、失礼します。
ルイさん、からだをなくしてしまったの。
木こりさんが、切ってしまったから。
〔そういうと、ぱたぱた、駆けていこうとする。
その途中で、ちょうど、こちらへと来るひとを見た。〕
こんにちは、ドロテアお姉さん!
[老婆はドミニクに話しかけます。]
アルベリヒはホラントと同じように喰われた、ように思えるね。
もし、アナが獣だったら、人間に化けなおしたとしても、羊たちが寄るとは思えないよ。
きれいな色、確かにそんな言い方だったね。あたしにはそれが人間だ、という意味に聞こえたんだ。アナには何か特別な力があるんじゃないかね?
[いつからこんなに詮索好きになったのだろう、と溜息をつきながら、アルベリヒを運ぶ手伝いをするのでした。]
人の時には、人のお仕事
狼の時には、獣のお仕事
ヴァイスと一緒で、食べて眠るのが、お仕事。
きっと、そんなものなのでしょう。
きっと、そんなものなのでしょう。
[牧師は歌うように、二回言ったのでした。
羊に促されるように、ぱたぱたと駆けていく少女を見送ります]
[ふうわりふわふわ、羊雲のような羊飼い。ドロテアの事が気になるのか、一緒に漂っていきました。そうして見えてきたのは、アナと牧師さん]
あれあれ?
[なんだか嫌な気持ちがして、アルベリヒはそれ以上進めなくなりました]
[ほんの一瞬、きょとり、としたのはルイの事が聞こえたからでしょうか。
切ってしまった、という言葉に、嫌な予感が当たった事がわかりました。]
……あ、はい。
こんにちわ、アナちゃん。
[それでも、呼びかけられたなら、どうにか笑って挨拶を返します。]
ドミニクさんが、ルイさんを?
[少女が去り際に告げた言葉に、牧師は驚いた様子でした。
すでに少女は駆けて行く途中だったので
その知らせに牧師の口元が
微かに上がったことに、気付く人はいなかったでしょう]
……アルベリヒは、ホラントと同じだ。
アナは、ちと変わっちまった。
[ホラントの欠片も集めた男は、ゼルマへと同意します。
けれどアナについてはそう言っただけでした。
怪我した右腕に代わりゼルマの手伝いを受け、シーツの包みを肩にかけて呟きます。]
ゼルマさん。
ホラントは人狼が二人って言った。
旅人さんをやった後、アルベリヒが食われたんなら…
村ん中に、人狼はいる。
――牧場――
[牧場につくと、なんだかみんながざわざわとしています。
そういえば、村の人はこうも言っていました。
アルベリヒが食べられてしまったと]
おうい、牧師どの。
そっちの仕事が済んだらでいいから、ちと手伝っておくれ。
アルベリヒの他にも、祈って欲しい相手がいるんじゃよ。
/*
は、占い先、どうしましょう。
このまま御隠居様でいいかしら。
襲撃される可能性も見ながらだから、デフォでもいいかも知れないですわねぇ。
最後に接触したの、御隠居さまですし。
[生きてる人はだあれも気付かなかったのです。でもアルベリヒは、見ていました。牧師さんの口元が微かに上がったのを。そうして思い出しました]
たいへんだ!牧師さんは、人狼だ!
……ドロテアお姉さん。
お元気、ないですか?
あっ、
今日のお花は、黒い色なんですね。
暗くて、深くて、ちょっと、こわい色。
〔そう言いながら、アナは、炎の揺れるランタンをかざして見せる。〕
ルイさんの色とは、まるで、反対。
[少女と別れると、
牧師は牧場へと続く道を歩いていきます]
美味しい羊は、良い羊。
不味い羊は、悪い羊。
食べてみるまで、わからない。
[向かう先、道標は赤い点々。
蹄の跡は、散った桜の花びらのよう。
ちょうど遠くから、牧師を呼ぶ声が聞こえます。
牧師は、ご隠居に向かって手を振りました]
/*
……今更ながら、遅くに入って「古くからいる村人」設定にするのは難しいなぁ、と思いました。
(まあ、狼はほんの数日前に来たところだし、ベリエス(真)も20年くらい前に来たくらいなんだけど)
[アルベリヒが死んだ近くにいたアナも、
女将さんがいないと騒ぐゼルマも、
他所から来たベリエスも、
教会の牧師や使用人だって、ホラントが言う中の一人です。
この中に人狼がいるのです。
少なくて一人、
アナの言葉通りルイが人間なら、二人。]
ルイさんの、色?
[かざされるランタンに、一つ、瞬きます。
けれど、何となく言いたい事がわかるのは、自分も色を見るからでしょうか。]
……そうね、本当に綺麗ないろ。
昨日のお花はね、アルベリヒさんのいろだったの。
そして、今日のお花は……牧師様の、いろ、なの。
[小さな声は、少しだけ震えていたかも知れません。]
[牧場にざわめく人の声
微かに漂う、果実の香り]
こんにちは、ベリエスさん。
……どうかなさったのですか?
[牧師の仕事は、祈ること。
死者の旅路を、照らすこと。
与えられた仕事があれば、それを行います]
奉公人 ドロテアは、牧師 メルセデス を心の中で指差しました。
/*
そして、忘れないうちに、と。
ところで、眠気に勝てますかしら、わたくし。
この頃、この時間が物凄く眠いんですけれど。
牧師さまの色はその色なの?
見えないのは、そのせいなのかしら。
〔ぱちくり、今度はアナがまたたく番。
じいっとじいっと、花の色を見つめている。〕
森から採ったみたいな色。
闇を切り取ったみたいな色。
光を押し潰してしまう色?
〔最後の一言は尋ねるようにして、ドロテアを見上げた。
めぇ、
フリーの鳴き声は、ドロテアみたいに、ちょっぴり震えていた。〕
[おじいさんは、牧師に手を振り返して言いました]
旅人どのが、のう。冷たくなっとるのが見つかったんじゃあ。
ありゃあ、人狼の仕業ではないとは思うが……。
[おじいさんはまだ、ルイを手に掛けた人を知りません。
うすうす感づいてはいたのですが]
[アルベリヒの声を聞いた小鳥は驚いて、ぱたぱた、ぱたぱた、辺りを飛び回ります。
けれどもやっぱり、それを見る人はいないのでした。]
[ドミニクの答えには人の死に立ち会ってきた重みが感じられました。ゼルマがそう思っただけかもしれません。]
ええ、そうね。本当にそんなものが居るならまだ残っているはずよ。ルイさんがそうだとしてもまだ一人というか、一頭?
アナはそんなに変わってないと思うわ。変わったことは言うようになったけど、目が、変わってない。
それとね、羊たちが懐いているの。ヴァイスも怖がらない。むしろ今のあなたの方が血の匂いがして引き気味なくらい。アナとドミニク、あなたの二人は人間だ思うの。
[こんな他の人を疑うようなことを話して良いのだろうか、と思いました。そしてまた、本当のところ人か獣か分からないドミニクにこのような話をしてよいものかもとても躊躇われました。
でも老婆は長年そうして生き抜いてもきたのです。]
……ルイさんが、冷たくですか。
[牧師の口調には、あまり驚きの色がありません。
先刻、少女から聞いた話のせいでしょう。
こころの欠片は、どこにある?]
それで、ルイさんのからだはどこでしょうか。
[辺りに、木こりの姿を探しながら
牧師はご隠居に問いかけます]
[アナの上げる例えは、どれも正しいように思えました。
だから、尋ねるように見上げられると、一つ、頷きます。]
押しつぶす、というよりは、食べてしまう色、かも知れないわね。
[震えるような声を上げる子羊は、同じ不安を感じているのかしら、なんて。
ふと、思いました。]
ルイは、蛍のいる川の近くに倒れておったよ。
教会までは運ぼうとしたんじゃが、わし一人ではのう……。
メルセデスや、少し手伝ってくれんかのう。
[そう言って、おじいさんは川の方へと歩き出そうとします]
おいらたちは、こうして見てるしか出来ないんだな。
[ぱたぱたと飛ぶ小鳥に向かって、アルベリヒは悲しそうに言いました]
いっそ見ないでいた方がいいんだろうか?
[だけどやっぱりふわふわと、羊雲のように浮かんだまま、そこから離れられもしないのでした]
[ごくり、と唾を飲み込みながらゼルマはドミニクに云いました]
あんたは、人間、なのよね?
そう信じていいのよね?
だったら、聞いてほしいわ。あたしの、勘が正しくて、ヴァイスの感覚を信じるならば、獣かも知れない人はドロテア、ベリエス、牧師様、しかいない。
もしこの中にいるとしたら、まさかだけど、ベリエス?
[たったこれだけのことを言うのにずいぶんと時間がかかっていたのでした。
その間に二人はだいぶ村近くまで降りてきていたのです。]
ドロテアお姉さん。
黒い森に住む双子は、
同じだけど違っていて。
ひとりの色は白くて、
ひとりの色は黒かったのだって。
〔とつぜん、そんな話を始めるアナ。〕
ふたりは、どうなってしまったと思う?
ふたりは、どうしたかったと思う?
お姉さんは、どうしたいと思う?
〔質問したのに、答えは求めずに、くるりと向きを変えて、また、歩き始めてしまった。後から、フリーもついていく。時々、後ろを振り返りながら。〕
そう、ですか。
[ご隠居の言葉を聞くと
短い時間でしたが、ルイと話をしたことを思い出し
牧師は目にそっと手をあてます]
わかりました。
では、お手伝いさせていただきましょう。
[牧師は手で隠した顔に笑みを浮かべました。
そっと辺りを窺うと、川の方へと歩き始めます]
[木こりはごきりと肩を鳴らし村へと歩き始めます。
歩調はのっそりのっそりと、ゼルマも猫もついて行ける程度。
老婆の長い人生を感じる声に黙々と耳を傾けました。]
……人に狼は化けると言う。
獣はそれでも気づくのか?
[木こりは老婆に寄り添う老猫を見ます。
人狼が老婆に化けたなら、女将が一番邪魔でしょう。
そう考えていたから、老猫を見る目は真剣でした。]
チィ。
[小鳥は少し悲しそうな、落とした声で鳴きました。
けれどもアルベリヒとおなじように、そこからはなれようとはしないのです。]
同じだけど違っていて。
ひとりは白くて。
ひとりは黒かった?
[唐突に始まるお話に、ゆるく瞬きます。]
どうなって。
どうしたかったか。
……わたくしは……。
[問いかけへの答えは、すぐには声になりませんでした。
その間にアナは歩き出します。
時々振り返りながらついていく子羊の様子に、少し、眉が下がりました。]
――川縁――
[冷たくなった旅人のからだは、まだそこに倒れたままでした。
近くには、丸くて重たいものの入った袋が置かれています]
ここじゃよ……。どうか祈ってやっとくれ。
[そう言って、おじいさんも祈りを捧げます]
寂しいもんじゃ。アルベリヒの所にはあんなに人がおったのに……。
隠居 ベリエスは、牧師 メルセデス を心の中で指差しました。
オイラは人間だ。
狼でも人狼でもねえ。
[唾を飲み込んだ老婆に返る声は相変わらずの無愛想です。
そして老婆が重ねる声にも木こりは変わらぬ渋面でした。]
ゼルマさんが言う通りなら、そうなる。
爺さんも余所者だったし、それに…牧師さんが狼とは思えねえ。
[最後に付け加えた声は、とても小さなものでした。
ゼルマにしか聞こえないくらいの呟きです。]
……何も、なければ。
……何も、ないままで。
いたかったかしら、ね。
[始まりがどこかなんて、しりませんけれど。
始まってしまったら、止めなくてはならないから。]
……。
[軽く目を伏せて、籠をぎゅ、と抱きしめました。]
/*
ベリエスお爺ちゃんはいつ、
ドロテアお姉さんやアナを追い越したのかしら、
行くときも、来るときも。
考えたら負けですね!
そろそろ今晩の獲物を決めようかのう。
占い師に霊能者、厄介だけれど美味しい獲物がこの村にも居るようじゃ。
お前さん、そやつらの手掛かりは掴んでおるかのう?
〔アナの足も、羊の足も、そんなには早くない。
それに場所をしっかり知っていたわけでもないから、そこにたどり着くまでには、だいぶ、時間がかかってしまった。
川のさらさら流れる音が聞こえてくる先には、既に人がいるみたい。〕
木こり ドミニクは、牧師 メルセデス を心の中で指差しました。
[川べりに倒れたままの旅人のからだの周りには
蛍が弔うように集っていました。
牧師は、旅人のからだを眺めた後、
祈るような姿勢で、言葉をつぶやきます]
ええ、本当に。
寂しいものです。
[牧師はそう言って、
ごちそう、ごちそうと鳴くからすたちを見上げます]
おーい、ドロテア、おーい、アナ、気をつけろー
[心配そうにふわふわと、アルベリヒの声は子羊には届いたでしょうか?]
老女 ゼルマは、隠居 ベリエス を心の中で指差しました。
/*
ドロテアさんの牧師さん殺害フラグ確認につき、ぽち。
ゼルマさんに乗ってデフォの爺さん殺害もいいんだがな。
二日連続オイラが、ってのもだしなあ。
いや、何も得られていない。
少なくとも、噂男も羊飼いも美味な獲物ではなかったようだな。
そういえば、何だかドロテアが余所余所しいのだが。
さっきも私がアナと話しているのを見ながら、
こちらには近寄りもしなかった。
[狼の耳は、普通よりも敏感なのです]
何か勘付いたのではないだろうか。
……弔いはどうするんじゃ?
1日に二人も、では……。
[それに、明日もまた、それは増えるのかもしれません。
追い付けないほどの早さで、村人は減ってゆきます]
ゆっくり休んでくれ、とも言えそうにないのう。
やれやれ……。
[時折からすを手で払うようにしながら、ルイのからだを包みます。
このままこの場所においておくのは、余りに可哀想でした]
そうじゃのう。
[二人を味わったおじいさん狼もまた、そのことはよおく知っていました]
ほう、ドロテアが。
ならば今夜は、あの子を味わってみようかのう。
邪魔者の言葉を飲み込んでしまうのも悪くはないわい。
[おじいさんは、仲間の言葉に頷きました。
しかし、他に自分を疑う人間がいることには、まだ気が付いていなかったのです]
隠居 ベリエスは、奉公人 ドロテア を力(襲う)の対象に決めました。
村のお墓は、村人たちのもの。
旅人には過ごしにくいでしょう。
蛍の集う綺麗な風景の中、
このまま、ここの川の畔に眠るのが
ルイさんにとっては、いいのかもしれませんね。
[そう言って、ご隠居の同意が得られるならば
太い木の枝を使って、墓穴を掘り始めるでしょう]
〔先にいる人が誰か見えたはずなのに、さっきのドロテアのおはなしは聞いていたはずなのに、アナは気にした風もなく、川のそばへと近付いていく。
お供の羊はと言えば、足を止めてしまっていた。〕
ベリエスお爺ちゃん。
ちょっとだけ、待ってください。
〔ランタンの炎が、一際おおきく揺れる。
アナは、からだを包もうとするベリエスに、近づいていった。〕
[小鳥は森の木の枝に止まって、小首をかしげて、ふたりを見ています。
嘆きをつぶやくお爺さんと、ほんとは笑ってる牧師さん。]
……落ち込んでいる場合では、ありませんわね。
決めたからには、動かないと。
[小さく呟いて、周囲を見回します。
アナと話している間に、牧師様は何処かへ行かれたのでしょうか、姿も見えません。]
……探し歩くよりも、教会で待っていた方がよかったかしら。
[こぼれたのは、小さなため息でした。]
ふうむ、それもそうじゃのう。
……旅人は、何処に骨を埋めるを望んだことやら。
[そういって、地面を掘る牧師を手伝おうとしたのですが]
おや、嬢ちゃん?
どうしたんじゃ。あんまり近くに来ちゃいかんぞ。
[からだを包む前のルイに近寄ろうとするアナを見て、おじいさんは慌てた様子]
[ご隠居の言葉に、牧師は少女の来訪に気付きます。
少女がランタンを手に、ルイのからだに近づいてきます。
あれが、こころの欠片なのでしょうか。
牧師は手を止めて、少女のする行為を見つめています]
慌てると、落ち着きがなくなるのが悪いところ、とは、ずっと言われていたけれど。
[呟きながら、歩き出します。
でも、今日は仕方ない、と思いました。
願っていたのと、真逆のいろを見てしまったのですから、驚くな、というのが無理なお話なのです、きっと。]
欠片はここにあるから。
お人形みたいに、くっつけたら、なおらない?
〔まるで壊れたおもちゃを直すのを頼むみたいにアナは言う。
けれど、ぶら提げていたランタンを差しだすと、白銀の炎はゆらめいて、あっという間に消えてしまった。〕
[ドミニクが足を速めたので、慌ててついていきながら]
あたしが言ってどれだけ信じてもらえるかは分らないけど、もしあたしが人に化ける獣なら、ヴァイスは紛う事なき獣だわ。おそらくだけど、この子のほうがそういう感覚は鋭いのだと思う。
あたしが女将さんを、というのはタイミングとしてはすごく都合が良いとは思うけど、あたしも女将さんの行方が知れないことについては正直手を尽くして探したし、それ以上は神様しか知らないことだと思うわ。
[精一杯の答えをドミニクがどう受け取ったかは背中しか見ていないゼルマにはわかりませんでした。]
……あれ、れ。
いなくなっちゃった。
〔アナのまるい眼は、もっともっと、丸くなる。
めぇ、めぇ、めぇ。
羊が何度も、鳴いている。
きょろきょろと辺りを見回したアナは、川のそばになにかを見つけた様子で、目を留めた。〕
欠片?
[おじいさんはランタンの炎を見ましたが、それはあっと言う間に消えてしまいました]
……生き物はな、切られた所をくっつけても元通りにはならんのじゃよ、嬢ちゃん。
生き物は、壊れたら治らんから生き物というんじゃ。お人形とは違うんじゃよ。
[おじいさんは、膝をかがめるようにして、アナに言い聞かせます]
[教会に着いた二人は牧師が戻らないまま弔いの支度をはじめます。
ドミニクの話ではルイの亡骸はまだ川べりに置いてあるというので牧師はそちらに行っているのかもしれません。
ドミニクは連日となった棺の準備をしに奥に入ります。]
せめてドロテアが居ればもう少し勝手がわかるのだけど。
[あまり立派な教会ではありませんがそれでも中はそれなりに広くて、いざものを探すとなると大変なのでした。]
[暗い暗い、森の中。
牧師は、少女の様子を見つめています。
夜は、もうじき。獣の時間が近づいています]
……どうか、されましたか?
[牧師は何かを見つけた様子の少女に、一歩。
仔羊の鳴く声が、牧師には大合唱にも聞こえました]
おや、本当に一つに戻ったんだな。
[消えた小鳥と、現れたルイの姿に、ふわふわと浮かんだまま、アルベリヒは目を丸くしました]
だめなの?
お兄ちゃんやアルベリヒさんみたいに、
食べられてしまったのではないのに。
なくしたからだは、ここに、きちんとあるのに。
〔ベリエスに聞き返すけれど、アナの視線はよそへと行っている。
川のそば、草の陰。
旅人の落としてしまった短剣のきらめきに。〕
……とにかく、一度戻りましょうか。
亡くなった方が出たなら、忙しくなりますし。
……勤めは、果たさないと、いけません。
[自分自身に言い聞かせるように呟いて。
教会へ向けて、歩くのです。]
本当に、面白いことを言う子ですね。
[アナの持つ、揺らめいて消えたランタンの炎。
牧師はふと、ホラントさんのことを思い出しました]
繋がらないんじゃよ。
病気で死んでしまった人とおんなじじゃ。
からだが残っていても、切り離された魂は二度と元には戻らん。
[それがアナのいう"欠片"のことなのか、おじいさんにはわかりませんでしたけれど。
ただ、どこかに行ったアナの視線を追い掛けて、そこにきらめきを見付けたのでした]
牧師 メルセデスは、隠居 ベリエス に意志を預けました。
そうだな、かわいらしかったけど、あんまり便利には見えないな。
[ルイの言葉に相づちをうちながら、アルベリヒは心配そうにアナに視線を向けました。きらり光る銀の色]
[ゼルマは棺の準備を終えたドミニクとともにアルベリヒを棺に納めます。
昨日と同じく、すきまの多く残る棺でした。]
ドミニク、あたしの知っている話もしておくわ。
人に化ける獣の話はホラントが噂話を出すよりもずっと昔、まだ先代の牧師様の時代にも流れたことがあったの。
神罰で人が獣の姿に変えられてしまうことがあった。その者たちの一部が悪魔にそそのかされて道を踏み外した。昼間は人間の姿に戻ることができるけど夜になると元の獣の姿にやはり戻ってしまったのだと。
もし、あたしに何かあればこの話は役にたつかもしれないわ。
[ドミニクはそう付け加えるのでした。]
そっか。
〔ベリエスの言うことを理解したのか、アナの眉が下がって悲しそうになる。〕
それじゃ、それじゃ――どうしたら、いいのかな。
[そんなことを話すゼルマをドミニクはどうおもったことでしょう。
ヴァイスはどんなことを思ったでしょう。
それは神のみぞ知ることなのかも知れません。]
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