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書生 ハーヴェイは流れ者 ギルバートに投票を委任しています。
書生 ハーヴェイ は 冒険家 ナサニエル に投票した
学生 メイ は 冒険家 ナサニエル に投票した
冒険家 ナサニエル は 流れ者 ギルバート に投票した
見習いメイド ネリー は 流れ者 ギルバート に投票した
双子 ウェンディ は 流れ者 ギルバート に投票した
流れ者 ギルバート は 冒険家 ナサニエル に投票した
お嬢様 ヘンリエッタ は 見習いメイド ネリー に投票した
冒険家 ナサニエル に 3人が投票した
見習いメイド ネリー に 1人が投票した
流れ者 ギルバート に 3人が投票した
冒険家 ナサニエル は村人の手により処刑された……
見習いメイド ネリー は、お嬢様 ヘンリエッタ を守っている。
今日は犠牲者がいないようだ。人狼は襲撃に失敗したのだろうか?
現在の生存者は、書生 ハーヴェイ、学生 メイ、見習いメイド ネリー、双子 ウェンディ、流れ者 ギルバート、お嬢様 ヘンリエッタの6名。
[優しい腕の折の中、朗々と響くは獣の声。]
おおかみが…人狼が………詠ってる…
…おにいさん…………死んじゃ…ゃだ……逃げて
[かすれる声は、ぎこちない笑みを向けてくれた青年へと。
彼の人が逃げるどころか、獣と成ろうとは *知ることなく。*]
[緊迫した空気は感じるけれど、わたしにはどうすることもできず
ただトビーを連れて、
せめて少し落ち着ける場所を探す。]
―一階・音楽室―
……いや。
[ 何故かは解らねど不思議そうな少女の様相に自然と手が持ち上げられ、然れど視線と共に宙を彷徨い直ぐ様其れは緩やかに下ろされる。]
何か、……違うなと思って。
[ 云い様の無い違和感は上手く口にする事が出来ず曖昧な言葉となる。]
─音楽室─
[彷徨うような手の動きに、不思議そうに瞬いて]
違う……って?
[曖昧な言葉に、わずか、不安めいたものが瞳を掠めたようにも見え]
ボクは……ボク……だ、よ?
……そう、か。
[ 黒曜石の瞳は薄紫の中に掠めたものを見留めたか緩やかに瞬かれ、微かに息を呑んだか然れど上下する喉は長いネックの下に隠れる。]
メイは、メイ。
[ 確認する様に繰り返す其の言葉。]
変わらない、よな。
[ 否、其れは何処か云い聞かせているかの如くに。]
[ 人であれど獣であれど、己はハーヴェイ=ローウェルと云う存在に相違ない。
――果たして、本当に然うであろうか?]
うん……。
[僅かな刹那、目を伏せつつ、頷いて]
ボクは、ボク……変わらない。
[確かめるように、呟く。
それから、伏せていた瞳を上げ]
……なんか……ヘンだよ、ハーヴェイ。
どうかしたの?
[からかうように、問いを投げる。
口調はいつもと変わらない、けれど。
どこか、何か、軋んでいるような。
そんな様子も伺えるやも知れず]
……だぁれが変だっての、失礼な奴だな。
[ 何時もと変わらない、普段通りの光景。然し――否、だからこそ、ピアノの調律が狂っているが如くに奇妙な此れは、不協和音とでも云うべき感覚。]
如何も、しない。俺も、お前も、何も無い。
[ 薄い口唇から紡がれる淡々とした声は否定の言葉を重ねる。]
[「何、してるの」
――幼い彼女の声。
「何って」
――月明かりに照らされたこどもはわらって。
「開けて欲しいって、言うんだ」
――窓が開いていた]
[……ああ、あの子か。
双眸を開く。
目の前の彼は、あの子と同じ。
“施設”に獣を招き入れ、一番最初に殺された人間と]
[だとすれば、人狼は*誰――?*]
―階段―
失礼なのは、お互い様な気ー。
[むっとしたような口調で言い。それから、わずか、目を伏せて]
……何もない……か。
ほんとに、このまま。
何も変わんないなら、いいのにね。
[呟くように言いつつ。
いつの間にか途絶えてた旋律を*再び織り成して*]
/中/
あれ?
なんか、どこかで見たような台詞が出てますよ??
……雛の死亡フラグじゃないですか、コレ(笑)。
笑えない。
というか、さて、殺意ptをどこで溜めましょねー(' ' )
……そうだな。
[ 同じ様に黒曜石を伏せ短く答えれば、睫毛の下に陰は作られ青年の表情は何処か遠く虚ろなものとなり、窓から注ぎ込む月光が薄暗い室内を照らす。]
何も、変わらないのなら。
[ 微かな頷きと共に洩れた呟きは心からの言葉か、上辺の虚偽か。再び流れ出す旋律に僅か宿した色を和らげ、暫し其れに身を委ねるかの如く目を閉じる。其の音色だけは変わるまいか、*其れとも其の明澄さすらも失われるか。*]
[ 変わる事を望んでいるのか、変わらない事を望んでいるのか。
其れすらも解らぬ儘に、何方にも成り切れぬ青年は孤独に闇の狭間を彷徨う。]
中
(のりかえでめをさましつつ)
自分はしんでも仕方がなくて、他の全員にはいきてほしい
すきな人とか守りたい人ができたら委任→その人のかわりに殺害
自らは悪意をもちにくいが、だれかのてを汚させるならば自分がやる。
/中/
if〜ナサが黒だった場合
めも他のとおり、指は切り落とすだろう。それは崖の下にでも落としてしまえばいい
ちなみに薬をのまなければ広がるのだが、わかたたうえでのまなそう。だんだん黒い染みのように広がっていくのだろう
ただ本人には伝えないが、本人が苦悩しているのなら自分の手で殺そうとするだろう
[青年の取り出したナイフの刃が光る。]
[攻撃の隙を窺うように][油断無く構えられた其れを]
[少年の躯を抱いた儘、][一瞥して尚、平静を保ち]
あんたは一つ誤解をしているよ。
俺が裏切ったのは人間じゃない、
人狼だ。
[しかし]
[愛する女を無惨にも喪い][冷たく激しい怒りに燃えた男には]
[其の言葉は耳に入らなかったのか、][或いは最早如何でも良い事だったのか、]
[両手の塞がった目の前の敵に向かって][鋭い突きを]
[身体の中心を狙って繰り出された刃を]
[体を捻って最小限度の動きで躱し]
[躱されたと見るや][翻って]
[素早く薙ぐ様に閃いた白刃に]
[すっと][衣服が切り裂かれて]
[が]
[抱いていた少年の躯を、]
[急に]
[刃持つ男へと投げ渡す様に]
[放り投げる]
[意表を突かれた男は]
[驚愕し思わず其れを抱き止め]
[次の僅か数秒の間の出来事は]
[ナサニエルに認知出来たかどうか。]
[躯を投げると同時に駆け寄り、]
[思わず受け止めたナイフ持つ手を捻じり上げ]
[其の持ち主の胸に突き刺した。]
[青年は驚きの表情を形作って倒れる。]
[其の身体を跨ぎ、]
[青年が倒れた弾みで床に放り出された][少年の躯を抱き上げ]
[詫びる様に][乱れた髪を整えて遣り]
[ナイフの柄を胸から生えた様に突き出した]
[青年の眸が動き、其の姿を追う。]
[彼の口唇が微かに動いたのを見て取り、]
……ナイフは抜かない方が良い。
抜けば一気に出血する。
[と其れは、]
[事の成り行きに呆然とした様に立っている]
[傍らの侍女姿の女性に向けてか]
[倒れ伏した青年に向けて言ったものなのか。]
[再び少年を抱いて立ち上がり、]
[浅い息をして横たわる青年を見下ろす。]
[其の眸には][憐憫も怒りも何も無い]
[唯、寂かな虚無。]
トビーを休ませたら、あんたも連れてって遣るよ。
ローズが好きだったなら、あの女(ひと)の側に行きたいだろう?
[階段を上がり][廊下を進み]
[少年が泊まっていた客室に至る]
[昨日まで少年の休んでいた寝台の上に]
[少年を降ろして寝かせ]
[着衣や髪を整え]
[幾度も然うした様に][上掛けを掛けて]
[階段へと戻って来た時には]
[未だ青年には息が有った。]
[其の側に座り込み、付き添っていたネリーに]
……あんたは手を出すな。
[言い置いて、青年の身体を抱き上げた。]
[じわじわと体内で拡がる出血に、青年の顔は蒼白であったけれど][意識は未だ保たれており]
まだ喋れるか?
出来たら、ローズの居る場所を教えて呉れ。
其処へ連れて行く。
[耳元で囁けば]
["ローズの居る場所へ連れて行く”と言う意味を理解したのか]
[眸に光が宿り][力無く持ち上がった手が]
[廊下の先にある部屋を指し示す。]
[彼の胸に深く刺さり、その命の奪いつつあるのは…彼自身が身を守る為に帯びた刃。]
…自らの牙と爪にて、滅ぶ。
[多分其れは]
[「其処へ」とかそんな言葉だったのだと思う。]
[青年の示す部屋の扉を開けると]
[冷たい屍臭]
[寝台の上に横たわる死んだ女]
[青年を抱えた儘][扉を閉め、内鍵を掛ける。]
[部屋の中へと歩み寄り]
[死した恋人の隣に、]
[瀕死の青年を横たえる、]
[婚姻の褥の如くに。]
[優しい檻は、彼を促して何処かへ連れて行こうと。]
…ゃだ……離して……
お兄さんとネリーさんが………!
[彼が居たとしても、手も声も届かないのに。
首を振って抜け出そうともがけば、ふっとその腕から力が抜けて、]
……ぁ…
[驚きに顔を上げた時には、ローズマリーの姿はなく。]
…君は…
[それは幾度も人に問うた言葉。]
大切なものを守る為に、人を殺せるか?
大切なものを奪った相手を殺せるか?
…大切なものが、死を望めば殺せるか?
[――否。
彼が気付いていなかっただけで、獣は最初からそこで全てを見ていたのかもしれない。]
……ぁ…ああぁ……っ!
[怯えながら後ずさるも、その背に触れた――壁のような曖昧な感覚に、ふっと瞳が揺れて。]
[霞む視界とは裏腹に、はっきりと耳に届く、敵意の応酬。]
[然うして}
[青年の刺さった儘のナイフの柄に手を掛け]
[一息に抜き取る。]
[丁度、出血を止める栓の役割をしていたそれを。]
[開いた傷より][勢い良く溢れ出す血液]
[赤く赫い][生命の泉]
[彼を殺した青年と、彼を抱く青年は、激しく敵意を交わし。
彼を受け止めた青年を、彼を投げた青年が、ナイフを深く刺して。
何者にも汚されぬと白銀に輝く獣が、静かに、しかし高らかに詠うがごとく紡ぐ言葉を聞きながら、ただ、そこに在ることしか出来ずに。]
………ああぁ……ぁ……おにぃ…さ……
[視界が霞むのは、意識の揺らぎか、頬をすべる雫ゆえか。]
[甘い馨りに酔った男は]
[青年の着衣の前を乱暴に開く]
[釦が飛び][布地が裂け]
[滑らかな膚を露わにし]
[湧き出づる泉の源][ぱっくりと開いた傷口に]
[口唇を寄せ]
[ごくごくと喉を鳴らし]
[鮮紅の美酒を飲み干す。]
[――やがて、青年は彼を連れてそこを去り。
涙に濡れたまま、彼は白銀の獣を見やる。それが、処刑されたコーネリアスだとは知らぬままに。]
……相変わらず…?
あなたは…ボクを知っているの……?
[目にした惨劇ゆえか、感覚も意識も恐怖も――全てが麻痺して。口から零れたのは、そんな問い。]
[蜂蜜の様に蕩けた][琥珀色の眸は]
[淡い黄金の光を][其の底に宿し]
[恍惚と揺蕩う。]
[剥き出しの平らかな胸に指を這わせ]
[愛撫に似た手付きで弄る。]
[やがて]
[泉が枯れ][緋の奔流も途絶え]
[何時の間にか息絶えて]
[冷えてゆく青年の躯、]
[美しい恋人の骸と並ぶ其の隣に]
[共寝するかの如く][添い伏して、]
[恍惚と眸閉じ][緋色に染まった唇を嘗め]
[赫い闇の眠りに]
[*堕ちてゆく。*]
[”死”とは時間も空間も曖昧なのか――何故か目の前の獣に、逆に問われた声が聞こえて。
頬を濡らしたまま、彼は考える。答えることに意味があるのかすら判らぬままに。]
大切な…もの…を………?
ボクは……ボクには……
守る力も、殺す力も、なかった……
だけど、力があっても。
死を望まれても…大切だったら……大切だから、殺せないと…思う……。
[それは奇麗事かも知れないけれど……彼は、まだ子供だから。]
[――そしてもう、大人へは成れないままだから。]
[揺らり、意識は揺れて。
瞬けば、そこは彼の居た部屋。]
[瀕死のナサニエルの元へと戻ったのか、ギルバートの姿はなく。
眠るようにベットに寝かされた遺体(からだ)の傍に、青年がそうしていたように腰掛けて。
ぼんやりと、*蒼白な己の顔を見つめる。*]
――二階 廊下――
[思い当たる人を探し、彷徨う少女の耳を掠めた男の声に――]
[こつり――]
[少女は歩みを進めて、階下を覗き込むように顔を出す。
そして目に飛び込んできた情景に――]
あっ――……
[その言葉だけを落とすと――
緩く崩れ落ちる蒼髪の青年の姿を――
少女はただ、見守っていた――]
[崩れ行く蒼髪の青年。ルーサーが自分が亡き後の少女の身を託していた――]
[しかし今の少女には駆け寄ることも出来ず、ただ――
刻一刻と蒼褪めていく表情を遠くから見つめることしか出来ず…]
[かつん――]
[聞きなれない音に視線を上げれば、加害の男が毛布に包まった何かを部屋に運んでいて――
それが何かとは、少女には簡単に理解出来ず、ただ視線の先を通り過ぎていくのを見遣り――]
[再び通り過ぎていく加害の男の手に委ねられた、蒼髪の青年の蒼白しきった顔を間近で見れば、もう既に手遅れだということを理解して――]
[ぱさり――]
[その場に崩れ落ちるように少女は座り込んで、加害の青年の行方を、ただぼんやりと見つめながら、しばしの時を過ごして――]
[ゆるり――]
[立ち上がると、少女はルーサーの亡き姿が横たわる部屋へと歩みを進めた――]
――廊下→アーヴァインの部屋へ――
――アーヴァインの部屋――
[部屋に入ると、やはり変わらず横たわっているルーサーの亡骸に、寄り添うように近付き少女は一時の眠りに就く。
内鍵が壊れた部屋。無防備に眠る姿を神父が見たら、何と言うだろうか?
少女は苦笑交じりに微笑んで――そっと瞼を閉じていた]
――夜明け アーヴァインの部屋――
[そして差し込む日差しの眩しさに瞳を開ける――]
[目に映る物は昨晩と何ら変わらず。勿論自身の体も生を受けたもの特有の温かさを携えており――]
あ…私まだ…生きていたんだ――
[呟く言葉に感情の色彩は込められておらず――]
[そして疼きだす背中の感触に、薄く笑みを零すと――]
手向けの花…探す前にまずは身を清めないとね…。だから少し待ってて?神父様――
[ルーサーの額に…軽く唇を落として――]
[ふわり――]
[柔らかく立ち上がると、少女は部屋を後にした]
――アーヴァインの部屋→浴室へ――
[その時の情景は見たくなくて、わたしが(おそらく)次に形を取った(とおもう)場所は、わたしの体がある場所だった。
……みればわかってしまう結末のある場所。]
流れ者 ギルバートが「時間を進める」を選択しました
/中/
ギルさん、描写ありがとうございます。
なんかこう、中的には驚いたというか、喜んだというか(ぇ)
好きなキャラで好きなキャラに殺害されるというのは、ある意味本懐を遂げた気分です(まて)
しかし、昨日のハヴギル展開から予想はしてたけど…
本当に血ぃ貪られるとは…
――浴室――
[少女は熱いお湯に浸かりながら、ルーサーの言い残して言った言葉を反芻していた。]
人狼の餌食に、または人々の疑いの矛先が向かう先。私達がその両方の対象になったとしても――
一人残る――
神父様は人狼の餌食に…。そしてナサニエルさんは…怪我をしていた青年によって…。
――ねぇ、神父様…。あなたは初めから…こうなることを予想していたの?
予想していたから私に……?
[ぱしゃり――]
[水音が跳ねて、少女の顔を濡らす――]
[跳ねた水滴を右手で拭いながら]
あなたから授かった『聖書』は…、やはり私には重すぎて――でも誰を頼ればいいか判らなくて…。結局私は無力だって――思い知らされる…。
[ぱしゃり――]
[再び水音を立てて左手を水面から差し出し、じっと見つめて――]
せめて成長が止まっていなければ…
今よりはもう少し楽に――あの『聖書』を扱えたはずなのに……
[少女は薄紅色の唇を強く噛みしめ――]
[滲み出た血液をそっと舌で掬い舐める――]
美味しくない…血なんて…。
こんなの…食事じゃないっ…
だから人狼の事なんて――解らなくていい…。
だから…答えなんて…要らない――
[交差するのは過去の記憶――
一命を取り留める代わりに与えられた問いかけに――
少女は…解き明かすことを拒絶して]
探さなきゃ…人狼を――
[弱さを流し落とすように勢いよく立ち上がり、少女は浴室を後にした――]
――浴室→*客室へ*――
――客室――
[一日振りに戻る自分宛に差し出された部屋はもう、既に少女のものでは無いような気がして。]
[さらり――]
[頬を掠める金糸を耳に掛けて――]
[少女は手際よく着替えをし、荷物から小さな何かを手に取り、『聖書』を抱えて――]
さよなら――
[離別の言葉は何に対してか――]
――客室→温室へ――
[久方振りの][夢の無い睡りから目醒めて]
[血と死の匂いで満ちた部屋で]
[ゆっくりと目を開ける。]
[茫漠とした眸は未だ夢の中に在る様で]
[夢中で血を貪った時の心地は]
[漠として霞んでいるけれども]
[満たされた心地は真実で。]
[古い皮が剥がれ落ち][その上を新たな皮膚が覆って行く様に]
[此の心が変わりゆく恐怖は消えていた。]
[暫く然うしてゆったりと]
[死した恋人達の居る寝台の上で]
[茫と視線を漂わせていたが]
[やがて、]
[其処から下り立ち。]
[引き裂いてしまった青年の服の襟を掻き合わせ]
[傷口を隠して][毛布を掛けた。]
[思い付いた様に]
[部屋に掛けられた鏡の前に立つと]
[血に染んだ口元を舐め取り][其処に在った布切れで丁寧に拭い]
[吸血の痕跡を消し去る。]
[部屋の中を捜して][見付けた青年の荷物の中から衣服を取り出すと]
[切り裂かれた服を脱ぎ捨て][其れを身に着ける。]
[然うして]
[すっかり身支度を整えると]
[ふらりと]
[部屋の外に出て行く]
――温室――
[以前訪れた時と同じように少女は花籠を携え、室内をゆっくりと歩く――]
[細く小さな指が選ぶのはフリージア。神を捨てた少女に、献花に選ばれる花など目に映らない。
やがて籠いっぱいに摘み取られた花びらに、黄スイセンが入り混じったのは、花言葉に込められた少女の願いか、今は誰も知る由も無く――]
[さらり――]
[揺れる金糸は、誘われるように舞い――]
さぁ、神父様の器にお別れをしなくてはね…
[少女は花籠の中に閉じ込めた『聖書』に一度だけ視線を落として――]
[ふわり――]
[花の匂いを漂わせて――]
――温室→屋敷内へ――
[偶然にも探し出した浴室で]
[浴槽には浸からず]
[タオルを濡らして身体を拭い][身を清める。]
[水気を拭き取り、]
[鏡に映った姿]
[鬱血の痕跡の残るだけとなった皮膚]
[塞がった傷痕の上に][もう一度包帯を巻いて行く。]
――屋敷内 廊下――
[屋敷内に足を踏み入れた花籠を携えた少女は、ふと、視界に加害の青年の後ろ姿を見つけ――]
[かさり――]
[花籠を胸に携え――]
[その後姿を追いかけて――]
こんにちは…。お兄さん。あなたは何処へ行くの?
良かったら…私もお供させてくださらないかしら?
[ふわり――]
[あどけない笑みを、青年に向けた――]
―回想―
[ 不意に青年の視線が一種幻想的な旋律を織り成す少女から現実へと続く扉へと移される。其の瞳が僅か震え何処か惑うかの如く揺らぎを持てば、碧の少女は其の様子に気付いたかモノクロームの鍵盤から顔を上げ色彩の在る世界を視界に収め、如何かしたのかと問い掛け来て、]
……ん、いや……一寸、外がな。
[下手な誤魔化しは今の彼女には拙いと感じたか、若干躊躇いつつも素直に返す。]
少し様子、見に行って来る。
[ 然う告げれば少女は演奏の手を止め自分も向かうと言い出すのに、明確に拒否する理由も浮かばずに――或いは置いていく方が危険だと判断したか――逡巡の後に頷けば途切れた音色は緩緩として夜闇に溶け込んでいく。]
[ 薄暗い室内の上に青年の位置からはピアノに隠れ見えなかったが、立ち上がったメイの纏う衣類の異なりを見留めハーヴェイは黒曜石を緩やかに瞬かせる。]
お前、其の服……?
[ 問うような声に相手は何と答えただろうか、唯其れには曖昧に返事をして、恐らくは似合うとでも云ったかもしれない。其れは何時かと同じ様に、然れど若干のぎこちなさを持って。然し其れも直ぐに普段の笑みへと変わっただろう。]
[ 男の声は聞えたか聞えるまいか、然れど独り言の様に聲は零れる。]
人にも獣にも成り切れぬ存在、か。
人の心を有しながら獣の力をも宿す――神とやらは、何を思って創ったのだかな。
[ 自らをも嘲るかの如き嗤い。]
[ 二人が其処――やや離れた場所ではあるが――に辿り着いた時には丁度、嘗て少年であった躯が刃を振るう男へと抛られた瞬間で。妙に緩やかに其の光景は刻は流れ、然し何が在ったか認識し切れずに、幾度かの瞬きの後には、倒れ伏した青髪の男の胸からは緋色が零れ仄甘い馨りが青年の鼻腔を擽るか。
薄い口唇が笑みを象りかけるも其れも一時で、ハッと気付いたように傍らの少女を見遣る。然れど、
「――どうか、した?」
向けられた視線にもメイは至極普通の、否、此の場においては却って異常な様相で緩慢に首を傾ける。驚いてはいるものの、其処に昨晩迄の動揺は見られない。次第に降り積もる、疑念。其れでいて、此れ以上触れては脆くも崩れ去ってしまいそうな、……或いは既に。]
[ 軈て少年の躯も死を間近にした男も睡りの地へと運ばれ、二人の少女も其の場を立ち去り、館内は何事も無かったかの如くに静寂が訪れる。異なるのは其の場に残る僅かな香りと緋色の痕か。
少女の薄紫は茫洋として其れを眺めていたろうか、声を掛ければ現実から薄布一枚隔てた世界に居るかの如き遠さを感じさせながらも、矢張り平然としてもう夜も遅いからと云って部屋へと戻っていく。死者の姿を視、声を聴いたとて、現在の彼女の様相は変わらないのかもしれない。
然うして後に残されるのは、青年一人で。]
……何、なんだよ……?
[ 妙な喪失感と苛立ちに近い、人としての感情。拳を固く握り唇を噛み締める。
然れど獣の時間は訪れれば其の黒曜石の双眸には冷艶なる月の光が宿り、*生を求めて駆けるのだろう。*]
[問い掛けられれば、にこりと微笑み――]
えぇ、ウェンディと申しますわ?
お兄さん――?
それとも――…?
[くすり――]
[零れた笑みは意味深な言葉を含みながら――]
きっと其の事にも何某かの意味は在るのさ。
ハーヴェイ=ローウェル。
[その呟きは彼の黒曜石の眸の青年には聞こえないが]
生まれながらに獣である獣。
人として育ち、人の心もつ獣。
人を捨て、獣へと堕ちることを望む者。
人でも獣でもなく、そのいずれにも入れぬもの。
[ただ、詠うように低い声は朗々と。]
未だ名前を名乗って居なかった。
他の人からもう聞いて知って居るかも知れないが、
俺の名はギルバート。
[淡々と][唇には刷毛で掃いた様な]
[薄い笑みを浮かべ]
ギルバートさん…ね。初めて聞きましたわ、貴方のお名前。
もっとも――
[彼の手に握らされた花びらを見て、少女は薄く微笑み――]
私には貴方の名前を知る必要なんて、無いんでしょうけども――
[ころころと笑い声は木霊して――]
[不思議そうに花を見つめるギルバートには]
その花は、今の私の心そのものです。
意味は――猜疑…
[ゆっくりと花弁に視線を注ぎながら…]
猜疑――
[ゆっくりと意味を噛み締める様に呟き]
つまり君は疑っているんだな?
其の罪状は何?
ローズマリーを殺した人狼だと思っているのか?
俺は記憶を無くしていたから、この館が如何いう状況なのか、君達が何者なのか、殆ど解かっていない。
この館の主が死んで人狼審問が始まった、と言う事だけしか。
[返ってきた言葉に、少女はすっと目を細め――]
簡単に言えばそうですわね…。
誰も疑いたくないという綺麗事は言っている暇がなくなりましたので…。
でも――
あなたの事は人狼とは…何故か思えないんですよね…。
何故なら…あなたは――
人として身を隠す人狼ならあまりにも…未熟すぎたから…
[ふっと緩めた口元から――]
[淡い微笑を零して――]
一つあなたに聞きたいことがあるんです。確かめたいというか――
あなたは…人の血液で――
飢えが満たされますか?
記憶が――…?
では尚更…人狼とは思えないのは何故でしょうね…。
[苦笑を漏らして――]
私はただの旅人ですよ…。この屋敷の主に用が有って立ち寄った――
付け加えるとしたら…二年前に今と同じような惨劇を体験しているということだけでしょうか?
[ふわり――]
[少女の金糸が揺れる――]
然う言えばあの異端審問官は如何した?
今日は一緒じゃあないのか。
彼奴も俺を疑っているのなら、良くもまあ一人で出歩くのを許したものだ。
黙って来たのか?
[ギルバートの表情に、少女は動じることなく――]
食事…だからですよ…。
私達人間が、家畜の肉を食べ食物で腹を満たすように――
人狼は――人間の血液で飢えが満ちると…
以前聞いたことがあるんです…。
人狼その者の人に――
[微笑みを浮かべて――]
[「二年前に今と同じような」と言う言葉に]
[ニッと][唇を歪め]
[自嘲じみた苦笑][微かな好奇の色]
……其れは奇遇だな。
俺も一度人狼審問を経験したよ。
尤も、極最近だが。
[異端審問官の行方を尋ねられれば――]
[さらり――]
[少女は金糸を揺るがして――]
ギルバートさん、その質問は愚問というものですよ?
あなたは人狼では無い――
少なくても…
神父様を喰らった人狼な筈は無いですわ――
[ころころと笑う声は、弾むように宙を舞う――]
[金の髪の少女と金の髪の男。
二人を見つめて笑うは獣。
人の血肉により我等の飢えは満たされる?
それは正解でも誤りでもなく。
血肉と共に喰らうは心。
故に屍肉では満たされぬ。]
[ギルバートの口調に、明らかに不快を覚えながら――]
あなたが人であるなら。
人狼審問を経験しているなら…
何故――
神父様の死を軽んじるような態度を…?
[軽やかな楽の音の様な][[笑いを止めた]
[少女に][面白くも無さそうな顔で]
ある村に人狼が潜んでいると言う噂が立って、異端審問官がやってきた。
其の日から全てが変わって、地獄が始まった。
人狼が襲って喰ったのと同じ位、無実の人が幾人も同じ人間の手で殺されたよ。
安全の為に、人狼を見つける為にと。
何の罪も無い子供でさえも、疑いを掛けられて処刑されて。
だから…?
だから…神父様の死も…嘲られると?
――何も知らないのに…
異端審問官の心情なんて何も知らないくせにっ……!
ギルバートさんのところに来た異端審問官がどういう人かは私は知らないわ…。
でもっ…――
神父様は苦しんでいた…。
父も…苦しんでいたわ…。
罪の無い人を殺す苦しみなんて解らないくせに……。
人は皆…勝手なことばかり言って……
[搾り出すような言葉と共に――]
[少女の瞳から零れ落ちるのは。一筋の涙――]
殺した人狼の何倍もの数の人間を殺して生きてきたから…何?
あなたはその騒ぎで…何かしたの…?
少しでも審問官の苦痛を軽減するような事をしてきたの?
一人でも犠牲者を出さないように…皆で団結するような動きを…してきたの?
[悲しみに濡れた瞳は――何処か虚ろ気にギルバートを見つめて――]
[投げ掛ける言葉は…淡々と――]
苦しんでいたから──か……
苦しんでいたら、許されるのか。
同じ人間が人間を殺す事を。
其れで罪が消えるのか。
消えはしない。決して。
[決然と]
[涙を零す少女にも][同情を示す事無く]
[ぼんやりと、何も映さぬ瞳を遺体(からだ)へと向けたまま。
耳に響くは、白銀の獣の声。
詠うように朗々と響くその音は、遠いのか近いのか。]
……
[緩慢に面を上げて、一つ瞬けば。ゆらり、意識も揺れて。混濁]
何をしたか?
[クッと喉を鳴らし]
[自嘲][嫌悪][悔恨]
[琥珀の眸に瞋恚の炎を宿して]
──俺は愛するひとを信じられずに、裏切って生き延びた。
別に私はあなたに神父様の事を赦して欲しいなんて思ってもいない。
私は神父様を、父を――赦すと思っているだけ――
それにね、ギルバートさん。私は神を捨てた人間なの。
罪がどうとかという話は…、私には関係ないことなの。
そんな話は…熱心な信者に任せておけばいいだけの事。
[涙を拭い、少女はふっと溜め息を吐いて――]
…人狼とは…解り合えない。
だから――私は『彼ら』を殺したいと思うだけ――
ただ――
あなたが同じ『人間』なら――
助けを求めたかった…。
私一人では…あまりにも無力だから――
[と、そこまで言うと自嘲的に微笑を漏らして――]
でも、あなたとは分かり合えなかったみたい…
解かり合えないから、殺す。
信じられないから、殺す。
憎んでいるから、殺す。
愛しているから、殺す。
愛しても憎んでいなくても、殺す。
[手も、声も届かない。だから、ただじっと見つめる。]
殺しあうのは…人だけ……
[生温い水の中にいるかのように、少女と青年の声は何処か遠い。
なのに、獣の声ははっきりと耳に届いて。ようやく彼は、白銀の獣も”死した者”であると気付く。]
あなたは……誰…?
……コーネリアスさんなの……?
[その艶やかな毛皮に、彼を思い出して。口にすれば疑問は確信へと代わりつつ。]
[少女に背を向け、再び歩き出す]
[刹那、]
それに───
あんたが人狼でないと、如何して判る?
異端審問官を油断させられるのは、余程信じていた人間だけだ。
[置き土産の様に][囁いて。]
[ギルバートの口から零れた、独り言のような言葉に――]
[さらり――]
[少女は金糸を揺らして――]
…人と人狼の境界なんて、有って無いようなものかもしれないわね…。
私は大切な人を人狼によって奪われたから――
『彼ら』を殺したいだけ――
父を苦しめた『人間』は。
――勝手に滅んでくれたから…だから私は…手を汚さずに済んだ…。
お綺麗な存在では無いわ?
[ギルバートの言葉に――]
[ふわり――]
[微笑めば、花の香りが零れ落ちて――]
[ふるり、身を振って。白銀の獣は、彼の知る人の姿へと。姿を変じても変わらぬ白銀の髪が、さらりと揺れる。
それは彼に、かつての幽霊騒ぎを思い出させたけれど、それ以上に怖いものを知ってしまったから。哀しそうに視線を伏せるだけで、逃げようとはせずに。]
コーネリアスさんも…死んじゃったんだね……。
ねぇ、あなたは…最初からボクの知ってたコーネリアスさんなの?
それとも…姿を真似ただけなの?
「おおかみは、おばあさんに化けて――」
[姉さんの声を思い出しながら、そう訊ねた。]
−階段前−
[ヘンリエッタがそこにたどり着いた時、既に全ては終わっていた。
階段の半ばに横たわるのが、青い髪の青年であるのを知って、小さな肩が僅かに下がる。
青年の先、見上げるは殺人者の姿。]
[わたしはその光景を最後まで見なかった。
見ていたのかもしれないけれどあまり覚えてはいない、と言った方が良いかもしれなかった。
そこを見れば、ふたりの(と言っても良いか少し悩んだけれど)、姿。
死を迎えた二人の姿]
[それは、彼女には一番馴染みの無い人間で。
名を交したのさえ、つい先日のこと。
けれど、彼が抱く緑の髪の少年を見れば、彼が何故、殺人を犯したのかは理解出来た。
また、一人。
あと何人死ねば、これは終わるのだろう?
館に残る生者の数を数え、少女は殺人者を見据える。
彼が動いた。
ヘンリエッタと彼の間に立つお下げの少女に、何事か話しかける。
ヘンリエッタは身を硬くして、それを見守った。
緑の髪の少女の背後、一心に彼を見つめる存在に、気付いていたのかいないのか。
彼の瞳に、赤い髪の少女は映らない。]
[返って来た答えに、目を見開く。]
あなたも…お姉さんも?
生まれながらのって…じゃぁ、アーヴァインさんは……ずっと…。
…どうして?
どうして…人を……殺さずに生きていられたのに……っ!?
[仲睦まじい夫婦だったと、両親から聞いていた。
姉からも、コーネリアスは優しい人だと。
哀しみが慟哭を呼ぶ。]
月の綺麗な夜でした。
…一夜の宿を借りに来た旅人は、その館に住まう美しい奥方に心奪われました。
月のひかりのその下に、奥方が一人…佇んでおりました。
[静かな声が語る、昔話。]
[少年を抱き、背を向けた男が二階に消えるまで見送って、ヘンリエッタは自らの手に視線を落とした。
手のひらに硬く、握り締めるは錆び付いた鍵。]、
旅人は冬薔薇のしげみの影で、思わず奥方を押し倒しました。
奥方は思わず悲鳴を上げ、冬薔薇は赤く染まりました。
あとに残るは喰われた人と、撃ち殺された獣、撃ち殺した人。
あとに残るは、殺された…旅人と奥方、そして殺した主人。
[青年が立ち去る刹那に零された言葉には――]
確かに…そうかもしれないわね…。
でもね、ギルバートさん。
私、神父様が扱う銀の弾丸を何度も目の当たりにしているけど――
私…一度だって怯えた素振りを見せたことが無いのよ。
それに――
[しゃらん――]
[胸元から取り出したのは、銀の鎖と細工の施された、銀のペンダントヘッド。
それは少女がこの屋敷に訪れた際、アーヴァインに手渡したそれと酷似した物で――]
神父様は…、これの存在を知って居たかは解らないけどね…。
それに…。私と神父様はもう…疑うとか疑わないとか…そう言うものは関係なかったもの――
[呟いた少女の声は、ギルバートに届いたのか。少女は知る由もなく――]
[しゃらん――]
[ペンダントヘッドを隠して――]
[ふわり――]
[花を手向ける為に、ルーサーの元へ]
――廊下→アーヴァインの部屋へ――
――アーヴァインの部屋――
[立ち入れば、ベッドに横たわる神父の亡骸に花びらを――]
死して尚――傍に居てくれると言ってくれたから…これは器とのお別れの儀式ですわ、神父様――
[微笑めば、空になった花籠の中には託された『聖書』。
それを籠から取り出して――]
ねぇ、神父様…。信頼を得るのは、なんて難しいのでしょうね…。
私はただ――これ以上みんなに…、私と同じような思いを味わわせたくないだけなのに…
[表紙をそっとなぞって抱きしめる――]
[胸元で銀のペンダントがカチリと音を立てる――]
[そして。
ふと、指に当たる背表紙の感覚に、ふと少女は身から『聖書を』離して――]
アーサー…ロー…レンス…?
[裏表紙に記名された「Arthur Lawrence」の文字に首を傾げながら…]
神父様の残した手掛かりで…人狼を見つけないと…
[少女は再び花籠に『聖書』を仕舞い込み――]
――アーヴァインの部屋→…――
[其れはほんの一瞬の事
目の前、投げ出された物を反射的に受け止める
彼が、其れを手放すとは思わなくて]
[一瞬の隙
しかし其れが致命的であった事に
男が気付いた時は既に遅く]
[其れを傷付けない様にと伸ばした腕を
駆け寄る彼が掴み]
……な…っ……
[男がその意図に気付いたのは
己の翳したナイフで心臓を貫かれた後]
[焼け付く様な痛みは一瞬
間近に見るはなんの感情も映さぬ琥珀
ぎり
と、音をたてるかの様に突き立てた其れを彼が手放せば
成す術も無く足元、崩れて]
……っく……
[声も無く
その場に倒れ
そして男は己の命が尽きるのを悟る]
[既に手足が言う事を聞かぬのは
傷ついた心臓に負担を掛けぬ為と解ってはいた、けれど]
……まて……
[その声は既に囁きにもならず
目だけが其の姿を追って
彼の言葉だけは耳に
翳みかけた視界で天井を見つめて]
[傷は熱を持ち
されど手足は徐々に力を失い
抱き上げられるのに抵抗すら無く
彼が囁く言葉を聞けば、ゆっくりとそれを示し微かに呟く]
[既に視界は奪われ、己の居場所すら知れず
降ろされた僅かな感触で彼の言う場所に間違いなく来たのだと
息を吐く
もう、これで充分だ、と]
――廊下――
[少女は当ても無く彷徨いながら、生前神父の残した言葉を反芻していた]
消えた武器庫の鍵。除外されなかったのは…ギルバートさんと…ネリーさんの二人。
ギルバートさんは神父様の死を知らなかったし、あの人はどう見ても…人狼では無いはず…。
[視線を床に落として、少女は溜め息を吐く――]
鍵を持ち出した可能性のある二人の内、どちらかに人狼が居ると考えた場合――残された人はネリーさんただ一人…。
でも――
[少女は歩みを止め、その場に立ち尽くして――]
もしネリーさんが人狼ならば…。何故武器が必要なの?
それに…ギルバートさんかネリーさん、どちらかが鍵を持ち出したとして、その二人の内のどちらかに人狼が居たのならば…。
[少女は一旦言葉を切り。ルーサーが姿を消した日の事を思い出して…]
――どうして、何事も無かったかのように…鍵は元の場所に返されていたの…?
[不意に、胸元に痛み、其れが最後の
急速に遠ざかる意識、失われる温度
感覚は既に失われ
ただ、音だけが
釦の弾ける音 布の裂ける音
そして何かを啜る音が最後に男の耳に届いて]
[ふわり
感覚は一変する]
[意識は明瞭となり
手足は自由を取り戻す
体を離れて
見下ろす
抜け殻となった己の血を
一心に啜る彼の姿を]
……やっぱ、獣じゃねぇか……
[否、其れは赤子が無心に乳を求める様でもあり
時々胸元を動く手は、其れを強請る様でもあり
やがて全てを終え眠る彼を見据える]
どっちつかずは苦しいか?
あんたは……最後に何を望む?
[もはや声の届かぬ彼に向け呟き*虚空へと目を向ける*]
[虚空へと目を向ける
今まで見えなかったものが見える
息を吐く
尤も其れは既に形ばかりの動作]
………やっと……
[やっと、己が帰るべき場所に行けるのだ、と]
もし俺が、死に場所を求めて旅をしていたと言ったら
彼女は何て言うだろうか?
嗤うだろうか?怒るだろうか?呆れるだろうか?
[苦笑
形ばかりの]
[そう、だからこれは自分の中だけの呟き]
[コーネリアスの言葉は、わたしが聞いていた物語とは――矢張り似ていた。
それもそうだ、あれには彼の主観がはいっていたのだから。]
彼は悔やんだ、とても悔やんだ。
仮令、彼女が彼を愛し、赦してくれるとしても。
それでも彼は生きることを選んだ――選ぶことになった。
それは二人だけの物語。
わたしはそれ以上を知ることはない。
わたしが知るのは、彼は白い薔薇を本当は枯らしたくてそれでも枯らせなかった……その理由だけ。
愛していたのだと、愛しているのだと、彼が言い続けたこと、だけ。
-1階廊下-
[1階で、試していない扉はあと一つだけ。
廊下の突き当り。用事がなければ行くことのないだろう場所。
ヘンリエッタはその部屋の前で立ち止まった。]
─回想─
[旋律を、紡ぐ。
ピアノの鍵盤、それは異能の巫女と世界を結ぶ、残り少ない糸の一筋。
その事実に気づく者は、当人も含めて存在せぬやもしれぬけど]
……どうしたの?
[不意に扉へ向いた青年の視線を訝って問えば、外の様子を見に行く、と告げられ]
なら、ボクも行く。
[対する言葉は、自然と紡がれた。逡巡を経ての肯定に立ち上がれば、そこでようやく、装いを改めた事に気づかれたらしく、問うような呼びかけ]
ん……ああ、これ? だって、ここで隠す意味、もうないし。
[何事もないように、それに答えて。
返される、曖昧な……どこか、ぎこちなさを感じる、言葉。
……その瞬間、微かに薄紫は、揺らいで。
でも、すぐにそれは、消えて]
[騒ぎの中心──階段前へと赴けば。
交差する、ひととひと。
舞う、真紅。
蒼の青年は、倒れて。
……揺らがない、瞳。
薄紫は冷静に、死を受け止める]
……どうか、した?
[傍らの青年が向けた視線にも、静かに返して。
……やがて、静寂が空間を重苦しく包みこんで]
……もう、遅いね。
部屋、戻って休むから……。
[静かに告げ、ゆっくりと、その場を後に]
─回想・二階客室─
[部屋に戻るのと前後して、姿が視えた。
……階段で見た時とは異なり、やや、着衣に乱れがあるものの、その理由になどは到底思い至らず]
─……やっと……─
[聴こえてきた『声』。それが意味するものは、端的で]
……おめでとう。なのかな?
[感情のこもらない、呟き]
[暗い鍵穴に鍵を差し込み、ゆっくりと回す。
少しだけ軋んだ金属音をさせて、鍵は開いた。
やけに重く感じるその扉をあければ闇。
手探りで灯りをつけると、橙の火に照らされて浮かび上がるは悪趣味な品々。]
[動かない。
動かせない。
悲しみの念。
原因や理由はどうであれ。
故意でなく、過失だとしても。
彼は、こわしてしまったから。
巫女が少女でいられた所以のひとつを。
繋ぎ止める糸を、断ち切ってしまったから。
だから。
その死を視る事に。
喪失の恐れは、感じない。
そして、自らを異能と認めたから。
異端と見なされる事への恐怖も、既に曖昧で]
……も、どうでもいい。
[かすれた声で呟いて、ベッドに身を投げる]
これ以上、なくならなければ……。
……いなくならなければ、それでいいの……。
[消え入りそうな呟きは、夜の帳の内に溶け。
やがて訪れた眠りの後、来る目覚め。
繋ぎ止める糸を辿るように。
巫女はまた、旋律を織り成すべく、音楽室へと向かう]
─…→音楽室へ─
―階段―
[赤毛の少女がいたことも、そして立ち去ったことにも気付かずに、彼女はその場に立ち尽くす]
人狼を、…裏切った……?
[戦いの最中に聞こえた言葉を、繰り返して]
[上から下まで、全て人を傷つけるもので埋め尽くされた部屋を、呆然と眺め、ヘンリエッタは室内へ一歩踏み出した。
剣、銃、斧などは、ヘンリエッタにも使い方はわかる。
けれど、なかには全く目にしたことがなく、ただ、灯りを鋭く反射する刃だけが、その用途を伝える品もある。
鍵がかかっていたわりには、それらの刃は綺麗に磨きあげられて、実用性を主張する。]
――二階 廊下――
何か…見落としている所は無い…?
神父様も私も…見落としているようなことは…。
そもそも何故、武器を欲しがるの――?
身を守るため?それとも――…人狼に怯える『人間』を装う為の…カムフラージュ――?
神父様は、私達子供には扱える武器は無いと言った。
メイさんは、望んで人を殺すような事はしないだろうと。
――それに…あの人の力は…本物…。それは私が一番…知っている。
だから…ヘンリエッタさんも、人狼では無い筈――
もし彼女が人狼なら……何故浴室で終始怯えた様子を見せていた?人狼なら…真っ先に信頼を得て――隠れ蓑を作るはずなのに…
[少女は頭を抱えながら、記憶を辿る――]
[霞の掛かったような思考に*苦悩を強いられながら*――]
[試しに手前の壁に飾られた長剣の刃をなぞる。
その冷たさに、指が震えた。
そっと、持ち上げようとして、重みに顔をしかめる。
恐らく自分にはこれは扱えない。
床に転がった、小さなナイフを思い出した。
自分に扱えるのは、せいぜいその程度。]
/中/
なんだかんだで、俺がトビーを殺ってから何人かの動きが変わったな。
実はあの時、トビー殺害RPを事前にする気はないって言ったの、意味があるんだよね。
俺がトビーに手を出そうとすれば、ギルが来る筈。
俺の投票(殺害)目標はトビーだけど、表ではギルを相手にすることになりそうだから。
その場合、俺を殺すのはギルだろうって予想もしていた。
結果的にトビーは死に、明瞭にギルの感情が此方に向いたからギルに向かった。
生き残る気は無かったんだよ、あの時既に、ね。
如何に自然に俺を殺せるか、考えたらギルだった、それだけ。
しかしあの処刑描写は……俺死んで良かったかも知れない…
俺にはああいう描写は出来ないから。
[静かな声が語る、昔話。
そして迎えるは、残酷な結末。]
…ぁあ……ぅ…………っ…
[哀しい過去を物語るコーネリアスの声は、どこか優しく聞こえて。
悪いのは旅人なのにとか、何故今になってとか、どうしてローズマリーさんまでとか…ぐるぐるとやりきれない思いが胸を渦巻くけれど。
何も言葉に出来ずに、ぼろぼろと大粒の涙を零してしゃくりあげる。
姉さんが読んでくれた御伽噺でも、何度も”してはいけない”と言われた事をして、災厄が降りかかっていたのを思い出す。
あぁ、どうしてこんなにも人は、開けてはならない扉に手を *伸ばしてしまうのだろう。*]
[ここにあるのは力ある大人の為の武器がほとんどであるように、それらを見慣れ無い少女には思えた。
小さなナイフ一つで、このような凶器に、人外の獣に対抗できるのだろうか。
思い出したのは、牧師を名乗っていた神父の言葉。
異端審問官の男の話。]
……毒薬。
[ヘンリエッタはゆっくりと辺りを見回した。
壁に飾られた剣の下に、大小の小瓶。]
[彼は自らを人と言って。
でも人狼の味方で。
けれど人狼を裏切った、と]
………
[如何言うことなのだろう。
嘘を吐いているのかもしれない
けれどそれならば、わざわざ彼女たちの前で騒ぎを起こさずとも良かった筈。
人狼ならば、夜の爪も牙もある――]
[名前程度にしか字の読めない少女には、瓶に記された名前は読めず、そのなかで一番小さい、半透明の青い瓶を手に取る。
これならばきっと、力の無い自分でも人を殺すことができるだろう。
震える手で小瓶を灯りに透かせば、中の液体がとろりと揺れた。]
―回想・前夜―
[ 今にして思えば其の時は気が急いていたのかもしれない。普段ならば、皆が完全に寝静まる頃を待っていたというのに。人の負の感情や生死に関わる出来事に接して来た訳ではないのに、未だ慣れぬ狩りを連日をした疲労もあったろうか。
然し、是迄抑えられていた欲望が解放されたかの如く獣の衝動は留まるところを知らずに、其の夜も彼を掻き立てた。]
[ 階下を彷徨う赤髪の少女の匂いを嗅ぎ付け、気配を消せば其れを辿ってゆく。軈て少女は一階の奥に在る兇器の収められた部屋へと向かえば、そっと鍵を回して其の禁断の扉を開き、薄闇の中に華奢な躰を滑り込ませた。
其の様子は数日前、少女の慕う侍女の行動を思わせたか。然し今度は相手に気取られぬよう、薄く開いた扉を注意深くゆっくりと開くも射し込む灯りはほんの僅か。
辺りを探る少女が此方に背を向けていたから、其れには気付かなかったろう。其れを見留めれば己が身を黒狼へと変え、するりと中へと入り込もうとして――。]
[これを手にして、自分は何をしようと言うのだろう。
誰を殺すと言うのか。
緑の髪の優しい少女は、この部屋で何を見、何を求めたのだろう?]
人狼を……殺す?
[人だって、人を殺す。
誰を殺せばこれが終わると言うのだろう。
少女にはもうわからない。]
[“バシィ”]
――……ッ!?
[ 見えぬ壁か何かにぶつかったかの如く、音も無く其の身が弾かれる。流石に其の体躯を強か打ち付ける様な間抜けな真似はせずに着地はしたが、激突の衝撃を受ければ痛みが襲い、一瞬判断が遅れた。]
―広間―
[結局今日も手をつけられることのなかったスープを片付けるつもりで向かった、その筈だったのだが。
ソファへと沈み込み、纏まらぬ思考を巡らせる。
ふと。金糸の髪持つ少女の姿を思い起こす。
ちらりとしかその姿を確認することはできなかったのだが、少女といつも行動を共にする異端審問官の姿はないようだった。
そう言えば、今日は一度も彼の姿を見ていないのだ。
そう言えば、蒼髪の青年は「人を探してくる」とは言っていなかったか。
もしかすると、今日襲われたのは――?]
[ ハッと闇色の双眸を見開き、一度床に伏せた黒銀の体躯を起こして辺りを窺う。少女には気付かれたろうか。若しくは、周囲に人影は――?
理解の及ばぬ出来事に冷静な判断力が一時失われたか、唯、人の姿で見付かる事だけは避けねばと一挙に走り出した。絨毯に足音は吸い込まれるも、完全には消しきれまいか。黒き影は疾風の如く廊下を横切り真っ直ぐに階段を駆け上がる。]
[手の中で透かしたガラス瓶に映るは、黒い影。
少女はびくりとして後ろを振り返った。
ガラス瓶がその手を滑り落ち、足元で小さな音をたてひび割れる。]
[振り返り視線を這わせた先、薄く開いた扉の向うにはただ闇が広がるばかり。
その先を見ることが出来ず、少女は立ち尽くす。]
―――ッ!?
[思考は中断される。
先程感じたのが袖の内に封じた“それ”の振動であることは疑いようもなく。
そのことが示すのは一つ]
お嬢様…っ!
[思い至った瞬間、彼女は赤毛の少女の姿を求めて広間を飛び出した。
その一瞬前に黒い影が階上へと駆け上がって行ったことには気が付かぬままに]
―広間→…―
―アーヴァインの部屋―
[私はナサニエルの死を見届けた後、再びウェンディを追いかけていった。
夜が明けるまで彼女の寝顔を見守って。
彼女が目を覚ますまで、片時も離れずにいた。
死しても尚、彼女の傍にいる。
私は彼女と約束をした。
違えるつもりはない。]
ふふ。ちょっと照れくさいですよね。
額にキスなんて、された事ありませんでしたし。
[元は自分の物だった身体に口付けを落とすウェンディを見て、微苦笑。]
……さて、また追いかけるとしますか。
[扉を開け、部屋を出たウェンディを追って。]
[廊下に飛び出し、見渡した。
灯りが洩れている部屋を見つけると、そちらへと近づいていく。
そこが何の部屋だったか、などは今の彼女に気にかける余裕も無く]
[泣きじゃくる少年を、黙って見つめ…そっと頭を撫でてやる。
人の中で生き、狩りを円滑に進める為に身につけた、偽りの感情と解ってはいても、すんなりとその行為が出てきたことに自分でも戸惑っていた。]
[ 二階の廊下には運好く人の気配は無い。然れど念には念を、入り込んだ先は自分の部屋ではなくコーネリアスの部屋。有事の際にはと、逃げ込める様にしておいたのは僥倖か。早まる鼓動と荒い呼吸を抑えつけ、気配を潜めようと務める。暫くの時が経っても、誰も来る様子は無かった。]
……。
[ 熱が冷めていくと同時に、獣の欲も俄かに収まるのを感じる。然し其れは、見付かるかもしれぬと云う恐怖が勝った故かもしれないが。今日、此れ以上の狩りを行うのは如何考えても危険だった。]
[呼ぶ声に、今一度大きく、身を震わせる。
自分をそう呼ぶのは彼女だけだ。
震える体を抱き締め、少女は扉の向うの闇を見据えた。]
―浴室―
[ウェンディを追いかけながら、おかしなことに気付いた。
……はて。ここから温室や庭園に行けただろうかと。
そして、彼女が入り込んだ部屋を見て。
自分のしでかした重大な勘違いに気付く。]
おおお、お風呂?!
[思わずあたふたする。
ああそうだった。さっき身を清めるとか言ってたじゃないか。何を聞き逃してたんだ私!]
の、覗きませんからねっ!
[誰に向かって言ってるんだ、この台詞。
彼女が浴場の方へ入るのを待ってから、私は脱衣場へ入り込んだ。
彼女の言葉を、一字一句、聞き逃さない為に。
隣室である脱衣場ならば、彼女の言葉も聞き取る事が出来るだろうから。]
[扉に手を掛け、開く。淡い光が廊下に漏れ出す]
――!
[その中に少女の姿を見留めれば、安堵のためかずる、と扉に凭れるようにして。
けれどそれは一瞬のこと]
お怪我は、ありませんか…?
[部屋の中に一歩、踏み出した]
[ 飢えと渇きは止まぬものの、抑えられない程ではない。
人の身へと転ずれば自らに宛がわれた部屋へと戻り、寝台の上に転がる。普段は開いているカーテンも閉め切れば狭い室内は闇に閉ざされ、自らの心臓の鼓動の音ばかりがやけに耳障りに聞えた。
生の証。死者には在らざるもの。其れに息を吐いて、*固く固く目を閉じた。*]
/中/
リロードしたら使えなかった文
[今の出来事に何か意味があったのか、力を持たぬ少女にはわからない。
ただ、己の恐怖がみせた影かも知れず。
けれど、もし自分の見たものが、人ならざる存在だとしたら。
今廊下には彼女がいる。]
[浴場から漏れ聴こえる声を聞きながら。
私は彼女に、過酷な事を強いてきたのではないかと後悔し始めていた。
そうだった。誰を頼ればいいのか、までは伝えていなかったのだ。
何たる事。どうしてその見落としに気付けなかったのだ、私は。
……おっと。そろそろ彼女が上がってくる頃だ。
私はそっと、脱衣場から浴室の入り口へと出て行った。]
―浴室→客室→温室―
見習いメイド ネリーは、お嬢様 ヘンリエッタ を能力(守る)の対象に選びました。
―自室だった場所―
[机の前に立ってわたしはそこを見ている。
中に。
薬をしまっていたか、と、少し考える。
覚えていなかった。]
ネリ−!
[部屋に踏み出した緑の髪の少女に駆け寄る。
近寄ると、彼女の息が乱れているのが分った。
何よりも、自分を見た彼女の表情。緑の目は、何よりも雄弁で。]
私は、大丈夫よ。
申し訳ございません…
私の注意が足らず…
[息を吐き出しながら、1人にしてしまったことを詫びる。
少女を襲ったのが獣ではなく、人狼に怯えるただの人だったら――そう思うとぞっとして。
彼女は自身の思慮の至らなさを呪った。
暫くして息を整えると]
……さあ、もう夜も遅いですし。
[そう言って、少女を促す。
少女が何故ここにいるか、などを尋ねることもせずに]
―温室―
フリージアに黄スイセン、ですか……。
[フリージアにはいくつか花言葉があるためわかりにくいが、おそらく『親愛の情』辺りの意味だろう。
黄スイセンは……]
『私の愛に、こたえて』
[私は、彼女にここまで想われていたのか。
嬉しさと同時に、彼女より先に逝ってしまったという後悔の念が湧き上がり……
私は、声を殺して泣いていた。涙など一滴も流れないのに。]
……さて、行きますか。
私も、自分の器に別れを告げなければね。
[ひとしきり泣いた後。私は彼女と共に、温室を後にした。]
―温室→屋敷内 廊下―
[黒い影が出ていったばかりの廊下。
そこからやって来た少女。
影が、自分の恐怖がみせた幻ではないとは言い切れないけれど、彼女が人外の影と見ることもできたかも知れない。
けれど、それならこの人はこんな顔はしない。
たとえ、彼女が人外の獣だったとしても、それがなんだと言うのだろう。
人も獣も同じ。殺す生き物なら、自分が信じたいと思った存在を信じればいい。
ヘンリエッタは、緑の髪の少女に*微笑んだ*。]
投票を委任します。
お嬢様 ヘンリエッタは、見習いメイド ネリー に投票を委任しました。
――二階 廊下――
[少女は頭を抱えながら思考を重ねていく――]
神父様の除外から外れた人は二人――
でもギルバートさんは、おそらく人狼では無い…。
確認を出来なかったけど…。たとえ彼が鍵を持って行っていったとしても…鍵を独占する理由は無いし…。
それに――『この屋敷で何が起こっているかが解らない』と言って居た人が…訳も解らず武器庫の鍵なんて欲する理由が――見当たらない…。
そうすると、武器庫の鍵を持ち出したのはネリーさんの見方が強くなる…。
でも――彼女が人狼だとしたら…。何故鍵を元に戻す必要があった?自分を傷つけるであろう物を、何故『敢えて』野放しにするような事をしたの?
――人狼の力が、治癒力が、ずば抜けて優れていると言っても。『彼ら』だって不死身ではないのに…。
お嬢様 ヘンリエッタが「時間を進める」を選択しました
[ 夜が明けても彼は其の場から動かずに、寝台に横たわった儘、茫と天井を見上げ、昨晩の事を思い返す。彼の見えない障壁の正体は解らず仕舞いだが、赤髪の少女を護る為の物であった事だけは理解出来た。然し其れを用いたのは少女自身では無いだろう。
想起するのは、彼女の身近に居た、厨房で言葉を交わしたお下げ髪の少女――ネリーの事。他者を護る為ではなく、人狼を排除する為に力を求めたのだと、彼女は云った。然れども、其れだけでは無かったのだろうか。若しかすると、他者を護る為の力をも有していたのか。全ては憶測に過ぎないが。
何時殺されるとも知れぬ状況で、他者を信じて、他者の為に力を残そうと、他者の為に力を用いようとする者達。愚かにも、人間同士で殺し合おうとした者も居たけれども。其れも叉、想いの強きが故に起きた出来事。
……何にせよ、彼には理解の及ばぬ事ばかり。人ではない、獣の彼には。]
―ニ階・客室―
[ 閑かな室内には未だ纏わり突く煙草特有の香り。青年は夜に揺蕩う闇色の双瞳を僅か細め、まるで御手玉か何かの様に、皮鞘付きの小刀を軽く宙に抛っては掴むと云った手遊びを幾度か繰り返していた。何を思ったか、不意に左の袖を捲れば、昨日描いた緋色の軌跡は既に殆ど其の痕すらも失せており、其れは獣の回復力が故だと云うのは容易に理解出来、自らが人成らざる者であると今更ながらに感じさせられる。其の様な事は疾うに解っていた筈なのに。小さく吐息を零し袖を元に戻す。
刃を収める皮鞘を取り払えば、露になった刀身はランプの灯に煌きを宿す。
其の色が思わせるのは、彼の日の刃、獣の鋭き爪。眼を閉じて思い出すのは、青髪の男の胸に吸い込まれるナイフ。一年前に初めて、そして此の数日の間に幾度も見た光景。……其れは自らの手で行った事。]
[ 然う。
殺して、と。虚ろな柘榴の瞳に懇願され、自らの手で。
欲しい、と。仄昏い衝動に突き動かされ、自らの牙で。
人の手で殺し、獣の牙で喰らった。]
―屋敷内 廊下―
[私は黙って、ウェンディと『容疑者』のやり取りを聞いていた。]
ふん、随分痛いところをつついてくれるな、この男は。
[気付いてはいた。異端審問官を始めた頃から。
“汝、人を殺すなかれ”と説きながら人を殺す、その矛盾に。
どのような形であれ、人を殺した者に安息の日など訪れないのだと。
……けれど。]
貴方は。貴方だけは。
赦してくださるのですか……。
[やはり、彼女は私にとって唯一の救いだったのだ。
53年間生きてきて、初めて得られた。最初で最後の。]
[ 刃の切っ先を己が胸に向ける。其の先には刻々と時を刻むが如く脈打つ心臓。此の儘貫けば生命の赤が溢れ出る事だろうが、然れど彼は人に非ず、苦痛は訪れども彼岸に渡る事は叶うまいか。誰の為に生きる心算も、死ぬ心算も在りはしない。]
……。
[ 逸らされた切っ先は心臓では無く手の甲へ。腕に引いたのと同様に薄く線を引いて、浮き上がる緋色を攫おうと紅い舌が近付けられるも其れは触れる事無く離れ、落つる雫は白い敷布に色を齎す。
求めるものは、此れではない。其れでは充たされない。
不要だとでも云うように、手の甲の緋を全て拭い取る。]
馬鹿げているな。
俺も貴女も、皆。全てが馬鹿げている。
[ 刃を抛った手は目の上に当てられ、顔を半ば覆い隠し其の下の表情は窺えない。唯一つ確かなのは、嘆き哀しむ事抔、涙の流し方抔、疾うに忘れたと云う事。薄い口唇が歪められれば、其処から微かに零れたのは笑い声か、嗤い聲か。]
―自室―
[早朝、未だ目覚めぬ少女に銃を放ち、昨日のように壁を作る。銀粉はふわり舞い、空に溶けるように消えた。
主亡き今、彼女にとって一番護るべきはこの少女で。そして昨日感じた衝撃から、少女が獣でないことは明白であった。自らの同族に牙を向ける獣など聞いたことはない。――人以外は。
少女を起こさぬようそっと部屋を後にし、――そして今に至る]
―…→広間―
[泣きじゃくる彼の頭をそっと撫でる手は、とても優しくて。
それがまた、彼の涙を溢れさせる。]
『どうして…どうして……?』
[既に死した身なのだから、既に正体も晒しているのだから。青年が彼に偽りの慰めなどかける意味は無い。
それは、つまり――姉さんが言ったように、青年の優しさか。]
[ 部屋を出る前、手帳に書き残した言葉。
――Nec possum tecum vivere, nec sine te.
其れは誰に宛て、何を想って書かれたものか。]
-アーヴァイン私室前-
[昨日の騒ぎに、花束を忘れていたことに気づいたのは朝になってからだった。
しおれかけた花束を花瓶に差し半日。
すこしだけ生気を取り戻したそれを、予定通りの場所へと持っていく。
階段には青い髪の青年の死体はなかった。
彼を手にかけた男の姿もなく、辺りはしんと静まり返っている。
昨日は、人狼は人を襲ったのだろうか?
既に、この館に誰が生存しているのか、少女にはわからない。]
[と、そこまで口にし。
少女ははっとした表情で口元を手で覆う――]
あの時、神父様は何て言っていた…?
神父様は人狼の餌食に…、ナサニエルさんもギルバートさんの手によって…おそらく命を絶たれたでしょう。
――少年も…命を絶たれているし、ヘンリエッタさんもさっき言った通り、人狼なら率先して私を隠れ蓑にするはず…。
メイさんの力は本物だし、ギルバートさんは、会話から察して人狼では無い見方が強い…。
そして…ネリーさんが人狼なら…?何故武器庫の鍵を…?
[と、そこまで言うと。少女は口を噤み――]
探さきゃ…『あの人』を…。
きっと『あの人』に会って聞いた方が――答えが…見つかると思うから……
[少女は胸元をきゅっと握り締めて――]
『彼ら』の力には到底敵わないと思うけど…。でも…私を見守ってて?お父様、お母様、そして――神父様…
[ゆるり――][少女は花籠を携えて――]
[『容疑者』が立ち去った後も、私は彼女の言葉に耳を傾けていた。]
……ふむ。確かに『それ』を見た事はありませんでしたね。
[一瞬だけ、銀のペンダントヘッドに視線を落とし。
どのような曰くの品なのだろう。
そして、続く言葉に。胸を打たれた。]
……嗚呼。
[彼女も、私と同じ気持ちでいてくれたのだと。
同じ心の形を、持っていたのだと。
こんなに嬉しい事はなかった。]
[彼女が再び歩き始めた。追いかけなくては。]
―屋敷内 廊下→アーヴァインの部屋―
―広間―
[そして、思考は何処まで巡ったのであったか。
…ああ、そうだ。異端審問官を名乗る男が、人狼に殺されたかもしれないということ。
だとすれば、――あの蒼髪の男性を殺した彼が人狼なのだとすれば、ますます可笑しなことだ。
彼は緑髪の少年の死を嘆き悲しんでいた。真っ先に恨むべきは蒼髪の男性の筈。
彼を差し置いて、直接関係のない牧師を夜中に襲うだろうか?]
――
[少なくとも、蒼髪の男性が人狼でない限りは。
他にいると考えたほうが良い]
双子 ウェンディは、書生 ハーヴェイ を投票先に選びました。
双子 ウェンディが「時間を進める」を選択しました
[ 耳に届く旋律。其の音は心を安らげるか、若しくは何も響きはしないか。黒曜石の双瞳は何処か冷たく、其の表情は何処か遠い。階下に降り音楽室の方を見遣れば、一度は其方へ往こうと足を向け扉の傍までは到達するも、一定の距離を置いて、其れより先に近付く事は無い。
緩々と一度首を振れば、闇にも近く見える濃茶の髪が俄かに揺れた。]
[尽きぬと見えた涙も、いつしか止んで。
小さくしゃくりあげるだけになり。
それも、やがて落ち着いて。]
……ありがとう…コーネリアスさん。
[昔話と撫でてくれてた事への礼を、小さく呟き。*微かに笑んだ。*]
-アーヴァイン私室-
[カーテンが風に翻る。夜気を吸い込み、部屋は冷たい。
この館で恐らく、唯一のはめ殺しではない窓から吹き込む風に、ヘンリエッタは身を震わせた。
シーツにくるまれたその遺体に目を向ける。
既に死後数日を経た遺体は、徐々に人の形を離れて悪臭をまき散らしている。
そして、同じ部屋にはもう一つ、人でなくなった物。
明らかに人の手では不可能な形に損壊された死体。]
ああ……。
[ヘンリエッタは嘆息した。
あの神父は確かに、人狼にとって邪魔な存在だったろう。
けれど、銀の狼を仕留めた彼なのに。
神父と二人、寄り添うようにして活動していた少女はどうしたのだろう?]
─音楽室─
[ぼんやりと、どこかぼんやりとしたまま、旋律を紡ぎ続けて。
ふ、と。
織り成された、不協和音。
手が止まる]
……わけ、わかんなくなってきた……。
[呟く。
それは果たして、何を意味するのか]
[蒼髪の男性の、昨日会話した時の様子を思い起こす。突然人を―恐らくは牧師を探すと出て行った彼。冷静に人狼を探している印象で、彼女を殺さないとまで言った彼が人狼とは思えず]
――あ…
[ふ、と会話の内容が思い起こされる。
『奴らは武器を必要としないだろうし――』
『――何方を選ぶ事も出来ない臆病者ですから』
声が2つ、重なった]
[彼女は、まだ生きているのだろうか?
それとも、彼女が神父を殺した獣なのだろうか?
神父が油断し、殺されるとしたら彼女しかいない。]
二人で分けてね。
[そう呟いて、悪臭の漂う室内に甘い香りの花束を置く。
金の髪の少女を探し、廊下へと。]
―アーヴァインの部屋―
ああ……それにしても。
何故私はこんな場所で死ななければいけなかったのでしょう。
いやまあ、調べ物をしていたから仕方ないのですが。
[ぶつくさと呟きながらも。ウェンディの『儀式』を見守っている。
彼女が『聖書』の裏表紙に記名された名前に気付き、呟いた。]
ああ、それはね。私の本名ですよ。
30年前に、捨ててしまいましたがね。
[もし、生きていられたなら。
その名前を名乗る事もあっただろうか?
……詮無い事だ。]
『わたしは死ぬ。わが胸に真実を抱いて死ぬのだ』
[私が抱いた『真実』。
それは。*『聖書』と、ウェンディへの想いだった。*]
見習いメイド ネリーは、書生 ハーヴェイ を投票先に選びました。
――広間――
こんばんは…、お邪魔致しますね…
[少女はゆるりと頭を下げて――]
[かさり――]
[携えた花籠から『聖書』を取り出し――]
亡き神父様の代わりを務めに…参りました――
尤も…信用に置けない身代わりでしょうが…
[さらり――]
[金糸を揺らして――]
[少女は広間の中へと歩み進めた――]
[泣き止んだ少年の傍を離れ、ゆらりと獣の姿をとる。
…流れる調べが乱れていく。
重ねても重ならぬ、悲しき声。]
[窓辺に寄って、月を見上げる。
ふと、思い出したのは、幼い頃の事]
……お月様は、手に入らないもの、か。
結局、みんな。
何がほしかったんだろ、な……。
わかんないや。
[小さく呟く。一番わからないのは、自分だけれど]
まあ、わかったところで。
ボクには、遠い世界のこと、かな。
[くすり、と笑んで。
それからふわり、踵を返す。
不協和音を紡いでしまったところから、音を織り成し直し。
それから、最後の一音を紡いで。
そっと、鍵盤に蓋を]
-1階廊下-
[ふと止まったピアノの旋律に、音楽室の扉を見る。
時おり屋敷の中で聞こえるこの音は、そう言えば誰が紡いでいるのだろう?
生存者を確かめたくて、そっと覗けばそこには、死者の世界を見る少女。]
/中/
明日エピだと、本気で死ねるんだけどねっorz
まあ、流れ次第かな。
取りあえず、引きこもってては投票先がきまんないから、動きましょうか。
[如何して、彼のことを忘れていたのか。
あの怪我人への疑いが、かの青年への疑念を妨げていたとしか思えず]
――牧師様、は…
[金髪の少女の言葉に、確信を抱く。
人狼は、――
秘めた刃に、服の上から触れる]
[ 広い廊下を歩めば、階段を降りて来る赤髪の――昨晩、彼が喰い損ねた少女に気付く。其れを見留めれば警戒にか一瞬眉が顰められたが、彼女は此方には気付いていないらしく、音楽室の方へと歩みを進めていく。其れを見送って、]
……ん?
[ふ、と。
ピアノから視線を上げれば、そこには赤毛の少女の姿があり]
やあ。
どうしたの?
[小首を傾げて問う姿には、一見すると、異変らしきものは見られなくて]
[虚空へと向けていた目を、先ほどまで居た世界へと向ける。
それぞれが、自分の信じる者を信じ、そして疑うべき者を捜す。
だけど]
…さて、今此処で探し物をしていないのは誰だ?
[ぐるり、見渡して]
あの男は違う。
だけど、彼が其れに心囚われし者ならば、其の者には逆らえぬ。と、そんな話を昔聞いた。
彼はもう見つけているのかも知れない、か。
[音楽室からの音色に耳を向けて]
彼女は何故捜さない?
否、捜して…信じた者に行き着くのが怖いか。
こんな姿になると、いらぬ事まで見えてしまうもんなんだな。
[少女は、ネリーの声にすっと顔を上げて――]
こんばんは、ネリーさん…。
牧師様は――
[一瞬視線を床に落として――]
人狼の手によって…殺されました――
[淡々とした口調で。
しかし――瞼はかすかに震えて――]
[ぽたり――]
[『聖書』に落ちて――]
[変わらない少女の姿に、少しだけ安堵を覚える。]
あなたもまだ、生きていたのね。
[そう言えば、彼女と仲の良さそうだった青年はどうしているだろう。
彼もまだ、生きているのだろうか。
生者の数を頭の仲でゆびおり数える。]
/中/
むー。
展開的に、投票先が定めきれない。
念のため、委任コミットしとくべきかな。
(できればしたくないんだけどね……ほろろ)
[まぁ、どこにあったとしても、今のわたしには何もできないんだ。
そう思って、部屋を出る。
悲しみが胸を突く。
このまま消えてしまえたら良いのに。]
そうだね、生きてる。
どうして生きてるのかは、わかんないけれど。
[赤毛の少女の内心を知ってか知らずか。
くすり、と楽しげに笑んで]
[ 観音開きの扉が軋んだ音を立てれば、其の先に広がるのは先日迄と殆ど変わらぬ光景。大きなテーブル、落ち着いた色合いの空間、古惚けた調度品。そして掛けられた絵画。吊りランプが世界を闇より浮き上がらせる。パチ、と薪の爆ぜる音。異なるのは、……鈍い緋色の染み込んだ床。]
今晩和。
[ 室内に居る二人の少女に軽く頭を下げ、顔を上げれば其処に在るのは普段通りの――此の場においては異質な程に、穏やかな少し困った様な笑顔。]
……やはり。
[目を伏せる。
牧師とあれ程親しくしていた少女。どんなにか辛いものだろうか、と。
けれどそれ以上、かける言葉は見当たらずに。
少女が人狼で、彼を殺した――その可能性もなくはなかったけれど]
[彼が泣き止んだのを見て、青年は再び白銀の獣と成り。
耳に届くは、乱れし旋律と…重ねても重ならぬ、悲しき声。]
………そうか……あなたは……
[青年が彼へとしてくれたように、そっとその頭を撫でようと――手を伸ばしたけれど。
邪魔をしてはいけない気がして、静かに踵を返し。ゆらり、拡散]
こんばんは。
[青年に、何時もと変わらぬような微笑を浮かべて返す]
――お怪我は、ありませんでしたか?
[そうして。昨夜赤毛の少女に問うたものと、同じ問いを。
けれどそれは何処か冷ややかな、何かを確かめんとするかのようなもの]
[広間に目を向ける
まだ幼く見える金髪の少女
神父に後を託された、少女]
…ごめんな、置いてきちまって。
頼む、って言われてたのによ、俺。
結局俺って誰も守れねーのかな?
[自嘲気味な笑い
銀髪の彼の言葉を思い出す]
『 その方を守るためならば、
人 を 殺 せ ま す か ? 』
[自嘲の色は濃くなっていく]
俺が殺したのは、無垢なる少年一人。
[笑う少女に、微かな違和感。
死を見ることを、あれほど厭うていた彼女の印象からは、その笑いはそぐわない気がして。]
どうして……そうね。
神父さんも死んじゃったのに。
[束の間、何かを考えて眉を寄せるも、部屋に来た目的を思い出す。
彼女なら、この館で誰が死んだかを知っているはずだ。
それを、死者を見ることを恐れていた彼女に聞くのは残酷なことには思えたけど。]
ウェンディを知らない?
―→広間―
[それは癖だったのかもしれない。わたしは広間の扉を開けた。
中には、……あぁ。
彼女は気づいているんだと、思う]
[今は死した恋人達の部屋に][もう一度戻る。]
[寝台の上に投げ出された、ナイフ]
[青年の血に塗れた其れを]
[取り上げ][青年の身体を探り鞘を]
[血糊はシーツで軽く拭うことしか出来なかったが]
[今は其れで十分だった。]
[未だ牙の生え揃わぬ彼にとっては。]
ええ、特には。
[ 左手の甲の傷の事は云わずに。どうせ明日には治るのだから。]
……俺に、ですか?
[ ウェンディの声に緩やかに首を傾げて見せれば、一歩中へと歩んで、卓上の花瓶を見遣る。白い花は現在も尚、見る者が居らずとも閑かに咲く。]
…彼も、彼も、彼も、…僕だ。
[憤りをぶつけ、跳ね返されるように死んだ少年。
憤りをぶつけ、殺してしまった男。
大切なものを壊され、仇をとってしまった男。]
[ネリーから返ってきた言葉には――ただ頷くことしかできず…]
[少女は躊躇いがちに『聖書』を弄っていたが、ハーヴェイが入ってきたのに気付いて――]
他の方…解りませんわ…。
何方がご存命か…ハーヴェイさんはご存知で?
[『聖書』を胸に抱かかえながら――問い掛けたのはそんな事で――]
不思議な話だよね。
人でも異形でもない、異能。
……本当なら、もっと早く殺されてても不思議はないのに。
[呟く刹那、わずか瞳は陰り、伏せられたろうか。
しかし、次いで投げられた問いに。
陰りは失せ、変わらぬ表情に戻る]
昨日から、会ってはいないよ。
視てもいないから、どこかにいると思う。
[問いに答える様子は、ごく静かで。
淡々と]
[向けられる緩やかな視線に、少女はきゅっと唇を噛み――]
えぇ、あなたに…。少しお聞きしたいことがあって…。
[ふわりと微笑みながら少女は僅かにハーヴェイとの距離を置いた――]
……然う、ですね。
先程、旋律が聴こえましたから……メイが生きているのは、確かかと。
[ あくまでも、青年の彼が知っている以上の情報は口にしない。]
[ゆらり、ゆらゆら。
流した涙の分だけ、魂が削られたのか――揺らめく意識のまま、時間と空間を漂う。
ふいに、意識が繋がって。ゆるゆると首を振れば。
目に映るは、大振りのナイフを手にした、ギルバートの姿。]
……ぁぁ…、ダメ…ダメだよ……お兄さん……
[なんだか止めないといけない気がして、届かないとわかっていながらも、手を伸ばす。
大気の纏わり付く感覚が前よりも希薄なのは、大気と同化しつつあるからだろうか?]
投票を委任します。
学生 メイは、書生 ハーヴェイ に投票を委任しました。
[薄紫の瞳が、不思議に陰る。
そこにどんな感情があるのか、ヘンリエッタにはわからない。]
だって、貴方は誰も殺そうとしてない。
だから、誰も殺さない。
……死にたかったの?
/中/
……PC視点だとこうなるって、一番情けないですね||orz
委任が一番自然って、ほんとは情けないんだけどなぁ、もぉ。
……まあ、うん。
ここらも含めて、あとでしっかり反省せにゃorz
[少女の言葉に、小さく首を横に振る]
殺さなかったんじゃないよ。
怖かっただけ。
……死を視て、自分が人じゃない、と感じること。
それが、ボクは怖かった。
[投げられた問いには、ふと目を伏せて]
……わからない。
[答える刹那、瞳は僅かに揺らいだか]
学生 メイが「時間を進める」を選択しました
[眸を伏せるその首に、抱きつくように手を回せば。
感覚は遠いけれど、確かに…微かなぬくもりが伝わって。]
『いかないで』
[声が届かぬならばと、心に祈る想いは、届いただろうか――]
[ふと、己の抜け殻近付く気配を感じて視線を其方へ
かつて男の所有物であったナイフを手にする
男の命を奪った、彼を見る]
おいおい、それで何しようって言うんだ?
[彼の行方を追いかける
きっと、行きつく先に其れは居るのだろう。
其の傍に揺れる影、一つ]
……トビー?
[声を掛けてみるものの、聞こえるのだろうか、と]
/中/
取り敢えずエピ入ったら生者のendまで会話しない方向でいいですね?
(というか生者のendマーク待ちで)……一応それだけ確認を。
ねぇ、ハーヴェイさん。
以前、武器庫の鍵を探していらっしゃったみたいですけど…。
その後、武器は手に入れられましたか?
[問い掛ける言葉は、関係ないもの――]
[――けれど祈りはむなしく、彼は取り残されて。小さく嘆きの声を上げれば。]
「……トビー?」
[掛けられるその声に、ゆるり面を上げて。微かに震え。]
ナサニエル…さん……
[視線を合わせ切れずに、瞼は伏せられたか。]
/中/
ごめん、すれ違い。ちなみに俺は動かずに視線だけで追ってますんで、場所は何処でも。
end確認までは沈黙でしょう。
メモくらいなら許されるでしょうが。
[広間の大扉を開く]
[果たして彼は其処に居た]
[あの金髪の少女、ウェンディと]
[侍女服を纏った女性、ネリーと共に]
[一見和やかに見えて][緊迫した空気の漂う]
そう、ですね。
彼の時の俺には、武器を持つ勇気など有りませんでしたが。
[ 臆面も無く、懐から取り出したのは皮鞘付きのナイフ。]
今はこうして、トビーの物を。……無断拝借ですが、ね。
[ 扉は青年の背後。其の表情を、俄かに暗いものへと変化させる。]
人同士ですら殺し合うのだと、好く理解しましたから。身を、護る為に。
……人でなきゃ駄目?
[そんな問いを、この館に来る前の自分なら口にしただろうか。
少し前は疑問にさえ思わなかったことが、今は逆に不思議だ。
そして、疑問を口にしたあと、その言葉が過去形であることに気づく。
それは、先ほどからの彼女への違和感に繋がっている気がして。]
今は、怖くないの?
/中/
ですね。後ほどこちらを見られる生存者の方も物語のエンドには**(退席記号=エンドマーク)をお忘れなきよう。
メモは大丈夫でしょう。と思います。
あ、ちなみにこちらはなかったことに。うん。のんびりしてます(何
/中/
えぇ、エピ入ったら以後はエンドロールまで死者はメモのみの参加といたしましょう。
では、CM開けより続きをお楽しみください(何
[ 疾うに其の接近には気付いていただろうに、今始めて知ったと云う様子で。]
……嗚呼。何だ、見物か?
[ 男にのみ見える彼の双眸には仄昏い闇が湛えられる。然し其れは、獣の欲望とは何処か違う色。此処では月の光は未だに届かない。]
[ふと、聞き覚えのある声を聞けば、かの神父がいつに無く真摯な面持ちで男の言葉を否定する。
そうだろうか?と考え直して]
何にもしてないぜ、俺は。
[微かな笑いは自嘲とは違うもの]
[瞼を伏せた彼には、ナサニエルが唇を噛んだのはわからなかったけれど。]
「…ごめんな。」
[掛けられた謝罪の言葉に、はっと顔を上げて。
少し泣きそうな顔で、ふるふると首を横に振った。]
ボクらの一族は、異能……異端なの。
死を視る。
声を聴く。
どちらも、普通の人の身では、できはしない。
だからと言って……異形……獣と称されるものでもない。
どちらにもなれないし、どちらにも寄れない。
狭間のものたち。
……初めて声に接するまで、そんな事、知らなかったから。それを受け入れるのは、すごく怖かった。
[静かに、澱みなく、語る。
何故、この少女にこんな話をしているのかは、わからない。
ただ、誰かに聞いて欲しいだけなのかもしれないけれど]
今は……どうなんだろうね。よく、わかんないんだ。
ただ、どちらにも寄れない、から……。
そうでないと、いられないような気がしたから。
そう思ったら、あんまり……気にならなくなった。
[差し出されたナイフを見て、少女はくすりと笑みを零し――]
武器を持つ勇気が無かったのに…武器庫の鍵を探していたのですねぇ。そして今は…トビー君のナイフを…。そうですか…。
でも、そんな小さなナイフで…本当に自身の身を守れるのでしょうか…。武器庫にはもっと優れた者があるのに…。
[そこまで言って、少女は息を吐き――]
まぁ、尤も…。別な力があるのならば…。武器なんて必要ないんでしょうけどもねぇ。
[くすり――]
[微笑む――]
[――何処か遠く…響く、哀しい詩。]
……いかなくちゃ…
[止められなかったのならば。せめて、見守る事くらいは、と。
ゆらり、揺れて。
*始まりの場所へ。*]
[いつもの彼女であれば、直ちに部屋を出て行っただろう。客人の頼みを聞くこと、それは彼女の勤め。
――けれど]
申し訳ございません。
今、取り込み中でございまして。
[男性のほうを見すらしないまま、淡々と告げる]
[少年が首を横に振るのを見て、少しだけ安心したように微笑む。
だけど、それだけでは償いきれる物ではなくて]
俺の事は、赦さなくて良いから。
[笑って
まるで冗句でも言うように]
[ 広間に入って来た男が部屋を横切っていくのを端目で見遣り、]
俺は、“自分で入りたい”とは云った覚えが無い。
誰が武器を手にしたか。其れを気にするのは、当たり前だと思いますが。
……自分は傷付けられない自信でもおありでしょうか。
[嘆息して眉根を顰めれば、初めて疑念の眼差しが金糸の少女へと向けられる。]
俺は自分から他人を傷付けたいとは思わない――。
[ 其の言葉には過去を悔いるかの様な強い光が宿り、然れどほんの一瞬で消え、]
別な力?
[ 怪訝そうに、問う。]
[ネリーが断るのにも][然して感慨を覚えた様子も無く]
……では、其方の用事が済んでからで構わない。
[暖炉の前に立ち][燃える炎に見入る様子で]
[じっと眺めている。]
[滔々と語られる言葉を少しだけ意外に思う。
彼女と自分は深く言葉を交わしたわけではなかったから。
語られる内容は、力を持たない自分にはわからないものであったけれど。
ただ、理解できないことで、少しだけ彼女を哀れに思った。
どちらにも寄れない少女は、ただひとり。
声を聞く力とは何の為にあるのだろう?
人狼が現れた時にだけ、聞こえる声。
彼女の声を、最後まで聞いて、ヘンリエッタは首を廊下へと巡らす。]
私、ウェンディを探しに行くわ。
見習いメイド ネリーが「時間を進める」を選択しました
そう。
いってらっしゃい。
[赤毛の少女の内心の思いを悟る事もなく。
廊下へと踵を返す背に向ける言葉は、やはり淡々として。
薄紫の瞳には、静かな色彩]
…………。
[零れ落ちる、嘆息。
閉じた鍵盤に、しばし、視線が落ちる]
何故、誰が武器を手にしたか…。気になるのでしょう?
『自分だけ――』人と違う行動を取っては『疑われる』から?
私は…傷つけられない自信なんてありませんけど…、他人が武器を手にしようがしまいが…気にはなりません。
人を疑いたくないから――甘い考えですけどね…
[自嘲的に微笑むと、怪訝そうに返された言葉には答えず――]
そういえば…ハーヴェイさんはご存命の方の存在を、メイさんくらいしか知らないと仰っていましたが…。
何か私を見て…違和感を感じませんでしたか?
[話題を変える――]
[少しずつ距離を取りながら――]
[広間に向かえばそこに、忘れえぬ面差しの
しかし俄かに信じられず、また
守れなかった事への自責もあってか
唯、其の姿を見つめて]
/中/
あ、独り言使ってないや。
連日緑分が吊り襲撃で消えて行って少々寂しい今日この頃、皆様如何お過ごしでしょうか。
……ボクも…………行こう。
[どこへ、何をしに。
それを言葉にはしないものの。
……それでも、ここにいるよりは、と。
静かに、音楽室を出て、扉を閉める]
…………。
[しばしの沈黙。
やがてその足は、ごく自然に広間へと]
[視線を感じる。それは生きている人からは感じるはずも無い……
わたしは振り返り、そこに]
……ナサニエルさん
[あえて嬉しいような、そうなってしまったことが悲しいような。
感情が交錯して。]
-廊下-
[音楽室を出、ネリーの使用人室の前を通る。
玄関前まで出たが、金の髪の少女の姿はなかった。
外に出たのかと扉を開け、思い直して室内を振り返る。
その視線の先には、館の主が死んだ夜、皆で集った広間。]
/中/
さて、今日LWを処刑できればENDですが。
恐らく3対3のランダムになると思われ。
(ネリー・ウェン・エッタ組とハーヴ・ギル・メイ組)
終わらなくてもコミットするんだろうけど…どうなんだろうな?
エピが怖い、エピが。
人を傷付ける武器が其処に在るのに、気にしない?
疑われるから、ではない。自分に危害が及ぶかもしれないからだ。
[ 話に成らないと、然う云いたげに肩を竦めて云えば、]
人を疑いたくないから、信じたいから、ですか。
俺には出来ない考え方です。其れだけの話。
[次ぐ問い掛けにも動じる様子は一切見せずに、淡々と声を紡ぐ。]
……ええ、ルーサー神父がいらっしゃらない。
そして、貴女が『聖書』をお持ちだ。
[ 少女を見詰める双瞳は何処か冷え、感情を感じさせない。]
態々、「死んだなったのか」――然う尋ねる事は、無粋かと。
[名を呼ばれ、あぁ、と嬉しさと、困惑が混ざり合う]
ローズ…
ごめんな、こっちに来ちまって。
[今ここで会うことは、悲しみではあるけれど
それでも、其の名を呼べる事は嬉しくて]
……人……異形……。
ねぇ。
なにが、どう違うの?
[自らを異能という立ち位置に置いてしまった巫女には。
それらの相違が、掴めずに。
こんな呟きをもらして、そっと、広間の内へと滑り込む]
─…→広間─
[扉をあければそこには久方ぶりに見る濃茶の髪の青年と、金の髪の少女、殺人者の男と、ヘンリエッタの大切な少女。
この館にまだこれだけの人が残っていることを喜ぶべきか、減った人数を嘆くべきか。
一瞬だけ考えたけれど、彼女にはどうでもいい。大切な人が生きてさえいれば。]
[わたしは、視線を生きている人たちから外す。
死んでいる、からか。
はっきりと見えるのは]
……ううん、本当は生きて欲しかった。
でも、
……会えて、嬉しいって思ってしまったわ。
[双眸は前を見据えたまま。
袖のホックを外し、中に収められた黒い塊を掌中に。黒の端には紅い狗。
“弾”の込められていない、武器にすらならないそれを弄ぶかのように掌でくるり、転がす]
書生 ハーヴェイは、見習いメイド ネリー を能力(襲う)の対象に選びました。
書生 ハーヴェイは、双子 ウェンディ を投票先に選びました。
学生 メイは、双子 ウェンディ を投票先に選びました。
書生 ハーヴェイが「時間を進める」を選択しました
……ありがとう。
[手を伸ばそうとして、少し動きを止めた。
抱きしめられるのだろうか。
それが少し不安に思う。
トビーを抱きしめることはできたのに。]
/中/
ウェンの話聞けなかったら、委任だったんだけどね。
なんとかなりそーなので、自前投票に切り替え(' ';;
しかし、なんなんだろうね、この霊能は(汗)。
焦らさず正直に言って遣れば好いのに……
[琥珀の眸は炎の照り返しを受け][黄金に煌き]
[揶揄する様に][刻まれた笑みは薄く]
[一掻きで掻き落とせるのではと思う程]
[その、大切な人のいつにない厳しい表情に、少女は頬を堅くする。
彼女が見据えるは、濃茶の髪の青年。
”俺が人狼ではないかと”青年の言葉が響いた。]
/中/
あ、やっぱりウェンハヴでランダム狙いか?
でもハーヴに勝って欲しいとか思う微妙なヲトメ心(マテ)
……今ナサニエルだって、俺。
[話にならないと、肩を竦める青年に、少女は苦笑を漏らし――]
実は、武器庫の話なんてどうでもいいんです…。
鍵が一度無くなった。でも戻ってきた――。
その事実だけ有れば私には――
[すっとネリーの方を見て…微笑――]
あ、そうそう。ハーヴェイさんは何故、私に聞かずとも神父様が『死んだ』と確信したのでしょうか…?
他の方は、開口一番に神父様の事を聞いてきたのに…
それは私が『聖書』を持っていたから…?
それとも……
[聖書から『武器』を取り出して――]
あなたが…神父様を喰らったからでしょうか?
[向ける――目の前の青年に――]
あなたを疑ったのは単に消去法でした。
武器を持てない少女、記憶をなくした青年、力を持つ少女に…武器庫の鍵を独占しなかった少女――
ネリーさんの事は結構悩みました。実は今でも僅かに疑っています。
しかし…彼女が人狼で有るならば…何故武器庫の鍵を返したのかがわかりません。
誰だって無抵抗の人間を…喰らいたいでしょうから。
だからあなたに疑いを掛けた。
あなたがもし人であれば――まだ惨劇は繰り返されるでしょう。
しかし、人狼でだったら…?
と言っても、これは私の個人的な掛けなんですけどね…
でも、私は…神父様の敵を討つためなら…人だって殺せる程に…なってしまったんです
[ふわり――微笑んで]
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