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小説家 ブリジットは青年 アーベルに投票を委任しようとしましたが、解決不能でした。
青年 アーベル は 小説家 ブリジット に投票した
職人見習い ユリアン は 小説家 ブリジット に投票した
シスター ナターリエ は 小説家 ブリジット に投票した
傭兵 マテウス は 小説家 ブリジット に投票した
貴族 ミハエル は 小説家 ブリジット に投票した
神父 クレメンス は 小説家 ブリジット に投票した
探偵 ハインリヒ は 小説家 ブリジット に投票した
ランプ屋 イレーネ は 小説家 ブリジット に投票した
小説家 ブリジット は ランプ屋 イレーネ に投票した(ランダム投票)
ランプ屋 イレーネ に 1人が投票した
小説家 ブリジット に 8人が投票した
小説家 ブリジット は村人の手により処刑された……
傭兵 マテウス は、ランプ屋 イレーネ を守っている。
次の日の朝、貴族 ミハエル が無残な姿で発見された。
現在の生存者は、青年 アーベル、職人見習い ユリアン、シスター ナターリエ、傭兵 マテウス、神父 クレメンス、探偵 ハインリヒ、ランプ屋 イレーネの7名。
[ずっと2人の戦闘を見ていた。
そしてブリジットが悲鳴をあげた瞬間、思わず...は扉を乱暴に押し開けた]
ブリジットさん!
[と、同時に痛みによって混乱していると思われるブリジットが部屋から飛び出してきた。...はそれ以上の声を上げる暇もなく巻き込まれ、そのまま...は雪の上に落ちた]
/中/
取りあえず、色々、すまぬっ!
守護がいるどうかの確信が持てなかったんで、安全策に走りました……orz
お叱りは、エピにて存分に……orz
[集会場から飛び出してくる小さな影が見えた]
[遠目にも彼女が泣いているのに気づく]
あら、おしめかしら、それともミルク?
・・・それとも悪い夢でも見たのかしら。
[子供をあやすように身体を左右に揺らし]
[小さな声で子守唄を口ずさんでいる]
─森─
ちょ……? なん……で?
[コエが返らない、どころか。
そこにはいないはず、と聞かされたモノのコエが、聞こえて。
口をついたのは、小さな、呟き]
……どこ……に。
[声は、僅か、かすれたか]
[急所を狙った剣先もギリギリのところで避けられる
これでは拉致があかない。長期戦などやれば不利なのは明白だ
だが、先程までの動きからわかったことがある。
最初に切りかかったときは、浅く踏み込んだ。だからこそ軽傷で済んだといえる。そして急所を狙えばただ退くだけ…と。
狼だからかそもそもなのか。経験が、戦闘技術が違う
だからこそ、睨みつけながら隙を作るように、剣先をゆらりと揺らして誘い、乗ってきたブリジットの喉目掛けて剣を振るう。避けようとすれども、この距離ならば間に合うまい
耳を覆いたくなるような大声量の悲鳴があがった]
[緋色に世界にコエを投げても答えはなく。
掠めたのは、嫌な、予感]
まさか。
……それ……って?
[ふるり、小さく、首を振る。
認めたくない。
真っ先に浮かんだのは、それで]
[パラパラと、雪が落ちた。
煌々と光る月以外に見えるものはなく、聞こえるのはアーベルの声だけだった。
彼自身には、違ったのかもしれないけれど]
……どう、したの?
[座りこんだままに、アーベルを見上げる]
職人見習い ユリアンは、青年 アーベル を投票先に選びました。
職人見習い ユリアンが「時間を進める」を選択しました
……あは。
ちょっと、これ。
あんまり、笑えねぇ……。
[これまでは、誰が生命を失っても。
強く感情が動く事はなかったのに。
……リディを殺めた時でさえ。
血に酔っていたのを差し引いても、平静だったのに。
なのに、何故か、今は。
揺らいで、揺れて]
[右肩を抱え込んだまま。
響いた悲鳴と、その後に聞こえた呟きに顔を上げる。
最初に見えたのは、鈍く光る長剣で]
ジッ……!
[直後、翻った銀色が金色を巻き込むのが、見えた]
ランプ屋 イレーネが「時間を進める」を選択しました
誰も、って。
[酷く、不安定に思えた。
壊れてしまいそうに感じた。
揺らいでいたのは視界だろうか、身を起こしてアーベルへと手を伸ばす]
[不意に聞こえてきた悲鳴に顔を上げる]
二階?
まさか、また……?
[ふらりと立ち上がる]
[キッチンにいるクレメンスは気付いているだろうか?]
[「痛い」と呟くドゥンケル
本来ならば、追撃をかけるところだったが
頑強な体に目掛けてはなった一撃は、己の腕をも痺れさせる。
そのような状態で振るう剣は鈍くなってしまうのはわかっていて、迂闊に踏み込めず
その間に扉から飛び出し、窓を割って外に逃げていって]
ちっ!!逃げられたか…
[ミハエルを巻き込んだのまで視認できず、瞳の奥の朱金の光は収まり、その場に蹲る]
探偵 ハインリヒは、青年 アーベル を投票先に選びました。
探偵 ハインリヒが「時間を進める」を選択しました
[窓の外、何かが落ちる音]
[だけどここからは何も見えず]
ここにいてもわからないわね。
[クレメンスに一言声を掛けてから二階へ]
[急ぐ必要は無くなったのだろう、と男は思う。そして、この事態が、アーベルを変えることがあるのか、と]
[*二人の青年を見つめる瞳は、今は揺らがなかった*]
誰も……いない。答えが、ない。
[伸ばされる手、それには気づかずに]
……猩、グリズ、ライン……誰も。
それに。
ブリスも。
消えた……。
[最後に、緋色の世界で見たのは。
自分を呼んだ。緋色の名前──ヴィント、ではなく。
それは間違いなく、いつもの少女で]
……死んだって……コト?
マテウス、さん。
大丈夫、ですか…?
[蹲ってしまった人の傍にまず寄った]
あの。今、外に誰、か。
[朱花の一部を巻き込んだ傷は深く。
白い袖は緋色を吸い切れずに雫を落としている。
けれどそれより気になったのは]
金色…まさか。
[扉の外へ。窓の外を確認しようと。
全身の感覚が麻痺したまま、歩く]
[紡がれる名前は半分もわからなかった。
けれど、最後のひとつは、自分もよく知っている少女の名で。
――間に合わなかった?]
アーベ、ル。
[何も言えなくて、
ただ、
手を掴んで、
彼の名を呼んだ。]
[二階へ上がると一つの部屋の前で喧騒が聞こえた]
[そこに歩み寄り、中を覗く]
[血を流すイレーネと、蹲るマテウス]
…!
どうなさったんですか?
治療を…ブリジットさんかミハエルさんは?
[医療に長けた二人の名を呼ぶ。視線で探して]
[名を呼んで、ブリジットが人ではない事を思い出す]
/中/
中身がいっぱいいっぱいでザフィーアと戯れそこねたとかね(´・ω・`)
エピで遊んでください…・゚・(ノД`)・゚・
…ああ…怪我じゃねえから安心しろ
[怪我でもなければ。剣を振るったことによる疲労でもない。
ただ凶眼を使用した後は、どうしても負担が大きくて、本当ならこのまま意識を落としたい。
だが、外に誰か。という言葉に、それをするわけにもいかずに立ち上がって]
イレーネのほうが大怪我だろうが
[剣を鞘に収め床に落ちたコインを拾う]
シスター…ッ。
[呼ばれた名に、声が詰まる。
そう、金の髪。あれは多分ミハエルが]
外、に。
ミハエルさん、落と…!
[落とされたというのは何か違うと。
だから言い直した]
落ちてしまった、かも。
[手を取られ、我に返る。
その瞬間に、感じる、痛み。
震えは、確りと伝わる、か]
……探して、くる。
[ぽつり、零れる、呟き]
……俺が、見つけなきゃ。
でないと。
[自衛団に、見つけさせたくはなかった。
それを示すのが、解放に必須といわれた事など。
当の昔に抜け落ちて]
……俺しか、いないん、だから。
[剣を鞘に収めたところで、ふらっとするが、なんとか倒れずに踏みとどまって]
ちょうどいい時に来たな。シスター
ブリジットは人狼だった。で、今ここにはいねえよ。詳しくなにがあったかは後で言うが、イレーネの止血頼む
[そして、イレーネと同じように窓の外を見に行こうと歩き]
…。
[あの赤い世界で最後に成った真っ黒い塊でもなく。][あのリアルな世界で、銀色の狼でもなく。]
[灰色の世界には、少女の姿のままで、居られた。]
…。
[両手を見る。][記憶を辿る。][赤い世界に創っていた、自分であり自分で無い者たちが一つへと集まる。]
[別れていた意識が、一つへと還る。]
[そうして己の罪をまざまざと思い知る。]
[リディの声は聞こえたが。][答える言葉は持ってなかった。]
[窓へと歩み寄る二人を見守る]
何が……
[それ以上は言葉にできない]
[それくらいに妙に張り詰めた空気]
また、血が流れたのですか…?
[目を閉じる]
[願いは届かない]
…おおかみ。
[血に染まった視界の中、一人の少女の姿だけが鮮明で。]
次は、君を調べるつもりだった。
…命救う手の君が、人狼のはずが無いと思いたかったから。
[ブリジットが人狼で、彼女が死んだと言うのなら。
それを示せば、終わりのはずだった。
自警団の拘束も解ける。解放される。
だから、彼に探させずに、……ここで、引き止めるべきだ]
[でも、]
……、わかった。
[ハインリヒはどんな表情で、見ていただろう。
それに構うことはなかった]
でも、忘れないで。
苦しくても、辛くても、逆らって、
――生きるんだって。
[死んだものは、もう還らないのだから。
そう付け加えた言葉は、小さかった]
[自分がついていって、何の役に立つだろう。この身体で、この眼で。
だから、手を]
これは。
私のせい、だから。
[マテウスに首を振る。
どうしても確認せずにはいられなかった]
私が、遅かったせいで。
また。
[窓の外を見下ろした。
ピクリとも動かない影。上からではそれしか見えなかった。
けれど]
――ッ!
[麻痺している感覚の中ですら、鋭く衝撃が走った。
堪えきれずに、崩れる]
[声が聞こえる。][灰から、赤から、透明な世界から。]
…。
[言葉は出ない。]
[ただぼんやりと、そこに居た。]
[遠い赤い世界の声まで聞こえるのは。][やっぱり狼故だからか。]
[死んでまで逃れられないのかと。][表情は翳った。]
…いない、よ。
もう…誰も…。
[ようやく搾り出すように言ったそれは。][赤い世界の彼へと向けられた言葉。]
[灰色の世界から、この声が届かないのは分かっていたが。]
[逃れられないのに。][あの世界の声に。答えないままには居られなかった。]
ミハエルさんが?
[それを確認する間もなくマテウスから告げられた言葉]
ブリジットさん、なのですか?
[確認は、人狼であることではなく、これをなしたのがそうであるという事]
[止血を、といわれ急ぎイレーネの元に]
この傷…
[それは傷と呼ぶには大きすぎて]
[包帯を取りいく時間も惜しく]
[シーツを引き裂いて強く縛る]
専門家ではないから、我慢してくださいね?
[それでも、少しは出血を止める事はできるだろうか]
[離される、手。
蒼の瞳は静かに場にいる二人を振り返る]
ん……。
わかってる。
決めた、コト、だから。
[忘れないで、と言われた言葉に、一つ、頷いて]
……狼連中には、手出しさせないようにする、けど。
制御してた猩がいない、から。
長くは抑えられんかも知れない。
……だから、早く、戻れ。
[静かに言い置いて、駆け出す。
木々の向こうから、微かに感じる、血の匂いへ向けて]
そっか。
そっちのほうがずっと大事なんだね。
[それはシステムの所為かも知れなかった。
或いは少女には計り知れぬ事情があるのかも知れなかった。]
ぼくなんか、餌でしかなかったんだ。
最初から。
[それでも言葉は止められなかった。
表情は動かない。]
なに自分のせいだとかいってんだか
遅かったも速かったもねえんだよ
[イレーネの言葉に気遣う余裕もなくそう言って、ナターリエが駆け寄ったのだけ見ると、少しほっとした]
…ああ。そういうことになるな、シスター
理由だとか、そういうことは聞くなよ。俺にもわからんからな。
…。
[おおかみと呼ばれ。][振り返る。][誰を指しているか、今はよく、理解できた。]
…もっと早く、調べてくれればよかったのに。
[自分から死ぬ事なんて出来なかったから。]
私は、ううん、私たちは。
自分の血の中に、狼が眠っている事なんて、知らなかった。
知らずに、ずっと、ずっと。
救う手と同時に、殺す手も、伝えて。
…。
[知らなかったから、どうだというのか。][言葉は、それ以上は続かない。]
…大事。
大事なモノなんて、何も。持たない。
[そういえば赤い世界で。幼い意識が風に『大切なもの』を答える事は無かった。]
[つまりそれは自分にも言えることで。]
リディだけじゃないよ、餌は。
[呟く。][それは何の慰めにもならない、ただの事実。]
[一瞬、瞳に正気が宿る]
人と同じ・・・いえ、むしろ人よりも、暖かかったわね。
[自衛団員に撃たれた箇所を左手で押さえ、なぞり]
[自分が喰らわれた時の状況を思い返し]
[目を閉じて、ブリジットのため*神に祈った*]
[剣を軽く抜き、己の腕を少し切る
滴り落ちる血。だが痛みで薄れていた意識が少しましになって
イレーネを支えるナターリエを押しのけて、イレーネを抱え上げ]
下に行くぞ。ここから見てるだけじゃ何もできねえし、イレーネの傷もここじゃたいしたことできん
[そういってずかずかと、階段を下る]
[駆ける間に、その姿は風となる。
蒼の風の狼へと。
ヴィント──『風』の名は。
遠い昔の第一の覚醒の際に、瞬間触れた、緋色の世界で。
父が自分を呼んだコトバだったかと。
今更のように、思い出しながら]
『嬢ちゃん邪悪になったなー。俺等の集まりだからショガナイけどヨ。』
「口が悪くないだけマシだ。」
『え、それ俺のこと?旦那ァ?』
「…。」
[傷口を縛られたことで、落ちる雫は少なくなってゆく]
ありが、とう、ございます。
[崩れかけた所もナターリエに支えられた。
もう何度目になってしまうだろう]
…は、い。
あの。下、恐らく、は。
あのまま、じゃ。
[マテウスの言葉にも切れ切れに答える。
遠く聞こえるのは狼の声なのだろうか。
正確に伝えられなくても、彼ならわかってくれるだろうか]
一人で背負い込んではダメよ、イレーネさん。
少し落ち着いて休んだ方がいいわ…
[今はそれは無理な話だとも思ったけれど]
何も聞きません、今は。
理由なんて、きっと本人にしかわからないと思いますもの。
[そして、本人にもわからないのではないか、と]
[木々の間、どれほど駆けたか。
やがて、森の中の異変が目に留まる。
雪の上、何かが引きずられたような、跡。
そこにつく、あかいあと]
……こっち、か?
[呟いて、その先へ。
血の匂いは、更に強くなり、そして]
は、ぁ。
[大きく、息を吐き出す。
白く染まった。
手袋を嵌め、上着を羽織り直す]
ん、……行きます、か。
[一歩ずつ、けれど、なるべく速くと急いで、歩みだす。
手を貸すかと聞かれたけれど、断った]
自分の足で歩いていかないと、いけないんだし。
それに狼の警戒、しておいて下さい。念の、ため。
[乱れる髪を掻きあげ、前をしっかりと合わせる。
寒いのは、気温の低さだけじゃなかった]
/中/
ココロの流れと状況はかなり急だったなぁと反省。
私が頭悪いからですよねorz
連携不足?もっと相談すればよかったのかなぁ…?
とはいえどーやりゃいいのか。あんまり色々思考変えると悪いし…←元々優柔不断。
向いてないのk(おまえ
とりあえず次はまともな人やっとけという話(ぁ
……あ。
[歩みが、止まる。
森の中の、小さな広場に横たわる、銀の身体]
…………。
[何と呼べばいいのか、一瞬、わからなかった。
余りにもたくさんの名前があって、皆違って。
畏怖を抱いたもの、苛立ちを覚えされられたもの、懐いてじゃれついてきたもの。
それら全ての源となるものがいる、とも聞いたけれど、それは知らなかったから]
……ブリス。
[一番呼び慣れた名を、そう、と紡いで。そっと、その近くによる]
大事じゃないなら、どうして探しに行くのさ。
[駆けていく蒼い狼。]
ずるいよね。
あんなに簡単に食べてしまって、平然としていられるんだ。
[ブリジットのほうは見ない。
あくまで淡々と紡がれる、幼い感情。]
ぼくにはきっと殺せなかったのに。
[小さく頷いたイレーネを見て軽く頷き返し]
聞かないでくれるのは助かるな。今そんなに余裕ねえんだよ
[といって、イレーネを抱え、ナターリエを伴い、一階。広間へと下ろし]
見てくる。シスター、イレーネ任すぞ
[端的に告げて、引き止められなければ外へと]
[歩みながら、考える。
誰が殺したのか。
集会場にいた人間に違いない。
アーベルのことを、どう捉えるだろう。
残りたい気持ちもあったけれど、そちらの方が心配で、何より、自分の身体がそう持たないのなんて、よくわかっていた]
本当に、……嫌になる、な。
[月のひかりは絶え間なく降り注いでいるのに、酷く遠い]
[生命が既に絶えているのはわかっていた。
答えがない時点で、それははっきりしていたから。
雪の上の、銀の身体。
それは、既に冷たくて]
……あは。
なんか……寂しい、な。
[小さな呟きが、零れる]
でも、さ。
俺は、お前がいて……お前らがいて、よかったんだ。
……色々、安心してたんだ。
だから……さ。
[広間へと降りて、イレーネを楽な状態で下ろすのを見届けてから、マテウスへと目を向ける]
はい、イレーネさんはお預かりします。
お気をつけて。
[何があるかわからないから、と付け加えて、マテウスを見送る]
[呟きは、緋色の世界の内に零れ。
そして、蒼狼は、そのまま。
その場で目を閉じ、体を丸める]
……さて……これから、先。
俺、どうしますかね、と……。
[死ぬ気はない、けれど。
他者を牙にかけたいと思いもしない、けれど。
システムに抗うために、ここから離れるためには。
どうすればいいのかと。
そんな事を考えつつ、その場でまどろむ。
戻るべきかどうかを決めかねているのもあるが、今は、唯一の同胞と*共にありたくて*]
青年 アーベルが「時間を進める」を選択しました
[リディが何を指しているのか。][ぼんやりと、視界を広げればようやくそれが分かる。]
[蒼狼。近しい兄のようだった人。]
…アベル、は。
ヴィントは、猩を、グリズを、嫌ってた。
私は…。私は。どう、思われてたかなんて、分からない。
[他人の気持ちには元々疎いのも手伝って。][嫌われては居なかった、はずだけれども。]
[殺せなかったと、ずるいという幼く感じる感情には。][少し、考えて。][思い出しながら。][言葉を捜して。]
アベルは。途中で、大切なものを、望みを、変えてしまったから。
[平然としていたかどうか。][赤い世界での彼の様子は、口を噤んだ。]
[彼の心の中を。][代弁する事などできるはずが無かったから。]
[森を抜ける。
狼たちは、襲って来なかった。
白い雪の上に、点々と痕が残されている。
視界に焼きついて残る、赤]
……ブリジットの?
[それだけでは、ないように見えた]
[ナターリエに、頼んだ。と言い残し、外へと向かい、先程外から覗きみていたところに向かう。
雪の上には窓ガラスと、血が飛び散っていて、そしてその中央にミハエルが横たわっている]
…悪い…あそこで仕留められてたら……いや、もしもの話なんてしても仕方ないか
[悲鳴を上げる間もない、本当に一瞬だったのだろう
ミハエルの体は潰され、爪によってかところどころ抉れていて、その亡骸をそっと手で触れる]
[其処に滲むのは嫉妬心だったのかも知れないし、疎外感だったのかも知れない。
少女には初めてのそれが何であるかなど分かりはしなかったし、如何でも良かった。]
・・・ぼくがいなくたって、なんにも変わりやしない。
[森から眼を背け、足を踏み出す。]
知らない。
[ゆっくりと紡ぎだされるブリジットの言葉も、聞きたくないと*眼を閉じた。*]
…弔いは…明日まで我慢してくれ
[ミハエルを抱えあげようとして、また意識が霞むために、懐の短刀を腕に浅く突き立てた
その痛みに顔を顰めるが、意識はこれでもう少しもつだろう。
抱え挙げて入り口の近くまで運ぼうとしたところに、人影に気づき、そちらを見て]
ユリアンに、ハインリヒか
何していたのか知らんが、おかえり。で、今悠長に挨拶できる状態じゃないんで話があるなら集会所でな
[そういいおいて、入り口近くまでミハエルを運ぶ]
きを、つけて。
[ナターリエと同じように見送る。
というよりもそれしかできなくなっていた]
シスター。
…ありが、とう。
[衝撃の影響が薄れてくれば、意識を繋ぎ止めるだけでも精一杯だった。
失血、風邪、食事が取れていなかったこと。
心に引き摺られて身体を考えなかった代償。
そしてその心もまた、過度の負担を覚えていたから]
どうすれ、ば…。
[それでも必死に考える。
この後はどうすればいいのかと。
最後まで諦めないと言っていた人は、どうするのかと]
……ミハエルさん。
[ただいま、という言葉は紡げなかった。
間に合わなかったのは、ひとつだけじゃない。
金の煌めきを持った青年は、もう、口を開くことはない]
話、
わかりました。
[頷きを返して、ゆっくりと扉を開いた]
[そして倉庫に一旦行って、また戻り、ミハエルの遺体を布に包み]
ふぅ…さすがに…きつい…くっ…
[今更になって、ドゥンケルによって付けられた肩の傷口が傷みだす]
[イレーネが微かに呟く。
出血から見れば意識を保つのがやっとだというのに]
今は、ゆっくりと休む事が大事だわ。
そうでなければ、何も考える事も出来ないもの。
[微笑む]
[こんな時でも笑える自分が少し嫌になる]
傭兵 マテウスが「時間を進める」を選択しました
…変わった事も、あったよ。
[でもリディは言葉を聞く耳は持たないと、顔も意識もこちらへは向けず。]
[彼女を殺したのは彼で。][結局の所それは、誰にも如何する事も出来なくて。]
[だから結局、自分が何を言っても仕方のないことだと。]
[無論、謝罪など。][口に出来るはずも無い。]
[それは彼女に、だけではないが。]
[どこからか、子守唄と、祈りの声が聞こえた。]
[目を閉じる。眠りはしないが。][声だけに耳は傾けて。]
…ふん…ここで倒れるわけには…いかんな
[そういって広間へと戻り
広間の面々に、ミハエルが亡くなったこと。
ブリジットが人狼だったこと、など、起きた出来事のみ端的に告げ
己の治療、する人間がいなければイレーネの傷口も治療し、*自室に引き上げるだろう*]
嫌ってても、疎んでても。
寂しいよりは、よかった…?
[蒼い風の呟きには、ぽつりとそんな事を心の中だけで。]
[リディの事があって、表には出せなかった。]
[居てよかったなんて、言われた事は初めてだったから。]
[そういう存在になれればいいなと、そういえば話していたのはユリアンとだったか。]
[少しだけ。少しだけ。][温まった。][ココロが。]
[ナターリエに小さくコクリと頷く。
見えた微笑に、どうにか小さく唇を笑みの形にして返す。
そして響いた扉の開く音にそちらを僅かに向いて]
あきら、めな…。
[だが一度認めてしまうと、崩れるのもまた早く。
誰が入ってきたのかも確認できないまま、音と光が一度*絶えた*]
[戻ってきたマテウスからミハエルの死を告げられる]
……あぁ……。
[予想できたことではあったけれど、それでもやはりその事実は重い]
[その場に座り込み、目を閉じ、祈る]
[もう、その祈りに意味があるのかさえ*解らなかったけれど*]
[惨憺たる有様だった。
ブリジットとミハエルは死に、マテウスとイレーネは怪我を負っている。
ただ、黙って、マテウスの報告を聞いた。
皆の疲労もある。
アーベルの事は、今すぐには、話せなかった]
[以前より更にぼやけた視界では治療の手伝いもロクに出来ず、その間に最低限の食事だけを取り、一度、階上へと向かった]
[リューディアの部屋に入ると、鴉は忠実に、そこにいた]
……ありがと、ザフィーア。
いてくれたんだ。
[クァ、][鳴き声があがり、片翼がバサりと羽ばたかれた]
[綺麗にさせられたリューディアは、本当に、眠っているだけにも見えた。
枕元には、赤い染みの残るバンダナ。かけられた毛布の下には欠けた肉体があり、二度と目覚めないと知っているのに]
なんでだろう、ね。
[ベッドのすぐ傍に膝を突いて、シーツに顔を埋める]
昔みたいな時間を、過ごしたかったんだ。
ただ、それだけだったのに。
[手を握る。やはり、冷たい。
寒さの下に晒されたゆえではなく、生命を失った冷たさ]
こんなふうにしてたら、笑われるかな。
[苦笑した。
今、浮かべられる笑みは、それだけだった]
ごめんね、リュー。
もう少しだけ、待ってて。
[そんな素振りは見せないけれど、疲労しているであろうザフィーアに手招きをする。肩に乗った鴉の黒羽を撫ぜる。
自室で荷物を取ってから、階下へと、再び下りた]
[イレーネの治療を終えたナターリエに話を聞いて、看病を申し出る。
断られても、自分が出来る事は数少ないからと、些か強引に頼みこんだ]
[眠るべきと理解はしていたけれど、なかなか眠れそうにはなかったから、その傍らで、袋を広げた。
ザフィーアは羽根を畳み、眼を閉じている。
優しくも寂しい月のひかりは、世界を少しだけ*明るく照らしてくれた*]
--誰かさんたちの会話--
『てかあの兄ちゃん踏んだら死んじまってるし。ごっめーん★
これもやっぱ、俺等の所為デスよねェ?
ちっと踏んだだけで殺っちまったよ。なーむー。』
「…脆弱な(ぼそり」
--誰かさんたちの会話--
『にしてもサー。
ヴィントの兄さんどうすんでしょネ。
システムに離反する、とか出来るんです?』
「さあな。我等が知る由も無い。
…尤も、手伝い手はあるだろうが。あの神父。」
『ああ…なるほどー。ってさ。俺等も我慢してりゃ、こうはならなかったンじゃ?
俺の所為デスかね!?』
「…さぁな。
だが。貴様がドゥンケルに侵食されていた時点で限界はきていただろう。
綻びなど、その前からとうに起こっていた。
…ドゥンケルとブリジットが、入れ替わっていた事すら気づかなかったからな。」
『んまぁ、そうですけどヨ。
やっぱりちょっと…ねぇ。
ほら、ヴィントの兄さん、俺等が居て安心て良かったーって言ってくれてるデスよ?』
「………………それが、どうした。」
『………………いや、イイですけど。素直じゃn(蹴られ』
セロリですか
[シスターの言葉ににっこりと笑う]
[当然のごとく、使う品にそれが入ったことは言うまでもない]
覚えておきましょう。
[包丁を動かす]
[どさりと]
[音が聞こえて――口端が持ち上がった]
[また咲いた赤い花][一輪 二輪]
[鮮やかな色が心を蝕む]
マリア・・・わたしの赤ちゃん、どこ・・・?
[森への入口]
[手で木の根元を掘り返している]
[爪は剥がれ][指先は裂け][また花が咲く]
[冷たい土の感触すら][感じることはできないけれど]
ええ。
お気を付けてください。
[彼女が二階に向かう]
[その時には笑みが消えて]
[手を止め、外を見る]
ミハエル君、死んでしまいましたか。
ご冥福をお祈りしますよ
[それから再び包丁を動かす]
[千切りにされたセロリとにんじん]
[スープにそれをいれ、塩コショウで味を調えた]
[食べない人はいるかもしれないが]
神父 クレメンスが「時間を進める」を選択しました
神父 クレメンスは、青年 アーベル を投票先に選びました。
[それだけではなんだったし、手早く取れる食事を作る]
[じゃがいもを茹で、それをつぶしてポテトサラダ]
[つぶしていない分を細くおろして、たまねぎと一緒に硬くつぶす]
[チーズを一緒にしてそれを皿の上においておいた]
[誰でも勝手に食べるだろうと]
[広間に戻るとちょうどマテウスが戻ってきたときだった]
[話を聞いて、立ち上がる]
ああ、いえ。
食事を用意したので、食べて下さいね。
俺は…いえ、俺も部屋に戻りますから
[マテウスが自室に引き上げた後、そう言って広間を出た]
[外は寒い]
[そして自分の部屋に、入った]
―二階・部屋―
さて、シスターはどこまで本当だと思っているでしょうねぇ
[小さく笑った]
[かばんを開ける]
…いやぁ。まさかこの中に
[一つ、大き目の宝石を取る]
この薬が入っているとは、誰もしらないでしょうけれど。
さて
アーベル君に話さないといけませんねぇ。
俺は死ぬつもりもありませんし。
[*闇は深い*]
[ユリアンが部屋を去るまで、ずっとそれを見ていた。
幼馴染みが視線を向け、声を掛けるのは、眠るような抜け殻にだけ。此処にいる存在に気付いては貰えない。]
ごめん。
ぼくはまだ赦せそうにないよ。
アーベルも、もしかしたら君のことも、
ぼくと同じになれば良いって思ってる。
[何時もの呼称は使わない。何を待てと言うのか、その言葉の意味を理解しないまま、届かない恨みと妬みをその背に投げた。
それが子供じみた感情だということはきっと理解しているけれど、どうせもう大人にはなれない。
色のない少女の内側に、黒が*溜まり始めていた。*]
―薪小屋―
[朝を迎え、目を覚ました後、そこにいた]
[――ガツン!]
[ぱらぱらと砕ける宝石]
[その中に小さな丸薬]
[仮死状態を作り出す薬――の筈だ]
あぁ、ようやく割れましたねぇ。
もし奴らでしたら嫌ですし、アーベル君には実験
…いえ、仮死状態になってもらえばいいですよねぇ
[試していないらしい]
[人狼の死を確認しなければ、場が崩れたとは思われない]
[ならば仮死状態にすればもしかしたら大丈夫だろうかと思っただけだった]
[決してそれを、力を持つ者には知らせないという条件の元で]
まぁ俺が試すより安全でしょう
人狼ですし、治癒能力もあるでしょうし…
[丸薬を取り上げて]
さて、有無を言わせず飲ませちゃいましょうかねぇ
[*物騒な事を朗らかに呟いた*]
ん、しょ……と。
[イレーネの額に乗せられたタオルを取り替える。
大分、温くなっていた]
……包帯も、替えないとね。
[自分の右腕へと、視線を落とす。
手当てをしてくれた薬師の少女は、もういない]
[立ち上がり、キッチンへと足を向けた]
[意識を広げる。
どこまでも、どこまでも。
それが虚しいコトなのは、当にわかっているのに。
止められなかった。
自分自身、滑稽であると、感じているのに]
……あは。
ばっかみて……。
[小さな呟きが、ぽつりと落ちた]
『自分』が『ひとり』なコトなんて。
……ほんとは、あの時から、ずっと、わかってたのに。
[往生際悪すぎ、と。
自嘲するよに吐き捨てて]
……こんなとこ、か。
[呟いて、見つめるのは小さな雪の山。
その上に、目印になるように小さな花を添えておく。
白の中には、銀の狼が隠されていた]
……少しだけ、我慢しろよ?
ケリがついたら、ちゃんと……兄貴んとこ、連れてってやるからな。
[お前は『ひとり』じゃないから、と呟いて。
一つ、息を吐く]
さて、と……。
いつまでもここにいても、ラチ開きゃしねぇし……。
どうにかして、システ……。
[システムの呪縛を打ち破る。
言葉に落とすより早く襲う、痛み]
……早いとこ、何とかしねぇとな……。
血が、必要に、なる前に。
とはいえ、こんなややこしいコト、知ってそうなの……。
いや……ゼイタク言えねぇ……。
[宛もなく暴れまわるよりはきっとマシだと繰り返し念じつつ。
ともあれ、ゆっくりと、音もなく、*集会場へと歩き出した*]
/中/
一人遊びで赤を無駄に増やしてみようかと思ったが、ネタが追いつきそうにないので自粛。
(ていうか、最終日生存組の苦労を無駄に増やさない。
でも、3700以上余られていると、ついっ……orz)
[仄かに甘い香りを含んで、薄く湯気が漂う。
見つめていた手のひらから視線を上げ、ふるりと首を振った]
[カップを手に広間に戻り、暖炉の前に陣取ると、両の手で支えてゆっくりと傾けた。
あたたかさとやわらかい味が、気分を落ち着けてくれる]
[静かだった]
意味味の無い行為。
死ねば等しく土に還る。人間も人狼も。
死は区別しないから。土も、森も。
[自分の中の一つが否定して。]
…それでも、ありがとう。
[ぽつり。][自分の中の一つが肯定する。]
[思考が、混ざる。][一つに還ろうと。][だからどれも等しく、自分の言葉。]
―広間―
[偶に意識が浮かびかけても認識まですることはできず。
ただ誰かが傷を治療してくれたこと、そして何度か額に当てられた布が替えられたことをかろうじて感じただけ。
痛みと熱と。
傷によるものか、無理が祟ったものか。
それとも一部が失われてもまだ、色を失わずにいる朱花がもたらすものか]
――ん。
[再びうすらと目を開いた時には。
どれだけの時間が経ったのかも分からなくなっていた]
―広間―
[「探してくる」と言ったアーベルを、男は止めなかった。同情したからではなく、彼が行きたいと本気で思っているのなら、結局自分に止める力は無いだろうと知っていたからだ]
[ユリアンが止めたのであれば、違ったかもしれない。だが、自分では、彼にとって「障害」にしかなれない。そして障害を排除しようとして、彼の中の人狼としての衝動が目覚めてしまったら、そこでおしまいだったろうから]
[結局の所、男は余所者でしかない]
―外―
しかしあんな規格外のもんとやりあって、よく生き残ったもんだ
[昨夜自室に寝にいき、倒れるように寝た...は今更ながら思う
人狼を追い払ったとはいえ...は全く誇らしいとは思わない。
運が…コインの結果がよかったということだろう]
だからといって、傭兵辞めて墓堀になる気もねえんだけどな
[アマンダ、ノーラ、エーリッヒの墓の近くに作り上げた穴を二つ見ながら呟く]
[集会所に戻り、マテウスに事の次第を聞いても、新たな感情は産まれなかった。鉛の塊を飲み込んだかのような痛みは鈍く、熱く、心の奥に燻ってはいたが、現実の傷を負った者達とは比べるべくもなかっただろう]
[弱った身体でイレーネの看病を申し出たユリアンを、手伝う事もなく、暖炉からは離れた窓辺に座り、眠れぬ夜を明かした]
[黒鳥の鳴き声に瞬く。
更に届いた声に身を起こそうとして]
ッ。
[癖で右手を使おうとした。
痛みに動きが止まる]
…うん、ちょっと、痛い。
[呼吸を整えながら、とりあえず答える]
[あの赤い世界で。][最後に言った言葉を後悔はしていない。]
[こころから。][そう思ったから。]
[今も。][そう思っているから。]
─集会場・外─
……ってと。
[集会場から少し離れた場所で、小さく呟く]
とりあえず、どーしたもんか……。
[何も言わずに姿を消すのは簡単で。
しかし、それでは、ここは解放されず。
知らぬ事と見捨てて行くのは容易くて。
……でも、痛みを伴うものだから]
あー……めんどー……。
/中/
実際の所、アーベルはどうとでも動けてしまうのですよね。
死亡してシステムエンドでも、生存して希望エンドでも、どちらでも対応できる余地がある。
故に、困っていたりする(汗)。
村側が、どちらのエンドを望むか、にもよるのだよな。
ただ、穏便に話すだけじゃ面白くないじゃないか、という思考ががががが。
軽く死にかけるにはどうすればいいか→軽く暴れましょう(短絡。
掘っておけば、後は誰かがやるだろ。
ミハエルのほうは親が引き取りにくるかもしんねえし…さて、どうしたもんか
最低限の仕事はしたとはいえ、出れねえとどうしようもねえからな。
[スコップを地に突き立て、そこにもたれかかるようにする]
そ、っか。
ちゃんとした手当て、受けないと……
でも、どうしたもんかな。
[「人狼は死んだ」。
そう証明する手段――「彼女」はここにいない。
それを引き渡す気も、なかった。
そして、まだ人狼が生きている以上、システムは動いているのではないか]
とりあえず、何か、飲む?
って、言っても
[ゆっくり瞬く]
水か、ホットミルクくらいしか用意出来ないけど。
……包帯の取り換えも、頼まないとね。
……な。
お前らなら、どうした?
[答えはないとわかっていても。
つい、零れるコエ]
……まあ、全部喰い尽くせばいい、で終わっちまうのかもしれないけどね……。
[くすり、零れる、笑み。
逐一反発していた、煽るような物言いすら、今では懐かしく思えて]
……あは。
重症。
[自嘲が、掠める]
―薪小屋―
[がつと音がした]
[思いっきりぶつかった音だった]
……たぁ
[ちらかった屑宝石を片付けた]
[のだがまた少し散らかった]
―広間―
[ミハエルのために(もしくは自分のために)祈りを捧げた後、
眠りに落ちたイレーネの傷の手当を]
本当は、一刻も早くお医者様に診ていただくべきなのですけど。
[その傷は、怪我、などと言う生易しいものではなかったから]
[しかし、相変わらずここを包囲しているであろう自衛団を思い出し]
……あの方々がそれを許すとは思えませんわね。
[そう言って溜息をついた]
--誰かさんたちの会話--
『ロットの兄さんとこに埋められるんは嬉しいかも。
…っても、兄さんらの墓なんて無いデスけどヨ。』
「森へ還るようにと。標など必要としなかったからな。」
『うんうん。
ところで旦那。
村の連中、俺等の死体とか無くても信用しますかネ?
あそこの連中に、もう狼居ないってコト。』
「知るか。」
『……墓掘り返されなきゃいいデスけど。』
…うん、でも。
[薬師だった少女はもういない。
医療の知識を持っていた青年ももういない。
それはもう確認するまでもないことで]
お水、欲しいな。
喉渇いちゃった。
[できるだけ普段通りに答えて。
左手に力を入れて上半身を起こしてゆく。
それだけでもかなりの時間が掛かってしまった]
--誰かさんたちの会話--
「よく解っているな。」
『まぁあんだけ言ってればネェ。
ヴィントの兄さん、大層可愛げが出てきたような。
…孤独って、誰でもそうさせてちまうモンなんですかネ?』
「……。」
『返事がない。ただの屍のようだ。』
「死んだからな。」
[一頻り、笑うコエを風に散らした後。
その表情は引き締まる]
……あいつらを納得させられるのは、人狼の死体だけ。
だからって、俺はそのために死ぬ気はない。
[他者のために死ぬのは、彼の最も嫌うところで]
……とはいえ、自衛団連中軒並み薙ぎ払っちまう訳にもなあ……。
[そこまでの力は自分にはなく、何より、その結果が容易に知れるから]
どっかに抜け道、ねぇもんか。
……やっぱ、持ちかけてみるかね……。
[今、ここにいる中で、最も得体の知れぬ人物。
それ故に、何かを知っていそうな人物。
どこにいるかと。
感覚を研ぎ澄まし、気配を追う]
[イレーネの看病を、と言うユリアンに彼女を預けて]
[本当は彼にも休んでいて欲しかったけれど、
「何かをせずにはいられない」と言う様子に押し切られるように]
[クレメンスが用意した食事を少しだけ口にする。
食欲は無かったから、少しだけを]
[彼に対する疑問はあったけれど、彼が何かをするとも思えずに]
……セロリですわね。
[スープの中のそれを見つけ、一瞬黙った後で小さく笑う]
[嫌がらせではなく、彼なりの冗句と受け取って]
どこまでが本気で、どこからが嘘なのでしょうね?
[それを聞いたものはいないだろうけれど]
まぁもういいでしょう。
これだけ片付ければ満足ですよね。ええ満足ですとも
[自分にとってはのことを呟いて]
ああしかし。
どうしてドジなの抜けなくなっちゃってるんでしょうねぇ…。
困ったものです
りょーかい。
[軽く答えて、空の器を手に立ち上がる。
キッチンに入ると、置いたカップの代わりに、硝子の反射する光を辿ってグラスを手に取り、蛇口を捻った。一つ一つの動作に、以前より時間がかかるのが煩わしい。
溢れ出して手を濡らす冷たさが量の多さを伝え、余分を捨てて水を止め、広間に戻る]
どうぞ、……っと。
……花、何か、変わった?
[その後も、そこにいる人々が気になって広間を離れる気にはなれずに]
[彼らを見守りながら時を過ごす]
……システムを、崩す、ですか…。
[その言葉は何の苦痛ももたらさない。
その枷を負わないからこそ、何か出来ることはないだろうか、と]
[そんな事を考えながら]
……そこ、か。
直進すると、厄介、かな?
[人のいる場所、距離。
記憶の中の建屋の間取りと、気配の配置を大体重ねて]
……裏側まわって……かな。
[小さく呟き、移動をし始める。
低い姿勢を取り、広間側を避けるよに。
音もなく、薪小屋の方へと]
―広間―
よぅ。あれから何か変わったことはあったか?
イレーネの容態はどうだ?
[広間に入るってすぐに、そこにいる面々へ声をかける]
[広間の片隅]
[動く気配にそちらを見て、安堵の笑みが自然と浮かんだ]
…イレーネさん、気が付いたのね?
[驚かさないようにそっと、小さく声を掛けて]
[だけど、身の回りの事はユリアンに任せて]
…しかし
どう言って飲ませましょうねぇ
[手のひらのほんとに小粒のそれを見る]
[毒々しい赤色]
[ガーネットの中にあったから変色したんですかねぇと呟いた]
--誰かさんたちの会話--
『規格外で悪ぅございましたヨ。
旦那も災難だったネェ。
まぁ運が悪かったと思って諦めてサーセン。』
「…ところで守護者と霊能者はどこだ。」
『そういやシスターも違うんかぃ。
あの豪快な姐さんはどっちかなヨカン。
…やっぱりあの旦那じゃねーの?』
─薪小屋・前─
[ぐるりと裏を回って近づいた薪小屋。
そういや、ここに割れた皿を片付けたのは何日前だったかな、などと。
そんな事を、ぼんやりと考えつつ]
……なーに、こそこそぼそぼそやってんの?
[それは自分も、な気はしつつ、一応棚上げにして、声をかける]
[窓のすぐ傍で外を眺めていた男には、身を低くして通り過ぎる青年の姿は見えたかもしれない。いや、もっと前からその姿を視界に捉えてはいたか]
イレーネが目を覚ました。それくらいだな。
[けれど、マテウスの問いに答える声は常と変わりなかった]
[外から戻ってきたマテウスに気付き]
先ほど目を覚ましたようですよ。
とりあえず一安心と言うところでしょうか。
[イレーネの容態を問う言葉にそう返して]
でも、早くお医者様に診ていただきませんと。
ここでの治療には限界がありますから。
シスター。
[どうにか身を起こせば、ナターリエの姿。
小さく頷いて、大丈夫だと伝え]
ありがとう。
[戻ってきたユリアンからグラスを受け取る。
冷たい雫は外にも付いていて、指を濡らした]
…どう、かな。
[受け取ったグラスから一口だけ飲んで。
右肩へと視線を落とす。
その1/4近くを欠いても、未だ鮮やかな朱色]
もう、探さな…ッ。
[口にした途端に走る鋭い痛み。
グラスが揺れ、スカートへと水が零れた]
[マテウスの声、それに答えるナターリエとハインリヒの声。
痛みをやり過ごしてから、ゆっくりと視線を巡らせて]
ご心配、おかけしました。
[二人の男性へと小さく頭を下げた。
本当はまだ過去形にできるものでもなかったけれど]
あは。
[返事が返り、つい、笑いが零れる。
それは、今までは緋色の世界でのみ響いていた。
どこか、幼げな、コエ]
だって、見つかるとヤバそうだし?
[言いつつ、す、と薪小屋の中へと入り込み]
ええと、お久しぶり?
[軽く首を傾げつつ、こんな言葉を投げかける]
おやおや、別に危険じゃないと思いますけどね?
まあ君がそう思うならそれで良いでしょう。
そうですねぇ、久しぶりですか。
お元気そうで何よりですよ。
色々大変だとは思いますけど?
[にこと笑った]
[痛みに顔を歪めるイレーネの姿に、僅か、目を細める。その痛みが去らない理由を男は良く知っていた。人狼は滅びず、人も死に絶えず、システムは未だ動き続けている]
[パシャり、][小さく水音が立つ]
わ、
……イレーネ、大丈夫?
[大丈夫とは思えなかったけれど、口をついて出た。
それはつまり――終わっていないと告げているのか]
厄介なの……。
そうか。ま、一安心ではあるな
[ハインリヒとナターリエの言葉を聞いて
応急措置は自分にもできる…が、ブリジットのようにとはいかない。
だが、システム云々は知らないが、精神的に苛まれているこの現状も、イレーネの体には毒であろう。と、視線をイレーネに移すと、その目を合って]
気にするな。勝手にやっただけだしな
…そういや、アーベルの姿を昨日から見ていないが、誰か知らんか?
イレーネさん、大丈夫?
[それが傷の痛みなのか別の要因なのかはわからない]
[だけどイレーネが苦しんでいるのは確かで]
……止めるには、見つけるしかないのでしょうね。
[選択肢は狭まっていて、だから余計に考えたくはなかった]
案外、ヤバイのは俺自身かも?
[声は楽しげだが、それなりに切実で。
未だ、蒼花のあまさを忘れられぬ身には。
傷ついた朱花は、誘われるモノでもあり]
元気は元気、だな。
痛くて仕方ねーけど。
大変……ホント、大変だよ。
このままいくとまた、抑えが効かなくなるからな……。
[リディ喰った時みたいに、と。
呟きはごく小さく]
そうですね。
それがシステムですから。
[対するのは、特別なんとも思っていないような声]
ユリアン君を食べたりしたくないんでしょう?
本当は、リディ君も食べたくなかった?
[ナターリエの、見つけるしかない。という言葉に、思わず、腰にさす剣を見る
腕をすぐに変えれない以上武器を変えるしかない。昨日から頼んではいたが、まだ己の情報やからは届いておらず]
シスターもか
昨日部屋を覗いたが、少し散乱しててな。誰かと争った様子もないから、ただこの状況に苛立っただけかと思ったが
[そこまでいって顔を顰める。顔を顰める理由は心配と疑念]
…ホントに。
[濡れてしまったスカートに溜息を吐く。
ユリアンに肯定を返そうとするだけで走る痛み]
…これを、消したら。
崩れるのかしら。
[当然増す痛みに俯きながら小さく呟いた。
ずっと欲しかった朱花。
けれど今となっては邪魔でしかないそれ。
我侭だとは思いつつも、消えることを望んでしまう。
大きく息を吐いて顔を上げた。
アーベルの事は分からず、小さく首を横に振る]
[マテウスの問い。
微かに震える身。
右手で左腕を押さえて、
息を吐き出した]
僕は、
……知ってる。
[それは、二つの意味を持っていた。
どちらの意味に聞こえたかは、わからないが]
外…か
[立ち上がっていうハインリヒ。続いてユリアンが微かに身を震わせながら、知っているという。この二人はそういえば…]
……昨日、何があった?
……ああ。
[返す言葉は、短く]
今更、こんなコト言っても、意味ねぇが。
あの二人だけは、俺が喰うのも、猩に喰われるのも。
嫌だった。
[いつかの事、緋色の世界でのやり取りを思い出しつつ呟いて]
…大丈夫、です。
[ナターリエにもう一度頷く。
調子も悪い。痛みも消えない。それは隠し様もなかったけれど。
それでも、同じ痛みを持つ人がいることを知っていたから。
その人もきっと。必死に抗っているから]
…希望を。
願っちゃ、いけない、のかな。
[立ち上がったハインリヒへと視線を向ける]
[階下から多くの人の気配。
生者の世界。
余計に孤独を感じてしまいそうで、其方には行きたくなかった。
代わりに居るのは白い世界。
名を呼ぶ声に誘われるように、ふらりと小屋を訪れた。]
ならば手を貸しましょうか?
俺を助けてくれたお礼も兼ねて。
[ついでに兼ねている物は何なのか]
[まだ手の内は見せず]
俺としても喜べることですからねぇ。
ここから解放されるのは。
……そうね、こんなシステムは崩してしまうべきだわ。
こんな、痛みと苦しみと…悲しみしか生まない物は。
[イレーネには口にできないであろう言葉]
[それを口にしても何も起こらない]
//
ところで、今更ですが。
PC視点でどこまでシステムの話、聞いてたっけな……!
お婆の御伽噺で聞いた、でもいいかな……!
……あは。
内容の提示ナシで、最初から二択かよ。
[突きつけられた言葉に、思わず零れる、コエ]
……とはいえ、俺に、選択の余地はねぇんだよな。
[自身の力だけでは、どうにもできぬと、知っているからこそ。
この男の許を訪れたのだから]
……答えは、Yes。これで、満足?
[どこか幼げな仕種で首を傾げつつ。答えと問いを、投げかけて]
[交わされる会話を沈黙のうちに聞く。
勿論、全てを正確に分かっているわけではない。
ただシステムがどういうものなのかを、過去に一度聞いていることと、先日の会話から分かることがあるだけ。
ただ、もう一人。
沈黙している人物が気になった]
だってねぇ。
断られるとは思ってませんし
[くすと笑って]
ま、といっても俺もたいしたことを知ってるわけじゃないんでねぇ。
ちょっくら大芝居を打つくらいしか考え付かないわけなんですよ。
ってことでいっぺん死んでみましょう?
僕も、詳しくは知らない。
ただ、システムのせいで……
みんな、それに縛られているのだって。
それが、なければ――
[声が揺らぎかけて、一度、口を閉ざす。
視線を落とした]
それを崩せれば、
こんなことは、
もう、起こらないはずなんだ。
[確かでは、なかった]
……断らせるつもりなかった、の間違いじゃ?
[思わず突っ込みつつ。
続いた言葉に一つ、瞬いて]
はあ!?
[……素で、声が上がった]
[周囲の様子を見て、どうやら知らないのは自分だけのようだと察する
因子とか。教会とかは聞いていたが、詳しいことまでは知らない
ただ…あの時はそれどころではなかったから無視したが、イレーネはブリジットに何か言っていなかっただろうか。
ギュンターのまともなようで、まともじゃない様子は…]
ま、何のことかはしらねえが、あいつもいっていた血族とか、スティグマだとかいうのと関連してるってとこか。
そういや、ギュンターも、なんか俺が住んでた大陸には因子を持った奴は渡っていない。とかいってやがったし
[だからこそ雇われたわけであるが]
いやぁ。思ったとおりの反応、ありがとうございます
[アーベルを見てにこにこと笑う]
まあつまり、システムが崩れたと認識させてしまえばいいわけですよ。
本当に死ねって言ってるわけじゃないですよ?
イレーネ君に苦しい思いをさせたくないでしょう?
あぁ。
あとは、彼ですかねぇ。
縛られた対抗する力の持ち主はどうもまだわかりにくい。俺がそうはできてないからなんですけどね。
まあつまり。
その人たちの前で死んでみせればいいわけです
システムに、立ち向かって、抗って。
それで上手く解放されたら、それは良いことだよね。
君たちには。
じゃあ、ぼくはどうなるのさ。
このままここにいろって言うの?
だれにも気付いてもらえないのに。
[ぽつり、
蒼花の上に落とされる、一滴の黒。]
……んなもんで、喜ぶなよ。
[何となく疲れた気分になったのは、一瞬のこと]
……そりゃあ、まあ……ね。
[イレーネの名に、小さく呟く。
雪の降る前に交わした言葉。
その時の様子をふと、思い出す]
……つまり、俺……人狼にとって。
障害となるものの前で、死に真似しろ、と。
[猩だったら、絶対できんな、ソレ、と。
思わず呟いた]
……で、死に真似と覚悟にどんな関係があるかはしらねぇが……。
実はね、クレメンスさんに聞いたんです。
時と場所と人、それが揃えば「システム」は動く。
だけど、どれかが欠ければそれは止まる。
つまりは、人狼が居なくなれば、と言うことらしいのですけどね。
ここから離れることが出来れば、止まるかも知れない、と。
人狼は教会が、闇の眷属と契約を交わして作り上げた「目に見える脅威」
能力者も同じように作られた「脅威に対抗する存在」
すべては、教会の力を広め喧伝するための自作自演の茶番。
[ふいに、淡々と、男は言葉を連ねる]
縛られて…か
[ユリアンの言葉を聞いて思い浮かべるのは
エーリッヒのあの行動。
イレーネやリディの様子がおかしかったところ…そしてブリジット]
考えることは俺の仕事じゃねえんだが、崩すねぇ…
・・・・・・・・・・
・・・・そうやって、自分たちだけ。
[黒い染みが広がる。
くすんでいく聖なる証。
どえす云々は、聞いていたら同意していたかも知れないが。]
ハインリヒ、さん?
[不意に語るその声に耳を傾け]
あぁ、クレメンスさんも仰っていました。
これを作ったのは教会の…それも上の方だとか。
--誰かさんたちの会話--
「よく解っているな。死に真似など出来るか。」
『二度目デスねその台詞。』
「…貴様は我にも殺されたいか?」
『…睨まんで下さいデスヨ(涙』
[おおかみのことも]
[システムのことも]
[教会のことも]
[何も知ることなく][見ることもなく]
[森の中を彷徨い]
[居場所のない魂は]
[やがて消え入るように世界へと同化していく]
そのシステムに組み込まれた者は、自分の意思に関わらず、与えられた役目を果たさなければ地獄の苦痛を感じ、役目の通りに動けば無上の快楽を得る。
血の中に潜んだ呪縛から逃れる術はない。
クレメンスって…あいつなんでそんな…まあいい。
[そんなことを知ったところで特に益はないと判断して、ナターリエが説明する残りの言葉を咀嚼したところに、重ねるように話されるハインリヒの話]
神のご加護なんて、犬にでも食わせるような傭兵には程遠い話だが
そんな茶番に付き合わされてたのかよ…ふんっ。いい趣味してるぜ
[それによってあいつらはみな…]
…逃げ出すだけじゃ、解放は無いよ。
[景色染める赤の中、座り込んだまま。]
切り抜けても、切り抜けても、その先には敵が待つ。
…師匠は、そうやって生きて生き延び続けたから。
盟約の全てを断ち切るか、命尽きるまでは終わらない。
疲れてきた、っていうか、
……もう、嫌だ。
[ポツりと、言葉が零れた]
だから、崩したい。
崩さなくちゃ、いけない。
……それを、望んでいる。
[ハインリヒの言葉に微かに笑って頷く]
システムに関わらない者には理解できない事ですもの。
巻き込まれてこのまま、は嫌ですわね。
…聖なるしるしが、真っ黒になったら。
呪いにでもなるのかな。
[青が黒へとうつり変わる様は、微かに感じ取れて。][淡々と。][呟く。]
[でもドジっ子で怪我だらけだからどえむでもあると。][別な誰かが囁いた。][気がした。]
[半分も飲まなかったグラスを置く。
動く左手で、動かぬ右腕を、未だ色失わぬ朱花を押さえる]
…何か、手段が。
あるのならば。
[真剣な表情でハインリヒを見つめる。
一つ息を吸う]
私も、崩し、たい。
システ、ム、そのもの、を…!
[詰まる息。それでも最後までどうにか言い切った]
人狼を殺すか、逆に殺されつくすか。
どちらかをするまで続く…ま、つまりは今、村に行けねえのと似たようなものか
[軽く肩を竦め]
シスター ナターリエは、青年 アーベル を投票先に選びました。
……色と効能は関係ないんじゃね?
[呆れたように言いつつ、それでも。
躊躇う事無く、それを飲みくだして]
……ぅぇ。
[思わず、声が上がった]
…殺す、のではなく、何らかの形でここを離れることが出来ればそれでも構わない、と言っていました。
難しいことなのでしょうけど。
……あは。
あはは……。
[自然、笑いが、口をついた]
あははははははははっ!
なんだよ、これっ……身体、あっつ……。
[コエは苦しげなような、それでいて楽しげなような。
響きはどこか、不安定]
呪い。
生きてた頃のこれと、どうちがうんだろね。
[逆らおうとすれば責め立てる、鮮やかな蒼。]
それでも、こうはなりたくなかったけど。
[黒く染まり行く花に気付いているのか否か。声は変わらない。
囁きが聞こえていたなら、総じてアブノーマルなんですね、とか言ったかも知れない。大真面目に。]
効能試してないって、なんだこら!
[目の前で手を振られたなら、き、と顔を上げ、早口に言い放つ]
ってか、俺は実験台……か……。
[言葉が途切れ。
身体が震える。
身体が、やけに、熱かった]
反対2票、てとこかな?
イレーネとマテウスはどうだ?
システムの条件を満たして解放されるのには反対か?それとも…
[多数決を取るかのように、男は問う]
あ。良かった。
酷すぎることにはなってないみたいですね
[しゃべれるのなら安心だと、立ち上がる]
ええ。まあ
だから言ったじゃないですか。
覚悟はあるかって
あは、あははっ。
ちょっとこれ……ヤバイ……。
身体が……熱くて……。
制御……きか……ない?
[それでも、それは。
血の渇きに踊らされる時とはまた、感触が異なって。
ただ、ただ。
内なる力を解放したいという、思い。
それを、強く、かき立ててゆく]
ぜんっ、ぜん……よく、ねぇ、よ。
なんか、どっかの、タガが。
外れちまった……みた……い?
[最後の部分は、何故か、疑問系で]
あはっ……あはははっ……。
[やがて、笑いコエが、響き始める]
なんつか、そのっ……力が。
熱くなって、とまんねっ……。
あー
そうか。人狼だからもしかしたら人間では出ない効能も出るのかも知れませんねぇ。
[特に気にしてもいないような様子で言った]
まあ大丈夫ですよ
薬が効いたらきっとうまくいきますって。
すでに効いているようですしね。
それじゃあ俺は、お先に?
[といって、薪小屋の戸を開け――すぐに閉めた]
[向かう先は、広間]
[当然、アーベルは置き去りに。]
…私は。
[視線はハインリヒに向けたまま。
絞り出すように声を紡ぐ]
私は、それを。
それを、望ま、ない。
[全身が震える]
同じには、しな、い…!
[衝撃]
それを俺に聞くか?
金と命。傭兵が動くとしたらこのどっちかぐらいだぜ。
[多数決を取るハインリヒに若干呆れ目で]
必要ならな。とはいえ、正直あんなんと二回もやりあいたくはねーけど
仇…なんてとる柄でもねえしな
[クレメンスの言葉も、彼が立ち去るのも、意識に入らず。
あるのはただ。
押し寄せるような、熱、だけ。
内に秘めた純粋な『力』。
その躍動が、一気に高まり。
それを解放したい、という意思が、強く、強く、高まって──]
こんばんは。
とりあえず、アーベル君がこちらに来るから逃げたほうがいいんじゃないかと思いますよ?
ちょっと今、大変みたいでして?
[困りましたねえと、言った]
[世界は生き残った人のためのもの]
[強い者が生き残り][弱い者は淘汰される]
[そのためのシステム][自然の掟]
[逃れられない][誰も]
[世界が囁く声が 聞こえる]
[現れたのは、黒。
耳に届いたのは、まるで大変じゃなさそうな口調だった]
――なんっ、
[意味を理解するより先に、身体は動いた]
反対3票。
ああ、神父さん、あんたのことを忘れてたな。
[さりげなく酷い台詞を吐きつつ、男は広間に入ってきた神父を鋭い視線で見つめる]
あんたは、人狼を殺したいか?
人も狼もないのよねー結局。
しあわせな結末なんて残っては居ないのだし。
[明るくやさしげだった声音は、日の経つごとに冷えていき。
面白くなさそうに一連の流れを見守る。]
[遠いどこかで、何かが消えてゆくような感覚。][それには一度目を閉じて、送り。]
…さあ。
私から見れば、それでも良いモノに見えるけれど。
[人であれば、苦しまずにすんだ。][自分が人狼だから。]
[だから人の証というそれは、生きている時に自分が知れれば、羨ましいと思ったかもしれない。]
[もう死んでしまった身の上では。][何も。][羨む事もないが。]
[こうはなりたくなかったと。][いう声には無言。]
[狂える人には大変お似合いの称号ですネと。][何も聞いてないのに誰かが強めに頷いた。ような気がした][内側で。]
[問いに答えが返る前に…或いは逃げるというのが答えだったか…男の耳にも咆哮が届く]
タイムリミットてやつかな。
[ダガーを腰から抜いた]
[逃げろ、と言われても。
抗うことに残された体力も奪われている身では]
…同じに、する、つもり。
もう、ない、のに…。
[立ち上がることはおろか。
身体が崩れるのを支えるのすら、もう怪しい]
…ぁーぁ。
[ぽつり。]
怪しい人から、怪しい薬をもらうから、そうなる。
[ぼそり。]
[知らない人からお菓子をもらっちゃいけません。][拾い食いしてもいけません。]
[それと同じレベルの注意ごとのような気がして。]
─集会場・外─
[雪の上。
空へ、顔を凛と向け。
佇んでいるのは、蒼き狼。
『風』の名を持つ若狼の咆哮は。
果たしてどこまで響いてゆくか]
[緋色の世界を知るものであれば。
そのコエに、動きに。
殺意も、そして。
渇望も、ないと。
察する事は、容易だろうけれど]
[外へと飛び出すユリアンを、男は止めなかった。二度と彼を止めるつもりはない。そして耳に届くクレメンスの言葉。その意味は捉え難かったが]
俺も同意見だがな、マテウス。
アーベルは、ユリアンを殺すと思うか?
[それは、正確にはマテウスへの問いではなかったかもしれない]
にんじん食べさせたのがまずかったのかしらね。
[怪しい人からものをもらうから、と聞けば、後をついで]
[怪しい人、に対して否定はしなかった]
だから我等は人を喰らった。
[どこかから響く声にも淡々と。][声は二重に重なって。]
私たちの結末は、もう終わってしまったから。
誰かの結末は、誰かの物。
それがしあわせかどうかなんて、しらないし、どうでもいい。
[計れないから。][見ているだけだから。]
ふぅん。
だったら、あげちゃえれば良かったね。
ぼくの代わりに苦しんでくれれば。
そしたら、死なずにすんだかなぁ。
[駆けて行く蒼い狼。]
あーあ。ばかだなぁ。
――死んじゃえば良かったのに。
[ぽつり、ぽつり、
斑の蒼。
内なる声に流石だ、と答える声は幻聴だったろうか。]
[静止というよりは。
同じように行きたかった。
だが。
身体がもうついていかない]
殺さ、ない、で…。
それ、を、望ま、ない、人、を……!
[兄は望んだ。
けれどアーベルは望んでいなかった。
そして恐らくは今も]
何、か…。
[クレメンスを見上げる。
何か手段があるのなら]
乾いてはいないみたいだけれど。
それでもその衝動は。
誤解されても知らないから。
[遠い世界から伝わる衝動に。][やれやれといった様子で。]
そうね。貴女の結末は、既に終わって貴女のもの。
この綴じられた空間の結末は、最後に残った誰かのものであって、
冥府の住人たちには与えられない。
[続けられた少女の言葉はまるで唄う様。
女は機嫌をよくしたようにあとをつづけて。
やがてもと教え子に目を向ける]
だから仮定は、したくないの。
…生きる事は、背負う事だよ。
背負わず目を背けて、目先の幸せに逃げる者は、ずっと追われ続ける。
…彼はいつか、求めた力を得て彼を追い、
…彼はいつか、内なる獣に負けて彼を喰らう。
離れなければ、必ず。
[昨日と同じように、声を辿る。
否、辿るまでもなかった。
冴え冴えとしたひかりに照らされる、蒼。
薄闇に包まれた世界でも、鮮やかに映える色。
浅くなる息は、急に動いたせいだけじゃ、ない]
――アーベルっ
[何も考えていなかった。
ただ、名を、呼んだ]
あんな規格外の代物、早々殺せねえけどな…って
[止めるまもなく、言ってしまうユリアンを見て苛立たしげに舌打ちを一つ打って]
そんなの知るか。ハインリヒ。俺は人狼じゃないんでね
[そしてユリアンに続くように扉、外へと]
[男は、ダガーを手にしたまま、ユリアンの後を追うように扉を開ける。白い雪の中には、蒼き狼]
アーベル、か?
[初めて見る姿に、ごくりと喉を鳴らした]
[名を呼ばれ、そちらを見る。
ゆるり、傾げられる、首。
開いた口からは、やはり、吼える声だけが響いて。
蒼の風は、何かに突き動かされるが如く、現れた者たちへと、駆ける。
雪の上、跳ねる。
蒼]
人狼にはもらえない物らしいから。
生まれる前に、押し付けてくれれば。
[彼女の苦しみは解らない。][同じように、自分の苦しみも伝わらないだろう。]
[生まれる前にもらえれば。][最後に彼に。あんな事を言わずに済んだだろうか。]
いつかは死ぬよ。
誰も、かれも。
[それまで待っていられるかなんて。][分からないけれど。]
何かなんて。
俺が何か出来るとお思いですか?
[シスターの言葉に器用に片眉をあげてみせる]
って、イレーネ君、無理をしてはいけませんよ
[蒼い狼が雪を蹴り跳ねる、男は前方にいるユリアンを思い切り横に突き飛ばす]
退け!!これ以上、殺させたいのか?!
[右手のダガーは、狼に向けられている]
[こちらに向けて駆けてくるアーベルを見て
瞳の奥には朱金が宿る]
結局こうなるのな
[悪態をつきながらも、懐から短刀を一つだしその瞳を狙って、投げつける
最も当たるなどと微塵も思っていないが
投げつけると同時に、二振りの剣を抜く]
[背後からの気配と、声。
振り返り、叫ぶ]
駄目、……っ!
[駆ける蒼は見えなかった。
突き飛ばされた、と気づくには間があった。
雪の上を転がる]
[ハインリヒの動きを視界の隅に捉えつつ。
飛来する、気配。
蒼狼は素早く横へと飛びのいて、それを避ける。
低い唸り声には、微かに苛立ちの響き。
双剣を構える巨漢へ向けて、蒼は再び、雪を蹴る]
…アーベルさん、なんですね。
[残された人狼]
[外に向かう男達を見守って]
[イレーネを庇うように側に]
殺す事を望まないものを殺す、という事は
誰のためにもならない…
それではシステムに抗う事にはならない。
戦いたいって、言ってたっけ?
[緋色の世界に、零れる、コエ]
……でも、結局、まともにやりあえなかったんだよね。
[最初にその存在に気づき、最も強い畏怖を感じていた、銀。
そのコエを、コトバを。
ふと思い返しつつ、呟いて]
無理、なんて。
[揺れる視界。それでもクレメンスを見上げて]
みんな、してる、わ。
アーベル、さん、だって。
[肩で息をつく]
…望ま、ない。
私に、いま、できる、の、は。
[肩を抱える。
痛みに耐えるために。
少しでも…刺激を減らせるように願いながら]
死者は何も出来ず…。
[いつの間にか消えてなくなってしまっていた、女の声にもぽつりと答える。]
[冷えていたように思えた声は。][次に聞いたときには生きていたころのそれと同じで。]
…変わったかと思ったけど。
変わらないんですね。
[小さく呟いた。]
[こちら目掛けて駆ける蒼狼を朱金が宿る瞳で睨みつけ隙なく構える。
ただ念頭にあるのは回避のみで
体をゆらりと揺らして突進を避けるように体を動かし横に逸れて流そうとする]
そう見えるだけですよ、シスター?
[わらう]
[そしてイレーネに目をとめた]
そうですね。
それなら止めはしませんが…
[いくら遅効性といえど、そろそろ兆候はでるだろうかと考える]
[手を突いて、身を起こす。
複数の、煌めき]
っ、
[蒼狼と対峙する男には届かない。
立ち上がり、自分を突き飛ばしたハインリヒに近づく。
その腕を掴もうと、手を伸ばす。けれど、距離はわからない]
なんで!
邪魔しないで、アーベルが……!
[男もまた、雪を蹴る。蒼き狼に向かって]
馬鹿野郎がっ!!
[獣の足は速い、せめてその足を止めようと、雪の上に落ちたマテウスの短刀を拾い上げ、背後から、狼の後ろ足目がけて投じる]
[また、名を呼ばれた。
ふい、と蒼の瞳はそちらを見やり。
瞬間、対象を捉え損ねる。
突進はいなされ、蒼は前方の雪溜まりへと飛び込んで。
投げられた刃は、後足を掠め、微かに紅を散らした]
[低い、唸り]
[身を翻し、距離を、そして、機を計るよに、低く構えた]
…死者に出来ることは遺すこと。
それも、継がず忘れれば消えてしまう…
[あの手帳は何処へ行ったのだろう。
…継がれねばならぬ、大切な記録。]
気のせいには見えませんけど…。
そういうことにしておきます。
答えてはいただけないのでしょうし。
[そう言って、外の様子を伺うように目を向ける]
猩が、ね。
でも結局それをしたのは、ドゥンケルだった。
[赤い呟きには、届かない声を。]
…でもだからって。
ヴィントがそうする必要はない。
[低く唸る蒼狼に、一言。]
……ばか。
あは……。
ほんとに、もう、なんかっ……。
なに、飲ませたんだよ、あのおっさん……。
[熱は冷めるどころか、更に高まり。
それでも、それは。
違う痛みを誤魔化す作用もあるようで。
……ただし、傷は、痛いが]
離せ、ユリアン!あのままじゃ、下手すると二人とも死ぬ!!
[青年の引き止めようとする力は、思いのほか強い。男は、苛立たしげに怒鳴ると、ユリアンの返事は待たずに、手にしたダガーで上着の裾を裂いた]
シスターは嘘はお嫌いですか?
[小さく笑った]
[問いは唐突にも聞こえただろう]
[彼女に真実を教えるか否か、まだ悩んでいる]
[死者にできるのは見守ること][祈ること]
[それは生者には届くことなく][交わることなく]
・・・遺す、こと?
[空気がざわめき]
[微かな風の歌が森に響く]
[ユリアンやハインリヒの声が聞こえるがいちいち神経を他に反らせるわけにはいかない。
突進をいなせたことで、速さになんとかついていけるとわかったことに安堵しながらも
瞳は蒼狼の一挙手一投足を見逃さないように見る
初めから力勝負で勝てるなど微塵も思っていない。防御など無駄
だからこそ回避を念頭に入れて、隙をうかがうのだが
身を翻し、低く構えている蒼狼を見て誘うように剣先を揺らす]
[金色の青年の言葉をきけば、小さく笑い]
遺すっていうのは、生きているうちにやったことだから。
ちょっと違うわねえ。こっちが主体じゃないわ。
......なんて、揚げ足とるのはおいといて。
あたしの大切な手帖は、あの探偵がもってったみたいよ。
君のは知らないけど。
これも「遺した」ことになるのかしらね。
傭兵 マテウスは、青年 アーベル を投票先に選びました。
[咄嗟に伸ばした手は、利き手である右。
痛みが走る。でも、気になんてしていられなかった]
でも!
[死ぬ。
自分でもわかるほどにビクと反応して、動きが止まった。
その間に上着は裂かれ、下へと引いていた勢いは収まらず、膝を突く形になる]
なら、どうすれば、いいのさ……っ
[揺れる剣先。
蒼の瞳は、じい、とその動きを追う。
誘いか。
それは、本能が察知させるものの。
それに乗るのもまた、一興、と。
蒼の瞳には、微かな──好奇の色彩が浮かび]
[短い咆哮]
[蒼狼は、雪を蹴り、高く、跳ぶ。
先に傷を受けた後ろ足を庇おうとしたのか、動きはやや、鈍い]
残す必要なんて。
[無い。][自分が残す必要は。][例え薬師の業が失われようとも。]
…でも因子はどこにでもあるんだっけ。
[声を捉えて。
けれど、姿は赤に阻まれ。]
…貴方が怖かった。
知って、探って、成り代わろうとしているのかと思って。
…俺以外に名乗り出るのは、全て敵だと。
[感情の篭らない声。
外の音も聞こえないほど集中していたはずなのに。
それだけは何故か届いて]
…かく、ご…?
[反応する。とてもゆっくりと]
--誰かさんたちの会話--
『姐さん怖いとか失礼なにーさんだネェ。』
「女が怖い、か。脆い。」
『まーまーまーまー。典型的尻にしかれるタイプってのは仕方ないデスヨ。』
[イレーネには決して伝えない]
[それが薬を飲む覚悟だったことなど]
そう。
[低い声はどこか哀しげにも]
どうにも出来ないとわかって、覚悟したと。
彼は言っていました。
……っ、
そんなの、
言われなくたって、
[違う、本当は、死んでもいいと思っていた]
……生きるよ!
だから、
殺さないで、
殺させないで、
[視界が歪みかけるのを、堪えた]
[クレメンスに言われた言葉を口に出さずに反芻して]
そうですか。
[とだけ返した]
[まだ、他には知らせなくないのだろうと気付いたから]
[動いた蒼狼
相手の始動をある程度誘導して、動きを見ていれば回避もできる
だがそれだけでは駄目だ。攻撃する余裕を作らねばと。
跳躍する蒼狼を横飛びに避け、その首を狙うように…そこで一瞬顔を顰めた。
この動きは、アーベルをつれて逃げたときに、襲ってきた狼に取った行動と同じで…
ただ行動はとめれずに剣を振るう]
覚悟……。
終わらせる覚悟をしたというのですね、アーベルさんは。
[イレーネが思う覚悟と、自分が知った覚悟とは違う]
[だけど、彼が覚悟を決めた事は間違いはなかったからそう口にした]
ああ。あたしも悪かったのよね。
疑われても当然の行動だったわ。失敬失敬。
[金色の少年の言葉を聴けば、軽く笑って手を振った]
私の能力は、「占い師」に劣る、つまんないものだったから。
業の大きいものだったから。
君が「占い師」なら、まる投げしちゃおっかなって思ったの。
バチがあたったのよ。
[「占い師」って言って、通じるかしら?と首をかしげて]
[投げられる声は聞こえていた。
熱に浮かされた状態でも、はっきりと。
祈るような声も。
返せるならば、言葉を返したい、と思ったけれど。
今、出せるのは、蒼狼としてのコエだけ]
どうにも、できな、い…?
[朱花が熱を放つ。その言葉を肯定するように]
諦めるなって。
いった、のに。
[心が冷えてゆく。
支えにしていたのは、ただその言葉だった]
なの、に……。
[抗していられたのは、その気力。
それが崩されれば]
そう、ですか……。
[そっと、目を閉じる]
それだけ大事だということでしょうね。
イレーネさんやユリアンさんが。
[それは事実だろう、だから嘘はついていないと心で言い訳をして]
[イレーネに目をむけ、眉を顰めた]
[アーベルに対して厄介なことをと思ったかもしれないが、声にも態度にも出さず]
イレーネ君。
君は、生を諦めるつもりですか?
アーベル君は覚悟を決めたけれど、
…それでも、生きられる道を今も探しているんですよ?
[飛びかかりの動きは避けられて。
標的を失し、体勢がわずか、崩れる。
そこに繰り出される、刃。
逡巡。
首を取られるわけには行かないが、完全に避けられる距離でもなく]
……っ!
[強引に身体をそらす事で、刃を前足の上──人の身であれば、肩になる所か──で、受ける。
零れる真紅。
蒼が、傾いで。
……落ちた]
そうですね。
大事だからこそ、覚悟を決めたんでしょう。
[アレを飲むのはたいした覚悟だっただろうと思いながら]
だからこそ、君は、生きなきゃいけません。
見届けなければ。
--誰かさんたちの会話--
『(ぽん)おおなるほど。
神父サン上手ですネェ。』
「…それで。全てが終わると…。………。」
『…「いいけど」、デしょ?』
「……………。」
『だから睨んじゃやーですってェー。』
ああ、そうだよ。
全部仮定。
[かつての教師に視線は返さない。
その先には蒼い狼。]
すべてうまく行く方法があるなら、
最初っからそうすれば良かったじゃないか。
[そしてこれも仮定の話。]
そんな都合の良い話があるなら、なぜぼくらはここにいる。
中/
これでえがったんだろうかぁ。とふるふるしている
強引に反撃されるのを思っていたからだが、まずかったのだろうかぁ…
[拳を硬く握る。
白い雪の上に、赤い滴が落ちた。
痛みはなくて、ただ、寒かった。
バサリと、羽ばたきの音がした。
広がる闇の中に、一層、深い黒。
銀と藍が煌めく]
……ザフィーア。
生きてる証拠だよ。
[赤い世界の呟きに。]
[だから我慢してればいいと事も無げに。]
…でも眠そうだね。
[ぽつり。]
[慎重になりすぎた。己がとった動きはアーベルが一度見ているというのを思い出したがための逡巡。本来振り下ろすよりも僅かに勢いが失せた剣は、首を捉えることはできずに、肩に当たり]
相変わらず硬い肌だな
[思わず悪態をついて、すぐさま来るであろう反撃から距離を置くように後ろに飛ぶ…が、予想していたような反撃は来ずに蒼狼は落ちて]
[感情の消えたままの顔を上げる。
焦点は合っているのかいないのか。
それでもナターリエとクレメンスの方を見て]
大事。
探す。
覚悟。
生きる。
見届ける。
[紡がれるのは、単語の羅列に近かったけれど]
…諦め、ない。
ランプ屋 イレーネは、青年 アーベル を投票先に選びました。
アーベル!
[落ちて跳ねる蒼い狼、雪に散る紅]
今、楽にしてやる。
[男は、ダガーを手に、そのまま躊躇いなく狼に近付いていく]
[イレーネが途切れ途切れに紡ぐ言葉を拾い集めて]
そう、まだ諦めてはいけないの。
まだ、終わってはいないのですもの。
見届けましょう…一緒に。
[元教え子のやつあたりのような言葉に、くすと笑うか]
その都合の良い話に至る選択肢を選ばなかったから、
ここにいるのよー。
……ラクとかなんとか……勝手に決めんな、おっさん。
[不意に、零れたのは。
人の声。
衝撃が、熱を冷ましたか。
しかし、傷の痛みは本物で。
動くことは、できそうになく]
ぼくも知らなかったよ。
こんなもの、要らないのに。
[蒼は、紺に。
最後に待つのは闇か光か。今は未だ分からない。]
知ってるよ。
[続く言葉は短い。]
[ユリアンの声が聞こえた。マテウスが動くかどうかは判らない]
『殺さないつもりでいれば』
[神父の言葉が蘇る。彼とアーベルが、あの薪小屋で何を話したのか、それは判らなかったが]
……んな、悲壮な声で、人呼ぶな……。
[ユリアンの声に。
ぽつり、呆れたような呟きを、もらす。
気だるさが、高まるのが、感じられた]
[なぜだ?と、己に向けて問う
昨日銀の狼と直接対面した自分だからわかる。
このようなことぐらいで人狼は倒れるはずがない。
だからこそ、警戒して構えを解かずにいて、ただ集会所から出る前に、不思議な言葉を投げて、今もこちらを窓から見ている、クレメンスを見る]
[世界に]
[生まれてきた意味を問う]
[蒼と紅とのコントラスト]
[中心に広がる黒と][輝く銀と]
[そこに答えを求めて][一陣の風が舞う]
[男は、アーベルの前に膝をつく、飛来した黒い鳥に、向けたのは僅かな笑み。それは、他の者には見えはしなかったろう]
だったら、こういうのはどうだ?
いいかげん…茶番劇の幕を降ろそうぜ、アーベル。
[静かに言って、その頭にそっと手を添える]
……っか、
そんな声、してな……
[否定しようとするのに、声は、途切れ途切れになる。
マテウスが未だに、剣を構えているのは窺えた。
それでも、倒れ伏した蒼へと、舞い散った赤へと、近付く]
[クレメンスが打ち明けた事]
[それが本当に上手く行くかはわからないけれど]
今度ばかりは、神に祈るという気にはなれませんわね。
[不謹慎な、と言う気持ちは湧かなかった]
傭兵 マテウスは、職人見習い ユリアン を能力(守る)の対象に選びました。
--誰かさんたちの会話--
『ブリスの嬢ちゃんも言うようになったネぇ。
ありゃ絶対旦那の部分デスよ。』
「………………。」
『旦那、何か不満そうネ。』
「…我はあんなではない。」
『…………………………………。』
「…………………………………。」
『同族嫌o(ガッ 殴られた』
ん……。
[ハインリヒの声に、小さく、返す。
今、感じているのは、眠気。
それが自分をどこへ導くのかは。
自分自身わからない。
賭けに勝てるか、否か。
勝つ気は……ある、けれど]
そんな選択肢、なかったから。
知らないから、選ぶこともできないなんて、
ひどすぎやしないか。
[子供のようにむくれたりはしないけれど、それでも八つ当たりには変わりなかった。]
・・・うん。
あの人の所為でもある。
[酷い言葉にも顔色一つ変えない。]
……じゅーぶん、悲壮。
今にも消えそうな声だすな……ばぁか。
[ぱたり。
力なく、尾が振られる。
人の姿なら、肩を竦めるか、前髪をかき上げるか。
そんな仕種だろうか]
[目をそらすクレメンス、その傍には、ナターリエやイレーネもいて
ただ蒼狼ではなく、アーベルとしての声を発しているのを聞いて、アーベルのほうを見る。
剣は収めて傍による]
アーベル…なのか?
[膝の上に抱き上げるように、その身を引き上げ、ダガーの切っ先を左の胸、心臓の上に当てる。両手で、ダガーの「柄」と「刃」を包むように握り…]
[力を、込める]
[緋色の世界に。
コエが、ぼんやりと、歌を、零してゆく]
Ich werde Schnee fur Sie bringen.
Diese Erde, alles.
Es gibt es viel, um fahig zu sein, aufzuhoren, es in einem weisen Schleier zu decken.
Ich werde Schnee fur Sie bringen.
In jetzt bloser Stille.
Weil wenn Sie wer setzen fort, das Schlafen wachte auf, ich will es zeigen.
Der Vogel flattert die Flugel mit allem Gedanken.
Zum blauen Himmel.
Kommen Sie Gebet an.
Von mir stehen wer immer noch hier zum Himmel……
Ich hatte einen Traum.
In der weisen Welt.
Die Figur der Sie Tanz…….
Es wird nicht zugegeben, das es die Illusion des Momentes ist…….
Ich sah in einem Traum aus.
In der weisen Welt.
Ihr Lacheln.
Ich verstand, das es der Wunsch war, der nie wahr wurde,…….
Wenn ich bete und ankomme.
Es ist einmal mehr dieser Boden.
Wenn ich auf Sie stosen will……Nur es.
Aber zum blauen Himmel……Ich bete……
ね。
かなしい思いになるだけで、ひとつも解決策がないでしょ。
だから仮定は、だめなのよー。
[にこにこと笑って、リディの頭をなでる。
体温は伝わらないだろうけれども。]
[刃の半分は、蒼き狼の心臓の上に、残りの半分は男の手の平を切り裂いて、雪の上に広がっていく、赤、紅、あか………それが狼のものなのか、男のものなのかは、遠目には判るまい]
なに……今更。
旦那ってば……ぼけてる?
[マテウスの声に、からかうように言って。
ハインリヒの動きに逆らう事はしなかった。
ただ、もう。
気だるくて、眠くて。
後はもう、意識を手放すだけしかできそうになくて……]
[ハインリヒの動きが見えた
手で、刃も柄も包むように握っていることを
システムを崩す方法
意図は読めた。だから、口を挟まない。
茶番に付き合うなど、うんざりだから。と]
/*
一人で拗ねててすいません。
この後安らかにアーベル死亡ならノーマルEDが、
生き延びるようならバッドとノーマルが8:2くらいの割合です。
さてどうしましょう(聞くな
望みを聞いてくれるような神なら、こうなる前に止めて欲しかったのですけどね。
[ちらりと窓の外を見遣る]
どうなるのでしょうね。
そんなん、……ない……
[二人と、一匹と、一羽と。
その姿がぼやけた広がりから形になって来て、けれど、いつものようなアーベルの声に安堵を覚えて、雪にもつれかけていた足が、歩が、緩んだ]
……非常識は……ねぇ、だろ……。
これが……俺が……。
父さんにもらった……唯一の……なん、だから……。
[返す言葉は、いつも通り。
意識の糸は、今にも切れそうに]
[ぼんやりと。][ひとつになった意識が世界を見続ける。]
Aber zum blauen Himmel......Ich bete.
[一度も歌った事の無い歌の、最後だけを呟いて。]
そっか。そりゃ悪かったな。
ま、結構にあってんじゃね
[そんな軽口を吐きながら、ハインリヒの言葉を聞いて瞳の奥の朱金を消して
大きく息を吐く。]
終わったか
[こちらも何食わぬ顔で、ただ意識が霞みそうなのに顔を顰める]
[ユリアンの声に、返す言葉は、思いつかなくて。
意識は、そろそろ、途切れそうだから、代わりに]
Wenn ich bete und ankomme.
Es ist einmal mehr dieser Boden.
Wenn ich auf Sie stosen will……Nur es.
Aber zum blauen Himmel……Ich bete……
[紡いだのは、歌の、最後の一部分。
『願い届くなら。
もう一度この地で。
巡り逢いたいと』
そんな祈りの込められた部分を、紡いで。
直後に。
……意識が、*深い闇へと、おちた*]
[頭を撫でられる。
ぬくもりのないそれに、その時だけは黙り込んだ。]
・・・・・・・
[撫でられるのは好きだった。
自分より2つ上の幼馴染が良くやってくれたそれは、何時も暖かかったから。
けれど、その手を少女から奪ったのもまた彼だった。
結局は、それだけの事なのだろう。
花は未だ斑模様のまま。]
シスター ナターリエが「時間を進める」を選択しました
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