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少年 ティルは音楽家 エーリッヒに投票を委任しています。
娼婦 イレーネは工房徒弟 ユリアンに投票を委任しています。
音楽家 エーリッヒ は 召使い ユーディット に投票した。
少年 ティル は 召使い ユーディット に投票した。
娼婦 イレーネ は 召使い ユーディット に投票した。
召使い ユーディット は 工房徒弟 ユリアン に投票した。
詩人 ハインリヒ は 工房徒弟 ユリアン に投票した。
工房徒弟 ユリアン は 召使い ユーディット に投票した。
小説家 ブリジット は 召使い ユーディット に投票した。
召使い ユーディット に 5人が投票した。
工房徒弟 ユリアン に 2人が投票した。
召使い ユーディット は村人達の手により処刑された。
音楽家 エーリッヒ は、少年 ティル を守っている。
今日は犠牲者がいないようだ。何かの介入か、それとも……?
現在の生存者は、音楽家 エーリッヒ、少年 ティル、娼婦 イレーネ、詩人 ハインリヒ、工房徒弟 ユリアン、小説家 ブリジット の 6 名。
娼婦 イレーネが「時間を進める」を選択しました。
『くだらなく、ても』
[この空間でだからだろうか。
獣姿で言葉が紡げるとは思ってもみなかったのだが。
或いは意思が伝わりやすいということでもあったのだろうか]
『皆、必死なのですよ』
[露呈した、真実。
それは望んでいた混沌か。
解らない。
掌の下に隠された青年の口許に、
笑みは浮かんでいなかった。
光景は、見えない。
狂ったような、獣の声ばかりが聞こえる]
馬鹿馬鹿しい、
[呟きは、何に対してか。
嘲りではない。
ただ、酷く――不快だった]
結局、そんなものか。
/*
ごめんなさwちょっと邪魔させてもらった。
や、ユーディさんから一撃あるし、それからエリさんからもとか思うと…。
そしてこれ、私も逃げるべきかなぁ。
/中/
と、少しだけ中発言を。
ユーディットはお疲れ様でした。本当に。
中発言は推奨はしませんが、不可ではありません。
墓下もかなり曖昧空間となっていますので、お好きに解釈を。皆で適当にすり合わせていきましょう。
……離せっ!
[しがみつくイレーネに、舌打ち一つ。
切りつける一撃は、自身の刃で打ち払い、引き離すように振り解く。
そこに届く、ユーディットの叫びに、はっとそちらを振り返り]
音楽家 エーリッヒは、少年 ティル を能力(守る)の対象に選びました。
音楽家 エーリッヒは、工房徒弟 ユリアン を投票先に選びました。
音楽家 エーリッヒが「時間を進める」を選択しました。
/中/
御疲れ様でした。
二人でログ伸ばし捲っています、すみません。
オト:影のような獣姿
アベ:目の色は赤、視力無し
くらいかな。
/*
はい、お疲れ様でした。
もー書くのが遅くてどうなるかと!
色々皆様にご迷惑おかけしまして、すみませんでした(ぺこり)
*/
[既に倒れたものとしてユーディットの動きには意識を向けていなかった。
次なる標的に幼い少年──ティルを選び、爪を振るおうとした時]
───っ、つぁ!!
[右眼に走る激痛。
右半分の視界が朱に染まり、そして暗闇が訪れる]
っ、この、アマぁ!!
[異形の右腕で傷付いた瞳を押さえ、最後の力を振り絞り短剣を揮ったユーディットに踏みつけるような蹴りを放つ。
何度も何度も、苛つきを全てぶつけるように。
ユーディットが事切れたのはいつだったか。
そんなことは気にも留めない]
く、そ……。
…滋養を…傷を癒すための贄を!
[瞳を押えた腕はそのままに、今度は左腕を変貌させて、当初の標的であったティルへと襲い掛かる]
/*
しかし、駄目だ。
中身とアーベルの心情が、ごちゃごちゃだ。
アーベル的に此処まで来て、結局、強硬手段かというのと、
ユーディットが殺されて、云々というのがあるのだけれど、
中身のしょんぼり感情が、強いよ!
/*
バレても問題無いし。
向こうが乗り込むでも良いし、こっちから向こう襲い掛かっても良いし、どっちでも出来るでしょ。
親方のはやりたいからねw
[立ち上がる。
己ではない死の訪れを感じるのは、
己が既に死者であるが故か。
視線を感じた。
しかし、目を向ける事は無かった]
必死……ね。
必死になんて、なったこと、あったか。
[呟きは今の状況には相応しくなく]
[目前の展開に、口も挟めず眺めていたが。
異形へと変わるユリアンの姿には、身体が竦んでいく]
え…ユリアン…兄ちゃんが…
[目の前には、狼の爪]
/*
いやー、しかし嫌悪。
もうちょっと上手く立ち回れないのかな、俺…。
俺は潜伏しちゃいけないということがよーく分かった(死
なんでも見えるけど、なんにも見えない。
[闇に透かして、酒場の様子が見える。
が、そこに居る人々の顔を見て不思議そうに]
だれ? あの人たち。
……てめぇっ……。
[ユーディットを蹴りつける様子に、何か、切れた気がした。
それは多分、ずっと押さえ込んでいたもの。
他者が傷つけられる事への憤りとか、そういうもので]
……やらせねぇって、言っただろうがっ!
[ティルへと向けられる、爪。それを見た瞬間、動いていた]
Die Flamme, die mein Leben bekam.
Führen Sie Macht der Verteidigung herbei!
[床を蹴ってティルの前へと飛び出し、銀の短剣を翳す。
ゆらり、立ち上るのは焔の如き、気。
それは守りの壁の如く揺らめいて少年を包み込む]
これ以上は……死なせねぇ!
[直後、繰り出された銀は真っ直ぐ、大気を裂く]
少年 ティルが「時間を進める」を選択しました。
/*
両方とも銀の武器によるものだから、簡単には癒えないとは思うけど、少しは回復できるかなー。
毒が回るような感じで行こう。
少年 ティルは、工房徒弟 ユリアン を投票先に選びました。
[人々の顔は鮮明で、遠い。
それはきっと別の世界の――そうそう、鏡の世界ってこんななのかな。たぶんそう――まったく関わりのない世界のできごと。
ふわふわと眺めていると、鮮明でない、近い存在を身近に感じ取る。]
誰かいるの?
[きょとんと問う。]
[爪を振り下ろす前にエーリッヒがその前に立ちはだかる]
死することを望むか!
我が力と成り果てるが良い!!
[にぃ、と口端が吊り上がる。
狂気に支配された表情。
相手の力量を測らぬまま、爪を振り下ろそうとする。
しかし]
────!?
[放たれる炎の如き気。
一瞬の怯みが、僅かな隙を作る。
直後、切り裂かれる大気。
本能的に、左腕を顔を庇うように翳した]
ゆーでぃっと。
[何か呼ばれた気がして、そちらへと。
ふわり、と身軽に、駆けるように、歩く。]
ねえ、それが、あなたの名前?
…がっ…!
お、のれ……護る者め…!
[飛び散った鮮血は己のもの。
毒となり得る銀による、二度の負傷。
分が悪いと、一足飛びに出入り口へと飛び退り、扉をぶち破って外へ逃げた]
[頭を振り立ち上がる。聞こえるのは悲鳴と、敬愛する主人の咆哮。]
―――――エウリノ!
[呼ぶ名はいつものものではない。赤い世界で囁いた真名。
傷つけられる人狼の姿に悲鳴を上げた。
ティルに飛び掛るユリアン、それを防ぐエーリッヒと、赤い壁、その明らかに特殊な力に、きっと睨み、小さく呟く。]
『守護者』…!
[だがそれも一瞬で。
外へと逃げた主の後を追うべく、他の人間がユリアンに気を取られている間、そっと入り口から外へと駆け出した。]
[アーベルに視線を転じるも、やはり言葉は紡がれず。
二人の邂逅をただ無言のまま見つめていたが。
スッと顔を伏せた]
[おそらくユリアンの行き先は知れたが、その前に別の方向へと走り出す。
たどり着いた先は、もう一人の主だった診療所。
幸いなことに自衛団も居なかったのは、もうある程度中の調べが済んだからだろうか。今はしんとしていた。
窓やドアを一つずつ調べ、鍵のかけわすれていた場所を探し出して、そこから中へと入り、棚から見たことのある薬をいくつか取り出した。
ふと、テーブルの上に置かれた見慣れたメモに気づき、より必要な薬―痛み止めや傷薬など―を手にして、メモと一緒に持ち出した。
それから向かうのは、今朝まで居た工房。]
――!
[声にならない叫びみた物と共に、脈々と続いていた演説が途切れる。一時立ち尽くしてから、弾かれたように宿屋の方を見]
……、
[宿に向かって駆け出しかけたところで、勢い良く開く扉に反射的にか足を止めた。出でる赤に濡れし姿を少しく遠目に捉え]
うん? 私の。私の?
[振り返り。ふわふわ、と声に近付く。]
違うよ、私そんな名前じゃない。
ええっと、ね。
[考え込んで]
……名前なんて、呼ばれたことないや。
[逃げる姿は獣の如く。
風のような勢いで村の中心部から逃げていく]
おのれ…おのれ…おのれ…!
俺の邪魔をする忌まわしき者め!
覚えてろ…次なる標的は貴様だ…!
[相手の力量を見誤ったことに舌打ちをし、立ち塞がったエーリッヒに憎しみを募らせる]
[駆けて辿り着いたのは己が一番馴染む工房。
僅かに息を上げ、ふらりとした足取りで中へ転がり込んだ]
……ちっ!
[狙いよりも浅い手応えに、舌打ち一つ。
追うかどうか、逡巡するものの。
どうせ村からは出られないはず、と思い直した。
何より、ユーディットをそのままには出来ない、という思いが強く、刃を下ろす]
……仮定は、あっていた……って事か。
[掠れた呟きが、零れる。
人狼が離れた事を察知してか、焔の気はゆるりと鎮まって行った]
[それを思い出した瞬間。
がちゃん。と重い鎖の音。
彼女の細い頸には紅い首輪が嵌められ、長く長く鎖が伸びる。
鎖の先は、真っ暗闇。]
/*
ううむ。
ブリジットくらい、思いっきりロングな傍観視点の霊能者もまたよいですな。
そうか、これも霊能だからこそできる動きか。
でも、自分ではきっとできんのだよね、俺!
[霊能者やると無駄に張り切るいきものだからね]
[逃げていく姿を見送ってから、早足に、けれども途中からはゆっくりとした足取りで、宿屋へと向かい。破られた戸の前に姿を現す。そこから店内の様子を一望し]
……変容、が。
再び来たりしか。
黒き影は……一つでは、なく。
[ぽつりと、独りごちるように]
[首輪が嵌れば、駆けることはできない。
目の前の誰かに、ぺたぺた、と歩いて目の前まで近付いた。
着ているものは、いつの間にか、シンプルな白いワンピース一着になっている。]
本能。かな?
[首を傾げ、首輪のついた喉に手をやる。]
……水が欲しいな。持っていない?
少なくとも、
俺の知っているお前は、そういう名だった。
[口にしてから、思い出す。
己の力を告げたとき、彼女が明かした過去。
重い音がする。
足音は靴を履いたものではない。
眼はそれを映さねど、脳裏には、光景が描かれた]
[銀による傷がずきりと痛む。
苦悶する気配が赤き世界へと漏れ出た]
あれ程の力を持つとは、侮っていた…。
だが次は手を抜かぬ。
あやつの心臓を喰らい、我が力としてやる…!
[苛立ちと殺気が入り混じる。
謝るゲイトの声が聞こえると、それらを僅かに抑えて]
謝ることは無い…。
これしきのことで負ける俺ではない。
次こそは、奴の血で華を咲かせてやる…!
持っていない。
望めば、手に入るのかもしれないけどね。
[ひらりと、手を振った]
死にたくない、か。
なら、しなければ良かったのに。
あんな――馬鹿な事。
[小さくため息をついた後、銀の刃を鞘へと収める。
刃に、先の朱は残ってはいなかった]
……ほんとに、君は……いや、君も。
無茶しか、しない。
[呟きつつ、倒れたユーディットの傍らに膝を突き。
顔に跳ねた紅の痕を、ポケットから出したハンカチで拭った]
……ブリジットか。
ああ、影は、一つじゃなかったようだな……。
[それから、やって来たブリジットの方を見て。
その呟きに、こう返した]
エウリノ…!
[工房の中に入り、血の匂いのする方へと向かって走る。
そこで倒れこむようにして体を休めた主への傍らへと座った。]
エウリノ、エウリノ、ああ…、こんな、酷い。
[片目と、左腕が、鮮血で染まっていた。左目は特に酷い有様で。
血を拭い傷口を水で洗い流す。]
ごめんね、痛いだろうけど、我慢して…
[ピクリと耳が動く。
鎖の音。何故か禍々しさを感じた]
(ユディ…?)
[荒々しい気にもようやく慣れてきたか、再びゆるりと顔を上げる。白いワンピースの女。首に繋がる鎖。
彼はその理由を知らない。ただ、訝しげに見上げるのみ]
望んだら。
[表情が曇る。]
手に入る。けれど、対価を払わないといけないから。
――馬鹿なこと?
[表情がす、っと生きて]
何よ、自分だって大馬鹿なことしたくせに!!
……多分。
未来のお前を、知ってる。
[腕を組み、見えない彼女を見下ろす。
眼は未だ、獣の暗紅色を宿した侭]
なんだろうかね。少なくとも、御主人様じゃない。
俺は探偵で、お前は助手になるつもりだったらしいけど。
[顔を顰める。流れてくる気配を遮断することができない。
それだけエウリノの気が昂ぶっているということなのだろうか。あちらに居た時はここまで同調するようなことなど殆どなかったのに]
その必要も、もう無いよ。
自由に、なったんだから。
[この“場”から逃れることは、出来ないが。
途端、あがる怒鳴り声に、きょとりとした]
……お前な。
覚えてるのか、ないのか、どっちかにしろ。
[何方で居て欲しいかなんて――
己の死を覚えていて良いのかなんて、解らないけれど。
音の源、鎖へと、朧げに手を伸ばした]
未来の私。未来。
あるんだぁ、未来。
[感心したように言う。]
ご主人様は……あの人は、嫌い。悪い人狼。
[憎憎しげに呟いた。]
探偵で、助手。なんだ。
そっちのほうが、面白そう。
[くすくす、と笑うその声は、まさにユーディットと同じもの]
が、は…!
…ゲイ、ト…。
[傍らの気配に左眼だけで視線をやり、赤き世界での名を紡ぐ。
身体が毒が回るような倦怠感で支配され、その声も熱に魘されるようなものになる。
傷口を水で現れると、走る痛みに表情を歪めた]
…っ!
[悲鳴は上がらず、食い縛るような呻きが漏れた。
右眼は銀の効果により既にその機能を失い、ただ抉れた傷跡だけを残している]
『…どうにか』
[未だ姿戻すまでは至らず。
人というには些か異質な声で一言だけ返した。
ユーディットの言葉には暗紅色の目を伏せながら]
エウリノ…。
ううん、だって、私は。
盾にならなきゃ駄目だったのに…。
なれなかった、エウリノを、こんなに傷つけられた。
………ごめんなさい…。
[謝罪しながら、届いた言葉には少しだけ震える。
傷ついたままで勝てるのか。不安で仕方が無かった。
だがこのまま傷が癒えるまでと、悠長な事を言っていられないのも事実だった。
エウリノの正体が露見してしまった。
ここにもすぐに手がまわるだろう。]
自由だったら、こんなのついてないのに。
[首輪に手をかけ、引っ張ってみる。
苦しいだけで取れやしない。]
変なこと言わないで。
私は、私。ちゃんと覚えてる。
[鎖に手がかかれば、怯えたように身体が逃げる。]
それ、引っ張っちゃ嫌。
助けて貰ったんだってさ。
[触れたものは、
重く、硬く、冷たいように感じた]
囚われてるのは、過去の記憶にじゃない。
覚えていないから、言ってるんだ。
[自ら引きはしなかったものの、
逃れられれば、結果的にはその形になる]
外せるかと思って。
[別に。外れなくとも、関係はないのに]
そう、――あぁ、
近くに居ないほうがいい。
[そう忠告めいた台詞を投げたのと、
彼女が獣に気付くのとは、果たして何方が先だったか]
[思わず身体を強張らせる。
首に繋がれた鎖、断片的な言葉。それでも想像のつくものはある。確信は無いが、ユーディットが人狼に向けた憎悪を思えば、あながち外れているとも思えなかった。
ただ、それでも目を逸らすことはしない。じっと双つの暗紅色を向けていた]
[まずは傷口の消毒、オトフリートの診療所から持ってきた薬を塗りこむが、銀の毒を癒す術はそこにはない。
すぐに、持ってきた荷物の中から古い小箱を取り出し、中から幾つかの薬を出した。]
効き目があるかどうか分からないけど…銀の毒を緩和させるもの、って。
[代々伝えられていたものの中には、万一主が傷ついた時の為のものもあった。それをユリアンの口元へと運ぶ。
右目に走る傷痕には、顔をゆがめた。]
…俺、は…お前が、傷付かなくて、良かったと…思った…。
[苦痛と酷い倦怠感で赤き世界の聲までが途切れ途切れになる。
少し休めば倦怠感は抜けるだろうが、怪我までは完全に治らない。
謝罪するゲイトの頬を、異形を戻した右手でゆるりと撫でた]
ふうん……。早く来ればいいのにね。
[宙を見上げる。
助けといえば、空からかなあ、なんてことを考える。]
よく判らない。
[あっさりと返した。]
外せないよ……鍵がないから。
隠されちゃった。
[悲しそうに言う]
(逃げるなと言ったのはそちらでしょうに)
[ふと笑いたくなった。だがそれは形にまではならず]
(ミリィのことだけじゃないでしょう、逃げてはいけないのは)
/*
デフォ投票がエーリッヒって…!(今気付いた)
こんな時にだけ空気読むなよスクリプト。
はっ、昨日のデフォって確かユーディットだ。
何だこれ。
でもその前2回のハインリヒは生きてるwww
……さて、と。
これ以上、ここにいても、始まらん、か。
[小さく呟いて、ユーディットの亡骸を抱き上げつつ立ち上がる]
……俺は、自衛団の詰め所へ行って、今の事を話して来る。
それから、家に戻るけど……。
ティル、それから、ハインリヒさんも。
ここに泊まるのが不安なら、家に来てくれて構わないから。
……どうせ、部屋は余ってるし、ね。
[口調だけは軽く言って、宿を出る。
緑の瞳は静かで、そこにある感情は*読み取れずに*]
終わりは来たるか。望むべき終わりは。
望むべきでない終わりとは。
星の落下と同意に過ぎないのだよ。
[口調は話しかけるように言いながら、ユーディットの傍へと歩み寄り。たおれたその身体を見下ろして]
赤く。赤きモザイクは……もう。
欠片は連続となり。連続は集合となり。
集合とは何の集合か。
連続の集合だ。欠片の集合だ。
欠片は……
欠片は、纏まりによって腐食させん。
[呟く。声と表情は朦朧と]
終わりは集合を連続にせしか。
連続を欠片にせしか。
欠片を霧散させたるか。
そのどれでもないのなら。
そのどれかでもないのならば。
[エーリッヒによってユーディットが抱き上げられるのをただ見遣り。去っていく姿を眺め]
……恐ろしい事だ。
あ、……そ。
[落ちた溜息は、呆れか]
鍵があれば、開くってことだろう。
[鍵。
在るのだろうか。
子を探していた姉を想起する。
囚われ、見つからない侭、彷徨う母]
お前の為に言っている訳じゃない。
[獣へと返し、
なら何故か、己に問うて]
――面倒な事になると、厭だから。
[零れたのは、子供染みた言い訳だった]
エウリノ…。
駄目だよ、私はあなたの僕なんだから…。
主様にこんな怪我させて…私…駄目だ…。
[内の血が騒ぐ。主を傷つけた事を罵るように。
撫でる右手に自分のそれを重ねて。
傷口に触れないように、胸の上に体を落とし臥せた。]
『半端者ですよ』
[苦痛が遮断され、叩き付けるような殺気も一時ほどではなくなり。何より倦怠感の方が強く伝わってくるようになり。
どこか力なく伏せたまま、しかし口にしたのはそんな言葉]
(…ああ、本当に性質(タチ)が悪いな)
[自分でもそう思った。苦笑のようなものが浮かんだ]
/*
GJ描写できたのは嬉しいのですがががが。
それで、ティルの中の人に負担をかけてしまっていたら、申し訳なくっ。
さて。
寝よう。
しかし、最近守護者で最終日まで生存癖でもついてきたんかしらん。
桜宴の聡はともかく、アヤメも何でかんで生き残ったもんなー。
[促されるままに薬を口に含み、飲み下す。
傷の手当てもあって、少しだけ落ち着きを取り戻した]
……エーリッヒが護る者だったとは。
忠告は、これを指していたのだな。
[先に倒れた同胞からの忠告。
それがあったにも関わらず、狂気に任せて襲い掛かってしまった。
そんな己に舌打ちし、一息つけるように大きく息を吐いた]
だが次はそうは行かない。
俺の全力を以って、あやつを喰らってやる…!
[再び擡げる憎悪。
正体が割れた今、傷を癒す時間は無いに等しい。
己に対抗する術を持つ者。
それを排さねば己が望みは叶わない]
[薬により銀が緩和され、身体が動くようになると、短い間でもしっかりと休むために、自室へと戻り。
しばしの休息を取ること*だろう*]
うん、……水と、鍵と。
[欲しいものを指折り数え]
無い。無かったの。あの白い部屋には。
[きょろりと見渡した。]
でも、黒の中になら、あるのかな。
[獣から返る音には、首を傾げる。]
はんぱもの。
それって……痛い?
[言葉と共に片耳を押さえ――口元に僅かな笑みを浮かべる。一瞬だけ。瞳は笑ってはいなかったが]
それでは、聞こえてしまう。
それでは、
何も、
聞こえない。
[途切れ途切れに紡いでから、残骸があった場所を少し離れ。隅の方の席に就き、テーブル上にノートを開く。それからペンを取り出すでもなく、何も書かれていない頁を*見つめていた*]
『物理的になら、今は少し』
[それは本来自分のものではなかったが]
『そうでない意味なら、どうでしょう』
[苦しさを感じなかったといえば嘘になるが]
『ああ、落ち着かれましたか』
[投げた声は女性にでも青年にでもなく、遠いどこかへ。
どうにか姿を戻せなくもなさそうだったが、ユーディットの目の前でそれをするのは躊躇われた]
それが何処だかは知らないけど。
少なくとも、其処と此処とは、違うね。
[白と黒。
己の視界を覆う黒――闇を、見る]
……石。
[自分にも、探し物があった。
耳に、指が触れる。
失くしたのは、見たくないと願ったが故か。
それは既に、遠き過去の事であるのに。
今更だ]
本当に、面倒臭い。
……僕だからって、それを護っちゃ行けないということは無いだろ。
主や僕である前に、俺はお前自身が大切だ。
自分を責めるな、ゲイト──。
[エウリノと言うよりはユリアンとしての思考が口をつく。
以前からゲイトに「盾になる」と言われ、受け入れられない自分が居た。
僕は僕であるはずなのに、それを良しとしない部分があった。
己の身体に重なり臥せるゲイトの頭を、右手で優しく撫でる]
大丈夫。痛いのは、治るよ。
治るから、痛いんだって。
[暗紅色の瞳の獣には、優しくそう返した。
躊躇いには気付かずに――ほんの僅か、疑問符の欠片を浮かべる。]
うん。なんだか、違う。
あっちはもっと、硬かったから。
[青年には頷いてみせる。]
石? 石って、何?
[ユリアンの傍らにただ佇む。これ以上傷を癒す術はもたず、出来る事は共に居る事だけだった。]
ひどいよ…酷い…
ひどいよ………
エウリノは何もしてなかったのに、ロスト様だって…。
たくさんたくさん、我慢してたのに…。
[二人が己の血に抗っていたのは、自分が一番良く知っている。そしてこの事が起こるまで、村人に手を出さなかった事も知った。
だから、村人の仕打ちが許せなかった。
たとえもう、沢山の血をながしてしまったとしても。]
勝手に囲って、追い立てて、追い詰められて牙を剥くのも駄目なの…?
…酷い、よ。
[涙は止まらなかった。]
[それでも、主は敵を打つという。
それは獣の本能が為せる業か。]
…全ては主の御心のままに…。
[泣きながら、僕は静かに傍らに*拝した。*]
プレシャス・オパール、だったかな。
丸石のピアス。
何処かで失くしたらしい、おかげで見えやしない。
[溜息を吐きだした]
中:
あー。刺すフリしとけばよかったのかなあれは、とは今更だ。
…いや、刺すフリしたら追い討ちかけてくるんだろうな。多分。
なんかこう、死ねと言わんばかりだったしww
『…ありがとう』
[優しい声には困惑を乗せたまま返し。
青年の方に意識がむけば、少しずつ目立たぬように距離を離した]
……ピアス。
見えない? 目が見えてないの?
[ちらちら、と青年の前で手を振ってみて]
……ピアス。
[考え込む。]
そう、あれ貴方のだったの?
思わず拾っちゃったけど。
でもっ…。
[責めるなと、紡ぐ言葉は温かく優しい。
それをイレーネが嬉しく思いながら、それでもゲイトは自身の力になれない事を、歯痒く思う。]
わたしは、その為にここに居るんだから。
私だって、エウリノが傷つくのは嫌…。
こんなに、こんなに…。
[左腕と、右目。特に右目がもう開く事がないんだとは漠然と理解して。涙は止まらない。
胸の上で、傷口の傍を撫でた。痛みを和らげようとするように。]
[エプロンのポケットに手を突っ込み、青石のピアスを取り出す。
その姿は一瞬だけ、生前のユーディットそのままになり。]
はい。大切にしないと、また失くしてもしらないから。
[本当、しょうがないんだから、という表情でピアスをアーベルに渡す。]
…傷付くのは、仕方が無いことでもある。
力量不足なれば傷付くのは己が身。
相手の力を見誤り、己が力を過信した報いだ。
……居場所を奪われた今、お前には俺の居場所になって欲しい。
俺の力になりたいんだろう?
だったら、傷付かず、俺が安心して傍に居られる場所になってくれ──。
[向けられる隻眼は優しげなもの。
傷口の傍を撫でられると僅かに疼きが発生し、ぴくりと反応するも、撫でられる様は心地よくて。
その後は痛がることも無く、撫でられる心地良さに感覚を委ねる]
[受け取った瞬間、片側の眼に微か、相手が映る。
知っている女性の姿、それから、知らない少女の姿]
――……………、
[無言の侭に、左の耳にピアスを付けた。
夜明けの後の朝焼けのように、
赤から青へと、左の瞳の色が移り変わる。
顔の半分を覆うように手を当て、外す]
馬鹿か。
失くして惜しいものでもないだろうに。
[軽く、頭の上に手を置いた。
恐れられるかとの思考も、掠めたけれど]
[カウンターより離れ、テーブル席の一つまで近づいた。
隣のテーブルにはブリジット。だが語られる言葉は未だに理解をするには足りないものが多すぎた]
『………』
[人の姿に戻りたい、と思うことは思うのだが。
影響をモロに被った身では全身がだるく、そも己の意思そのもので変化をこなしたことがないのでは、どうしようもなかった]
[手が当てられる前に、瞳の色の移り変わる様に気付いて]
わあ。すごい。
[感嘆の声を漏らす。
頭に手を置かれれば、そこに自分の手を重ねた。
先ほど見えた女性よりも、やや幼さの残る微笑みを浮かべる。]
失くしたら、戻ってこないんだもの。
とっても大切なものばっかり。
[鎖が、じゃら、と音を立てる。]
それでも…やっぱり、エウリノが痛いのは、嫌。
わたしが、エウリノの、居場所?
[少しだけきょとんとした意識を向けて。]
あ、うん。ずっと、傍に居るから…。
[怪我が治るまで傍にいてくれという意味かとも思い、傍でそっと体を撫でた。]
おなかすいたら、齧っていいからね…。
[そんなことを言いながら。]
[引く前に、重ねられた手。
別段、跳ね除ける事もせずに、眼を細めた。
視界は戻り切ってはいないものの、闇は幾分、晴れた]
……だから、お前は勘違いさせる事ばかり言う。
大切じゃなくていい。
本当、
[馬鹿な奴、 呟きは、小さく。
動かした手は、紅い首輪へと触れる
勘違いをしてるのは。そっち。
[悪戯っぽく返す。
姿形は少女だったが、その言い様は――]
[首輪に触れられれば、無意識にだろうか。目を閉じた。]
[己が傷付くのを厭う言葉に隻眼が細められた。
そんな言葉を向けられるのがとてつもなく嬉しくて。
己も相手に大事にされているのだと思うことが出来た]
…そう、居場所に。
これからもずっと、俺の傍に居てくれ。
[そう、身体を重ねるゲイトに静かに囁いて。
薬により倦怠感が抜けたこと、手当てにより身体が動くことを確かめると、上体を起こしながらゲイトを抱き上げる]
今は齧る必要が無い……。
代わりに。
…傷の痛みを忘れさせてくれ。
[立ち上がり向かう先は自室。
中に入ると、抱えたゲイトをそっとベッドへ降ろした。
それが何を意図するのかは、ゲイトにも分かることだろう]
だから。
[どちらなのか。
問うても、仕方無いのだろうと悟りながら]
……お前の想うような人間じゃない。
[眼を伏せて、鍵穴に、爪を立てた。
金属を掻く感触が、何処か痛い]
小説家 ブリジットが「時間を進める」を選択しました。
[離れた場所から影の世界の二人を見て。
ようやく慣れたか、赤の世界から意識を切り離して。
僅か穏やかな表情になると、再び顔を伏せて*目を閉じた*]
じゃあ、私は誰を想えばいいの。
[うっすらと目を開けて、透明な声で問う。]
ねえ。探偵さん。
[大丈夫? と、小さく声をかけて。]
あ…うん。
[ようやく意味に気がついて、微かに嬉しそうに微笑んだ。
それは、自らも心から、望む所だったから。]
ずっと、一緒だよ。だから…。
[どうか死なないで、とは心の中だけで告げた。
そんな不吉な事、今は口にしたくも無かった。
抱き上げられれば抵抗はしないものの、少し心配そうに見上げる。]
あ、駄目だよ、怪我してるのに…。
[無理をしないでと言いながら。
連れて行かれる先には大人しく従い。
ベットにそっと降ろされれば、僅かに潤んだ目で見上げ見つめた。]
……俺が、其処まで知るか。
自由になってから考えるといい。
[眼差しから逃れるように、動く]
探偵じゃないよ。
単に、己の意志の侭に動いた、
馬鹿な人間――
それ以上でも、以下でもない。
[頸に嵌められた冷たい鉄に、
薄い口唇で軽く触れ、
指先は僅か喉を掠めてから離れた。
*一歩身を引くと共に、姿は揺らいで、失せた*]
痛みに唸って休むよりは、こっちの方が良い。
[小さな笑みを浮かべ潤む瞳を覗き込み。
指でゲイトの顎を捉えると深く口付ける。
舌を絡め、蜜を味わいながらゆっくりとベッドへ押し倒し。
首や胸に口付けを落としながら、じっくりと余すことなくゲイトを味わう。
何度も何度も飽きることなくゲイトを抱き。
痛みを忘れ眠れるまでその行為は*繰り返された*]
[離れるのを惜しむが如く繰り返されるその行為は]
[己が死期を悟ったためでもあり]
[少女を残していくことに対する後悔の念でもあった]
そんなの、ずるい。
私、ちゃんと、想いたい人を想ってるのに。
ずっと先の私も、ずっと後の私も。
[言葉を紡いでいるのは、どちらなのか。]
けれど、そうやって、謎を解いていく。
それが本質なら、その人は――
貴方は、私が憧れた、探偵。
[触れられた首輪は、戒めの冷たさの上に温もりを残し。
触れるか触れないかを掠めた指先、手を伸ばそうとすれば――]
……あ。
[消えた青年に、少女は取り残される。
がらんとした闇の中。
ぺたりと座り込んで、*漆黒の中に溶け消えた。*]
だって、動いたら余計痛いんじゃ…。
ん…。
[困ったようにそう告げながらも、望まれるままに身を差し出す。
絡まりあう熱と水、息がかかると身が震えて。
時に傷がつく一歩手前まで激しく抱かれ、気を失えば優しく体が揺すられた。
時折痛みが掠めるのか、顔を顰められれば不安げに。
何度も傷口を撫でては、大切な人の痛みを和らげながら。
細い鳴き声を赤い世界に響かせて。
睦みあい絡み合う。
何度も何度も、お互いがそこに居る事を確かめるように。
このまま本当に食べられてしまったら、どんなに幸せだろうかと。
そんなことを思ったのは、満たされて共に疲れて眠り入る*ちょうど直前の事だった。*]
/*
華麗に向かえ打って力尽きて寝てた人(ぁ
おはよー(穴から掘り起こした)
うーん、反論間違えたなーとちょっと朝から後悔しきりだ。
切り替えなきゃ。
/*
ぬあ、掘り起こされた(よじよじ
おはようさん。
まぁ方向性が変わっちゃったからね、そこは仕方ない気も。
時に最期はどうするね?
ゲイトは生き続ける?
/*
(なでなで
うんとりあえずもう考えない><
えっと、行き続ける予定。
子種もらったんで、一旦逃げて外で子供生んで数十年後再び宴を開催させに戻ります(おま
/*
子種ならいくらでm(がば
ほんじゃー、逃がす描写も入れたいかなぁ。
相打ちは多分望めないから、動き抑えるくらいか。
/*
昨日散々Σ(がばり
あー一旦自衛団に捕まって、数日後落ち着いてから一人で逃げようかとも思ってたけど、逃がしてもらえるならそれはそれで。
封鎖されてるから切り札使って、無理強行突破か、一時的にどっか避難かな。
[目を覚ましてまどろみの中、体を重ねたままエウリノの髪を弄っている。
氷上の幸せは、酷く危うかったが。
幸せの味はとても甘かった。]
/*
飽きるはずないじゃないk
あ、そっちで考えてるのあるならそれで良いよ。
死に際見せたくないのはあるんだけど。
自衛団に捕まったらただじゃ済まないんじゃないかなぁ、ともちと思う。
うーん、逃がす余裕あるかどうかかな、流れの中で。
無かったら言葉遺して逝こう。
/*
愛されて幸せな子だn
エウリノ死んだら人形状態(のふり)になるから、早々酷い目にはあわないと(あっても反応返さない)とは思ってたり。
とりあえず封鎖が解けるまで大人しくしてて、切り札使っており破ってその場に居た自衛団皆殺しにして逃げようとか思ってた(ぁ
そだね、こっちもどっちでも対応できるから流れで。
[痛みを忘れる程の甘い時を過ごし、泥に沈むような感覚に誘われ深く眠りに着いた。
どれだけの時が経ったのかは分からない。
身体に触れるものが微かに動くのを感じ、意識が浮上する]
…………。
[薄く開かれた隻眼に映るのは愛しき少女の姿。
まどろむ意識の中、己の髪を弄る少女を引き寄せ、軽く唇を重ねた]
/*
あー、そのまま逃げて、エウリノギリ生死不明(まぁ90%の確率で死んでるだろうくらい)な感じでもいいかもしれないとか勝手におもtt
駄目かなぁ…
/*
んー、後腐れないのはすっぱり死ぬことなんだけどね。
ロストも死に花咲かせたんだから、俺もそっちの方が良いかな、と思ったり。
[擽るように、紺色の髪を弄っていたらふいに背中に力が入る。
そのまま引き寄せられ軽く唇を重ねられて。鳶色の瞳を覗きこみ微かに笑んだ。]
おはよう…傷、痛まない?
[真っ先に尋ねるのはそれ。]
/*
そうなんだけど…まぁイレーネ的には生きててくれた方が勿論嬉しくあり。死んだって確定しなかったらいいだけだから。あと子供も一人欲しいの(そこか
ちなみに子供が復讐に来たよENDはどっちでも実行されまs
イレーネは復讐に戻らない予定。死んだかもしれないし、単に前科があるから来れなかっただけかもしれないし、はうやむやに。
[覗き込んでくる瞳に笑みを返しながら]
…おはよ。
ああ、今のところは大丈夫だ。
[心配してくれるゲイトの頬に手を伸ばし、ゆっくりと優しく撫でる。
痛み止めが効いているのだろう、その表情に歪みは無い]
/*
その時の傷が原因で倒れるとは思うけどね。
子供は昨日ので生まれるよきっと(ぁ
復讐ENDは仄めかすくらいにした方が良いんじゃないかな。
村側勝利になるんだしね。
/*
うーん、幸せなのは今も同じだから、結局何時死のうが変わらないのかな。
うん、勿論。子供が村に来た所で〆予定。後は頑張れ子供(爆
あ、ちゃうちゃう二人目って意味(ぁぁ
[撫でられ、僅かに目を細める。
エウリノの表情に痛みを堪える物はなく、そこには心底ほっとしながら。
撫でる手は今はいつものそれだが、あの時見た獣の腕は、そういえば綺麗な白銀だった。]
銀色なんだね、エウリノ。
[以前、見てのお楽しみと言った言葉が思い出された。
あの時はそういえばロストも居て、そういえば笑っていた。
その事を思うと少しだけまた目が熱くなったが、涙が零れることはなかった。]
/*
今回の事があろうがなかろうが、いつか死ぬわけだしねぇ。
与えられるだけの幸せは今も与えてるつもりではある。
ぶ、二人目wwww
そのためには俺逃げ延びたとして、少なくとも1年は生きながらえないといけないじゃないかww
[銀色。
その言葉に働かぬ頭が疑問符を浮かべたが、直ぐに己のことだと理解し]
ああ…。
小さい時は灰がかってたんだが、いつの間にかこの色になってた。
[答えながらゲイトの頬を撫で続ける]
/*
はふん。まぁそこはエウリノが納得行く終わり方ならそっちの方がいいか。後追いしたくなる気持ちは頑張って我慢します…。
や、一人だと復讐大変かなと。C狂家系にも一人ほしいんだ(そこか
まぁエウリノ死んだら適当な相手から種貰えばいいのか(こら元娼婦)
一年くらいは大丈夫だよ人狼だし!の勢いで(無茶
そっか…ひよこみたいに色が変わったんだ。
[例えは酷いがその通りで。
小さい頃のエウリノを想像しようとしたら、何故か頭には灰色の子犬の姿が浮かんでいった。
小さく笑むのは、頬を撫でられてくすぐったいだけでは絶対無い。]
/*
ぶっちゃけると死期悟ってるんで、全面対決で倒れたいところ。
だから昨日あんだけやったんd
すまぬが我慢頑張ってくれ。
他に仲間を集める、って手もあるけどね。
C狂家系にも欲しいってのは納得(笑)
ちょ、それは何か複雑な気分だwwwwwwwww
それだけ生き延びるなら、ずっと生き延びれそうな気がしないでもないwww
ひよこ……。
[流石に眉根が寄る。
認めたくは無いが納得してしまい、複雑な表情。
笑う様子を敏感に感じ取り]
…なんか良からぬことを想像しただろう。
[隻眼でじっとその瞳を覗き込んだ]
/*
了解頑張る(ぐ
C狂の家系は血統必須だからね。子供じゃないとなれない(うちの場合はだけど)
父親も、だから特に好きでもない母親と結婚したわけで(母親の方は惚れてたけど)
てわけで多分どっかから貰ってくr…
まぁその辺ご想像にお任せしますの世界なんだけどね。
[寄せる眉根に、あ、と思ったが。
怒っているというよりは複雑といった様子に、再びそっと笑む。
じっと問い詰めるように覗き込まれれば。]
ううん、何も想像してないよ?
[とふるふる首を振ったが。]
あ、でもその、エウリノの小さかった頃はどんな子だったのかな、って思ってた。可愛かったのかなって…
[決してきゅんきゅん鳴いてる子犬が脳裏を駆け回っていた、とかは言わない。]
/*
C狂家系は相手人間でも良いんじゃないの?
人狼の血入れたら人狼生まれるやん。
どっちにしろ、どっかから貰ってくるのは複雑だww
んだね、そうなんだけども。
まぁとりあえず、そっちは生き延び頑張ってくれぃ。
我が子を頼んだ(ぁ
[本当に?と言うように瞳を覗き込み続け。
返された言葉に一つ隻眼が瞬いた]
どんな子、か。
それを知る者はもう居ないな…。
…幼い時は、他の子と同じだったとは、思う。
[他の子、それは人の子の意。
己が他と違うと思っていない時期はあった。
その時のことを思い出し、ほんの少しだけ眉根が寄る。
違うと知った時、子供ながらにショックは受けていた]
/*
うむ、それもあるだろうね。
金稼ぎではやってそうだなぁ…。
独占欲が強いから、生きてたら絶対止めるwww
まぁ草葉の陰から見守ってるよ、うん(ぁ
俺も張り付きだけど、あれこれしてるわ。
[他の子、に一瞬脳裏が犬だらけになったが、その意味する所が違う事を悟り、慰めるように頬を撫でた。
生まれてついての人狼だったエウリノも、最初は人みたいだったのかとは少し以外だった。]
小さい時、かぁ…。
小さい時は、違いなんか知らなくて、何も考えなくてよくて、幸せだったよね…。
[ふと自分の昔も思い出しながら、潜める眉根を見て胸に顔を寄せた。]
─回想
突如目の前で始まったやり取りについていけずオロオロとしていただけの自分。
恐らくはユーディットがイレーネをハメようとしているのは判ったのだが。
その餌に使った存在がユリアン。
頭のどこかで警鐘が鳴る。
ユーディットがイレーネに使ったブラフの前提が。
アーベルが自分を『視て』人と認定した事。
そのブラフを前提に道を辿った結果として現れたのが「ユリアンが人狼」という架空の餌。
だが。
事実として自分は人間なのだ。
そこは動かない。
ならば、そうであるならば。
次の可能性。
イレーネがユーディットの言うとおり、偽であるとして。彼女はティルを視たと言った。ノーラを視たと言った。エーリッヒを視たと言った。
ティルは…あの様子からして恐らく人であろう。喰われたノーラは当然人だ。エーリッヒはどうか?ここはまだ判らない。判らないが。もしエーリッヒが狼ならばここでのユーディットの行動に対して抑止が無いのは何故か。もしエーリッヒが人ならば、彼女は偽でありながら未だ嘘をつかず村に「見分ける者」が二人居たのと全く同じ状態だったのだとしたら。
ああ…人前に出されない不思議さはあったけど、な。
[頬を撫でて来る手に己の手を重ね、きゅ、と軽く握り締める。
幼き頃の己は変化の制御が甘く、僅かなことで獣の姿になってしまうことが多かった。
そのため、恩人は制御が出来るまでは人前に出さず、密やかに己を育てた。
人前に出せるようになった頃、恩人に言われたのは己と他の者との違い。
最初はそれがはっきりと理解出来なかったが、他の子と接するうちに、その違いに気付いた。
その時のショックは意外と、大きかった]
…けど、今があるから。
お前と一緒に居られるから、今も、幸せだ。
[胸に顔を寄せてくるゲイトの背に、空いている腕を回し抱き締めるように力を込めた]
[僕は主の傍らに、静かに拝して目覚めを待つ。
次に目が覚めたときに、何がどう変わっていくのか。
内に渦巻くものは、大切な主を失ってしまうかもしれない事への恐怖しかない。]
我等は、盾であり、欺き、殺し、生かすもの…。
[ぽつりと口に呟くのは、口伝の一説。
だが盾になりきれなかった。
脈々と受け継がれてきた一族の血は、主を傷つけさせてしまった自分を激しく攻め立てる。]
ユリアンから告げられた事象。
イレーネが襲われかけた。喰われたのは同じ娼館に居た別の娼婦。イレーネと間違われて襲われた…という。それに対してエーリッヒが突きつけた疑問。
まさしくそれが、人狼がイレーネを疑惑から外す為の準備だったとしたら…。
逆の可能性も勿論ある。
ユーディットが人狼の可能性。
ただ、その場合、今の自分の頭の中で鳴っている警鐘は元より的外れなのだから、それについては問題無い。少なくとも、自分の予想している最悪のシナリオとは違う方向なのだから。
─最悪のシナリオ。
─今、ユーディットが押さえつけたのは。
─餌として罠に使っているつもりの其れは。
─ユリアンこそが正しく人狼なのでは無いか。
凄まじい勢いで頭の中を巡った思考が不意に途切れた。目の前で起こった事柄が引き金として。
飛び交う怒声。鈍い光を放って円を描く刃。
その円を縁取る色は。ああ、あれは血の色だ。
横たわり動かなくなったユーディット。
ティルに襲いかかるユリアンだったモノ。
エーリッヒとユリアンの刹那の対峙。
その全てが自分の座っている席からは魚眼レンズで覗いたドアの向こうの景色のように遠のいていて。
─動く事が出来なかった。
─そうだ、これは御伽話の世界なのだから。
─自分は。ただの人である自分は。
─そこでは傍観者にしかなれないのだから。
─母親の顔が浮かんだ。背で泣くティルの温もりを思い出した。何時だったか、もう随分昔の事のように思える、窓から毀れる月明かりに映ったイレーネの透明な笑みを思い出した。小生意気な口ばかり叩くミリィを思い出した。母を何度も往診してくれたオトフリートを思い出した。村の中で、触れてきた人々の顔が、言葉がフラッシュバックのようにグルグルと回る。
ユーディットが言っていた。
─じゃあ、また今度。
─ティルも一緒に、是非来てください。
─……ちゃんと食べないと元気も出ませんよ?
ああ、そういえば。そんな約束もしたっけか。
─そう。だからこれは。
─御伽噺なんかじゃけして無いのだ。
うん、私も…。
エウリノに会えて、幸せだよ。
父さんが死んでから、誰からもそんなに必要とされなかったから。
ミリィは友達だったけど…それだけだし。
[父親は死んだ。母親には捨てられた。
ミリィには彼女の道があり、友ではあったがそれ以上のものには成りえなかった。
女将や客は論外だ。共に居るのは金で縛られているからでしかない。それでも、他の人よりは少しだけマシだったけれど。
だからずっと、父が教えてくれた全てを捧げる主に会いたかった。その時だけを、ただひたすら待ち続けて。]
ずっと、人狼様に会いたかったの。それだけが、私を支えていてくれた。
それがユリアンで、優しくしてくれて、こんなに傍に居てくれて、抱きしめてくれて。
…だから、幸せ。
[エウリノの腕の中で目を閉じた。時折、まだ疼くだろう傷口を撫でながら。]
一連の騒ぎが終わった後も。
椅子に座ったまま動けないでいた。
自警団達が慌しく来て、慌しく去って行った後。
彼はエーリッヒ宅の書斎にふらふらとたどり着き。
固くドアを閉じて、人狼に関する書物を山と積み上げて読み漁り始めた。
─この世界で、自分が立つ位置を決める為に。
─そのために必要な、自分に足りないものを補う為に。
詩人 ハインリヒが「時間を進める」を選択しました。
[ゲイトの言葉に抱き締める腕に力が籠る。
他との関わりを極力避けていた己が唯一心を許し傍に居たいと思えた相手に、まだ知らぬ時だったとは言えこれ程までに求め願われていたことを嬉しく思う。
人狼である己が求められることは無いと、ずっと思っていたがために]
……ありがとう、イレーネ。
[ただ一言感謝の言葉を述べて、その隻眼を一度閉じた。
腕の中の少女の感触を、ずっと忘れないように*抱き締め続ける*]
/*
Σおぅあ、ちょこっと覗いたら。
ハインに今日でエピの予定伝えて、それでも死亡で良いなら今のうちに襲っておくか?
[自室のベッドでふと瞳を開ける]
……足りぬ。
傷を癒すには、血が、肉が、まだまだ足りぬ…!
[ゆらりと上体を起こし、ベッドから降りる。
傍らに控えていたイレーネを見ることなく部屋を出、とある部屋へと入り込む]
………ちっ、時間が経ちすぎたか。
本当に、最期まで役に立たぬ奴だ。
[入った部屋のベッドの傍、そこにしゃがみ込み舌打ちする。
立ち上がると何かを踏み躙ってから、その部屋を後にした。
部屋は床が赤黒く染まっており、ベッドの脇には乾いた紅を身に纏う男性の姿。
それは既に事切れた技師だったもの]
[イレーネの制止も聞かぬまま、工房から外へ出る。
走りながら感覚を研ぎ澄まし、人の集まる場所を探る。
気配を感じた一つの家。
そこは昨日己の邪魔をした忌まわしき人物が住まう場所。
複数の気配を感じると、その一つ、ただ一人である気配がある部屋の窓を見定め。
そこに居るのは家主ではないと察知し、にぃ、と口端を持ち上げると、大きく跳躍し、窓ぶち破った]
[恐らくは書斎にあった人狼関連の全ての書物を読み終えてパタリと本を閉じた、まさにその瞬間だった。突如窓が大きく音を立てて割れ。飛び散った破片と共に部屋に現れたのは・・・]
よぉ。
[口から毀れたのはいつもとかわらぬ挨拶で]
こっちに来たのかよ。ユリアン。
いや、人狼さんよ。
っ、ユリアン!
[主の急な動きに静止が間に合わず。
慌てて後を追ったが、無論狼の後についていくのは難しかった。
それでも行き先は容易に知れて。
もう殆ど人の居ない村を走り出す。
途中で自衛団に見つかりそうになり、かわしながら走ればたどり着くのは随分遅れた。
中には複数人がいる。すぐに中には入れない。
そっと、外から様子を伺う。]
[飛び込んで着地した低い態勢のまま、首を擡げて隻眼を投げかける]
…ああ、おっさんか。
筋張ってそうだがまぁいい。
──……お前の血、肉……俺に寄越せぇ!
[しゃがんだ態勢から鋭角に、床を蹴り出し真っ直ぐハインリヒへと飛び、異形と化した右腕を突き出す]
[ピクリ、と耳が動く。顔を上げて意識を澄ませる]
『…エウリノ』
[近寄るのは危険だと分かっていた。それだけ影響を受けやすくなることも。それでも一度決めたのだからと]
ru.
[現れたのは未だ人の子である少女の近く。その向こうにあるのは、同胞と人の気配]
[飛びかかってはこられたが。不意をつかれたわけでは無く。手近にあった本を一冊引っ張りだして自分と異形の腕の間へとかざす]
…へへっ。そうガツガツすんなって。
仰せのとおり、年寄りなんでな。
肉も筋張って美味くもねえが。
喰ったら腹にもたれんぜ?
[覚悟を決めたのか、それとも恐怖が一回りしてしまったのか。口から出るのはいつも以上の軽口で]
[翳される本を気にも留めず、そのまま爪を突き出し]
もたれようが何しようが、今は傷を癒すための血肉が要る。
一人で居た不幸を呪うが良い!
[軽口には付き合っていられないと言わんばかりに、左腕も異形へと変え、横方向から切り付けた]
[中はユリアンと、そしてハインリヒしか居ない。
少し離れた所に人の気配があるが、おそらくこの館の主だろうか。
こちらに来られるとまずい。
壊された窓枠から、中に入ろうとして壊れたガラスで手が傷ついた。]
ユリアン…!
[気を逸らしてしまうかもしれなかったが、名を呼ばずにいられなかった。
表情は青い。今にも泣きそうな顔で。]
[両方向からの攻撃には、元々武術や護身術など知りもしない素人ゆえに、あっさりと胸元を横になぎ払われて、勢いよく後ろへと転倒する]
…は、っはは。っくそ。いってぇ…。
…いってぇじゃねえかこの野郎!
[せめてもの反撃と手に掴んだままの本をユリアンに向かって投げるが、それも力の無い放物線を描くのみ。書物で知った狼を撃退する為の銀の武器もあるわけもなく。この状況で自分が生き延びる術は、騒いで時間稼ぎをして誰かが来るのを待つしか無く]
[ゆるり、と人に変じる。
昨日ほど引きずられることは無かった。
どうしてかは分からない。
けれどイレーネの血滲む手を手当てすることもできない。
気休めの言葉すら掛けられない。
無論エウリノを逃がす手伝いをすることもできない。
そも、今のエウリノが止まることはないだろう。
ハインリヒ。いい加減なようでも母親のことに心を配り続けていた男。彼が死ぬのをただ見るだけだ。
ただ、それだけだった]
力無きヒトが俺に敵うと思うてか?
[あっさりと吹き飛ぶハインリヒを見下し、口端を吊り上げる。
爪についた紅を舐め、飛んでくる本を首だけで躱しながらゆっくりとハインリヒへと近付いた]
…諦めて、俺の血肉となれ!
[ざくり、と骨の少ない腹部を狙い、薙ぎ払う。
内臓を引きずり出そうと爪を宛がった時、何かに反応して視線を上げた]
……ちっ、流石に気付いたか。
[こちらに近付いてくる足音。
これだけ派手な音を出していれば、見つからないはずもなく]
ここで捕まるは得策じゃない。
命拾いしたな、おっさん。
……いや、その傷じゃ長くも無いか?
[くく、と低い笑いを漏らす。
立ち去ろうと振り返れば、そこにはイレーネの姿]
…行くぞ。
[静かに告げて、窓から飛び出す。
イレーネを抱え上げると、纏う紅もそのままに、再び工房へと*駆けて行った*]
[遠く起こる喧騒は、知るや否や。
彼の姿は、一軒の家の前に在った。外から見上げれど、人の気配はない。
人狼発覚の報は、行き渡っているのだろうか。
そんな思考が掠めつつも、中へ入る。
今となっては、扉の鍵を気にする必要もなかった]
[気配は近づいてくる。その事に恐れを抱く。
守護者は危険だと、それは散々口伝で伝えられてきた故に。
それに主が気づいて手を止めてくれた事に、心底ほっとした。昨日のように、狂乱に身を任せるようなことが無くてよかったと。
ユリアンに抱えられる際に、傷つき倒れるハインリヒをちらと見た。
嫌いな人ではなかった。優しくしてくれた客だった。
だが敬愛する主らに比べれば――塵に等しい。
人を恨むような、主の餌とならなかった事を嘆くような、そんな視線がほんの僅かの間だけ向けられたが。
ユリアンに抱えられて工房へと連れられて行く。
手には微かに傷ついた赤をつけたまま。
これなら食べてもらえるだろうか、そんな事を*考えながら。*]
[意識が何度も遠のきかけるが、胸元と腹部に走る鈍い痛みがそれをなんとか食い止める]
…はは。助かったのかね。こりゃ。
あの野郎…中途半端にしやがってよ…。
年寄りの肉が食いたくねえなら、最初から素直にそう言えってんだよなあ…。
[腹部に手を伸ばせば、ぬるりとした感覚と共に生暖かい血が掌に絡み付く。それもすぐに冷めていき。]
ああ、俺、もう死ぬんかな。こ…れは。
やだ…な。死…ぬのは…。
[震える手で胸ポケットから煙草を取り出し、咥えて火をつけようとするが。血で湿った煙草には上手く火がつかず、結局手からこぼれ落ち]
ああ、あれ…だ…な。
お、れ…詩人だもん…な。
こういう時、時こそ…なんか…詩を…。
[閉じかけた目の映るのは窓の外に広がる切り取られたような空の色]
あぁ…ほら…ミリィ。今ならお前がい、言ってた事判る気がす、する。
[この空を母親に伝えよう。そのための言葉を紡いでいこう、そう決めてはみたものの]
あ…は。やっぱり…なんにも、お、おもいつかねえや。やっぱ…駄目だねぇ…お、俺は。
[その言葉を吐いた後、意識が*途切れた*]
─昨日/自衛団詰め所─
[自衛団の詰め所を訪れ、宿であった事を話す。自衛団員たちはいきり立ち、討伐隊を派遣しようとするが、それは押し止めた]
相手の戦闘力を甘く見るな。
それより、あんた達は他の連中が巻き込まれないように、しっかり守れ。
[では、人狼はどうするのか、という問い。
それに対し、浮かんだのは静かな笑み]
異端を制すは異端が役目。
古よりの盟約に基づき、守護者の……メルクーアの血を継ぐ者が、対する。
……心配するな。最悪でも、相打ちには持ち込んでやるさ。
[勝手知ったる場所ではない故に、探し当てるには少々手間取った。
閉ざされた扉の先。
切り取られた、小さな空が広がっていた。
否、其処に在ったのは、一枚のキャンバス。
鮮やかな青に満たされた空の下、笑い合う村人達が居る。
今の、死に包まれた村とは異なる、生きた人々の姿。
もう居ない者も――それは、青年自身を含めて――、皆、全て。
異なる色の双眸を向け、目を眇める。
それは、確かに美しくはあれど、何の変哲もない空にしか見えなかった。
――…初めは。]
………。
[イレーネを抱き上げ、走り去っていった同胞を追うことは無く。致命傷に近い傷を負って倒れ伏す男をじっと見ていた]
……………。
[あまりにも記憶を刺激する光景だった。
知らず己の肩を抱く。意識を失う男を目の前にしたまま、ただその場に呆然と*立ち尽くしていた*]
[静かな言葉に、自衛団員がどんな反応をするかは確かめもせず。
ユーディットの亡骸を預けてそこを離れた。
次に足を向けたのは、共同墓地。
両親の墓の前でしばし祈りを捧げてから、自宅へ。
帰って間もなく訪ねてきたハインリヒの求めに応じて書斎へ案内した後は、自室に戻った。
目に入るのは、完成間際の曲。
しばしの逡巡の後、鍵盤の蓋を開いて、ゆっくりと、ゆっくりと旋律を辿った]
Eine leere Entfernung.
Ich baue einen Regenbogen.
[零れたのは小さな呟き。そのまましばし、現実を忘れるかのように音を紡ぐ事に専念した]
[そんなこんなで、眠りに就いたのは明け方近く。
『力』を用いた疲れもあってか眠りは深く──それ故にか、気づくのは、遅れた]
……っ!?
[窓が破られる音。叫び声。書斎から聞こえる、尋常ならざる気配。それらを感じた感覚が目覚める]
まさか……ち、いい根性してやがるっ!
[苛立たしげにはき捨て、書斎へと走る。
扉を開け、目に入ったのは──紅]
……っ!
ハインリヒさんっ!
[音が紡がれるその部屋の隅に。
いつの間にか、少女が蹲っていた。
鎖は伸びて、部屋の外へ。
遠い世界から奏でられる音に、目を閉じて耳を傾けていた。]
[時の流れを収めたかのように、
角度によって、色の移り変わりゆく空。
それは、カインと名を与えた白猫の眸に似ていた。
正しくは、彼の猫の眼が空を模していて、
此の絵も、それと類したものを宿していたのだろう。
――緑色の空は、幸福(しあわせ)を呼ぶ。
そう言ったのは、誰だったろう。
古来より伝わる、伝承の一。
信じていた頃も、きっと、在ったのだけれど。
それはもう、遥かに遠い記憶]
[音がなくなり、静寂が訪れても。
ことりとも動くことなく、少女はその場に居続けていた。
異質な音が、静けさを破り捨てるまでは。]
……なにか、あったの。
[走り出していく人影に、尋ねるように呟き。]
私も、行く。
[ぺたぺたぺた、と、空間を渡る。]
[窓の向こうに、駆けて行く気配は感じていたが、今は追うよりもする事がある、と倒れた傍らに屈みこむ。
自身の持つ知識だけでどれだけの事ができるかはわからなかった。
一応、護り手の勤めの一環として、簡単な知識は身に着けてはいたけれど]
……ちっ……。
上等だよ……!
[苛立ちを込めて吐き捨てつつ、ともあれ今は応急処置に専念する。
救えるかはわからない、けれど。*何もせずにはいたくなくて*]
/*
中の人、ものすごい勢いでうんうんうなってます。
困ったことに。
…ささやけるもの(狂人)の話とか、完全に聞きそびれて…るorz
ティル視点だと、イレーネ狂人理解していいんだろうか…
どうしよう…(おろおろ
[齎される色を、厭うようになったのは何時だったろう。
信じることなど、馬鹿らしいと思うようになったのは。
後悔など、していない。
して、何になるというのか。
還ることなど、ないのに]
……くだらない。
[幾度も、吐き続けてきた台詞。
くだらないのは、何か。
手を伸ばして、絵に触れる。爪を立て、下へと滑らせて、破ろうとした。
けれど、死せる者に、現への関与が叶うことはない。
青年の、色を違えた双眸も、また空に似て、揺らぐ。
雨が、降り出しそうだった]
[勝手知ったる風に屋敷の中を渡ってゆく。
ぺたぺたぺた。
じゃらじゃらじゃら。
歩く度に、音がついてくる。
ふらり、開かれた書斎の扉から中を覗き込み。瞬く。]
どうして、貴方ばかり――。
……エーリッヒ様。
[悲しげな表情を浮かべて。
書斎の中に入ることはせず、少女はふ、っと*散り消えた。*]
エウリノ…やっぱりおなか、すいてる?
[守護者の屋敷へ走り出した主を、抱えあげられたまま心配そうに見る。]
無理しないで、辛かったら私を…。私はその為に人なんだから。
そうじゃないと、あの人に…。
[一族が人狼に協力しながら、人のままで居る意味。以前ロストにも話したそれを、エウリノへも向け告げた。
人狼の強さは知っている。でも守護者の力も昨日その片鱗を見た。
このままだと負けてしまうかもしれない。それはつまり―死。]
お願いだから、死なないで。
ロスト様みたいに逝かないで…。
[震える声で胸に縋った。]
[人が駆けて来る。
声を上げ、手当てをしてゆく。
意識を手放した男は死線の上にいるのが分かる]
…ぅ。
[助かればいい、と思う一方。
このまま助からなければいいと思う。
いや、きっと男は自分のような愚かな選択はしないだろう。
それでも]
ぁ…。
[全身を締め上げる恐怖。
決めたはずの覚悟すら粉々に砕かれる。
知覚できていたはずの世界がどんどん遠ざかってゆく。
覆い被さってくる闇を払いのけることも出来ないまま、再び意識は拡散し*姿も溶けた*]
─回想─
[目の前の光景に圧倒されて。足がすくんだまま何もできなかった。
異形の姿を晒し、逃げていくユリアン。いつの間にか消えたイレーネ。
そして、朱く染まったユーディットと、抱きかかえるエーリッヒの姿。
家にくるか?というエーリッヒの問いには、目を伏せて]
うん。あとでお邪魔するよ。兄ちゃんは先に帰ってて。
[そう伝え、宿屋に残った]
[ちょこんと椅子に座り、ぼおうっと店内の様子を眺めている。視線の片隅には、テーブルでノートを眺めているブリジットの姿が映っている]
…ユリアン兄ちゃんも…狼だったんだ…先生だけじゃなく…
[小さく呟いて、うつむいた。ぼおっと、以前工房で何度か会ったときの事を思い出して。
その幻影を振り払うように、首を横に振る]
でも…ユーディ姉ちゃん…殺したのも…兄ちゃん…
[少し首を起こせば、床に残る血の痕。目をそむければ、カウンターが目に入る。
よく食事を食べに来ていたこの宿屋にも、誰の姿もない]
女将さんも…ノーラ姉ちゃんも…アーベル兄ちゃんも…狼に殺されちゃった…
[再び視線を動かす。目に入ったのは、2階へとあがる階段。
さっきまで2階の部屋で、イレーネと話していた会話を思い出す]
『終わらせないと』
[イレーネと共に語った言葉。
終わらせるということは、狼を──ユリアンを殺すこと。
その考えに思い至れば、目を伏せるが]
でも、終わらせないと。
[小さく呟いて、顔を上げる]
[襲撃をかけた屋敷から工房へ戻る途中。
ゲイトから訊ねられ、息を飲む]
……だ、めだ。
それ、だけは──!
[喉を襲う渇き。
ゲイトの言葉は甘い誘惑となり意識へ滑り込む。
その誘惑に対し、残る理性が止めろと警告する。
喰らってしまえば後悔するのは自分なのだから、と──]
だい、じょうぶだ。
この渇きは、あやつを喰らうことで、癒す…!
[縋るゲイトを抱く腕に力を込める。
中途半端にハインリヒを手にかけたため、その衝動は燻ったままとなり。
ゲイトの手から漂う誘うような香りに、理性が負けそうになるのを堪え。
歯を食いしばってそれに耐えた]
[自分だけは絶対喰らわないと、抗う主が嬉しくもあり、悲しくもあった。
傍に居る、居場所になると、約束はしたがそれだけでは足りず。中途半端に支えになりきれていない事が辛いと思った。
手から流れる血の匂いに誘われるエウリノに、腕を差し出すべきか迷う。無理にでも食べさせろと血が叫ぶ。
が、イレーネがそれを堪えた。
手を服の端で拭い、血を押さえる。
代わりに縋る手に力を込めた。]
/*
お帰り。投票デフォエリさんのままなんだけどいいかなぁとか思ってしまう(ぁ
…うんちゃんと仕事します(投票は PL視点 で)
娼婦 イレーネは、工房徒弟 ユリアン を投票先に選びました。
[騒動が一段落した後、自室に戻り。
テーブルの上の譜面を手に取った。
幾度も書き直されたその束の、一番上には綺麗に清書された一組。
鍵盤の蓋を開き、譜面台にそれを置いて。
音を確かめるように、旋律を紡ぐ。
無限の蒼穹、そこに架かる虹の橋。
それに託す先への想い。
そんなイメージを乗せた、曲]
ん。
これが出来ただけでも、満足するべき……か。
[一通り、弾き終えて。零れるのは小さな呟き。
鍵盤の蓋を元通り閉め。銀の短剣を手に、家を出る。
左の袖口からは、既に包帯は覗いてはいなかった]
/*
流石仲いいな私らwwwwwwwww
んでエウリノは頑張ってー。
一応ついては行くけどどしよっかな。ティルあたりが話し相手になってくれるだろうか(ぇ
─村外れの丘─
[人気のない村を通り抜け、丘へとたどり着く。
何故、ここにやって来たのかは、自分でも定かではないけれど。
ここならば、他者に被害も及ばないのではないか、と。
そんな考えもあったやも知れず]
……やれ、やれ。
なんにもない、はずの俺が。
なんで周りを気遣うんだか……。
[零れ落ちたのは、自嘲の呟き]
[誘惑に耐え、工房へと戻り。
ゲイトを降ろすと風呂場へと向かい水を被る。
今はあの忌まわしき邪魔者を喰らうことだけを考え。
冷静の中に狂気を宿した]
……は……。
[短く息を吐いてから、傷の残る右眼に手をあて。
感じる傷跡に憎悪を燃やす]
…全力を以って、コロシテヤル──!
[残された左眼が赤く染まる。
そして再び水を被った。
己から漂う死の匂いを消そうとするように]
[とぼとぼと、闇を彷徨っている。]
ここは、どこなんだろう。
どうして、ここにいるんだろう。
私は、だれなんだろう。
私の、名前…………ユーディット?
[告げられた名前を、呼んでみる。]
[闇は薄らいでいる]
Kyrie eleison ――
[紡がれる音は、低い旋律。
主への祈り。
ステンドグラス越しに注ぐ光を目に映しながら、
人気の無い聖堂にて、口遊む。
傍らには、弟殺しの農夫の名を持つ、白い猫の姿が在った。
死者が教会で、聖歌を口にするだなんて、馬鹿げた話だ。
そんなことを、思う]
[工房で降ろされ、奥へ一人入るユリアンを見送った。
手を差し出そうと、己を差し出そうとしたが、それは主から拒絶されていた。それだけは、駄目だと。
傍に居てくれる事が嬉しかった。
優しくしてくれるのが嬉しかった。
大好きな人がずっと待ち望んでいた主なのが嬉しかった。
だけれども。
それは幸運すぎたのかもしれない。
近すぎる距離は、本来の立場を危うくしてしまい。
一族の血に無意識に逆らってしまっている事に、気づいてはいたが止める事が出来なかった。]
/*
丘行こうと思ったら先取りされていた辺り、流石です(何が)
……て、ユーディットが、居た。
[なんとなく、おろおろ。(するな)]
[工房の風呂場で、喰らい損ね乾き切った紅を洗い流す。
甘いその雫も、乾いてしまえば食指が動かず。
半端に終わった襲撃に衝動が燻ったままとなる]
…喰らってやる…。
俺の邪魔をする、あの忌まわしき守護者め。
貴様の血肉で、この渇きを潤してやる…!
[ぎり、と握られる拳。
その身体は度重なる転変と喰らうことの出来ぬ消耗により、人型でありながら鋭き爪を宿していた。
薬を飲んだとは言え、身体には銀の毒も未だ残っている。
時間が、無い]
[書斎に立っている。散らばった本にかかった朱の飛沫。]
血。
[呟く。目の前に持ち上げた右手は、血で濡れている。
白いワンピースの前面は、朱に染まっている。]
ううん、ちがうの。私じゃないよ。
[激しく首を横に振る。消えるイメージ。
朱の色は無くなる。]
[残された鳶色の左眼が紅く染まる。
それは力の顕現を意味し、身体の各機能は人狼のそれとなる。
研ぎ澄まされた聴覚と嗅覚は、忌むべき相手の気配を捉え。
工房を出ると真っ直ぐとその場所へと向かった]
[そこは、己も好んで通っていた、あの村はずれの丘──]
[自衛団の詰め所。並べられた遺体。
目を閉じたユーディット。その前に佇む少女。]
私……ねえ。あなたは、私?
[答えはなくとも、そうだと言われた気がした。]
どうして私は死んでるの?
私は、何を好きになった?
私は、しあわせだった?
私は、何のために生きた?
[視線を転じる。アーベルの遺体がそこに在る。]
この人、誰だったの?
[入り口の方で下ろされ、奥に行くユリアンをそこで待った。
主が弱ってきているのは分かっていた。
だがこの身を差し出すことは出来なかった。
主がそれを、拒絶していたからだ。
一族の血が、叫ぶ。主のための生贄となれと。
それは自分の悲願でもあった。
だけれども。
もう、出来なかった。
主が真っ直ぐ向かう先に、自分も少し離れて付き従う。
願わくば、せめてあの約束だけは守ろうと。それだけを胸に誓って。
主の気配をたどり、着いた先は見慣れた丘。]
[工房を出る前、ゲイトの傍へと寄り]
…案ずるな。
俺は、死なん。
[それだけを紡ぎ、唇を重ねた。
惜しむように唇を離すと、そのまま工房の扉へと向かう。
告げた言葉は、おそらくは最期の、嘘]
[丘の上の木に寄りかかり、物思いに耽る。
幼い頃、幼馴染たちと遊んだ場所。
しかし、その幼馴染も一人はおらず、一人とは距離を隔て。
今は、一人、そこに佇んでいた。
一人でいるという事、それ自体は自ら望んだ結果ではあるのだけれど]
……ん。
[不意に、左腕に走る、疼き。
伏せられていた緑が開き、やって来た者へと向けられる]
……や、どーも。
[投げた言葉、それ自体は常と変わらぬ物]
/*
さて、チキレでは死亡RPをろくにやってない俺ですが。
どこまでやれるんだろうwww
唯一やったチキレの死亡RPはかなり特殊なものだったしなぁ。
まぁ頑張ろう。
─エーリッヒ宅・客間─
おっちゃん…
[ユリアンの襲撃を受け重傷のハインリヒの前で、しばらく呆然としていた。エーリッヒの治療の甲斐もあったか、息はしている。生きている。
ほっと息をついて、首をあげれば、窓の外が見えた。そこには見慣れた人影が]
エーリッヒ兄ちゃん…?
……っ!
[何かに気がついたように、バネのように飛び上がった。そのままこっそりついていく。
程なく歩けば、丘にたどり着いた]
……随分と、暢気に居たものだな。
[返す口調は人狼の時のそれだが、浮かぶ表情はいつもの無表情で。
今までとの違いと言えば、欠けてしまった右眼と、残された左眼に宿る、紅き色]
[問いかけが終わると、闇から光の欠片が飛び出した。
ふわり、少女の周りに浮かんだのは、幾つも幾つもの水の泡。
七色に光って、ユーディットの過去を、少女の未来を映し出す。
少女のすべての問いに答えるかのように。]
小説家 ブリジットは、工房徒弟 ユリアン を投票先に選びました。
[正しい事とは、何か。
農夫は己の最良と思う供物を捧げ、されど、認められず。
嫉妬し、憎み、憤り、
血を分かつ弟を己が手にかけ、
知らぬと嘘を吐いた。
その話を、知らないわけではなかった。
けれど、――過ちとは、何か。
何を以て、罪と断ずのか]
慌てて騒ぎ立てても、疲れるだけだろ。
……己が成すべき事、それが見えるんだから。
[さらり、と返す。
緑の瞳は静かなまま、紅を見据えて]
にしても、まあ。
村から逃げた先で人狼に出くわして。
その後戻ってきたらまた出くわして。
……とことん、呪われてるもんだ、家の血筋ってヤツは。
ああ……。
[嘆息する、少女。]
そうか。私。私は、
[水の泡がくるくると踊る。
少女を戒めていた鎖が、ぷつり、と切れる。
光は力を強くした。]
[永遠に綺麗なものなどない。
決して穢れぬものなどない。
血塗れた此の手でも、
聖別された銀を持つ事が叶う]
神様とやらは、如何なんだろうね――?
死んだら、視えるかと思ったんだけど。
[問いに、答える声は無い。
さて。
求めていたものは、何だったか。
視たいと思っていたものは、何だったか]
…うん。分かってる。
[重ねた唇から感じる主の生命は、始めて会った頃よりはいくらか弱く感じられた。
それでも、今は信じた。
嘘も真と、信じぬいた。]
ずっと、一緒だから。
約束…私が貴方の居場所だから。
…どうか、お気をつけて。
Mein domine.(―私のご主人様)
[やがて聖堂には、常と変わらぬユーディットの姿があった。
首輪だけは、未だ嵌められたままだったが。]
アーベル。
[丘の上には守護者の姿があった。
真っ直ぐそちらに向かう、主からは少し離れた。
邪魔になるのは分かっていたから。
ある程度離れた所に静かに立ち二人を見ていた。
微か顔色は青かったが、表情は無かった。]
[名を呼ばれ、振り向く。
変わることのない容貌の中で、
右の眼だけが、罪の象徴のように赤く染まっていた]
……、ユーディット。
[白猫が、小さく鳴く。
距離を置いた青年の代わりのように、
声の主のもとへと寄った]
成すべき事、か。
[それだけ繰り返し、一度隻眼を閉じる]
へぇ、俺以外の人狼にも遭遇してたのか。
道理で騒ぎが起きても慌てる様子が無いと思った。
…俺が成すべき事とお前が成すべき事。
その内容は正反対のものだが、どちらも譲れない。
そうだろ?
我らに仇成す忌まわしき守護者!
[閉じた瞼が叫びと共に見開かれる。
そこにあったのは先程よりも紅い光を宿した瞳。
ざわりと、ユリアンの髪が逆立つかのように膨らんだ]
[足元へ寄ってくる白猫を、身を屈めて撫でる。]
死んでる者同士だから触れるのかな。
アーベルは、どう思う?
[目を上げて、アーベルに微笑みかける。]
戻るのが遅くなっちゃった。えっと、ひさしぶり?
[丘にたどり着けば、エーリッヒと、異形と化したユリアンの姿。
下手に見つかっては、逆にエーリッヒの足手まといになるかもしれない。そう考えて、慎重に姿を隠して様子を見守る。
丘全体を見渡せば、もう一人、人の姿が見える]
…イレーネ姉ちゃん…
[ゆっくりと、イレーネの方に向かい移動する]
ま、そうとも言う。
それ以前に、親父殿から護り手の血脈として、色々と叩き込まれていたのもあるが、な。
[軽く肩を竦めつつ、言って。
ゆっくりと、木の幹から身体を離す]
確かに、完全に相反するな。
……俺は、知り合いが無駄に死ぬのは好まん。
それが、人の手によるものだろうと、異端の手によるものだろうと。
守護者の役割とか、そんなもんは、ついでに過ぎんが……。
[す、と懐に入る手。抜かれたそこには、柄に紅を燃え立たせる、銀の短剣が握られて]
使える力は、使う。それが呪いだろうと、異端の証だろうと。
[白猫は喉を鳴らして、心地好さげに眼を細める]
さあ。
流石に死んだことはないから、わからないね。
[腕を組み、片側に体重を寄せた。
若干斜めの姿勢になりつつ、視線を転じる]
……久し振り、でもないんじゃない?
現の時で言えば、一日か、その辺りだろ。
時の流れなんて、曖昧だけど。
[主ら二人の方を向いていたが、暫くの間何も始まらないことに微か安堵し、そして酷く緊張していた。
表の名を呼ばれたのはそんな時で。
ぴくりと、そちらの方をゆっくりと向く。]
ティル。
[少年に向けた表情は――透明な微笑み。
娼婦として、狂える者として、内の全てを覆い隠す為に身に付けた穏やかな笑みを向けた。その場からは動けなかったが。]
それもそうね。
[くす、とおかしそうに笑う。]
ううん……でも、最期に貴方とちゃんと話したのって、お屋敷でエーリッヒ様と一緒だったときだから。
やっぱりちょっとだけ、久しぶり。
色んなことがあったしね。結構前みたいに感じる。
その眼は、どうしたの?
[質問には、こくっと頷いた。優しい表情で。]
お陰様で。
若返るのは良いんだけどね。
あの頃の私は色んなものに囚われすぎてて。
[それがちょっとだけネック、と冗談めかして言う。]
一寸、ね。
人狼の真実っていうのは、
些か強烈だったのか、知らないけど。
視たら、染まって、抜けなくなったらしい。
[相変わらず、片側の視界は無い。
自嘲めいた笑みを浮かべ、手で覆った]
囚われていたなら、仕方ないんじゃない。
身だけでなくて、心も。
…エウリノ、私は…。
ううん、何でもない。
ここに、いるね。
[本当はもっと傍にたかった。
だがそれは叶えられないと、代わりに赤い世界でだけ添った。]
そういう、ものなんだ。
[猫を撫でていた手を止め、立ち上がるとアーベルの方へと]
うん、まぁ……。
生きてる間に振り払ったつもりだったんだけど。
私って、自分で思ってるほど強くなかったみたいね。
イレーネさんに本当のこと言わせられると思ったのに、失敗しちゃうし。助手はまだまだ探偵にはなれそうにないよ。
[幾つかの声。
その殆どは遠く。そのうち幾つかだけは僅かに近く。
誰だろうと思った。そちらに意識が向いた]
[気付いた時は、一人そこに立っていた。
祈りの舎は厳然とそこに在り、影はそれ以上進めず]
[左手を顔に影を作るように翳す。
開かれた指の間からは紅き光が覗いている]
知り合いなぞ、知るものか。
お前らは、俺の居場所を奪おうとした。
この村で、何もしていない俺達の居場所を奪おうとした!
異形であるからと、ただそれだけの理由で!
ここが封鎖される前、この村で原因不明の死体が転がったか!?
異形の爪痕が残されたりしたか!?
…俺はただ、静かにこの村で過ごして居たかった。
オパールの加工を学び、それを生業として過ごして居たかった。
それを壊したのは、お前ら人間だ!
[左手に隠れる紺色の髪が、端から白銀へと変わっていく。
口元は尖り、瞳は吊り上がり。
ぱさりと落ちたバンダナの下からは獣の耳が顔を覗かせた]
だから。
俺は貴様らを喰らう。
安寧を奪った貴様らに、全てに対し、復讐してやる…!
[白銀は髪に留まらず、顔や腕、ついには全身を覆い。
翳していた左手を外すと、そこに居たのは白銀の半人半獣の姿]
[自分の名前を呼ぶ声に、そちらを向いて、軽く手を上げて挨拶をする。
近づいて見えたイレーネの様子は、表情も、声も、いつもと変わらない穏やかさ。
けれど、何か不安がよぎる……イレーネが狂える人とは知らないが、ユリアンとは仲がよかったと知っていたから。
できるだけ、普段と変わらない表情を作り、近づいていく。わずかながら、緊張していた面持ちが現れていたかもしれない]
[白猫は青年と女性を、交互に見やる。
眸は白金というよりも、透明に近かった]
人間は、弱い。
そんなものだよ。
[近づくさまを、身動きせず、眺める]
そう?
嫌いじゃないけどね、ああいうのは。
でも。
……馬鹿だね。
[赤き世界に落とされた言葉と気配。
獣化により飛びかける理性がそれに反応する。
僅かに残った理性は、ゲイトの頬を撫で、その場に留まった]
[ピクリ、と背が跳ねた。
強い、あまりにも強い意思を伴った声]
エウリ、ノ。
[呟き、ゆらりと歩き出す。
声のした方へ。今度は自らの足をつかうように]
[咆哮を聞き目を閉じる。どこか別な世界を感じ取るように。
目の前の出来事から意識を離す事はしなかったが、傍に近づいてきたティルには少しだけ気を向けた。]
こんばんは。
危ないのに、こんな所まで来て。
[語る言葉は穏やかで。いつものそれと変わりが無い。]
ティルは私が怖くないの?
私はユリアンに、人狼様に仕える僕なのに。
[緊張しながらも近づく意識に、そう問いかける。]
[全て飛んで行ってしまうかと思っていたのに。
頬を撫でられる気配に泣きそうになった。
まだここにいる、居てくれる。
それがとても嬉しかった。]
弱くても、強くなりたかったの。
まぁ……生きるのに必要なぐらいには強くなれたから、
良かったかな。
[ゆっくりと歩を進め]
うーん、私じゃあれが限界だったんだけどな。
[少しだけふくれっつらになり。
ふ、と扉の外を振り返る。]
……始まった。
[目を眇め、去り行く白を見送り、歩を踏み出す]
そうじゃなくて。
……お前まで、
死ぬ事無かった、って言ってんの。
[ユーディットが振り返った瞬間、
すれ違いざま、ぽん、と頭を叩いた]
[述べられる言葉。
それを、緑の瞳は静かに、受け止めて]
……それが、どうしたって?
だから、自分は悪くない、正しいと。
そう、言いたい訳か? ……は。
[口元、掠める笑みはどこか冷たく]
馬鹿ばかしい。
いくら理屈をごねても、正義なんてもんはどこにもない。
お前たちにも、俺たちにも。
死にたくないものは、生きるための術を講じる。
互いにそれをやった結果がこれ……それだけだ。
……俺は。
お前らの、悲劇の主人公ごっこに付き合う気はねぇ!
[鋭い、宣言。
直後に翳される、左手の銀の短剣。
瞳に、表情にあるのは、成すべき事を成さんとする覚悟のみ。
情に流される事なく、毅然として。
流血に終わりを告げるために]
Die Flamme, die ich Leben und Feuer hole.
Ich helfe ihm und wohne in mir!
[唱えられる言葉に応じて立ち上る、焔の気。
それを纏い、白銀の姿へと踏み込む。
同時に、その勢いを乗せた突きを繰り出して]
[足取りは遅い。
振り払いきれていない悔悟を象徴するかのように]
[それでも一歩ずつ前へと進む。
咆哮が響いた方へ。村外れの丘へ]
(復讐を!全てに復讐を!全ては主の望むまま!)
[内を流れる血が叫ぶ。
それを、静かに受け止める。
今はただ流れる水のように、目の前の出来事を受け入れるだけ。]
だったら誰が殺されても仕方ないのに。
[ぽつりと呟く言葉は内に留めた。
それは、こちら側にも当てはまる故に。
そう仕方ないのだ、相容れぬ者同士がそこに在るのだから、仕方ないのだから―
それなのに、悔しくて仕方ない。]
わ。
[びっくりした、と頭を押さえ。
すれ違いそうになるアーベルを追いかけるように歩きだす。]
そりゃ、私だって死のうと思ってたわけじゃないんだけど……
……頼りにしてた探偵は消えちゃうし。
[馬鹿はあんたでしょ、と言い返す。]
< なぁ。
白猫の足はさして早いわけでもない。
けれど、追いつくには、そうかからず。
影の周囲を、くるりと巡る >
俺は、いいの。
元々、如何でも良かったし。
[己の命に価値など、見出していなかった。
けれど。
ユーディットは見ず、歩みを止めることもなく]
……全く、意味がない。
[呟いた。
相打ちを狙わずとも、良かった筈だった。
中途半端だと称する人狼を生かして、苦しむさまを見ても。
――そうしなかったのは]
―――。
[風が吹いた。
村の様子を眺めている女性の髪が、勢いよくなびく。
それは、ミリィ。
いや。姿かたちはよく似ていたが、雰囲気が違う。表情が違う―――何より、翼が生えていた。
そもそも、死者であるミリィならば、気候により、髪がなびいたりするのはあまりありえないことであった。
感情のこもってない目で、村を、人を、空を、ずっと眺めている。
―――その口がゆっくりと開いた]
【―――終わり。
何を持って終わりとするのか。
それは、人により、変わる答えだ。
だが、事件は終わる。終わりに近づいている。
……報告の時も、近い】
< 差し出された手を見詰め、
次いで、その先にある、影の姿を見る。
以前と違って、その眸は、何も映しはしなかった。
すり、身を摺り寄せる >
[完全なる転変。
それにより理性は吹き飛ぶはずだった。
しかし何故か、目の前の男が言う言葉が耳へと入ってくる]
常ニ 迫害 ヲ 受ケテ キタ 我ラ ノ 気持チ ナゾ 貴様ニハ 判ル マイ!
安寧 ヲ 願ッテモ ソレヲ 許サレヌ 我ラ ノ 気持チ ナゾ!
[僅かに残る理性が、獣の口から言葉を紡ぐ。
突き出された銀を避けようと、体勢を低くし、向かい来る相手の顔目掛け、下から爪を繰り出した。
避けようとした銀はその肩口を切り裂くように掠め、白銀が紅に染まる。
隻眼であるために遠近感が狂った]
…ありがとう。
[瞳の色を薄れさせ呟いて。
摺り寄る白猫をそっと腕に抱き上げた]
今、行きます。
[確かめるように口にして。
それまでよりも僅か確りとした歩調で歩き出す。
程なくすれば見えてくるのは、銀と焔。
それを見守る少年と少女]
【なあ、ミリエッタ=ヘーベルクイン。
これが貴様の望んだ未来か。
こんなことのために、貴様は命を、魂を、全てを使って、あの絵を描き上げたというのか。
後世の人は、貴様を夢想家と呼ぶだろう。
出来るはずのない事を望んだ愚か者だと罵るだろう。
それで、満足なのか?
ミリエッタ=ヘーベルクインよ】
[ゆったりとした独り言。
近くにミリィの姿は無い。だが、それでも、近くにミリィがいるように、語りかける様に、「彼女」は呟き続けた]
如何でもよくない!!
[強い口調で反駁する。]
少なくとも、私は如何でもよくなかった!
アーベルに生きてて欲しかったのに!
[聞こえてくる。遠い世界で繰り広げられる争いの音]
[咆哮に続いては、エーリッヒの叫ぶ声。
2人の会話は遠くてはっきりとは聞こえないけど。とても悲しい音に聞こえた。
そちらの様子から目はそむけずに、イレーネの声を聞く。
『人狼様』『僕』
その言葉を聴けば、寝物語に聞いた話を思い出す。狼の話にはしばしば現れる、狼に仕える狂い人がいることを]
…そっか…
[大きく息を吐いて、少しだけイレーネの方を向いた。続いてきた問いには]
怖くないかっていわれたら、嘘になるかもしれないけどさ…
[申し訳なさそうに頭をかいて、言葉を続ける]
でも、イレーネ姉ちゃんは、イレーネ姉ちゃんだろ。
あそこにいる狼だって、ユリアン兄ちゃんだし。オト先生だって…
[再び、丘の方を向く]
狂い人だから怖い、とは思わないよ。
< 白猫は抵抗の素振りを見せず、
抱き上げられる侭になる。
ふと、眼差しが何処かを向く。
手の主とは異なる方向に。
その眸に、「彼女」の姿は、映りはしなかったが >
[主の声に微か驚く。完全に変転してしまえば理性は消えてしまうとそう教えてくれたのに。
何故喋れるのか――その原因に気づいてギクリと身を強張らせた。
そうだ原因は―――自分だ。
僅か別な所にいる意識に気を向ける。]
[ふ、と目の前から姿が消え、手には浅い手応えが伝わる。
避けられた、と認識した直後に、下から繰り出された爪が迫る。
態勢は崩れていたが、軌道の僅かなブレもあってか爪は頬を裂くに留まり。
舌打ちと共に、後ろへと飛びずさる]
……ああ、わからんね。
護る力があるが故に。
誰かが死ぬ度、責められ続け、終いには異端と貶められる。
そんな、俺たち一族の苦労を、お前らが理解できんのと、同じようにな!
[異端なるもの。最初はその意は自身も知らず。
思わぬ形で目の当たりにして以来、決めていた。
何も愛すまい、何も懐に入れまい、と。
情に囚われる事なきように]
っ、エウリノ。私。
[ここから離れるべきか逡巡する。
が、自分からは、暖かな温もりから離れない。失う事を恐れて。]
エウリノ、邪魔なら、命じて。
向こうに行ってるから…。
ゲイト。
そう、貴女はエウリノの心を守ってあげて下さい。
[それは願い。むしろ祈り]
……?
[腕の中の白猫が「何処か」を見た。
つられるように、視線が動く]
[現の世界。
手を出せない場所で、争いは続く。
終わらせるために。
新たなる始まりを齎すために]
生きる意味も、見出せないのに――?
[立ち止まり、顔を向ける。
薄い笑み。違いの眼は、冷たい]
俺は。
楽しんでいたよ?
起こる、争いを。
人が醜い心を露にする様を。
人と獣の合間を移ろう者が、牙を剥く様を。
[真実と虚実の入り混じった言葉]
……そんなのに、生きていて欲しかった?
……。
[視線を感じて、ゆらりと視線を動かす。
そこにいたのは、死者達。
この村の呪縛により、何処にも行くことの出来ない死者達だった]
【―――なるほど。
終わり。やはり、終わりは近いか。
呪縛は、薄らいできている。
さもなくば、我が、ただの彷徨う死者に認識されるようなこともなかろうて。
光。闇。
さて、行き先はどちらに】
[切り裂かれた肩口から銀の毒が回る。
くらりと視界が揺れたが、ふるりと頭を振り吹き飛ばす]
何ヲ 言ッテモ 平行線。
ヤハリ 貴様ラトハ 相容レン ナ!
[飛び退る相手を追撃するかのように、低い体勢のまま地を蹴り。
風の如き速さで肉薄す。
懐に飛び込んだと思い、爪を心臓目掛け振り抜く。
その距離は、ほんの少しだけ、足りない]
生きる意味なんて、私にも判らない。
そんなのきっと本当は誰にも判らない。
だけど、私はアーベルと一緒に居たかったの。
それじゃ駄目なの?
[冷たい眼にはたじろがず。
優しい表情で返す。]
もし貴方が本当に争いを楽しんでたなら、
私に力のことなんて教えなかったでしょう。
一人で狼のところに向かおうとなんてしなかったでしょう。
捻くれアーベル。
勿論。大切な人には生きてて欲しかったに決まってる。
[ゲイトに寄り添った理性は傍から離れようとしない]
──…嫌だ…傍に、居てくれ…──
[それはまるで駄々をこねる子供のようで。
死期を悟ったからこそ、その傍から離れたくないと思った結果だった]
そう。それは、間違ってないと思うよ。人間なら。
[怖いけど、怖くないと、そう言いながら頭を書き、普段とあまり変わらない表情を見せる少年ティルに微笑む。
向ける笑みは相変わらず透明に澄んだそれだったが。]
…私、ね。
ずっと待ってたの。人狼様を。
父さんは私を慈しんでくれたけど、代わりに母さんからは憎まれた。父さんの愛を独り占めしたからって。
…当然だよね。父さんは血を継ぐ者を求めて、母さんを愛してはいなかった。
でも父さんは私を愛してたわけじゃない。
父さんが心から、愛していたのは人狼様だけ。
[今なら分かる、父もその人生の全てを、まだ見ぬ敬愛する人に捧げたのだ。]
私達の一族は、血を持ってその力を為す。
人狼様の為に、血を、力を、受け継ぐ者を作らなきゃいけない。
だから父さんは母さんを利用した。
そして私が生まれて、10になるまでにその口伝の全てを伝えて死んでいった。
[何故、ティルに自分の全てを語るのかは、分からない。
ただ伝えておきたかった。目の前の主が、相対する人に思いのたけを叫ぶのと同じように。]
後に残った私は、母さんに売られた。
村の人からは疎まれた。
だからずっと、待ってたの。
全てを捧げると、そう伝えられていた人狼様を。
[目の前の人と、そして失った人。
どちらも敬愛した。出会えたことは幸運だった。
でも。]
ねぇ、ティル。
私達は、人と違う人は、幸せにはなれないのかな?
こんなに普通に話せるのに。
みんな、私を憎むの。ユリアンを嫌うの。
狼だから、親が居ないから、娼館に売られたから、ただ普通の人と違うってだけで。
私達は、ただ静かに暮らしてたかっただけなのに…。
[まだ幼い少年に、問いかける言葉ではないかもしれない。
答えは、期待してはいなかった。
それでも、口にした。]
【ミリィ。ミリエッタ=ヘーベルクインは此処にはいない。
何処にでもいて、何処にもいない。
あれは、そういう存在になった。
それが対価。
主の力を借りた対価。
故に、貴様らには、二度と認識は出来ぬ】
[白銀が疾風の如き速度で迫るは、着地の直後。
未だ態勢は不安定であり、距離を更に開ける事も、防御の姿勢を取る事も難しく。
が、予想に反して相手の踏み込みは甘く、爪は左の胸元を浅く切り裂くに留まった]
(……なんだ?)
[その動きに違和感を感じつつ、しかし、距離を詰めているタイミングは逃せない、と。
裂かれた衝撃に引いた足を基点に、身体を屈める]
相容れる要素がどこにあると……。
特に、俺とお前は、完全に反側面だろうがっ!
[言葉と共に、繰り出すのは下段から切り上げる一撃]
エウリノ…っ
[主の望むままに、抱きしめた。
赤い世界で精一杯、腕を伸ばして力の限り。]
ここに、いるよ。
ここに、いるから…!
[聞こえる声は、いつもの主人の何倍も弱い。
訪れる予感は、悪いものでしかない。]
……その思考が、解らない。
[問いには是とも否とも答えず、
笑みは解け、薄く開いた口唇は吐息を零す]
曲解しない。
その方が、楽しそうだと思ったから。
情報は仕舞い込むより、密やかに齎したほうがいい。
一人で行ったのは、直接訊いてみたいことがあったから。
相手の手が早かったけれどね。
[肩を竦める。
挑発行為をしたのは、確かだが。
捻くれている。
嗚呼、そう評したのは、自分自身だった]
大切? ……幻想だろう、そんなの。
【―――だが、彼女は確かにそこにいる。
そばで笑っているだろう。
悼む気持ちがあるのならば、思い続ければ良い。
悲しむ気持ちがあるのならば、笑い続ければよい。
彼女は何処にでもいないが、何処にでも存在する。
想いがあるのならば、伝えれば良い。
それは、何処にいても、何処で叫ぼうとも、彼女に伝わるのだから】
訊いてみたいこと……。
[何だったのだろう、と首を傾げて。]
じゃあ、貴方は私を利用した、ってわけ?
[にこりと笑う。]
私のことも如何でも良くて、ただ観察対象物でしかなく。
争いへの歯車でしかなかった?
……幻想って何?
本当はそんなものないっていうの?
チィ…!
[腕を振り抜くタイミングは合っていたはず。
それなのに爪は生命の源を抉ることはなく、掠るのみに留まる]
(距離感が、掴めん…!)
[細められる紅き瞳、そこには苛立ちが色濃く現れていた]
…相容レタイトモ 思ウ モノカ!
貴様ラ ハ 我ラガ 餌ニ 過ギン!
[切り上げられる腕を狙い、爪を振り下ろそうとして]
……!!
[ぐらりと視界が揺らいだ。
身体全体に銀の毒が回る。
振り上げた腕はそのまま己の頭を支え、足元はたたらを踏む。
一瞬、白銀の動きが止まった]
今となっちゃ、如何でもいいこと。
[何を思うか。
何を感じて、生きるか。
その答えの一端は、白銀の獣と化した男の、叫びに在った]
……そうなるね。
笑って、訊くこと?
[向ける眼差しには、訝りが混じる]
―――エウリノ!
[動きを止めた主の名を、叫んだ。
ティルに向けた意識は離れ、主の元へと走り出す。
邪魔になるからと離れていた。
ここから向こうまでの距離が、やけに遠い。]
──…ああ…ゲイト…──
[伸ばされる腕に、僅かに残る理性は嬉しげに、安堵するような気配で擦り寄る。
離れたくない、ずっと傍に居たい。
そう、強く強く願う]
[ただ、静かにイレーネの話を聞く。
それは、自分にとってはわからない話だから。聞くしかできなかったから。
何か言葉を発しようとしたときに、イレーネが目の前から走り出していく]
姉ちゃん!
[とっさに追いかけた]
[今まで見てきた、惨劇の痕が頭をよぎる。
血まみれのギュンター。女将と一緒に殺されたノーラ。先生と一緒に死んでいたアーベル。ユリアンに挑み殺されたユーディット。
みんな、大事な人たちだった。
そして次に浮かぶのは。
父親が死んだ時に、ずっと慰めてくれた先生の姿。
工房で必死に石を加工するユリアンの姿]
俺は、姉ちゃんも、ユリアン兄ちゃんも、先生も。
どうしても、嫌いになれないんだから!
[最後に浮かぶは、宿の二階で終わらせようと言って笑ったイレーネの微笑み]
終わらせなきゃ。悲しいことは終わらせて、幸せにならなきゃ!
[何を言っているか、自分でもわからないけど。
叫びながら、イレーネを捕まえようとする]
/*
なんとか使えた…orz
そして、どうしてもミリィの話を絡められませんorz
本編中も真っ当に会話もできてないし…死んだって話も実感ないしね。
ノーラはほとんど会話できなかったけど、女将さんと一緒扱いで絡ませられるからなあ(笑
(ティルは女将さんとは親しかったっぽいからねえ)
笑っちゃう、かな。
歯車の生き死になんて、気にすることじゃないでしょう。
なのにさっき貴方は、私まで死ぬこと無かった、って。
何を気にしていたのかな。
争いをただ愉しんでいたなら、
私の命なんて如何だって良かったはずじゃない。
どうして、そうやって距離を置こうとするの?
[唐突に、止まる、動き。
その理由は、大体察しがついた。
聖別されし銀の力は狼には毒となる、と。
伝えられてきた伝承によるもの。
ほんの一瞬、誘いかとも思ったが、しかし、つけた刃の勢いは止まらず。
振り切った刃は白銀の胴体を捉え、左の肩へと抜ける紅の一筋を描き出す]
……餌になる気は、ない!
そして、これ以上は誰も喰わせねぇよ!
[言葉と共に、振り切った刃を戻し。
軽く、後ろに引いて、突きの一撃を繰り出す。
勢いをつけた突きとするには、引き戻しの距離はやや、不足しているが、構う事はなく]
貴方が。アーベルが。
[首を傾げる。]
どうして、近づけさせてくれないの?
[す、っと一歩を歩んで、アーベルのごく間近へ。
いつかのように、顔を覗き込むようにして尋ねる。]
[思い出すのは初めて出会ったときのこと。
素っ気無い人だった。でも決して傷つける事はなかった。
村の外に居た人だからか、自分を蔑むこともなかった。
だから少しずつ惹かれていった。
いまも、こんなにも。]
エウリノ、エウリノ!
だめだよまだ、私、私っ!
[優しく擦り寄る主の様子が、今は、怖かった。
守護者と相対しているのに、優しいエウリノの様子はまるで何かを悟ったようで。
とてもとても、怖かった。]
[視界の揺れを振り切り、意識を目の前の男に戻した時には、銀が己が身体の上を走っていた]
グ、ガアッ…!
[身体を走る鋭い痛み。
切り上げの勢いもあって後ろへと一歩よろめいた。
ここで倒れなかったのは、もはや、執念]
キ サマ ァ!
楽 ニハ 死ナセン ゾ!!
[叫び、突き出される銀に真っ向から立ち向かう。
既に己の死期は悟っていた。
ならばせめてこの男だけでも道連れにしようと、鋭い牙を剥き出しにし。
その顎門を大きく開く。
相手の突き出しと己の踏み込みの勢いで、銀は違うことなく左胸へと突き刺さり。
それと同時に開かれた顎門は男の肩口へと襲い掛かった]
[表情の消えた彼が声を発することはなかった。
ただ、何も言うことが無いというわけでもなさそうだった]
[ただ黙ったまま、何の表情も浮かべず、視線だけが地に下りる。
ゆるやかに白猫を抱いたまま]
[見つめるのは、終わりの瞬間。
全てが終わる時にのみ、伝えられる言葉があるのだと。
魂が知っていたのかもしれない]
別に、
[否定染みた言葉は意味を為さない。
一歩、退いた]
……っ、関係、無い、だろうに。
[赤と青は、ゆるり、逸らされようと]
[突き刺さった銀が身体全体へと広がるのを感じる。
致命の一撃、それは銀の毒も多大に含んでいて]
──…ごめん……イレーネ…──
[呼んだのは人狼として出逢う前の愛しい者の名。
嘘をついたこと、遺していくことに対する謝罪の言葉。
理性の意識は優しくゲイトを包み込み。
そして少しずつ弱まっていく]
[ティルの声は聞こえない。もう主の姿しか見えていない。
ティルの腕はすり抜けた。敬愛する以上に愛する主の所に真っ直ぐ走る。
意識はすぐ傍にいてくれるのに。
伸ばした手が届かない、前に躍り出る事すら出来ない。
もうすぐ…もうすぐなのに。
だから間近で愛した人が、刺され再び守護者に襲い掛かるその様子がゆっくりと、見れた。
同時に毒が、心臓に深く刺さってゆく様も。]
< 下りる視線とは対照的に、
白金の眼差しが上を向く。
消えた表情の中に何を視ているかは、
宿主たる青年すら知らず >
……なにっ!?
[弾かれる可能性も掠めた突きが伝えて来たのは、深く、他者の身体に食い込む手応え。
相手が避けなかったのだ、と。
それに気づくのが、少し、遅れた。
そして、それに思考を奪われた隙をつくよに迫る、顎。
それを避ける暇はなく──]
……ぐっ!
[伝わる衝撃。
次いで、熱さが伝わる]
てめぇ……上等、だっ……!
[激しい痛みを感じつつ、しかし、手の力は抜きはせず。
歯を食いしばりつつ、ぎり、と短剣の刃を回した]
ユリアン――――!
[目の前の景色と、赤い世界の言葉とが、ゆっくり体を回ってゆく。]
いやだ、逝かないで、
私を、一人にしないで―――――――!!!!
[両手で抱いた意識は、砂時計のように零れ落ちて消えていく。
失っていくのが怖かった。
かたかたと、震えながら、それでも話すまいと腕の力は強めたまま。]
関係なくない。
[退くアーベルの手を掴んだ。
目は真っ直ぐにアーベルを見つめ]
……私、アーベルが好きよ。
前にも言ったけど。
本気にはして貰えなかったけど。
[ふっと微笑う。]
どうして、逃げるの?
私は……傍に居ちゃ、いけないの?
ガアアアアアアアアアアッ!!
[捻られる刃に咆哮とも悲鳴ともつかぬ叫びが上がる。
叫びのために肩口から浮く牙。
全身に回る銀の毒も相まって、顎門は緩み、身体は後ろへと倒れ行く。
最期の足掻きと、横薙ぎに揮われた爪は、果たして相手へと届いたか]
[ぴくり。身体が震えて。
ぱっと丘の上の主人を見遣った。]
だから、無茶はしないでくださいって。
どうしてどの人も、自分を大切にしてくれないの?
[今の自分には何もできない。
それはよくよく判っていたから。
駆け出すことはしない。ただ、見守るしか。]
姉ちゃん!
[エーリッヒに向かっていくイレーネを捕まえようと走る。
しかし、子供の足では届かなくて]
駄目っ!駄目っ!
[腕を伸ばし、止めようとして]
[見開く、眼。
されど次の瞬間には、
赤と青とは眇められる。
暫しの沈黙。
何か物思うように、眼前の女の瞳をみる]
……後悔しても、知らないよ。
[消えかかる理性の意識。
それは死への前兆]
[何度も、何度も。
ゲイトへの謝罪の言葉は紡がれて。
その声は徐々に小さなものへとなっていく]
[震える少女を抱き締めたかったが、その力ももう残ってはおらず]
[白猫の見つめる間に、暗紅色はどんどんと薄れて。
だが以前のような翠になることもなく。
見つめる相手のような透明に紅も翠も混じる不可思議な色となる。
青年の一部であったはずのちいさきものは。
その中に何を視たのだろうか]
/*
負け役とは言え、やっぱりバトルは楽しいYO!!
陣営負けなのに、何か凄いやり遂げた気分だ。
惜しむらくは、当初の予定のドライ狼が出来なかったこt
エーリ兄だから、ね。
[昔から知っている、
兄というより、悪友のような存在。
会わぬうちに、識らぬ事も多くなったけれど。
何処か似ていると、そう思ったことも、あった。
死者は、生者には干渉出来ない。
たとえ出来ても、止まる男ではない。
そうと、理解しているから。
故に、何も、――しない]
[不意に、腕にかかる、重み。
視線を向けた先の少女に、舌打ち一つ]
……放せっ……。
[痛みを堪えつつの言葉は、咆哮にかき消されるか。
肩が自由になる感触。
動ける。
そう思った瞬間、とっさに縋りつくイレーネを強引に横へと振り払っていた。
それで、動きが止まったが故か。
直後、振るわれる銀の爪は完全に避けきれず、熱さと痛みが腹部を駆ける]
……く……はっ……。
[声は出ず、代わりに零れたのは、真紅。
二、三歩、後ろへとよろめき、その場に膝を突いた]
謝らないで、いい、からっ、
だから、いや、いやぁっ…駄目、駄目だよ…
ずっと、一緒だって。
約束…私が貴方の居場所なんだって…!
帰ってこない居場所なんて、そんなの…、そんなの必要ないじゃない…!
[もう意識はそこに小さく在るだけで、抱いてくれる事も撫でてくれることも出来ないようで。
代わりに自分が、震えながら小さな意識を包み込む。
ここにいるからと、口にしないまま伝えて。]
……するもんですか。後悔なんて。
[微笑む。
と同時に、かち、と音がして、紅い首輪が外れた。
一瞬驚いたようにそちらに意識が向けられるも、目はすぐアーベルに向けられ、発される言葉には、ため息をつき。
丘を見る。
凍りついた。]
[どう、と仰向けに地へ倒れ。
左胸からは紅き雫が湧き出るように流れ行く]
ゲッ、アッ……ゴ、ホッ…。
[声を出そうにも喉に込み上げてくるもののせいで言葉にはならず。
ただ呻き声が響いた]
【生者は行進を続ける。
ならばこそ、輝き続ける。
死者は停滞を続ける。
ならばこそ、安息をもたらす。
光。闇。
それでこそ、世界。
それでこそ、ヒト】
【何ゆえ、生者は闇を求めるか?
何ゆえ、死者は光を求めるか?
答えなど、分かりきったこと。
運命。宿命。
そのようなものは存在しない。
ただそれこそが現実であるという事実のみ
事実が分かれば、結果など、容易に想像出来る。
いや。結果があるからこそ、事実になる。
それだけのこと】
ぅ、あっく!!
[遠慮なく思い切り、振り払われ丘に叩きつけられた。
聞こえる咆哮、血の匂い。苦悶の声、そしてティルの声。
それが遠くに聞こえるほどに、表の意識が一瞬霧散した。]
…、ぅ。
ぅ…ん…、―――!!!
[ほんの数秒、消えた意識を取り戻すと、草だらけの体を起こし、倒れた主の傍らへと膝をついた。]
ユリアン、ユリアン!
ぁ、あ、ユリアンっ!!!
[銀の短剣からは血が溢れ出て。この毒を抜かなければいけないのだが、今抜けば確実に今以上の血は溢れるだろう事は理解できて。ただ今は、傷口をストールで押さえるだけ。]
ユリアン、しっかり、しっかりして―!
[呻く主の名を何度も呼びかける。]
――馬鹿、
此方に来たら、笑ってやる。
[己も、あんな風だったのか。
そう考えたら、笑いが零れた。
楽しいわけでは、なかったけれど]
【そう。事実。事実なのだ。
世界を変えようなどとは、おこがましい話でしかない。
されど、少女は夢見た。
されど、少年は希望した。
世界は変わらない。誰にも変えられない。
もし変わるとするならば、
―――ここが、幻や夢の舞台であったということか】
笑えないわよ、あれは――
アーベル!
[掴んだ手に力を込める。]
行かなきゃ。もう、黙って見てられない。
判ってても……無理!
[アーベルの手は握ったまま、駆け出す。]
[響く、声。
それは、いつかも聞いたもの。
その時は、自身のした事への覚悟もなく、押し潰された。
だが、今は。
心揺らされる事もなく、静かにそれを見て、聞いていた]
……ち。
さすがに……効いた……。
[勿論、動けぬ理由には、肩と、腹の傷もあるのだけれど]
[白銀の姿はいつしか元の人型へと戻っていき。
瞳を彩っていた紅い光も鳶色へと戻る]
ごほっ…!
っは……、イ、レー……ネ……。
[どうにか発した言葉は、己を上から覗き込み、傷口を押さえる愛しき者の名。
大量の失血と、銀の毒が身体に回ることにより、徐々に視界が霞んでいく。
滲むイレーネの姿。
やはり死ぬのか、と心の中で呟いた。
僅かに残る力を振り絞り、震える右手を持ち上げて、目の前の少女の頬に手を伸ばす]
工房徒弟 ユリアンが「時間を進める」を選択しました。
行って――何を、しようってのさ。
[ユーディットに手を引かれて、丘を往く。
胸中に抱いた感情が何か、己でも解らぬ侭]
[やっと追いついたけれど、その場は入り込める雰囲気ではなくて。
傷ついたエーリッヒの姿を見て、青ざめる]
エーリッヒ兄ちゃん!大丈夫!
[エーリッヒに向かって駆け寄った]
[ふと、空いていた手が上がった。
僅かに唇に触れる。それが最後まで残っていた彼の心]
[同胞の血が流され、世界が再び動き出すのを知る]
[ここが幻でも夢でも。彼にとっては現実であったのだから。
だから彼が伝えたかったのは]
ユリアン…
いや、いやだ…
せっかく、やっと、会えたのに、
待ってたのに、ずっと、待ってたのに、ロスト様と、エウリノと、
私の、私の愛するご主人様、どうか、どうか、死なないで―――
[涙は溢れ止まらない。
頬に赤いぬめりとした感触を感じ、細い指でそれを包んだ。]
わかんない!
わかんないけど、放っておけないじゃない!
[人の身ならざる足で駆ければ、その場所に辿り着いたのはすぐで]
エーリッヒ様。
[膝をつくエーリッヒの傍らに跪いて、その傷に手を当てようとするけれど、それは叶わない。]
Tut mir leid. ――
―― Auf Wiedersehen.
[それは同胞であった者達へ向けて]
[それは隣人であった者達へ向けて]
[呼びかける、声。
は、と一つ息を吐いてから、そちらを見る]
ティル……?
なんだよ、ついて、来たのか……?
危ないから、ついて来させないように……黙って出てきたのに……。
[まったく、と。
浮かべる笑みは、いつもと変わらず]
大丈夫……って、言っても、説得力は、ない、が。
どうにか、生きちゃ、いる……。
[唇の動きが止まると、辛うじて持ち上げていた右手から力が抜け、するりと地面へ落ちた。
イレーネを映していた鳶色の瞳は、もう何も*映していない*]
[此れは、望んでいたことだったか。
見たいと、願ったものだったか。
一つの結末。
近づく終焉。
――解らない。答えも、存在しない]
[駆け寄ってきたティルに向けられたエーリッヒの言葉に、
ほっと息をついて]
貴方はいつまで私に心配かけさせる気なんですか!
[届かないだろう声をいつものようにエーリッヒにぶつけ]
もう、安静にしててください。本当に……。
[――もうひとつ、倒れている影にも目を遣る。
手が落ちるのを見届ければ、顔を伏せた。]
【……なるほど。
この舞台だから、笑えるのか。
望みは叶うというのか。
一瞬であり、永遠である終わりの後の舞台で。
時は迫る。
世界が、変わる瞬間が。
全てが、集う宴が】
[「彼女」が満足げに頷いた。
姿を認識できるはずのない観測者が]
/*
多分やりきった!(多分かい)
しかし進行に関してはエピでジャンピング土下座だな。
うーん、狼陣営勝利目指すの難しい。
アーベル。
[傍らの存在に声をかけ、見上げる。]
これで、終わるんだよね……?
もう、誰も死ななくて済むんだよね……?
[聞こえない声は確かに聞こえて。
支えていた手が、ずるりと地面に落ちていく。
もう呼びかけても何の反応もなく。
いくら探しても、あの赤い世界に愛した人の欠片もない。]
あ、あ…
ユリアン、ユリアン、私…
[光の消えた瞳を覗き込んでも、優しい言葉は返ってこない。]
ああああああああああああああああああああ!!!!!!!
[酷い絶叫が唇から漏れた後、少女はかくりと肩を落とし、それっきり、*動かない。*]
……ざわめき。
ざわめき、が……
塔が崩れしは怒りによって。
なれば怒りとは何か。
黒き影は怒りであり、怒りとは黒き影でありしか。
ただ、……
[静寂が広がる宿の中、ふと、水滴のように落ちる呟き。視線を落としていたノートの空の頁に指先で触れ、なぞる。ペンを取り出してはおもむろに線を引き始め――少しずつ、細い、だが強い筆跡で文字を書き込んでいく]
[あとはただ無言で。
どこまでも静かに、穏やかに。
暗紅と翠のどちらにも光る、透明な瞳で。
時が流れてゆくのに身を任せていた]
終わるだろうね。
少なくとも、
この場での、人狼による惨劇は。
けれど。
残された人間が、如何するか。
そして、生きる人々が、何を為すのか。
……それは、また、別の話になるのだろうけれど。
[存在を異にするもの達が、いる限り。
全てが終わることは、無いのだろうと]
うん…ごめん。出かけるの、見えちゃったから…
[そして、いつもと変わらない笑みを見ては、思わずつられて笑顔を向ける]
そ、そうだ。早く誰か呼んでこないと。兄ちゃんの治療しないと。
[そう言って駆け出そうとすれば、聞こえる悲鳴。
何が起きたかを理解して。その場を*離れるだろう*]
[人へと転じ、動きを止めた姿。
響く、絶叫。
左腕の熱が、少しずつ、鎮まるのが感じられた]
……ああ。
終わった、な。
[零れ落ちたのは、小さな小さな、*呟きだけ*]
< 白猫は、聴く。
齎される言葉の、一つ一つを。
何を視るか、何を想うか。
それは、誰も識ることはなく。
―― すっと、眼を閉じた >
[やがて開かれた二頁に渡って書き込まれた文字。端から端まで、殆ど隙間なく密集したそれは遠目に黒く塗り潰されたようにも見え、判読は難しかった。
最後に。その「文章」に終止符を打とうとしたペン先が、滑る。頁を外れ、テーブル上に抉るような線を引く。
じわりとペン先から滲んだインクは、黒ずんだ*血のようだった*]
……そっか。
残された、人たち。
エーリッヒ様、ブリジットさん、ハインリヒさん、ティル、……イレーネ。
[彼らの名前を順に呟き。
胸の前で手を組んだ。]
――みんな、どうか、しあわせになれますように。
[抗おうとするもの。
受け入れて、往くもの。
為せず、潰えていくもの。
起こる惨劇]
……嗚呼、
馬鹿馬鹿しい。
[それでも――
だからこそ。
人々は、生きるのだろう]
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