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教師 オトフリート は シスター ナターリエ に投票した
少女 ベアトリーチェ は シスター ナターリエ に投票した
少年 ティル は シスター ナターリエ に投票した
陶芸家 アマンダ は シスター ナターリエ に投票した
貴族 ミハエル は シスター ナターリエ に投票した
騎士 ダーヴィッド は シスター ナターリエ に投票した
シスター ナターリエ は 貴族 ミハエル に投票した
職人見習い ユリアン は シスター ナターリエ に投票した
貴族 ミハエル に 1人が投票した
シスター ナターリエ に 7人が投票した
シスター ナターリエ は村人の手により処刑された……
教師 オトフリート は、騎士 ダーヴィッド を占った。
次の日の朝、教師 オトフリート が無残な姿で発見された。
現在の生存者は、少女 ベアトリーチェ、少年 ティル、陶芸家 アマンダ、貴族 ミハエル、騎士 ダーヴィッド、職人見習い ユリアンの6名。
何か、てか。
色々欠けてねえか。危機感とか、躊躇とか。
何となく、『人間』にありそうな感情が色々と。
[ここ数日(ハインリヒが、ここに転送される前の話)は特に、そうだった気がする。]
/中/
…あれ?
このままじゃ拙くないですか?(汗)
あぁ、GJか吊り襲撃合わせがあればいいのか…うぅむ。
やっぱり難しいですね(滝汗)
[力あるものを捉え、捕らえようと、うねるその力は手を伸ばす。]
…封じよ!!
[その黒き剣へと向かうよう、力に干渉して捻じ曲げる。
その剣を封じるための結界ではないにしろ、結界内に送り込めば、魔剣の力も押さえ込めるだろう。
力の奔流は魔剣ごと、月の力持つ魔女を捉え、捕らえる。]
……よく寝てるな。
[未だに目を覚まさないイレーネを見下ろす。]
やっぱ、二人がかりで運ばねえか?
このままじゃらちがあかん。
−北東部・墓場−
“――返して。”
[その想いに、あるいは均衡を崩そうとする意志に、影響を受けたのでしょうか。力の奔流はそばに居たベアトリーチェとアマンダにはわずかも触れることなく、オトフリートに抗う間も与えず、一瞬にして呑み込んでゆきました。
天聖の力を持つ指環だけが残り、ふっと頼るものをなくして落ちます。]
少女 ベアトリーチェが「時間を進める」を選択しました
だれっ!?
[聞いたことのある声が響いた気がして、慌てて声を上げる。
けれど次の瞬間には徐々に高まっていた力が一気に動いて]
きゃ!
[反射的に目を瞑った。
大きすぎる力からの自己防御]
ああ……
[気配の動きだけは感じ取れて、握っていた手が力なく滑り落ちた]
危機感は子供だからわかってないだけ、とは思ったけど……。
[ゆっくりと記憶をたぐり寄せる。ティルにチカラを分けようとした時。そして、最初のうねりを感じた時……。]
んぁ……ん、そだね。
あぁ、僕が運ぶよ。まだ調子戻りきってないだろ?
[そういって、まだ眠るイレーネを軽々と抱え上げ。]
道案内よろしくね。
/中/
>手数計算
後は狼がわざと天魔噛みに行けば調整できないかな?と思ったり。
向こうは役職オープン状態ですし。
それも襲撃失敗の計算になるんですよね?
エピで聞けばいいのですが、忘れそうなのでメモ代わりに。
[黒い影は、右の腕に絡んだ蛇(それは漆黒の鱗に闇の瞳を持つ蛇に姿を変えていた)を撫で、ひっそりと笑う]
ああ、時の竜まで落ちてしまったか…さて、愛しい天の子よ、お前はどうするのだろうねえ?
[生命の竜に癒しの力を与えたせいか、魔の姿は幻のように薄い]
[...が放った風はあっさり消し飛び、
オトフリートやナターリエが目の前で飲み込まれた]
…ベアトリーチェ?
[からん、と指輪が地面に落ちた]
ああ、すまんな。
[確かに力は戻りきっていない。
いつもの小技程度ならなんとかなるが、それ以上の事は
出来そうになかった。]
こっちだ。
付いてきてくれ。
[マップを手に、元来た道を辿っていく。]
−墓場−
[アマンダがうねり来る力に気付いた時には、既に手はベアトリーチェへと近づいていた。
けれど、オトフリートにあがらう間も与えず飲み込んだ力の奔流は、アマンダとベアトリーチェにかすりもせず余波もなく。
慣性のままに、触れようとして――]
ーーッ!
[音にならぬ音を立て、その手は弾き返された。
痺れるような衝撃に、声は出ない。
ただ驚いたように、茶色の目はベアトリーチェを見ていた]
…使えた。
[聖女の姿をした魔女の消えた空間を見たまま、数度瞬く。
思い通りに操るとまでは行かずとも、力を曲げることはできた。
安堵の息をついたとたんに、くらりと意識が薄れる。
黒い刃による肩の損傷は深く、結界へと干渉した負荷も大きかった。]
[吃驚した様子のアマンダを気にすることもなく、ベアトリーチェは地に落ちたものを拾いあげます。こどもの細い指には、少し大きな指環。]
これで、いいんだよね。
[てのひらに乗せたそれを見つめながら、囁くような声を洩らしました。]
[近づく力のうねりに対し、対処できなかったのは、少女の言葉に戸惑っていたが故か。
守護方陣を展開させる暇もなく、力に囚われて]
……くっ……不覚!
[瞬間の意識の途切れ、それから立ち直った際に口をついたのは、苛立たしげな、声]
/中/
………あれ、なんでのこってるのかな。
自分が不安定になる対より先に私(相方は噛めない)だと信じてたのに。
ニヨられ要員で残されたんじゃないよね…しくしくしく。
[上半身裸のまんまの状態じゃまずいかな……などと頭の片隅で思いながらも、まぁいいか、とついていく。]
[それでも、神経だけは尖らせたまま。]
[ようやく、拠点まで戻ってきた。
あれから何時間経ったのだろう。大分待たせてしまっただろうか?]
お待たせ。
二人、見つけてきたぞ。
さて……。
封護の内であれば、他の皆もいるはずだが……。
[呟きつつ、周囲を見回して]
……探して、合流するべき、か。
あ、おじさま……
アーベルさんも……
[エーリヒの傍で力なく座り込んだまま。
どこかぼんやりと二人を見上げた。
ギュンターは、まだ戻っていないのだろうか]
[たしかに対と云えるものを持たないが故に、対と云える存在(もの)――時空の属性を抱く竜の、消失。ぽっかりと、巨きな穴が空いてしまったように思えました。きゅぅと、首から提げていた無限のかたちの輪を掴みます。けれどもそこに籠められた力はもうほとんどなくて、なんにも感じることは出来ませんでした。ほっとしような、ぞわりとするような、あの感覚ももう、ありはしません。]
……わからない。
[ベアトリーチェは眉を寄せて、どこか苦しそうなかおになります。]
エーリッヒに、嬢ちゃんに、俺。後は拾ってきた二人を入れて五人。
……っておい?!
[ギュンターがいない事に気付いた。]
じっちゃん何処行った。迷子か?!
[いやちょっと待とう。]
【中】
えーーと、正直どうしよう。
風の力がコントロールできなくて、
暴走してあっさりやられてしまうつもりが…
暴走フラグが全然たちません!まずい!
(ちなみに暴走フラグはアマンダorティル墓下)
[手出しをする隙を窺って居たが、剣戟の間に割って入る隙は無く、結局はナターリエとオトフリートが消えるまで、見守る形になった。]
[ダーヴィッドが崩折てやっと、動き出し]
[駈け寄って、肩を掴む]
[深く裂けた傷口からは止めどなく血が溢れ
その香りは、こんな状況の中にあってもどこまでも甘美。]
わからない、わからない、わからない、
[おんなじ言葉をなんべんも繰り返しながら、鎖を引き千切ろうとします。拒絶の意志は力となって、たやすく首飾りは壊れてしまいました。さっきの指環のように、捩れた輪はベアトリーチェから離れて、転がり落ちました。]
……要らない。
じっちゃんって、自衛団のおじさん?
その辺見てくるって。さっき。
[気軽に見送ったので、どこに行ったのかは知らない。
本当に迷子になっている可能性だってあるんじゃないだろうか]
まあ、なんにしても……だ。
[呟きつつ、展開したままだった無限鎖をひゅっ、と舞わせて]
……封護の番ども、か。
[近づく気配に向けるのは、冷ややかな笑み]
【中】
もしかして手数的に暴走とかしちゃ駄目だったりする?
くあーー、こんなに生き残る予定は無かったんだよ。
あっさり「ハインリヒ探検隊」に入隊したかったorz
「今、必要なのは、」
[少女の緑の瞳を通して、二つの存在を見据える]
「……大地と、疾風。最後の均衡を、崩す事。」
マジか、マジなのか。
[その場で頭を抱える。]
じっちゃんは筋金入りの方向音痴なんだ。
……ヤバいかも。
[冷や汗だらだら。]
うん、ちょっとだけひさしぶり。
……イレーネも大変だったものね。
[彼女が取り込まれた時の状況を考えれば、かなり消耗をしているはずで。
心配そうにその腕の中を見た]
[アマンダはただ呆然と、ベアトリーチェの行為を見詰めるばかり。
指輪を拾い、囁くのを、ただ黙って見ていたけれど。
「……わからない」と呟く声に、ようやく我に返っただろうか]
……ベア、君は……君は、
何を 知りたかったの…?
[アマンダは立ち尽くしたまま、オトフリートが居たはずの場所で苦しげに眉を寄せる子どもに問うた]
……自衛団長さんって元気なんだねぇ。
やー、まぁ。
方向音痴ったって……。
[暢気に考えていたが、流石にハインリヒの顔色を見て、本当にヤバいと気づいたらしい。]
……エターナル・ロンド。
斬魔陣。
[短い言葉と共に、鎖が舞う。
高速で、交差するように舞うそれは、金属製の鎖ではなく。
漆黒の、光の輪を連ねたが如し。
その煌めきに、忍び寄ってきたもの──蛇と人とを掛け合わせたような奇妙な容貌の獣人たちが一瞬、怯む]
そうなの?
[朗らかに出て行ったから何も心配していなかった。
この迷宮がどれほど入り組んでいるのかも知らないから]
まずかった?
[見送ってはいけなかったんだろうかと]
……いや、嬢ちゃんのせいじゃない。
俺の管理不行き届きが原因だ。
[長い事ほっぽらかしていたら、こうなる事は予想できたわけで。
いや、確かに色々トラブルはあったんだが。蛇とか蛇とか蛇とか。]
[革鎧の肩当てすらやすやすと切り裂いた刃は、鎖骨を断ち切るほどまで達していて。
傷口から溢れる真紅の甘露が、地面へと滴り落ちていく。]
今、ちょいと苛立ってるんでな……。
……八つ当たらせてもらうっ!
[それは、理由としてどうなのか。
勿論、そんな突っ込みをできる者はこの場にはいないだろうが。
漆黒の、光鎖の乱舞。
ある者は鎖の縛に息を止められ。
またある者は漆黒の光の尾を引くそれに切り裂かれ。
鮮やかなる黒の乱舞の後、周囲は沈黙に閉ざされる]
……違うよ、アマンダ。
[しばしの間輪を見つめておりましたが、ゆっくりと顔を挙げて、首を左右に振ります。そのかおから表情は消えており、いつものようにぼうっとしておりました。]
知りたかったのではない。
ただ、足りないものを、埋めたかった。
でも、この世界に生きるベアトリーチェでは駄目なんだ。
[それはやっぱり、謎かけのようであったでしょうか。]
……あとは、最後の、均衡を。
[ぽつんと呟かれた言葉は、ひとりごとのようでした。]
えーと。私が探してもいいんだけれど。
[そのまま、また動けなくなる可能性はあるわけで]
どうしよう?
[しかもギュンターの気配は微妙に探りにくい気がした。
元気そうな気配を辿ればいいのだろうか]
[周囲が沈黙すれば、ふうっ、と息を吐く。
それこそ、何事もなかった、と言わんばかりに]
……さて。
そろそろ、真面目に人を探さんとならん、か。
多分、マップを書いてない場所に行ったんだろうなあ……。
地道に探すしかない、か。
気配探知はやめとけ。また倒れちまうぞ。
[一応、ブリジットの身は案じているらしい。]
[いつもとは様子の違う少女の様子に
ああ、対とも言える時空の消滅が堪えたんだろうな、と勝手に判断し]
なあ、ベアトリーチェ?どうした?
疲れたのか?
[そっと触れようとして、手を止めた]
『え、今なんて言った?』
騎士 ダーヴィッドが「時間を進める」を選択しました
今は無駄にチカラは使わない方がいいだろね。誰かに倒れられりゃ、何かあった時に逃げるのも不便だし。
自力で戻ってきてくれるのを期待すんのは……。
[無理なんだろな、とつい溜息。]
ん。
[本当は探したい人物がこちらに来ているはずなのだけれど。
ここで倒れたら元も子もないことくらいは理解していた。
足手纏いになるわけにもいかないし]
それなら、少し休んでからみんなで探しにいく?
[入れ違いになることとかは考えていない]
[鎖を右腕に巻きつけた状態で、そこから輪を取り出す]
……エターナル・ロンド。
この地に本来在らざるもの、その気配をたどり、俺をそこへと導け。
[念をこめた後、それを迷宮の暗闇へと放つ]
……ま、誰かしらは、こっちに気づくだろ。
[ある意味呑気な事を呟きつつ、煌めく黒を追って歩き出し]
[傷口に手を差し込み、欠けた鎖骨に触れる。
髄の覗くまで深く断たれた骨を、補うように、一時的にその骨の代わりを果たせるように、強く、溶けぬように氷を造る]
[膨大な血は、ミハエルの腕を伝って袖口から肘もとまでを濡らす。]
[ミハエルの腕は、小さく震えて居る。
触れる傷口も、流れる血も暖かいのに。]
[ダーヴィッドの傷口から手を引き抜き]
[こぼれ落ちた、捩れた輪を拾い上げた。
それは血濡れの手の中で、血にまみれてしまって]
……また、失われた。
【中】
>>11はどう見てもアマンダさん襲撃予告です。
まあ、▼僕の可能性もあるんだけど、
きっと一度戦闘を行なったティルよりも
僕が残される可能性大。
[アマンダは、ベアトリーチェの言葉を静かに聴いた。
もう、わかったから。鍵の書を持っているのが、目の前のこの小さな子どもなのだと]
…ねえ、ベア。
足りないものは、埋めないといけないのかな?
補い合っては、ダメなのかな…
[アマンダは、ゆっくりと言葉を紡ぐ。
何が言いたいのかも、はっきりとは分からぬままに]
寂しいなら、寄り添うのは…?
対は、互いが苦手だけど。寄り添う事で、均衡になるよ。
二人でも寂しいなら、もっとたくさん集えば賑やかだよ?
埋めたくて、埋めようとして、みな居なくなった…よね。
たくさん集まってたあの時と今、ベアはどっちが寂しい…?
[最後の囁きは、独り言のように静かに]
私が居なくなったら、ベアは幸せになるのかな…?
[ベアトリーチェは、わらいます。ユリアンに、アマンダに、わらいます。]
……大丈夫だよ。
また、逢えるもの。
[とても空虚に、わらうのでした。そのかおは微笑っている筈なのに、どこか泣き出してしまいそうにも見えたかもしれません。でもベアトリーチェは、その方法を知らないのでした。]
もう、後戻りは出来ないんだよ。
ベアトリーチェも、……フィロメーラも。
揺らがない。揺らいでは、ならないんだ。
[そうして、彼女の――自分の中にある精霊の名を紡いだのでした。]
『……あとは、最後の、均衡を。』
最後の、均衡……?
雷が失われて、陽が消え。
生命が無くなり、水は枯れ。
心は砕かれ、影は溶け。
月は雲隠れし、時は止まった。
残りの対は――大地と疾風!
[アマンダが頬に触れたのなら、内にある精霊の存在が感じられたでしょう。それは以前にブリジットが触れたときよりも、強いものとして。
けれどもそれに構うこともなく、ベアトリーチェは握っていた指環を、指に嵌めます。こどもには大き過ぎる筈のそれは、通した瞬間にぴたりとちょうどよい大きさに変ったのでした。ふわり、天聖の力が、透明な光が零れてゆきます。]
ん……?
[しばらく歩いた所で、感じた気配。
そこは、道の分岐点で。
一方からは、素の人間の。
もう一方からは、強い力をまとった者たちの]
……こっちに、皆がいて。
んじゃ、こっちはなんだ?
[それが行方不明の団長だなんて、思ってもいない]
まあ、なんだ。
マップにモンスターの分布を併記しておいたんだが。
基本的に今いる辺りのモンスターなら倒せる……っぽい。
[ぽいってなんだ、ぽいって。]
なんで、こんな所に力もなんもない、普通の人間の気配があるんだ?
……いや、待て。
たーしーか、最初の方に。
[自衛団長が行方不明になってたとか。
思い出すまで、かなりかかった]
……ちょっと、待ておい。
[同時に感じたのは、頭痛]
…………死ぬぞ。
やっぱりモンスターとかも出るの?
[幸いにして彼女は出会う前に保護されたから]
私、武器とかそういうの持ってないよ?
[そもそも戦闘なんてしたことありません]
出る。意外にわんさか出る。
俺は普段から『武器』を携帯しているから問題なかったんだが。
[例の『金属片』の事らしい。]
そんなわけで、単独行動は厳禁な。危険すぎる。
………………面倒だが、しかたねぇな。
[別に面識がある訳でもないので、放っておいても構わないのだが。
ここで不用意に死なれるのも面倒で]
ヴィンター、お前はこっちの……皆のいる方へ。
お前の気配をたどって、追いつくから。
「……相方は?」
……あっちを、保護して行く。
[答えつつ、盛大なため息をついて。
探査の輪を二つに分けて、一方を白梟と共に力ある者のいる方へ。
自分はもう一方と共に、もう一つの気配の方へ]
[アマンダは、わらいながら、なきそうな、子どもを見つめる。
頬に触れた指からは、強い精霊の気配が伝わって。
それが、「フィロメーラ」なのだろうと思った]
また、逢えるのに…後戻り出来ないの?
ベアも…フィロメーラも…
揺らいでいるのなら、立ち止まってみればいい。
本当に開けたい【扉】は、【鍵の書】でしか開かないのかな?
[彼女が指輪を嵌めると、零れた光がひび割れた爪を元へと戻す。
叶うならば、アマンダは大地のように優しく包もうとするだろう]
私はきっとどこかで、友だと思っていたのだな。
疑っても、彼奴の事を。
[捻れた環には表も裏も無い、無限の象徴。時の環。]
[透明な、光が目の前を通り過ぎる。天聖。
その力の来たほうを見た。
泣き出しそうな子供の貌を。]
あぁ……そこなら大丈夫、かな。
[示された場所にイレーネをゆっくりと横たえて。]
僕も短剣は持ってるが……。
[それ以外は何も持ってないってのは不便でしかなく。こんなトコロに放り込まれるとわかっていれば、もうちょい道具類も持ち込めたのだろうが。]
はあい。
……あれ?
[別段抑えられていない念ならば、意識しなくてもそれなりには感じ取れた。
とはいえ、それが何であるかまでは意識しなければわからなくて]
おじさま、アーベルさん。
向こうからなにかくるみたい?
[自分が拾われたのとは反対の方向を指差して]
自衛団のおじさんが出て行ったのも向こうだったと思う。
[そう付け足した]
向こうから?
じっちゃんが戻ってくるはずはないし……。
[気配の探知は出来ないので、少しだけ近付いてみる事にした。]
[白梟と別れ、すたすたと奥へ]
……にしても……何が楽しくて、最深部へ向けて突き進んでんだよ……。
[呆れたように呟きつつ、気配を追う]
ガーディアン・クラスがごろごろ出てくると、さすがに俺でも一人ではさばききれんのだがな……。
まあ、本性解放すれば、一掃できるだろうが。
[いや、それはヤバイ。かなり]
陶芸家 アマンダが「時間を進める」を選択しました
……駄目だよ。
[拒絶はしませんでしたけれども、ベアトリーチェはアマンダから離れて、ゆっくりと左右に首を振ります。]
ベアトリーチェ=ブルーメンガルデンは、
この世界では、生きていかれないのだから。
[ふっと翳が過り、また、人形のようなかおになりました。]
[ゆらゆらと飛ぶ黒い光の無限の輪。
それと共に飛ぶ、白梟。
それはやや、異様な取り合わせだろうか。
まして]
「方々、ご無事でしたか」
[視界内にそこにいる者たちをとらえるなり、声をかけてきたりするのだから]
……ん?
[不意に、違和感。
異眸が険しさを帯びて、すっと細められ]
ああ、そうか。
……いるんだったな。
[誰が、とは言わずに。とにかく今は保護優先で、と歩みを進める]
[なぜ、魔の周囲にガーディアンが居ないかと言えば、それは、その気配が影よりも薄いため。まるで消えかかった幻影のごとく]
[アマンダは、離れ行くベアトリーチェを静かに見つめる。
人形のようなかお。
アマンダと千花。
器としての――人形]
フィロメーラ、君は……
ベアを…人の子を、器に…?
[一度死に掛けた…死ぬ筈だった、子どもの中にある、精霊。
あっているかはわからない。
けれどその考えは、まるで陶磁器の人形に宿っていたアマンダ自身には真実のように思えて、動けずに]
「……そこまで驚かずとも」
[出迎えた者たちの反応に、白梟はむくれたっぽい声を上げつつも。
取りあえず、状況説明を始めてみたり]
[ブリジットの指差す方から、光の輪と白梟。不思議な光景。]
あー…確か、オトフリートの?
……喋れたんだ。
ってか、オトフリートまでこっちに放り込まれたか……。
[拾い上げた環を、もう一度地面へ置き
ダーヴィッドの傷に触れる。
傷口を合わせるように寄せて、流れる血を凍らせてゆく。これ以上、失われてゆかないようにと。
鎧の下、断ち切られた服を割いて、その上からきつく巻いていく。意識があれば、酷い痛みを覚えるだろう。
布きれに染みた血が滴る。]
…ひとの体を器にして。
[流血の勢いは漸く治まり、弱いながらも打ち続ける鼓動と身に秘めたぬくもりが、未だ命が保たれていることを示している。
意識はまだ戻らず、唇から漏れるのは微かな吐息だけ。]
ふえ?
……あ、オトフリートさんのところにいた子だったの。
[良く見ればちゃんと時空の気配を宿した、見たことのある白梟で。
喋れるのは彼女も知らなかったけれど、最初の衝撃よりは逆に小さかったらしい]
ごめんね?
[そう謝りながら近づいて、そっと頭を撫でてみようとした]
[感じた気配の事は取りあえず置いておいて。
取りあえず、今は……]
あー……っとにぃ。
[目の前の小さな部屋。
そこでの光景に、頭痛を感じる。
角を曲がった先の小部屋では、一つ目の巨大トカゲに囲まれる男性の姿。
……気合は相当入っているようだが。
あからさまに、空回り中]
[裂いた服の下は、その身を守る本能ゆえか、
それとも擬態するほどの力が残っていないのか、
真紅の鱗に覆われ、同じ色の血に塗れている。]
「いえ、お気になさらず」
[ようやく自分を認識してもらえた白梟、ちょっと機嫌を直したらしい。
撫でようとする手に逆らわず、大人しく、されるがままに]
……フィロメーラは、助けて呉れたんだよ。
[短くそう云って、一歩、二歩と下がりますと、左の拳を握り、右の手は鎖の輪へと触れました。それから眼を閉じて、小夜啼鳥が夜ぞらを巡る様子を画きます。そして緩やかに手を延ばすのに合わせて、イメージを広げてゆきます。]
今日は、帰るよ。
[すると、ふわり、とその背に白い光の翼が現れたのでした。薄く光を纏うベアトリーチェの姿は、“神の御子”と云うのに相応しかったかもしれません。]
お休み、皆。“また、明日。”
[まるで、いつものように挨拶をして、ぺこりとお辞儀をします。
そうして地を蹴ると、小さなからだはそらへと舞い上がり音も鳴く羽搏いて、闇の彼方へと向ってゆくのでした。
月の雫のように零れ落ちた光の粒子は、傷附いたものたちを優しく包み込んで、癒そうとすることでしょう。それがベアトリーチェ自身の意志なのか、強過ぎる天聖の力の影響なのかは、わかりませんけれども。]
……やれやれ……。
[相棒の機嫌の推移など露知らず。
勿論、相棒もこちらのため息など知らぬまま。
何はともあれ、と再び鎖を展開する]
中位魔獣か。時間かけても意味はないな。
[さらりと言いつつ、煌めく鎖を舞わせて]
エターナル・ロンド。
……裂空陣!
[声に応じて、無限鎖は一つ一つの輪へと解け。
その一つ一つが空間と共に、トカゲの群れを切り裂く。
唐突な出来事に、さすがに自衛団長は絶句したらしい。
まあ、当然だが]
[飛ぶというのは初めての経験の筈なのに、
ベアトリーチェは難なくそれを受け入れるのは、
矢張り彼女と二つで一つの存在であるからだろうか。
天つ空を駆け巡る、戦乙女(ワルキューレ)と]
……向こうはかなり均衡が崩れてきているよね。
[白梟の頭を撫でながら、低い声で答える。
先程見てしまった光景を思いしながら。
自分もこちらに来てしまったせいで、安定を完全に崩してしまった女性のことを思って]
このままだと……
[しかしこちらからではどうしようもない。
オトフリートが取り込まれたということは、まだ鍵の書は向こう側にあるのだろうから。
そしてここから出るためには、書が必要なはずだから]
…………。
[少しだけ泣きたくなってきた]
このまま、どこまでも飛んでゆけたらいいのにね。
[微笑う少女の言葉に、彼女はそうね、と優しく答える。
けれどもそれは、今のベアトリーチェには、*叶わない*]
[輪となった鎖はターゲットを消滅させるとまた元の形を取り戻す。
同時に感じる、微かな目眩]
……っと……ちょいと、飛ばしすぎたか……。
[いや、ちょっとどころじゃないのだが。
それでも、最深部近くで気絶するのが危険なのは分かっているので。
呆然から立ち直るなり、ハイテンションで喋り始めた自衛団長に頭痛が更に増すのを感じつつも]
……と、り、あ、え、ず。
単独行動は危険に過ぎるので、他の皆と合流したいんですが。
……文 句 は な い で す ね?
[問いかけの形は取っていても、有無を言わせぬ低い声に。
団長はぴたり、と喋るのをやめて、頷いた]
お前を助けたのであろうと、それは過干渉だ。
赦されざることだ。
この世に在る筈でない者がこの世にあり、この世にあるべきものを損なうのであれば………消えるが良い!
[力を、地へ向けて叩き付ける。
地中の水分が凍り、霜柱のように立ちあがる。
霜柱と呼ぶにはその先端は鋭利で、明らかにひとを傷付ける事を目的としていたのだが。]
[白い翼を得たベアトリーチェは、いつものようにお辞儀をして、闇の彼方へ消えた。]
[アマンダは、動けない。
夜空へ羽ばたくベアトリーチェを、見上げるだけ。
やがて、その姿が消えた後。
零れ落ちてきた月の雫の最後の一つを受け止めれば、指先に鈍く残る痛みは消えてゆく。心の痛みは消えないけれど]
…「また、明日。」か…
ベア…明日になれば、君は………
[続く言葉は音にはならず。
紅の痕残る指先は『千花』を*静かに撫でるのみ*]
[深刻な様子の皆に、白梟はばさり、と一つ羽ばたいて]
「……相方が、迷子の御方を保護したようです。ほどなく、こちらへ合流するかと」
[伝えたのは、ある意味、朗報なのかもしれない]
[呆然とベアトリーチェの宙を舞う姿を眺めていた
もしかしたら見ほれていたのかもしれない]
――今日は、帰るよ。
――また、明日。
[その言葉がリフレインして]
に、しても……。
[団長を半ば引き摺るようにしつつ来た道を引き返しながら]
『……最深部で、何してやがんだか』
[一瞬だけ感じた魔の気配に、心の奥でこんな呟きを]
……一休みしたら、行ってみるか。
う、うん。
オトフリートさんなら、何か良い方法を教えてくれるかもしれないね。
[それはあくまでも希望でしかないのだけれど。
そんなことはわかっているのだけれど。
羽ばたく白梟に再び手を伸ばし、ぎゅむと抱きしめてその場に座り込んだ]
待ってる。
[そのまま無意識のうちに、もう一人こちらに送られてしまったはずの対の気配を探り始めた]
[気配の分割を感じた場所まで戻り。
相棒の気配をたどりつつ、そちらへ歩みを進める。
団長は完全に引き摺り状態。
やがてたどり着いた先に、皆の姿を見つければ、ひとまず安堵の息がもれる]
……どうやら、全員ご無事のようで。
[最初に投げる言葉がそれというのもどうかと思いつつ、声をかける。
久しぶりにあった面々は、銀の紋章の浮かぶ赤紫に変化した右の瞳に、違和感を覚えるやも知れず]
[どこまで力を使うと危ないのかは、昨日の一件で身体の方がいくらか覚えていて。
限界に達する前にその力は本能によって押さえ込まれた。
半ば強制的な眠りという形で]
もう少し、むこうのほ、う……
[ふっつりと沈黙が降りる。
もちろん白梟はしっかりと*抱きしめたまま*]
[取りあえず、引き摺ってきた団長は確か知り合いと聞いた気もするハインリヒに押し付けて。
ブリジットに抱きしめられたままの相棒に、苦笑する。
横たえられたイレーネの様子はやや、気にかかったものの、今は自分も休むべきかと、*小さく息を吐き*]
[コエ送ろうとして、愕然とする。
ずっとベアトリーチェに注意していたから
気がつかなかった]
…ティル?どこへ行った?
[振り返っても、休ませた場所には翠樹の気配は無く
返ってくるコエもどこにも無く]
[ただ三つ花の蝶が*ひらりひら*]
やぁ、久しぶり。
そちらも無事で何より。
[ここに放り込まれた時点で無事ってのも変かも知んないなぁ、などと脳裏を掠めつ]
ってか、相変わらず……うん、ご苦労様。
[ちら、と自衛団長の方を見つつ、オトフリートの肩ぽむり。]
―昨夜/森の中―
[歩くに力が足りぬと言うは、苗床にとって思った以上につかれたことだった。
森は目と鼻の先だというのに遠く、たどり着くのは困難。
何が起きているのか見ることなく、ただそこを目指す。
蔦や茎を使い(というよりそれらに手伝われ)、ようやくたどり着いた森の端。
花が戻りて、額に咲いた。]
『僕を呼べ』
[自らと一番縁の深い子に呼び掛ける]
―昨夜/森の中―
[知らぬ者が見たのなら、苗床の体に森が襲いかかったように見えたろか。
樹にまとわりつく蔓が、緑色の葉が、土の下の根が、……森のすべてが、苗床に従う。
コエが届いた気もしたけれど、ほんのり冷たい根に引かれて、返すこともできずに。
知らぬ者が見たのなら、森が苗床を食らったように見えたろか。
苗床の体は押しつぶされたよに、それらが静まったあとは何もなかった。
ただ土が、そこだけ茶色に変わってもりあがり、
ただ葉が、あおい葉が、なぜかたくさん散っているだけ]
[樹にくわれるようにたどり着いたそのうち。
苗床は暗緑の樹の下にあらわれる。
土がもりあがり、体が押し出され、
根が、それを覆う。
茎が手首のあたりからあらわれ、苗床を地へと縫いとめ、
小さな背より生えた太い蔦は、そばの樹へと巻き付いた。
一本の根は苗床の足首より体内に入るだろうか。……否、本来そこで時を待っていたのだ。
小さな白の体は眠りに落ちる前にわずかふるえ、残った掌から種を溢す。
それは蔓となり、最後に蔦に巻き付いた。
花と葉が、緑のかたまりに咲いていた]
[コエでも声でもないコトバで樹は語り合う。
すべてを隠して癒そうか
否否それは危険だろ
森のちからすべて与えるなら、また弱ってしまうだろ。
苗床はそれを聞いているのかいないのか。
蔦の付け根は赤く腫れ、
茎の付け根は細く、すぐにおれてしまいそう]
[そこから覗くは、白い手首と、
蔦の生えたあたりの背。
森は苗床をかかえこんで
苗床に癒しの力を与える。
誰がはずそうとしても手では無理だろう。
近付けば花と葉がひらり、きっと近付くに*違いない*]
―昨夜・墓場―
[三つ花の蝶はひらりひら。
いつもと変わらず飛び跳ねている]
はな。お前の主人はどこにいる?
……っ!
[そおっと蝶に手を伸ばす。
蝶がひらり彼の手に止まろうとして――突如消えた]
ティル!どこにいる?返事してくれ!
ベアトリーチェには会ってないだろうな!
ベアトリーチェが鍵の書を持ってる。
気をつけてくれ!
[眠りのなかで届いたコエ。
苗床は、やはりと重いながら、
わかったと伝える。
それはコエとして届いたろか。
それとも漠然とした感覚だったろか。]
【中】
しかしスペックが低いなあ。この子。
ティルと繋がっていても、コエが聞こえないと居所がわからない(聞こえてもティルが嘘つくと×)
職人見習い ユリアンが「時間を進める」を選択しました
投票を委任します。
職人見習い ユリアンは、少女 ベアトリーチェ に投票を委任しました。
−昨夜/墓場−
[アマンダはしばらくベアトリーチェが消えた空を見上げながら夜風に吹かれていたが、ユリアンの声にゆっくりと振り返る]
…ティルが、いないの…?
[アマンダは辺りを見回して、不安げに眉を寄せる。
ティルは何処へ行ったのか。飲み込まれ消えたのではない…はず。
力の奔流が、オトフリートとナターリエを選び飲み込んだ事はぼんやりとわかっていた。
迷宮の中の人たちは…ベアトリーチェの言葉を信じるなら、きっと無事なのだろう。また逢えるのだろう。けれど鍵の書は――
そこまで考えた所で、そう遠くない大地――森の土が異変を伝える]
っ! なに…? ああ…これは森の樹の――ティル…?
[大地の異変の意を探ろうと、茶色の目を細める]
[――やがて、翠樹が森の中のあの大きな樹…いつか大地の力を引き出した場所の傍で眠りについたらしいことを感じ取り、安堵の息を吐く。
かの地なら、ゆっくりと回復できるだろうと]
…後で、様子だけ見に行くかな…
今は、ゆっくりおやすみ…。
[森の奥へと届かないだろう声を投げ、屈んでスケッチブックを拾い上げる。広がられたそれは、真っ白]
……
[元通り閉じて、小脇に抱えた]
[それから。
ようやくアマンダは眠る火の竜と、傍で見守る氷の精へと振り返り]
…おつかれさま。ダーヴ、ミハエル…
[静かに*声を投げた*]
/中/
さてさて。
上の決着がどうなるかはわかりませんが。
天魔組の動きによっては、ちと無茶せにゃならんかな?
まあ、大丈夫だと思うけど(色んな側面から。
とりあえず、ここ以外に書を持ってかれると、普通に考えると絶対でられないんだよなー、あっはっは(笑い事じゃない。
まあ、その時はその時で。
おにーさんが裏技を使うしかないですが。
取りあえず、上を見守りつつ、墓下でどう動きましょーかねー。
/中/
そしてやっぱり、フィルタのクッキー動作が把握できていない件について。
前日をフィルタかけて読んだあと、最新押すと一時的に解除されたように見えるけど、実は解除されずに残ってる、と見ればいいのかな、これは。
過去ログ内でかけて、解かずに移動すると、一見きれたようでその実、かけたところで解かないと延々残ったまんま、という感じ?
こないだのあべくんログ上消失事件と、今の動作と合わせると、そーゆー結論になる訳だけどね。
ところで墓組、今誰かいるんだろか。
まあ、ヘタに動くと使い切りそうな俺がいるわけですが(まて。
……いや、一度くらいはやってみたいんだけどね、墓下使いきり。
箱庭では、惜しいとこまで行ったからなー。
あ、でも今日最終日なら補給はいるから無理か。ち。
[「ご苦労様」。
この言葉がこんなに染み入るのって、実は初めてなんじゃなかろうか。
そんな事を考えつつ、適当な場所に腰を下ろす。
立て続けの力の使用でさすがに身体はバテ気味]
『……最悪……非常手段を使ってでも、皆は外に帰さんとな』
[そんな思いがあるからか、今の内は休まなくては、と目を閉じる。
目を覚ましたら、この場所についてちゃんと説明して、対処できない者は大人しくさせておかねば、と決意を固めつつ]
/中/
取りあえず、でるだけでとく。後は流れ次第、どーせしばらくはりついてるし。
ちなみに、非常手段というのは、迷宮を内側から破壊する力技です。
無茶すぎるんでやりたくありません。
何より、後々の収拾つけるのが一番面倒。
ん、まあ。
だびさんのネタと上手く絡めて道を作れるなら、その方がいいんだけどねー。
[迷宮の奥底で、薄い影となった魔が、低く嗤う]
誰も彼も、あんなに弱ってしまっては「ナニカ」があった時に、どうするつもりなのだろうねえ。
[しゅるしゅると右腕の蛇が身をくねらせる]
ああ、そうだな…あの娘は取り戻さねば…
[影の色が、僅かに深くなった]
「普通に身を守る手段も必要なんだよ」
身を守るって?
「お前その状態で影渡れるか?」
えーと。
[試してみるが言われた通りまだ無理で]
うーん、無理。
「だろ? だから他の属の精霊にもだな……」
[それは本来何らかの形で召喚をされた時のための話。
けれど今の状況には必要となる……]
[ふ、と。
目が覚めたのは何かを感じての事か。
ちら、と視線を向ければ、相棒はまだ、抱き枕状態。
他の者も思い思いに休んでいる所らしい]
……エターナル・ロンド。
[小さく呟いて。
黒き光鎖を展開する。
何か事が起きれば、すぐに対処できる構えを]
んー。
[ぼんやりと目を開ける]
ん?
[腕の中が絶妙に温かい]
ん。おはよ。
[眠っても放さずにいた白梟に頬擦り。まだ少し寝ぼけてる]
[目覚めた影輝の少女が相棒に頬擦りする様子に、苦笑する]
やあ、お目覚めですか?
[口調は変わらぬものの、周囲を舞う光鎖はどこか物々しく見えるやも]
おはよう。
[そのままの体勢でにっこりお返事]
……あれ?
[けれどすぐに目を瞬いた。
周囲を光鎖が囲んでいる。しかも警戒態勢で]
何かあったの?
というか、オトフリートさんおかえりなさい?
[頭の中に疑問符が浮かんでいる。
やはり状況が上手く整理できていないらしい。
そもお帰りなさいというのも何か違わないですかと]
[しゅるりと、絡み付いた縄が解け落ちるように、小さな黒い蛇が、魔の右腕から地上へと落ちる]
行っておいで。
[差し伸べられた指先が示す、力有る者達の気配が集まる方向へ、黒蛇は這い出していく]
お帰りなさい……というのは、何か違うような。
……何かあったというか、何が起きても不思議はないので、警戒を。
[何に対する警戒かは、明言せずに。
そも、ここでは何が危険になるかわからない、というのは、彼が一番良く理解しているだろうから]
けいかい?
[そういえばハインリヒが金属片を身に着けまくっていたかと思い出し、改めて危険の可能性を思い出した]
そっか。
モンスターとかもいるんだっけ。
[彼が一番警戒しているものとは違ったかもしれないが。
それもまた間違いではない]
ええと。
私も何とかしないと。
[夢の中何を思い出した?
……他の精霊に力を借りるにはどうすれば良いのだったか]
ええ、ここには書を護る封護の者たちが。
この近辺にいるのは小物が中心ですが。
最深部に近づけば、ガーディアンと名づけられた特に強力な者たちに遭遇しますからね。
[まあ、最深部の祭壇の間には、それよりも面倒なのがいる訳だが]
何か、って……。
余り、無理はせず?
[こう言いつつも、光鎖が何かの接近を感じてゆらり、揺れて。
異眸に険しい光を宿させる]
うん。
無理しない程度にためしてみる。
[宥める以外の行為が上手にいったためしはまだなかったのだけれど、そこは内緒だった]
……なにかきた?
[鎖が揺れたのに、その瞳が変化したのに気が付いて。
彼女もまた周囲の気配を探り始める]
無理はせずに……どうも、君は見ていて危なっかしくて。
影輝王も、君の事は心配してましたよ?
[以前交わした言葉を思い出しつつ、やや軽く言って。
それから、問いに一つ、頷く]
エターナル・ロンド!
結界陣!
[視覚でそれを見て取るのと、感覚が捉えるのはどちらが早かったか。
とっさに展開するのは、守護方陣よりも上位の護りの陣]
/中/
どーでもいいがこの武器。
ほとんど、ガードにしか、使われとりませんな。
まあ、ガチでバトる時は、斬空刃モードにする予定だったしねー。
あ、おはよう。
[一瞬アーベルに気を取られる。
その近くに突如その気配は強くなり]
だめっ!
[咄嗟に助力を願ったのは。
ここに来る前の日、その手で覚えた氷の感触。
小さな礫がそちらに向かう。
……まともな制御はできていなかったけれど]
[のたうつように、身をくねらせた黒蛇の身体が、みるみるうちに膨れ上がり、大蛇の姿に変わる。漆黒の鱗は鋼のごとく、その毒牙は血の如く紅く、瞳は虹彩の無い闇の色]
おはようございます、と。
[口調だけは軽く、アーベルに挨拶を返しつつ。
大蛇に変化した黒蛇を睨むように見やる。
そこから感じ取るのは、魔の力]
最深部から、お使いご出張とはご苦労様で!
[飛んできた氷の礫を一つ、掌で受け止め。]
あー…なんか厄介なのが来ちゃった、かな?
[暢気そうに言いつつも、双眸は冷たさが支配して。]
[身を引いた影輝の精霊には、それ以上構わず、睨みつける時の竜に向けた深い黒の瞳には、感情の色も無い。けれど、チロリと覗いた黒い舌は、嘲笑したようにも見えただろうか]
/中/
ところで、前々から思うていたのですが。
くれさん。
何かを思い出させる何かを思い出させると思ってたんだが。
魔羅っぽいのね……(汗)。
……確かに、俺たちでは無理かもしれん。だが。
[ふと蘇るのは、猛る火炎の若竜の姿か]
心の魔。
あんたは全ての心を知るが故に、確かにそれができるのかもしれない。
しかし。
閉じた世界でのみ孤独を癒して、それが本当に救いとなるのか?
[黒き蛇は、ゆらりと頭を振る、それは嗤ったように見えたかもしれない]
「世界を閉じるのは、お前達の方だ。この世界の律に縛られ、その娘を縛ろうとする。心のままに産まれた娘を心のままに生かそうとはしない。その娘は新たな世界で自由と解放を得るだろう」
そんなの、変!
[思わず口を挟んだ]
偏ったままなんて本来の姿じゃない。
自由なのと何でもありなのとは一緒じゃない!
律無き力は無為。
自由と束縛は表裏対なすもの。
一方を損なって一方のみを得る事は何者にもできん。
……あんたとて、『混沌』という属の律に縛られているのだから。
世界は生命。その生き様は自ら定めて行く。
何故、その生命をわざわざ絶とうとする?
……いや、それ以前に。
世界自体が輪転するという事の意を。
あんたはどれだけ理解しているんだ……?
その、新たな世界の為に、こんなことを?
その代償に今ある世界を傷つけて?
……ふざけんな。
[吐き捨てるように呟く。]
[手の中の氷は水と化し、少しずつ膨れ上がっていく。]
[大蛇はちろりと舌を閃かせる]
「何をもって偏りと言う、影輝の精霊。安定だけが、この世の理とみなすお前に、欠けた心を持つ者の苦しみが解るというのか?」
/中/
設定者独り言たーいむ(何。
設定者視点における世界の輪転。
これは完全なリセットなんだよね。
絶対に同じ物は作れない(笑)。
ただ、それについては誰も知らないから、みんな書の力を使うと、今在る世界を好きなように創りなおせると思っちゃうんだよなあ。
ぶっちゃけ、こんなもん知ってるのはカオスとロウ覗くとそれこそウロボロスくらいのもんだったりする罠。
そして、ウロさんの知識をフルブラストで押し付けられたおとにーさんは知っちゃってる更に嫌な罠。
[ずるりと大蛇はその巨体を動かす]
「理解など、してはいないとも、時の竜。だが、それなら、お前は全てを理解しているというのか?孤独を恐れて、何者にも真に心を預けぬお前が?」
[アーベルの怒りの声には、僅かに目を細めたか]
「ああ、そうだとも、流水の精霊。古きを壊し、新しきを産む力と成す。それこそが変化というものだ」
[過干渉――赦されざること――]
[それは、彼女とて理解していた。
自己満足であり、我儘に過ぎないのだと。
それでも彼女には、見過ごす事は出来なかった]
安定だけじゃないよ。
流れ変化するのもまた自然。
でもあなたの言っているのはちがうもの。
私は均衡に携わる者。
全ては自然にあるままに変化し、安定してゆくべきもの。
あなたの言うのはそうした律すらなく、ただ力のみが振るわれる世界でしょう?
それは自由とはちがうと思うわ。
「どうしても、争いたいのか?私はそれを、一度たりとも、望んではいないのに」
[静かな声とは裏腹に、大蛇はその毒牙を閃かせる]
「この世はすでに、力有るもののみが支配する世界だ。縛られたことのない影輝の精よ」
[その言葉を証明しようとするかのように、毒牙はブリジットに向けられる]
……そうだろうな。
世界が輪転する……混沌の海への門が開いて、行なわれる事。
あれは、実際に視た者でなければ、理解できん。
[ふ、と口元に笑みが宿る]
俺は、何も理解などしとらんだろうね。
俺にあるのは、ただ、知識と記録。
だからこそ、この世界で生き、それ以外のものを増やしたい。
孤独……ああ。
確かに、俺はそれを恐れている。そしてそれが、俺を縛る『無限』の属の律だ。
……あんたは、争いを望まないんじゃないだろ。
ただ、自分が傷付きたくないだけだ。
そんなこと!
[ない、とは否定し切れなかった。
なぜなら彼女は確かに本当の意味で縛られて暮らしたことなどなかったから]
や!
[怯えたようにもう一歩後ろへと下がる。
直接的な戦闘能力など皆無に等しい]
[オトフリートの言葉には、既に応えず、大蛇はそのまま、ブリジットに襲いかかる。その動きは、ただ貪欲な捕食者のそれ]
−北の遺跡−
[遙か昔に滅びてしまった古代都市。その欠片が残る場所に、ベアトリーチェは居りました。背に翼はもうなく、代りに淡い光を纏った小鳥が肩に止まっています。そこは『鍵の書』が眠っていた場所だからでしょうか、町から離れても力が失われることはなかったのでした。]
お父さんと、お母さんは、心配しているかな。
[外で夜を明かすだなんて、もちろん初めてのことでした。もしかすると自衛団に届出でもあるでしょうか。それとも、厄介者が居なくなったとせいせいしているでしょうか。
小さな手で、崩れかけた柱に触れます。ぱらぱらと、砂のように零れてゆく欠片たち。深く永く、ねむれる過去の記憶がそこにはあるのでしょう。]
……都合悪くなると黙りやがんの。
[呆れたように言いつつ、黒き光鎖を舞わせる。
大蛇の首に鎖を絡めて、引き戻そうと]
……そんな変化は、新たな悲しみをも生みだすだろうに。
一つの悲しみの連鎖を断ち切って、また別の連鎖を生み出して。
その先、考えてる?
[指先から雫を一つ弾き飛ばす。狙うは大蛇の右目。]
やだっ!
[再び氷の礫を放つ。
けれど氷破ではない身では威力もたかが知れていて、何もない所から繰り出し続けられるわけも無く]
やだってばっ!
[どこまで効果があるかは分からない]
[氷の礫をものともせずに、大蛇の毒牙はブリジットに迫る。しかしその身体を呑み込む寸前で、黒き鎖に引き戻され、更に右の目を氷の刃に貫かれて大蛇は地響きをたててのたうった]
あー、やかましい……。
[のたうち回る大蛇が立てる地響きに、ぶつぶつと文句を言いつつ]
ちった、大人しくしろ!
まだ寝てんのがいるんだから!
[何かずれているが多分、気にしてはいけない]
エターナル・ロンド!
守護方陣!
[大蛇に絡めた鎖を一度解き、護りの型を展開する]
/中/
指環を嵌めている位置を決めていなかったので、こっそりと設定。
聖職者は右の人差し指に嵌めるのだそうだよ。
右手は権威の象徴だとか現実の力、
その人差し指は人を導く力、夢を叶える意志を表すのだとか。
[呑み込まれる、と思って身体が硬直した。
怯え後退る動きはそのままに。
直前で時空の鎖と水の刃が蛇を退けてくれたけど]
あっ。
[思わずその場に尻餅をつく。
そのまま呆然と蛇や鎖の動きを見つめた]
しまっ……。
[大蛇の動きに、息を飲むが、まだ崩れる瓦礫のために陣を崩せず]
アーベル、ブリジット!
イレーネを、後ろへ!
ちぃっ……。
でかい図体で暴れんじゃねぇっての。
[砕け散る岩から飛び退り、まだ眠ったままのイレーネを抱きかかえて。]
[返せ、という言葉に。異眸が険しさを増す]
「返せ」だあ……?
何、寝言ついてやがる。
自由を与えると言いつつ、結局はあんた自身が、彼女を一番束縛しようとしてんじゃねぇのかっ!?
[まず、自分の体が抱きかかえられているのが分かった。
そしてその主が、流れる水であることも分かった。
更に、懐かしい声が、蛇から聞こえた。]
望まれて、いる…
[呟いた]
欠けた心を埋めるのは、孤独を癒すために寄り添うのは。
必要なこと。
大事なこと。
……だけどな。
その存在を望む者は、一人だけじゃねぇんだ!
イレーネに、彼女に逢いたいと、願う者が他にもいるんだ!
本当に救いたいと考えるなら、何故、そこに目を向けさせない!
[叫びつつ、思い返すのは。
命竜の王の哀しげな瞳]
ここには昔、
たくさんの人びとがあって、
たくさんの出来事があったのだろうね。
[そこに残されているのは、崩れ落ちかけた神殿や屋敷のあと。都市は栄えていたのかもしれませんが、今は見る影もありませんでした。なんとなく左の手首を掴みますと、シャラ、と小さな音が鳴りました。]
それでも、今はもう、滅びてしまったのだ。
[やがて、ずしりと地響きを立てて、大蛇は地に伏した]
[そこに残るのは、ハインリヒの雷に焼かれた、元の大蛇の遺骸だと、知る者はいないだろう。雷鳴の主その人が目覚めるまでは]
[左手を軽く握って、ゆっくりと開きます。]
……時は、まだ。後、少し。
[人の少ない柱のそばに座り込んで、あおい虚空を見上げました。]
[肩に担ぎ上げようとした瞬間、呟く声。]
あー…起きてくれたね。
んじゃ下がっててくれる?
[すとんと降ろし、短剣を構え直して。]
君の望みが、彼と共にあることならば、僕には止められないが……。
僕にはそれが正しいとは思えないから。
[アーベルが抱えてくれていた事にも、肩にかけられた上着が彼のものであることにもに礼も言わず、北のほうに遠い目をうつす。
そしてアーベルに言われた言葉に、思い出す。]
…私が望む事?
[ゆっくりと思い出す。ぐるぐる。
そうだ、私が望んだから。]
望まれているならば、行かないと。
それが私の望みだから。
[心の内で、語りかける。
それは彼に届くのだろうか?]
[途切れた気配と倒れた黒焦げの蛇の姿に、一つ息を吐いて。
黒の光の鎖を右の腕に巻きつける]
……可能性が、複数あるんだから。
閉ざす必要なんかねぇだろ……。
見れるもの、全てを見せた上で、一つを選ばせる。
何故、それが選べん……。
ひぅぅ。
[大蛇が黒焦げの遺骸へと変化して動かなくなったのを確認して。
どこか変な呼吸も漏らすと再びその場にへたり込んだ]
待っているよ…
[続く笑みと囁きは、誰に向けたものだったか、薄く薄く、幻影のごとくに掠れた魔の影は、残された左の瞳で、地上の有様を映す裂け目をただ、静かに見つめ続ける]
[イレーネの方を、振り返り]
……行きたいというのが君の意思であれば、それを阻む権利は俺にはない。
ただ、忘れないで。
君に逢いたいと願う者がいる。
逢わせたいと望む者がいる。
そして、道は一つだけじゃない、という事を、ね。
[手の中の膨れ上がっていた水を鎮めた後に、短剣をシースにしまいながら、振り返り。]
……望まれてるから、それだけなの?
[瑠璃紺が、どこか寂しげに揺れた。]
[手の中の膨れ上がっていた水を鎮めた後に、短剣をシースにしまいながら、振り返り。]
……望まれてるから、それだけなの?
[瑠璃紺が、どこか寂しげに揺れた。]
イレーネ……
[呟く彼女に何と言葉をかけていいのかは分からず。
続いたオトフリートの言葉にコクコクと頷いた。
そこに込められた真意はあまり理解できていないかもしれないが]
[オトフリートの言葉に、ぴく、と肩を竦めてそちらを見る。]
君に逢いたいと願う者。
逢わせたいと望む者。
[復唱する。
…どうしよう。どうするのが良いか、分からなくなってきた。
選ぶ、のは難しくて。
思案している彼女に、アーベルの言葉が降り注ぐ。]
…それだけ?
そう……貴方にとっては、それだけ。
それでも私はそれだけを……どんなに、切望してきたか…
[ゆら、と背中の空気が陽炎のように揺らいだ]
俺を育ててくれた、養母殿……命竜王は。
君の母上を、そして、その血を継ぐ君を。
ずっと、案じておられる。
……俺が、子供の頃に何度も聴かされた歌、教えようか?
[更にアーベルの言葉に肩をこわばらせる。
誰かを望んだ事。
強く強く、望んだ人があった。
強く強く望む為、いなくなった時に大きく力を使った人があった。
それでも…すぐに、いなくなった。
私の背中に模様を刻んで。]
………だって。
[色々思い出し、思案したが口から出たのはまるで子供の言い訳。]
[疲労による眠りから覚め、辺りを見回す。]
な?!
なんでここに、あの時倒れた蛇がいるんだ?
[大蛇の死骸を見て、驚く。]
まあ、死骸だからいいか。
それより、どうしたんだ。
望まれてるとか何とかって。
[オトフリート達の方へ目を向ける。]
「いつか飛び立つ時のいとし子
届けておくれ、届けておくれ
あの子にコエを
さずけられぬままの祝福を
いまはおやすみ時のいとし子
巡る輪のうちこぼれし子
わたしの腕のうちにいるまは
皆と変わらぬいとしい子
世を彷徨いし時のいとし子
終わり無きを定められ
御魂の安らぎえられぬ子
今はおやすみただゆるやかに
わたしの腕をはなれようとも
変わること無きいとしい子」
これは……俺のための歌であり、でも、君への想いをも託された歌。
それと、もう一つ……そっちは、墓地でヴィンターが歌ってたんだけど。聴こえてたかな?
[うたた寝している最中に聞こえていた会話を、僅かながら思い出したが。
今の話とどう繋がっているかは分からず。]
すまん、なんで揉めてるのか分からんのだが。
なんかあったのか?
あー。おじさま、おはよー。
[力なくへたりこんだまま、手をひらひら]
うーん、ちょっと襲撃がね?
[それだけじゃないんだけれど、とイレーネたちの方を見ながら]
/中/
置き去りでごめんよりひさん。
でも、俺はptきついから、誰か説明してあげてくれーっ!
……そして、中発言だけで独り言がこれで500を切りますとさ(汗)。
[もう、どうしたらいいか分からなかった。
誰でも良いから望まれる事を望んだ、それはやはりいけなかったのだろうか?
どうしたらいいか分からないけれど、とりあえず望んでくれた魔に、会いたかった。
何らかの答えをくれるかもしれない。
くれないかもしれない。
また、甘い囁きに身を浸したいだけかもしれない。]
…分からない…!
[きょとんとしているハインリヒを突き飛ばし、その場から走って行った。]
まあ、なんだ。
事情はよくわからんが。
そろそろお腹空いたろ、ランプ屋の姉さん。
喰うか?
[シガーケースからシガーチョコを取り出し、*差し出した。*]
[走り去る姿に、舌打ち一つ]
無闇やたらと、動き回るなってのに!
[どこへ向かっているのか云々よりも、この場の危険性。
それを考えれば、放っておく事はできず。
後を追って、走り出す。遅れて舞う、白梟]
あっ、イレーネ!
[完全に力の抜けてしまった身体では追いかけることも出来ず。
追いかけるオトフリートも見送ることしか出来ずに]
…………。
[困りきった表情で残った人々を見回した]
[ワケも分からず走る。
暗い道で、壁やモノにぶつかりながら走る。
少し走ったところで…何かに躓いて、転んだ。]
…痛ッ…!!
[ずざさ、と顔から転び、肩をすりむく。
真っ暗で分からなかったが、すぐ近くに息遣いを感じた。
その顔を、突如生暖かくぬれたものが撫でる。
---何かの、舌だろう。]
[そして彼女が躓いたのは、別の場所で稼動するトラップだなんて彼女は気づいちゃいない。
ゴゴゴ、と音がしたのは、先ほど彼女が休んでいたあたりの場所だろうか。]
[迷宮の奥で、影が揺れる]
ああ、来るな…
[動き出した気配は二つ]
楽しみなことだ…
[くすくすと笑いながら、影はその色を深めていく。そして、ゆらりと濃い影の中に溶けて…]
[起きだしたハインリヒと焦げた蛇を交互に見やり]
あぁ、これがあの……?
って、あぁっ!!
[駆け出したイレーネに手を伸ばしたものの、届かず。]
[追うオトフリートと白梟を見送って。]
ん……まぁ、オトフリートに任せるかね。
彼女の事を良く知ってるみたいだし。
[岩の上に腰を下ろしながらイレーネの去っていった方を眺めて*ぽつり*。]
望まれたから、それだけじゃぁ寂しいと思うんだけどね。
望んだモノも、望まれたモノも。
[恐怖と八つ当たりもあっただろうか、彼女はその舌のある方に腕を伸ばす。
ふさ、と毛皮のようなモノが触った。次に来るのは腕への痛み。
爪が、閃いたのだろう。3本傷がつき、血が滴った。]
……痛い。
[モンスターの目がギラ、とひかった。
その時、後ろから足音が近づいてくる事に気がついた。]
[イレーネのすぐ傍、彼女を傷つけたモンスターの影から、すう、と一本の腕が伸びて、白熱の光を放つ剣で、モンスターの喉を無造作に掻き切る]
[暗闇の中でも視界を確保する事に問題はなく、その走りは揺ぎ無い。
ともあれ、今は同族の気配を追ってただ走る]
……っ……血の匂いっ!?
[やがて捉えた感覚、それが何を意味するかはわかっていたから]
イレーネ、無事かっ!?
[怒鳴るように声をかけつつ、黒の光鎖を展開する]
[近く、現れた影の腕。
その気配にほう、と安堵の声を漏らす。
近く、居る。]
…今。
[オトフリートの声が聞こえたが、再び立ち上がって駆け出す。
さまざまなトラップを気づかずに作動させながら。]
[飛び込んで来た娘を抱きとめ、追って来た時の竜に視線を投げて嗤う]
この娘は、私を選んだようだな、時の竜。
[勝ち誇った笑み]
あー、も、面倒なっ!
[走ることに苛立ちを感じ、取った手段は空間の跳躍。
その位の余力は常に確保してある。
跳んだ先。
場の様子に、感じたのは何故か頭痛で]
……人甘やかして手なづけりゃいいと思ってんのか、こんのロリコン野郎っ!
[その言い方は大概どうなのか]
[そっと腕の中の髪を撫でる]
案ずることは無い、生命の娘。
[オトフリートの声には、ぴくりと眉が上がった、かもしれない]
[選んだ、という言葉に。ふっと息を吐いて]
……ま、あんたはいつもそうだったな。
自分からは動かねぇ。
人にやらせて、自分はなにもしてない、と言い切る。
そうまでして、責任を負うのが怖いか。
自分から、何かを求めて掴むのが。
世の中には知らぬほうが良い事柄もあるのだよ。少し待っておいで。
[優しく微笑んで、イレーネを後ろへ下がらせると、オトフリートに対峙する]
面倒と言いながら、追ってくるとはご苦労な事だな、時の竜。そんなに私が嫌いかね?
……クレメンスさんも、さびしかったのかなぁ。
[「欠けた心を持つ者の苦しみ」という言葉が頭の中で繰り返される]
わからないよ……
[自分の経験としても。他者から聞いての知識としても。
彼女の中にそういうものはまだなくて]
寂しいから、力をつかうの?
[ぼんやりと、ここではないどこかを見つめるように]
私だって、ぜんぜんさびしくないわけじゃないもん……
[それは彼らの苦しみと比べればとても小さいものかもしれないが]
ナターリエさん、――エルさん……
[うつむいて、小さく声を震わせた]
……よーするに、ちょっと趣味がおかしいって事だ。
[イレーネにはさらっとこう言って]
……好かれてると思ってたんなら、相当なもんだな。
[問いには、呆れたようにこう返す]
[言われて後ろに少し下がる。
人の後ろに庇われる事の、なんと甘美なことだろう。
先ほどの転倒で、アーベルの上着がじゃぎじゃぎに裂けていたが、気にしなかった(気にしなさい)]
ちょっと趣味がおかしい?
[オトフリートの言葉には、軽く首を傾けてクレメンスを見上げたが、答えてくれなさそうだったので再びオトフリートに視線を戻した。]
[くつくつと喉の奥で嗤う]
常に求めているとも、心から。それが私だ。
私は他者の心を縛りはしない。お前にはそれが解らぬだけだ。
ああ、もう構わないだろう、お前もお前の心のままに振る舞ってはどうだ?
嫌いな相手ならば、滅ぼしてしまえばいいだろう?
出来るのなら、な。
滅ぼす、のは、いや…
[後ろから、クレメンスの服を少し握る。
クレメンスは勿論、オトフリートも滅ぼされるのはイヤだと思っている自分を、僅かに不思議に思った。]
変態…
[言われた言葉は、復唱する。
なんとなく、聞き返す事はためらわれた。
…へんたい。]
求めても、動かない。
縛らないんじゃなくて、縛れねぇんだろ?
……嫌いだから滅ぼす?
どこのお子様の理屈だ、そりゃ。
やれと言われればやれるさ。
だが、意味がない。
……あんたが、滅ぼしてほしいってんなら、話は別だがね。
自分で自分を滅ぼす。
そんな選択肢は、あんたじゃ選べまい?
[手から離れていったクレメンスの服を握った手を、胸元へと持っていってぎゅっと握った。
あぁ、殺さないで。
それは、どちらに向けた言葉なのか、自分にも分からなかった。]
ああ、心とはそうしたものだよ、無限の竜。
意味の無いところに意味を求める。
楽しくはないかね?
[笑いながら、剣を突き出す]
[「寂しいから力を使う」
その言葉は彼女の中を駆け巡り。
再び無意識の内に力を流し始めた]
どこ……?
[小さい呟きが力を動かす。
けれどその感覚に先に引っかかってくるのは]
またっ!?
[嫌な予感に、全身の力が入る]
『イレーネ、どうか二人を止めて……!』
……『混沌』であるが故に、か?
俺自身にやる事があり。
そして、あんたの死を望まない者がそこに在る状況で。
無意味な刃傷沙汰は楽しくねぇんだがなっ!
[苛立たしげに怒鳴りつつ、光鎖を舞わせて突きを弾く]
[声が聞こえた気がして、ふと周りを見渡した。
が、薄暗いこの場所で目に映るのは岩肌ばかり。
首を捻りつつ、ふたりに目を戻した。]
[高く嗤い声をあげる]
私は楽しい。お前も楽しむがいい。
もっと、楽しめるようにしてやろうか?
[ゆらりと陽炎のように、黒い姿がゆらめく]
[オトフリートがオトフリートに襲いかかる、弧を描いて揮われた白熱の剣の軌跡は、黒の鎖に対する白の鎖にも見えただろうか?]
[この姿では影を渡ることが出来ない。
けれどここで本性を開放してしまったら、今度は自分自身を保てる自身がない]
『お願い、イレーネっ!』
[必死に呼びかける。それがどこまで届くかは分からない。
影輝の力を僅かに含ませて、イレーネの元へ届くように祈る]
[ふたりのオトフリートを、息を呑んで見守る。
どうしたらいいか分からない。
が、止めようとその間に入れば、必ず真っ二つに裂けられるだろう事だけは、予感していた。
---止められは、しない。]
……だから、趣味悪いっつーのに!
[目の前に現れた自身の姿に、呆れたような呟きをもらして。
斬りかかる剣を再び光鎖で弾く]
……ちっ……エターナル・ロンド!
斬空刃!
[声に応じて、鎖が形を変える。
漆黒の光鎖は、漆黒の光の剣へと]
[再び、声が聞こえた気がした。
止められはしない、そう思った矢先。
その願いは、それこを願ってはいないだろうか。]
…誰?
[楽しそうに踊っているようにも見える二人を見つめたまま、呟いたのは割りと的外れなモノであった。]
[斬り下ろされた刃を弾き、態勢を崩させた所に蹴りの一撃を入れて、距離を取り直す]
……そうまでして。
何が、したい。
[答えがあるとは思えぬものの。低く、問いを投げて]
[余計なことなのかもしれない。
けれど万が一だけはどちらにも起きて欲しくないと]
最悪の事態になってしまうまえにっ!
[祈りはその声と力だけをイレーネの元へと運ぶか]
[イレーネに振り払われ、シガーケースが地に落ちる。]
っておい!一体何処に……
[イレーネは何処かへ駆け出し、オトフリートがそれを追い掛けて行った]
お前ら、勝手に動き回らんでくれ……。
[追い掛けようと思ったが。
現状の戦力を見、どうしたものかと考え込む。]
く…
[押し戻され、僅かに身体を傾がせて、剣を持ち直す]
見たいのだよ、私は。
[笑みを浮かべたままで言う]
この愛しい世界が滅びる時を…
[体当たりする勢いで、真っすぐに剣先がオトフリートの腹を貫こうとする]
/中/
ええと。
邪魔な介入になるようだったら、そのまま放置してください?(汗)
まだ弱い力だから拘束力も少ないと、そういうつもりです。
…通じているかな?(滝汗)
世界が滅びる時……?
[投げられた言葉への戸惑いは、一瞬回避を遅らせて]
っと!
[交わしきれず、白い刃が胴を掠める。
零れ落ちる、紅]
……楽しいのか、それ……?
[問う声には、僅かに哀しみの響きがあったかも知れない]
[白刃を引き寄せ、その切っ先に滴る血を、ペロリと舐める。恍惚の表情が浮かぶ]
ああ、きっと、恐ろしいことだろうな。
[うっとりと夢見るような声が響く]
[懐から銀無垢の懐中時計を取り出し、見る。]
あんまりにも帰りが遅いようなら、迎えに行くしかないよな。
[十中八九、迎えに行く羽目になるだろうなと*思いつつ。*]
[傷の具合を確かめる。
まだ、動ける。
なら、それで十分]
……恐ろしいとかってレベルじゃ、ねぇぞ?
鍵の書によってもたらされる崩壊は……輪転無き終わり。
全てが『消える』。
記憶も、記録も、命も魂も何もかも。
……未来も何もない。
[それは、虚として視て来た記録の中でも、最も重いもの。
器と感情を得て、最も苦しめられたもの]
[声とともに、暖かいものをふわりと感じた。
影と輝き、そして均衡。
また、声が聞こえたような気がした。]
…誰?
[再び、呟く。
目は、光の筋を生み出す二人から離されないままに。]
『彼は謡った、滅び去り、死に絶えた世界を』
[それは、教会でティルに聞かせた昔語りの、その結末]
だからこそ、私は見たいのだよ。無限の竜。
[ゆらり、幻影の中に、別の影が浮かんだのが見えただろうか?]
「…誰?」
[その言葉が感覚に触れた]
私。ブリジット!
お願い、多分あなたにしか止められないっ!
[そう叫んで、今出せる限界の力をイレーネの元へと。
それは目的のためというよりも、手段を補助するための力]
……やっぱあんた、変態だな。
[呆れたように呟いて、紅を散らしつつ、距離を開ける。
異眸は、揺らめくような影を見据えて]
/中/
……止まらなくなっちゃった。
だから、そろそろやめないと(滝汗)
楽しくバトルしているのに、ごめんなさいっ!
さあ、終わりにしよう!
[ふいに、影が白く眩しく輝くと、そのまま高く跳躍し、天井を蹴って、オトフリートの頭上に落ちる。白熱の剣の切っ先と共に]
[…ブリジット。その声が、届いた。力とともに。]
…止める?
どうして?
楽しそう、なのに?
[まるで理由が欲しいかのように、呟いて。]
[ブリジットの言葉が返った瞬間に、体は動いていた。
天井を蹴るオトフリート、それを睨むオトフリート。
どちらかが欠ける?
そう思った時に]
…駄目-----!!
[それは彼女の言葉だったか、ブリジットの言の葉だったか。
思いっきり岩肌を蹴り、ふたりの間へと身を割り込ませていた。]
……一人で、盛り上がってんじゃねえってんだよ!
俺は、まだ、終わる気なんざ、ねぇっ!
[滅べぬ存在である以前に。
まだ、時空の『竜』としての生を満足に生ききっていないのだから、と。
そんな思いを叫びに込めた矢先]
……っ!?
イレーネっ!
[飛び込んで来た命竜の姿に、とっさに剣を光鎖に変える。
それを、思いっきり振るって、飛び込んでくる自分の写しを弾き飛ばしつつ。
飛び込んで来たイレーネを支えるように抱え込んで、前へと跳ぶ]
[割り込んだ娘の姿は目に入ったか…しかし、すでに速度を得て落下する身を留める術は無く…或いは、留める気もなかったか?…そのまま剣と共に貫こうとした]
[ゆらりと立ち上がる影に、オトフリートの腕からするりと離れて怯えた目を向ける。]
…私は、失いたくない。
ふたりとも。
失っては駄目、と声も聞こえた。
[だが声は震えている]
あっぶね……。
[一先ず事なきを得た事に、やれやれ、と安堵の息を吐いて]
無茶せんでくれ……君に何かあったら、命竜のお方様だけじゃなく、火炎の若竜にまで恨まれちまう……。
[ため息混じりに言いつつ、立ち上がって光鎖を手元に引き戻し、白く揺らめく影を見る]
[失いたくない、との言葉に、僅かに影は揺れたか…しかし、その表情は光に溶けて見えぬまま。ただ、剣を持つ腕だけが、真っすぐに伸ばされた]
ならば、行け。二度と戻るな。
[怒りは見せずに、戻る道をただ、指し示す]
[行け、といわれ。
その顔には驚きと悲しみが同時に現れた。
後ろのオトフリートの声に、何かがこみ上げて泣き出しそうな衝動にもかられた。
一歩、二歩、影に近づく。]
……いや、捨てない、で。
[手を、伸ばす。]
捨てはしないよ、愛しい子…
[微動だにせぬまま、影は囁く]
さようなら。
[そのまま、白い火花が弾けるように、消えた]
[影と、イレーネの様子を、静かに見つめて]
……自らのみを求めぬ者は。
拒否するのか、心の魔……?
[呟きは、闇に溶けるように]
[伸ばした手は何にも触れられず、空をつかんで。
何も掴めなかった手をゆるゆると引き戻し、じっと見た。
何もない。]
…あぁ。
[その場に、ペタリと座り込んだ。]
[光鎖を右腕へと巻きつけて。座り込むイレーネに、そっと声をかける]
……これから、どうするにしろ、ここは、危険だ。
一度、もど……。
[戻ろうと、言いかけた矢先。先ほど受けた傷が痛みを主張して、その場にがくり、と膝を突く]
あのやろ、思いっきり、斬りやがって……。
[岩の上、いつの間にか寝転がり。]
[掌には水の球。]
[あの時飛ばした雫が映し出す場面。]
結局、彼女を変えたのは、貴方のやり方じゃぁない、って事かね?
世界を構成するのは、いろんなモノたち。
そして混沌はそれらを内包するもの……じゃないのかな?
[その呟きが届くかどうかは知らぬけども。]
[取り巻いていた薄い紫の光が、更に薄れて弾けた。
光はそのまま周囲に溶け込んで]
ごめ、ん……あり、が、と……
[切れ切れの声は二人のもとへと届いただろうか]
[それまで遮断しきっていた周囲の気配も少しずつ戻ってくる。
しかしそれ以上は意識を保つことが出来ずにバタリと倒れ。
2本ほど緩んだ鎖細工がシャラリと*音を立てた*]
[へたりこむ彼女のすぐ後ろ、ひざをつく音。
体を反転させると、赤い血を滴らせながらもオトフリートが痛そうな表情をしているのが見えた。]
…正しいのか、わからないけれど。
[言い訳のように呟いて、オトフリートの傷に手をそっと当てる。
やわらかく、生命の癒しの力が染み込んでいく。
彼女はその生命の焔が揺らめくのを、目を細めてみた。]
[生命の力、それが傷を癒す感触に、ほっと息を吐く]
ありがとう……助かったよ。
[ふわり、浮かぶ笑みがどこか無防備なのは。
力の感触が、養母を思い出させたためだろうか]
[礼を言われ。
眉間に僅かに皺をよせながら口の端は少しあげるといった複雑な表情をして、うつむいた。]
…あ。
[そのまま、くらりと眩暈を感じて両手を地面についてぎゅっと目を閉じた。
転んだ時にすりむいた手足や顔を癒すのをすっかり忘れていた。
眩暈が治まっててを見ると、薄紫の光がそっと消える所だった。]
あぁ。
[この光のおかげだったのか、と思う。]
―墓地・明け方―
[癒しの眠りに着いた竜は、その弛緩した寝顔を晒したまま。]
[流れた血は乾き、大地へ落ちた血は吸い込まれ、むせかえるような甘い香りもいまは無い。
ミハエルは、立てた膝のうえに腕を置き、その上に頭を載せている。]
…様々なものが失われていく。
私にはそれを留めるすべが無いのだろうか。
[呟いて片方の手を伸ばし、ダーヴィッドの傷口に血糊で張り付いた木の葉を剥がす]
[そういえば、と思い出して。]
…何かあったら…うらまれ…?
[先ほどのオトフリートの言葉を小さく小さく呟いた。
そしてあの甘い囁きをくれる魔と。
色んな思いがよぎってまた何かが溢れ出しそうになり、まるで押さえつけるかのようにぎゅっと両肩を抱いた。]
−午前/ベアの家−
[アマンダは、一人でベアトリーチェの家を訪ねていた。
けれど、ちょうど留守だったらしく、誰も出ては来なかった。
もしかしたら、帰らぬ娘を心配し、探しに行っていたのだろうか]
……ここに、置いておくね。
[扉の傍にスケッチブックを残して、踵を返す。
「また、明日。」
そう彼女は言っていたけど、今度会う時には忘れ物を返すだけの余裕はないだろうと思って。]
[小さな呟きに、ああ、と頷いて]
約束したからね、俺は、養母殿に。
必ず君を見つける。そして、一度は竜郷へ連れて帰ると。
若竜……ダーヴィッドも、同じ事を頼まれているようだし。
彼は彼なりに、君の事を心配しているようだしね。
[冗談めかした口調で言いつつ立ち上がり、肩を掴む手に、自分の手を重ねて]
……とにかく、いつまでもここにいると、皆心配する。
これからどうするかは、ゆっくり考えるとして……一度、一緒に戻ろう?
―西・桜の木の下―
[コエはないけど。気配は感じ。
きっと「消されて」はいないことに安堵]
[それでも不安を完全には消えない。
せめてコエだけでも聞き、姿だけでも見たくて]
[探し回るも少年の姿は何処にもなく]
[...は考える。コエも花もない世界で、
彼が翠樹の魔を見つけるのに頼れるのは己のみ]
[そして思い出す。
さっきKirschbaumで少年が言いかけたコエを]
――すこし、森にいきたかっ……
そうか、森にいるんだなティルは。
なんで今まで思いつかなかったんだよ。僕の馬鹿
[...は慌てて森へ走った]
[ゆっくりと顔を上げて、オトフリートの吸い込まれそうな目を見つめて言葉を紡ぐ。]
…貴方の、養母?
それは、誰?
心配。
私を?
…私がすることをじゃなくて。
[手の上に重ねられた手の暖かさに少し安心感を覚えながら、ゆっくりと立とうとして、ふらりとフラついた。
思わずすぐ横の岩に手をつき…トラップが作動して、上から岩が落ちてきた。]
…あ。
[シャラリ、音に振り向けば倒れているブリジットが見えて。]
[ひょいと岩から降り、抱えて壁際へと。]
……チカラ使いすぎだってば。
皆、後先考えないんだからなぁ……。
[やれやれ、と肩を軽く竦めた。]
―墓地・明け方―
[アマンダは暫くその様子を見守って居たが、東の空が白みはじめる頃には、墓地をあとにした。少女の残したスケッチブックを小脇に抱いて。]
[ミハエルは何処にも怪我を負って居ないのに、血にまみれていた。血を吸った服は乾いて、肌に張り付いてとても不快だと思った。]
―森/暗みがかった緑の樹の根元―
[白い苗床の身体は少し脈打ち、
ゆると動く姿が生を感じさせる。
胎児のよに丸まって、
コエが聞こえたなら、その口元に微笑が浮かぶか。
優しいコエ。
力を受け入れ眠りにつくこと。
それは苗床として自然なことで、それでも今は]
起きなければね
命竜王ティアマット。
全ての命竜の長にして、母たる方だ。
って、君自身を心配するのは……。
[言いつつ、落ちてきた岩に向けて素早く光鎖を叩き込み、打ち砕く]
当たり前だろ?
−午後/教会−
[アマンダは、神父と子ども――鍵の書に深く係わる二人が好んだ場所へとやってきていた。
安息日だと言うのに、教会の中には誰も居ない。
町の人々は、それが異常だとも思わずに教会の扉をくぐることなく、訪れてはまた去っていく]
……ねえ、神父もベアも…鍵の書に何を求めたの…?
[呟きは静かに床へと落ちて消える。
精霊であるアマンダは、人間の言う「神様」に縋りはしない。
ここにもベアの姿がない事を確かめれば、踵を返すだけ]
ティアマット。
[その名前は、遠い記憶の中で聞いたことがあるような気がした。
薄れ掛けた、遠い記憶。もう場所や時は覚えていないけれど。]
養母…育てられた、のね。
[当たり前、との言葉には、どんな言葉やしぐさ、表情を返していいかが分からなかったので、きっと曖昧な表情になったと思う。
そして瞬時に砕かれた岩を見上げて目を見開いた。]
…ここ、何か危なそう。
昨日も何かに足を挟まれた。
[ふと、とらばさみが消えて足の傷も治っている事に気がついた。]
…あれ、今の…
[振り返った時、視界の端を過ぎった黒猫に目を瞬く]
『あの猫は…教会の……神父の? まさか…』
待って…!
[こちらの様子を伺っていた黒猫は、影へと入り、消えた]
―墓地からKirschbaum・明け方―
………。
[夜が明ければ、人に見咎められず行動するのは不可能だろう。ましてこの格好では、どう疑われても仕方が無い。
ダーヴィッドを一瞥し。
抱え起こして、傷の無いほうの肩を担ぐ。引きずるようにして、Kirschbaumへ向かう。幸い、店へ向かう途中で人間に見咎められることは無かった。]
[Kirschbaumの戸を叩くと、明け方だというのに店主は戸を開き、迎え入れてくれた。彼もまた、人では無いのだ。]
[ダーヴィッドをソファへ寝かせた。
宿の一室を借りて、シャワーを浴びる。
利用客は減っていた。]
[繰り返される言葉に、一つ頷いて]
俺には、正式に両親と呼べる存在がないから。
生命を育む命竜のお方様に育てられたんだ。
[答える瞬間、表情には苦笑めいたものが過ぎるか]
まあ……そも、この迷宮自体が危険だからね。
だから、単独行動はしない方がいいんだ。
−現在/中央広場−
[結局、アマンダは、黒猫もベアトリーチェも見つけることが出来なかった。子どもが遺跡へと近づこうとしない様子から、無意識にそこに居るという選択肢が抜けていたのかもしれない]
……困ったな…。
今夜また、あのうねりが来る前に…あの子を止めたい…ううん、あの子に止まって欲しいんだけれど、な…
[茜色差す空を見上げれば、一陣の風が吹く。アマンダの対]
…ユリアン? 何処へ…ああ、ティルの?
[投げかけた声は、届いただろうか]
―森/樹の下―
[どれくらいが経過したのか。
時間についてはわからないものの、苗床の身体はだいぶ回復をしている。
まるで森とひとつになるような、そんな体勢が徐々に、
木々たちが離れてゆくことで、孤立したものとなる。]
……だいぶ、ましかな。
[呟く姿に片腕はなくとも、片目には何も見えずとも。
苗床は自分の中の二つの種から生まれた子らを、再び体内に戻す。
他の子らは森に返す。
引いてゆくうちの茨の蔓に傷つけられたか、その肌には薄く朱が引かれた。]
落ち着いたんだ
[小さく笑う]
だいぶ、力はなくなっているけれど。
……うん、無理をしたみたいだね。
心配をかけて、ごめんなさい
…親の存在が、ない?
それは…
[言葉を切って、暫し目を伏せた。
彼女の中を駆け巡る思いは、幾多のものであったろう。]
…単独行動は危険、なのね。
ならばなおさら、やっぱり行かないと。
[もはや気配も感じられない,ひとりで居るはずの心の魔の元へ。
彼女は岩壁に手をついてゆっくりと立ち、迷宮の奥へ向かおうと、一歩踏み出した。]
[...は気配を感じ、歩みを止める]
[自由気儘に飛び回る彼を縛り付ける鎖。
でも最近は以前より苦痛ではなくなっていて]
やあ、アマンダさん。
うん、今からティルを迎えに行くんだ。
そうだ。アマンダさんも来る?
[「僕と森でデートしませんか?」とくすくす笑って]
心配されるだろうか。
[左の手の甲からじわりと広がる朱。
抑えておけば治るか、と思うと、葉がひらり、そこをおさえる。]
朱く染まってしまうよ、ヨウ。
[それでも離れることない葉に、困ったように笑う。
そして再び座り込んで、根に繋がれた。
*花がふわりと飛んでいる*]
[何となく、予想はしていたものの]
って、ちょっと、待った!
あちらさんがいる最深部に歩いて行くのは、君一人じゃ無理だって!
……大体、そっちに行っても、たどり着かんが。
[実は内部構造を知っているとか]
[立ち止まった少年の言葉に、アマンダは目を瞬く。
どちらの言葉に驚いたのかはわからない]
ティルが、目覚めたの?
デート、君と?
うん、いいよ。
[けれど、直に頷いて、森へ向かって歩き出す]
いや、そういう目をされても……。
……妙な話だが、最深部……祭壇の間には、ガーディアンはいない。そこに至る道は大騒ぎだがね。
だから、逆説的に、あのおっさんは安全なんだよ。
まあ、どうするにしても。
ブリジットやアーベル、探偵さんも心配しているだろうし。
一度は、顔を見せに戻ってやってほしい。
[頼むから、と言いつつ、拝んで見せる。
頷いてもらえたなら皆の所へ戻るなり倒れこみ確定、そうでなければ……*誰か来るまで説得大会だろうか*]
「デート」という響きが嫌なら、
「逢い引き」でも構わないけどね、僕としては。
[さらりとそんな発言をして...はアマンダの隣を歩いた]
―……→北東の森―
[オトフリートに拝まれ、不満げな顔はしつつもひとつ頷く。
そして帰りの道中、ことごとく自覚なくトラップを発動させる彼女に、それを全て始末するオトフリート。
皆がいる所にたどり着いた途端、倒れこむオトフリートを見て、目を丸くした。]
…疲れてる、みたい。
[そこに待つ人々に、さらりと言う。]
[アマンダはユリアンの発言に首を傾げる]
別に嫌いではないけれど?
[目的語がすっぽ抜けたままの答えを返し、隣に並んだまま歩く]
−→北東の森−
[元は、12対の黄金の翼であったろう]
[右の半分は焼け焦げて骨ばかり]
[元は、煌めく白金の髪であったろう]
[赤い血に濡れて、右の半分は消し炭のよう]
―北東の森―
[生い茂る草花に足をとられたりしながらも、
...はアマンダの前を歩く。]
[...にとって初めて足を踏み入れる場所。
しかし迷うことはなかった。
コエがする方向へ、一歩一歩進んでいく]
はな。おはようさん。
[いつの間にか三つ花の蝶がひらり。
彼らの道案内をするかのように森の奥に飛んでいく]
―明け方・kirschbaum―
[血を洗い流したミハエルが、喫茶店である一階へ降りると店主がアイスティーを用意して居た。恐縮するミハエル。
「本当は、此処へ泊まれれば色々楽なんだけどな」店主はそう呟いたが、此処は満室だからと笑った。いまは宿泊客も、出掛けて居るだけだから、帰ってくるから、と。]
[汚れたシャツを外套で隠して、着替える為に宿へ戻った。
それから、街へ出る。]
―森の中/樹の下―
[目を閉じかけていたけれど、苗床は少しわらうと、そっと根を見やる。]
おいで、君も来たいのだろう?
[呼び寄せ足のうちにいれると、立ち上がる。]
果実を探してこようか。
かの火の竜より、かの神鳴りの人より、かれは食べないだろうけどね
[心配かけてしまったし、仕方ないかなんて呟くよに。]
−北東の森−
[アマンダは、迷いなく進むユリアンの後ろを付いて行く。
草花までは無理だけど、大地には足を取らないように頼んだろうか]
ユリアンはティルと惹かれ合う絆があるのだね。
不思議。どうしてかな?
[「魔と人なのに」と種族を超えた繋がりに不思議そう。
首を傾げていると、三ツ花の蝶のお出迎え。
茶色の目を細めて御挨拶]
おはよう。お迎えかな?
[ミハエルは昼頃には墓地へ行き、長いことそこへ佇んで居た。
弔うものがある訳では無い。
人が訪れることも少なく、静かな墓地は少し、銀世界を思い出させるから。いまは穏やかに力を蓄えるべきと、そうしていた。]
―樹のそば―
[ひらり、いつのまにかいなくなっていた花が、
苗床の視界に姿を現す。
困ったよに手を差し伸べて、その指先に三ツ花を留まらせた。]
[そこに集まっている人たちは、疲弊しているように見えた。
唯一、団長だけがピンピンし剣を携帯砥ぎ石で砥いでいた。
生命の焔も、ゴオゴオと音を立てている程にすら見えた。]
奥に行きたい。
[誰にも聞こえない程小さく呟く彼女も勿論疲弊しきっていたが、再びあの心の魔の方に行きたいと願うのは、対であるからなのだろうか。
だがとりあえず、オトフリートの意識が戻るまでは待つべきなのだろう、となんとなく思い、岩に座り込んで膝にひじをついた。
と、不意に思い出して、アーベルの方へ近寄り]
ありがとう。
[色々な事に対してお礼を言った。]
上着は…後で返す。
[その上着はもうじゃぎじゃぎなワケだが。]
─喫茶室─
[ソファーに横たえられたまま、醒めぬ癒やしの夢の中。
肩の傷口は薄皮一枚ほどではあるが塞がり、力は次第に満ちてゆく。
回復に専念しているのか、*いまだ目覚める気配は無い。*]
−北の遺跡−
[柱に背を凭れてそらを見上げるベアトリーチェに、力なきものが気附くことはありませんでした。まるでその存在が世界とひとつになってしまったように、あるいはこの世界に存在していないものであるように。]
もう、少し。
[天のいろが移り変るのにつれて、人の影は一つ一つと消えてゆきます。それは日が落ちてゆくからなのか、書の力によるものなのかはわかりませんでした。
そして時間が経つのにつれて、からだの中に巡る力が高まってゆくのがわかります。それをたしかめるように、腕輪を嵌めた左のてのひらを柱に押当てますと、眼を瞑りイメージします。ずうっと昔の、都市の姿を。それは本で見た知識と想像の合わさったものに過ぎないのですけれども、ふわり光の粒子が集まりますと、柱は亀裂もない綺麗なものに直ったのでした。]
[...はアマンダの疑問に優しく答える]
それは今でもわからない。
ティルは「波長があったのかも?」とか言ってたけど。
理由なんて今としてはどうでもいいかな?
こうしてコエが聞こえるのは確かなんだから。
[前を飛んでいた蝶がふんわり羽を休めた。
ずっと探していた人が目の前にいて]
おはようさん、ティル。目、覚めたか?
[いつものように笑いかけ、ぐしゃっと頭を撫でた]
[ふっと顔を逸らしますと、ベアトリーチェは柱から離れて遺跡のそばから続く森へと向います。町の東にまで広がる森は巨きく、そして豊かでした。
果実の成っている樹を捜して、ゆっくりと辺りを見渡しながらあゆみます。自分で創れもするのですけれど、それは力を使ってしまうことになるからいけないのでした。]
―樹のそば―
[やってきた風と地に、苗床が向けるは微笑。
何を話していたのかはわからないけれど、
二人が仲のよさそうな様子にほっとしたのかもしれない。]
おはよう、ユリアン、アマンダ。
心配をかけたようで、ごめんなさい
[コエでは伝えたことをもう一度。地の精にははじめての謝罪。
撫でられては、わずかな苦笑。]
[二人の帰還を確認し、懐中時計をしまい込む。]
ようやっと帰ってきたか、お二人さん。
皆、心配してたぞ。
奥の方は危険なんだからな。
少人数での行動は慎んでくれ。
[イレーネとオトフリートに軽く説教した後、ギュンターから応急処置セットを借りる。]
化膿しないうちに処置しておきたい。
怪我してるなら見せてくれ。
[まずは、見るからにぼろぼろなオトフリートの様子を見始める。]
必ず、皆で帰るんだからな。
もう、勝手にどっか行くんじゃねえぞ。
[と、小さく*呟いた。*]
−→樹の傍−
[アマンダはユリアンの言葉に、また瞬く。
優しい言葉とか、態度とか、そういった色々変わっているものに。
精霊であると、対であると、知られたからだろうかと、声を出して*訊ねはしなかったけれど*]
[軽い説教を正座して聴いた後、応急処置セットを、ものめずらしそうに覗き込む]
…私は、平気。
彼の腹が、斬れている。結構深く。
癒しはしたけれど…
[勝手にどっか行くんじゃねぇぞ、との言葉に目を丸くして。
ふわり、と泣きそうな顔で少し微笑んだ。]
[コエでは伝えきれない気持ちを、
頭を撫でる手にぎゅっと込めて]
全くだ。とても心配したよ。
元気になったなら、さあ帰ろう?……ん?
[...は未だに気を感じることはできないけど。
草木を揺らすざわめきが風によるものではないのは明白。
――それはとても清らかで、この森には異質な感覚]
[やがて一本の樹の前で立ち止まりますと、それを見上げます。手を持上げると、淡く光る小鳥が宙を舞って枝まで飛んでゆき、たわわに実る果物を突きます。重力に引かれたそれは、ベアトリーチェの手の中に落ちてきました。
一口齧ると、新鮮な味よりも、翠樹と大地の力が強く感じられました。]
本当に、ごめんなさい。
[ユリアンの気持ちは伝わってきて、じんわりとした優しさに、
少し嬉しくなる。
しかし気づいたらしい風の子に、
心配させぬように微笑んで]
うん、帰ろうか。
大丈夫だよ
[何が、とは言わずに。]
[回復したように見えるティルから「大丈夫」と言われ、微かな不安と違和感はどこかに消え去り]
はやく帰ろうぜ。お腹すいたー
飯飯。ハーヴェイさんのごー飯ー!
ほら、また迷子にならないように。
しっかり捕まっておけ。
[すっかり日常モードの...はティルに向かって右手を*差し出した*]
[手を差し出されて、左の手をどうするか、と悩む。
なぜならそこには先ほど森に貰った、果実の類が握られていたから。
少し悩んで、先にそれを渡す。]
そうだね、かれはきっと待っていてくれるだろうね。
だから、これを先にもっていってくれないかな?
[軽く首を傾げて、ことさらなんでもない、普通の様子で。
違和感など思い出させないように。]
僕は森にお礼しないと。
この子たちにも、心配かけたし、ね?
[すっかり静まり返った墓地。
陽が暮れてから此処を訪れる人間は居ない。]
[街には、この墓地に夜な夜な”何か”が現れるという噂が在ったが、その噂の元がナターリエであった事をミハエルは知らない。]
[静寂のなかで、己の感覚が徐々に精密になってゆく。
ちからの感じられる場所。
遺跡へと、向かう。]
[すっかりと食べ終えて、口もとをごしごしと拭きます。そばに力が集まっているのは感じていましたが、今はまだ“その時”ではないから、ベアトリーチェは自分から動くことはありませんでした。いいえ、単に今は逢いたくなかったのかもしれません。]
……大丈夫だよ、フィロメーラ。
[そう云ったのは、肩に舞い降りた小鳥に対してでしょうか。]
―遺跡―
[遺跡へたどり着いたミハエルが見たのは、時を巻き戻したかのような姿の柱。以前に見たときは、ひび割れ、欠けてなかば砂へ還りかけていた筈だが。]
[そこへ在ったのは、力の残響と、その行使の跡のみ]
[亀裂の無い柱を、憎々しげに見つめる]
[ぴたりと手を当て、]
[だが首を振って]
[なんだか少し疑いの眼差しになったかもしれない風の子に、はやくしないとわるくなっちゃうから、なんて尤もらしく言いながら、
苗床は、ゆっくりと、そちらへ向かう。
聖なる子の力の方へと]
そうか、もうそんな時間なんだね
[こんばんは、と言い直して]
うん、まあおはようかもしれないけれど。
……君にとってはこんばんは、だよね。多分。
うん、そうだね。
[小さく肯いてから、首をかたむけます。]
きっとティルも、ユリアンから聞いているよね。
[なにを、とは云いませんでしたけれど。]
[意識を光の小鳥に宿して、彼女は今は少女の傍らに。
今は心にも力にも波風は立たずに、少女は落ち着きを見せていた]
「彼女を護るために。」
[その声は、ベアトリーチェの口から紡がれたものではありませんでした。ティルの方をじっと見つめる、小鳥から。それは声ではなくて、思念のようなものでしたけれど、まるでほんとうの小夜啼鳥のように澄んだ声に聞えたでしょう。]
[まるで歌声のようなコトノハ。
小鳥を見やり、苗床は少し考えて口を開く]
かの女を?
……守る、とは、どうして?
[かの女というときに、見たのは、ベアトリーチェの姿。]
……ベアトリーチェはね。
ほんとうは、ずっと昔に死んでしまう筈だったんだ。
[フィロメーラはそれを助けて呉れたのだと、ベアトリーチェは云います。
それは“過干渉”であり、“赦されざること”。ミハエルが云ったとおりのことだと、よくわかっていました。]
「この世界の律では、彼女は生きてはいけないから。」
[けれども、変えるのだと決めてしまったのでした。]
そう。
[二人の言の葉は、互いを思いあうようで。]
君は、助けられたのだね。
かの女を。
大切な人の子を。
[小夜啼鳥を見る目は、どこかまぶしいものを見るようで]
たとえ誰に攻められようとも、君が僕にはうらやましい。
[そっと囁くような呟き。
左の手は、首にかかる小瓶を、そっと握って。]
……でも、書を使うということで、本当に、生きていける世界が作れるのかい?
[ふ、と。
途切れていた意識が戻る。
気絶している間に、手当てがされたらしく、痛みなどはだいぶ治まっていた]
…………。
[一つ、息を吐いて、天井を見上げ。
そこにある、僅かな空間の裂け目に向けて光鎖の輪を一つ、放つ。
時空を跳躍する輪の力は、綻びを広げ。
地上でのやり取りを、映し出した]
[重ねて使った力は容易には回復せず。
左手の鎖も未だ1本は緩んだまま、1本は完全に外れて。
その茶色の髪は、少し色味を失っていた]
[ハインリヒがオトフリートに処置をし、他の人たちの回復を小部屋の隅で体育すわりをしてみていたが、オトフリートが気がついて光鎖を持ち出すのを眺めていた。
呟きが、もれる。]
…フィロメーラ。
……わからない。
[訊ねられて、こどもは小鳥へと眼を移しました。指から離れた小夜啼鳥はティルの周りを一度巡り、ベアトリーチェの元に戻ります。きらきら、光の粒が零れました。]
「……断言は、出来ません。
けれど。
ただ、滅びの時を待つよりは。」
書の力で、律の異なる世界を、か……。
だが、それは。できないんだよ……。
[小さく呟く。それは、決して届かぬものではあるけれど]
[そのまま抱えた膝に顎を乗せていたが、疲れも手伝って、うとうとし始めた。
起こされて移動するというならば、奥へ率先して行きたいと*いうだろう。*]
君は、賭けを選んだのだね。
[光の雫に目を細める。
片目の金は、何も変わらぬまま]
僕も、それを悩んだ。
君もきっと、悩んだのだろうね。
このままではどうしても駄目なのかい?
ただ今の生を、楽しむだけでは駄目なのかい?
[問いかける声は、静かな響きを持つだろう。]
混沌の王の力の結晶は、そんなに都合よくできちゃいない……。
書がもたらすのは、再起のない終焉。
……お前が護りたいものが滅んで、二度と取り戻せなくなるだけだ……。
[風が樹を優しく撫でていくのを見ながら、波長が合ったらしいという言葉に頷くと、ちょうど花がティルに留まった所だった。
彼の謝罪に緩く首を振って、アマンダは二人の再開を少し離れて見守る。外見に近い、少年と子どもらしいやりとりに、微笑みが浮かぶ。
人の子の成長は早いと、アマンダは思う。
3年前、この町に着たばかりの頃。アマンダに当たりかけたボールを【疾風】が弾き飛ばし飛ばしたのが出会い。
その時ユリアンは、ちょうどティルくらいの姿だったはずだ。
思わぬ対との出会いに反発しながらも、見かける度に眺めて…睨んでいたなと、不意に懐かしさを感じる。
少年になった彼が今、青年になりつつあるのだとまでは気付けないけれど]
…私は、少し寄り道。
楽しいデートだった。またね。
[少し元気になった様子のティルに、手を出すユリアンに微笑んで背を向けた。ユリアンが居るなら、*きっと大丈夫*]
[小鳥はベアトリーチェの肩で羽を休めたまま、なにも語ることはありません。なにか考え込んでいる様子でもありました。代りにか、こどもが口を開きます。]
知る前なら、そうだったかもしれないね。
けれども、知ってしまったから。
[シャラン、左手を掲げますと、鎖の輪が音を奏でました。]
ベアトリーチェが今まで生きて来たのには、
何かしらの意味があるのだと、そう思っていた。
……世界を変えることに、その意味を見出したのかもしれない。
[曖昧な言葉。そこにたしかなものなんて、なに一つありませんでした。]
君は、
[こんどの目は、人の子に向き]
まだ子どもでいられるのだね。
僕は知る前から、諦めていた。
かの女がしあわせな、元気な人の生を送るのを見るのを。……そんな時はないのかとすら思っていたんだ。
だけれど鍵のことを知って、考えた。
[悩んでいると言っただろう? と、苗床は微笑んで]
世界をかえれば、かの女はうまれてくれるだろうかって。
それともかわらぬまま、かの女を待つほうがいいのかって。
君の生きる意味がそれだというのなら、
僕が今まで生きてこれた意味は……
それが決して開かれない、そんな世界をつくることなのかもしれないと、今は思うよ
[こどもで居られる。それの意味するところがよくわからないというように首をかたむけますと、金の髪が頬にかかりました。けれども、ティルの決めたことだけは、わかったのでした。]
ティルの思うように、したらいいよ。
ベアトリーチェは、ベアトリーチェの思うように。
[ぼうっとした緑の眼は、ティルの金いろの眼を見ていました。]
ベアトリーチェはこの世界が好きだった。
でも、届かない世界なら……。
[言葉の途中で、ベアトリーチェは顔を天へと挙げます。樹々の合間から覗く月は、円いかたちをしておりました。]
時が移ろうまで、あとわずかだ。
ベアトリーチェは、もう、行くよ。ここの果実は美味しかった。
くそっ!
ここからじゃ、何も出来ないってのか……!
[映し出された光景、やりとりされる言葉。
信じがたい事ばかりだった。]
そうだね。
僕は僕の、君は君の、思う通りに。
[すこし、困ったように微笑んで、苗床も天をあおぐ。
陽のひかりは葉を越えてやってくるけれど、月のひかりは遠くに。]
……それでも君たちの手は、
僕よりずっと大切なものを掴めているのだよ。
……だから鍵を開かないでほしい。
そう言うのはきっとわがままなのだろうね。
君がそれを渡してくれることをこの森も僕も望んでいるよ
[それでも、手は伸ばさずに]
[ハインリヒの言葉に、ちら、とそちらに視線を向けて]
……止められるものなら、止めたいが……。
ここから出るには、書を返還するか、迷宮自体を内側から叩き壊すか、そのどちらかしかない。
そして、前者は俺たちには不可能。
後者は……。
[やってやれない事は、ないかも知れない。
彼の本来の姿であれば]
―遺跡―
異界門。開かれるのが摂理なのだろうか。
だが、開かれるのならば私如きが何を為そうとも開かれるのだろう。ならば―――
[仰いだ空には、落ちかかりそうな満月が掛かって居た]
……駄目だよ。
[否定の言葉は小さくも、しっかりとしたものでした。くるりと向きを変えると、ぱさりと翼を生やしたベアトリーチェは葉の間をぬって、そらへと飛び立ちます。]
あと、もう少しなのだから。
[失われた過去のねむる、遺跡を目指して。]
―北東の森―
[背の高い草ががさごそ動いて、...の姿が現れる]
おい、ティル。遅いぞ。
またなんかあったかと思ったじゃないか。
はやく、帰ろうぜ。
[直前まであったことなど微塵も気がつかず、
もう一度右手を伸ばした]
……後者は、『最後の手段』ってわけだな。
[オトフリートが言葉を濁したので、大方その辺りだろうと察して。]
で、まだ傷は痛むか?
癒しの術が使えれば良かったんだが。
[痛々しい傷を指差し、状態を聞く。]
……うん。もうすぐ、なのだね。
[まさらな翼で飛び立つかの女を見送る。
その右の、残った瞳には、少し悲しみが映るだろうか。
しかし見るものはなく、月の光もそこに届かない]
止めて、やってほしかったな
[その言の葉は、精霊に向けて。]
……望みすぎは、身を滅ぼすのに。
[と、がさごそという音。風の音。
そちらを振り返った苗床には、今は微笑みが浮かぶ。
様子など感じさせぬような]
うん、何もないよ。
そうだね、早く帰ろう
[今度はその手を、左の、残った手で握って]
ま、そんなとこか。
傷は落ち着いてる……ありがとう、助かった。
後は……時計の音が聞こえれば、自力でどうにかなるんだが。
[イレーネの"ありがとう"の言葉にただ静かに微笑を返して。]
[オトフリートの言葉を聴きながら、映し出される光景をじっと見ていた。]
借り物のチカラが齎す変化に、何の意味があるだろうね?
時計?
町にある、でっかい奴みたいな?
[コートのポケットにしまい込んだ、銀無垢の鍵巻き式懐中時計を
掴む。]
こんなんじゃ駄目か?
[時計を取り出し、見せる。]
……自分で変化を起こす力に気づけなければ、他者を頼りたくもなるんだろうな。
[アーベルの言葉に呟いて。
ハインリヒの見せた時計に、一つ、瞬く]
いや……十分すぎる。
時を刻むものの音は、俺に一番活力を与えてくれるから。
[アマンダは意識を澄ませ、氷の精霊の気配が感じ取る。
そちらへと足を向けた時、月の光に影が差し、羽ばたきが耳に届く]
……ベア…
[目を細め見上げ、佇む]
職人見習い ユリアンは、少女 ベアトリーチェ を投票先に選びました。
おう、そうか。じゃあ貸しておく。
貸すだけだ、後でちゃんと返してくれよ。
[鎖から懐中時計を取り外し、オトフリートに手渡す。]
うん、わかったよ。
何度も迷惑をかけている、お詫びだから。
好きなだけどうぞ
[笑いながら、一度、ちらと、天を見やる。
飛んでいったまさらなましろな翼。
それからすぐに視線を前へと。
行こうと促して]
−北の遺跡−
[ふっと、円い眼は二人の精霊の姿を捉えたでしょうか。]
こんばんわ。
[挨拶をする声は、どこまでも穏やかなのでした。]
そうだな。
過ぎたる力なんて、己の身を滅ぼすだけだってのに。
……それがわかるような歳じゃねえ、か。
[ベアトリーチェが『神童』と呼ばれていたことを思い出す。]
過ぎたる力、か。
『一度死に掛けた』その時から、持っていたのかもしれねえな。
ああ、勿論。
……感謝する。
[笑顔で時計を受け取り、ぎゅ、と握ったそれを額に押し当てる]
……力は、与えられるものじゃない。
自ら切り開くもの……。
何故、それを。気づかせてやれない……。
[それから、小さく呟くように]
―北東部/森→中央部を通ってKirschbaumへと―
[町の様子はあまり変わらない。
それは普通の人では、意味がないからだろか。
この風の子も、
本当なら、そうであれたはずなのだろか。
少し考えながらも、
約束のために、Kirschbaumへの道をとる。]
[目を細めたまま、挨拶代わりに片手を上げる。穏やかな声]
…やあ、二人とも。ここだったのか。
[ミハエルの問いはアマンダも知りたかったこと。静かに見守る]
陶芸家 アマンダは、貴族 ミハエル を投票先に選びました。
う……ん……
[ぼんやりと目を開ける。
その瞳の翠もまた色が薄くなっていた]
あ……
[そしてその視線が向いた先には開かれた空間の裂け目があった]
これは、門を開く鍵だと、聞いているよ。
[云いながら、小さな右手を、手首に巻かれた鎖の輪に延ばします。真珠は月の光を弾いて白くきらめいておりましたけれども、指が触れた瞬間にそれはかたちを変えてゆきます。腕輪から、一冊の書へと。]
『世界と世界の狭間にある、無限なる混沌の海』へと続く門であり、
『世界を生み出せし秩序の王』が去って行った門にして、
『世界を無へと還す混沌の王』が訪れるとされる門を。
[それはまだ天と魔の封印が施されたままでしたけれども、それには闇よりも黒い布が張られており、表紙には銀の糸で古い言葉がつづられていました。]
―Kirschbaum―
[...はいつものように店内に入り、
マスターに挨拶してふわもこに蹴られ]
さーて、どれを頼もうかな。
みんながいないうちに注文しちゃえ。
[うきうきメニューと睨めっこ。いつもと変わらない日常]
教えてやれたら良かったんだけどな。
俺じゃ、力不足だったらしい。
[面目ないな、と苦笑い。]
大丈夫か、嬢ちゃん。
……その髪と瞳、どうしたんだ?
[ブリジットの髪と瞳の色を見て、驚く。]
混沌を望むのか。
[辺りを包む闇は色を濃くして居たが、ベアトリーチェの手にある『鍵の書』の表はそれよりもなお黒く
月明かりを浴びた少女に暗闇を穿ったようにも見える。]
―Kirschbaum―
ごめんね、か……ハーヴェイ、ヴィオレット。
たくさん迷惑をかけた。
[それから、横たわる火の竜を見、
料理を嬉々として注文している風の子を見]
……僕は、また行こうかな。
もうすぐなんだって
[影の王にだけ届くように、小さな声で。]
……必要なだけだよ。
均衡を崩すことも、混沌を齎すことも。
[そう、教えられたのでした。]
新たな世界の創世のために。
え、うん。
[声を掛けられて目をぱちくり。
瞳の色は自分では見えないが、長く伸ばされた髪の色は見えて]
……やーん。
[まだ疲労が色濃く残っている身体をじたばた。
無理に力を使ったせいで変化の維持が甘くなってしまたらしい。
シャラリと鎖が音を立てる]
[混沌を望んだのは彼女ではない、心の魔たる彼だ。
けれども結局は、彼女もまた、それを望んでいる。
――悠久を領域とする精霊であるにも関わらず]
……誰か一人が悪いわけじゃない……と、思う。
[小さく呟いて、時計を一度額から放す。
異眸は静かに空間の裂け目の向こう、書を抱えた少女に向けられて]
[アマンダはその言葉を聞いて、哀しそうに笑う]
…ベアにとって、この世界は「いらない」んだね…
新しい世界(もの)を望む事は、今ある全て(もの)を捨てる事。
…そこまでして欲しいものは、なに?
[“欲しいもの”。
それはたしかではないのでした。ただ、この世界はベアトリーチェが居ていい場所ではないと知って、世界を変えるのだとフィロメーラが云ったから、そうするべきなのだと思ったのでした。
ベアトリーチェがほんとうは生きていないのなら、フィロメーラが助けて呉れたのなら、云うとおりにするべきだと思ったのでした。]
[ぴちゃん、と小さな音に睫毛を振るわせる。
それが水の音だったのか。
それとも、どこかの誰かのこことの音だったのか]
…。
[何かを思ったのか、ただ静かに何かを空気に呟き、そして、ふ、とまた瞳を閉じる]
[アマンダの言葉へ、返る言葉を待つ。
精霊にとって、この世界は己と等しく、己は世界の一部。
ミハエルは哀しみこそしないが、怒りをもって。]
『世界』か。
変える方法なんて、他にいくらでもあるはずなのにな。
[ベアトリーチェは、知らないのだろう。
今、彼女が見ている『世界』は、ほんの一部だと言う事に。]
見方を変えるだけでも、世界は『変わる』ものなんだがな。
[ぽつり、と呟き。]
[何かが、違って来ている。
何が違って来ているのだろう。
少女の欲しいものは、確かではない。
では、彼女の欲しいものは、何だと言うのだろう]
[かすかに、くちびるが動きましたけれども、それは音にはなりませんでした。
“わからないよ”。
そう呟いたのかもしれませんけれども、定かではありません。
ベアトリーチェが眼を伏せて緩やかに左右に首を振り、胸もとからそっと書を離しますと、黒の表紙に記された文字に、銀いろの光が走りました。]
その『見方』を、教えるものが……。
自身の想いに囚われた存在だった……という事。
……それだけで、済ませたくはないけど、な。
[小さく、呟いて。
時計の旋律を取り込み、傷を癒していく]
[ふいに、ぱちりと目が覚めた。
眠ってしまった時と、変わらぬ状況。
あぁ、フィロメーラは。]
…助けに、なりたかった…
[呟きは小さく小さく。]
[左手の鎖に気が付いて慌てて締めなおす。
けれど外れてしまった1本だけは元に戻らなくて。
大分戻ったけれど、やはり少し薄い色彩のまま]
この世界を閉じる。
新しい世界への道を結ぶ?
[聞こえてきた言葉に目を上げた。
ベアトリーチェの顔を見て]
それは本当に、あなたの望むこと、なの?
あなたが欲しいもの、なの?
[届かぬ問いがこぼれる]
新たな世界など必要ない。
流転することも、変わり往くことも、開くことも
私の前では認められない。
私は氷破の精霊。
封印を司るものだから。
[光の粒が舞うのに合わせて、低いところに冷たい霧が漂いはじめる。少女を見据える目は厳しく]
……助け?
[イレーネの呟きに、そちらを見やり]
……ただ、望むものをあたえるだけじゃ。
本当の意味の、助けには……ならない。
それは、目を閉じさせることだから。
………だが、そんな事はもう、どうでも良いのだ。
[辺りの気温が下がるだろうか。]
[冷気は、ベアトリーチェの足元へ収束してゆく。]
いまは、それを元の通りに封じること。
そして元の日々を取り戻すこと。
[アマンダは首を振る。長い髪が揺れる]
ちがうよ。それは、ちがうよ。
それはやりかたであって、欲しいものじゃない。
・・・・・・・
私は、ベアトリーチェに、聞いているの。
[それはフィロメーラに向けてなのか、腕に抱かれた書になのか。ただ、アマンダが聞きたいのは、子どもの答え。
それによってアマンダも、心を決めようと思っているから]
新しい世界が得られるなら、それでもマシだがね。
書は……何も、与えはしないものだから。
[アーベルのため息に、こぼれるのは、ただ、苦笑]
[鍵はまだ、扉を開くことはありません。けれども渦巻く力はだんだんに高まって来ていて、それは時間の問題のようにも思えました。今のベアトリーチェに、力なきものはそばに近寄ることすら出来ないでしょう。]
……そうだったんだね。
[それは誰へと云った言葉だったでしょうか。]
―→遺跡―
[気配を探りながら、そちらへと近づく。
きらきらと光るかの女を、
冷たい空気をまとうかれを、
見たとき、少し、寂しそうな顔をしたかもしれない。]
[アマンダはとっさにミハエルの冷気に抵抗しようとした。
昨夜、目の前の小さな少女を貫こうとした霜柱は記憶に新しい]
ミハエル、待って!
[思わず背に庇ってしまったのは、自分と千花の関係を重ねてしまったからだろうか]
もう遅いんだよ、アマンダ。
ベアトリーチェの望むものは、手に入らないから。
[迫る冷気に逃げるそぶりも見せずに、ベアトリーチェは微笑います。]
わたしはただ、望みのために動く。
それじゃ、結局助けにもならないの?
フィロメーラも、それを知らないの?
[書の使い方を間違えれば。
全ては無に帰してしまうのだ。
皆の言葉でそれを改めて思い知る]
どうすれば良かったの?
[ハインリヒの言葉を繰り返す]
貴族 ミハエルは、職人見習い ユリアン を投票先に選びました。
貴族 ミハエルが「時間を進める」を選択しました
[アマンダは叫ぶ。言葉遊びは好きじゃない]
ああ、もう! わからないわからない!
遅いって、手に入らないって、聞いてるのはそれじゃない!
何が欲しいのかも教えてくれないんじゃ、わかってあげる事も助ける事も手伝う事も出来ないんだよ!
[それでも背には庇ったまま]
/中/
>メモ
ん?ということは今日でエンディング予定ですか?
天魔勝ち…最後はどう纏めるのかな?
今まで以上に良く見て動かなくちゃですね。
[氷の精と地の精。
ふたりの動きに、ため息を吐く。]
……書を前に他の争いか。
[ため息を吐いて、]
そんな悠長なことをしている暇はないだろうに、精霊は愚かしいな。
[言の葉は小さく、それから、ひかりをまとう、書を持つかの女に近づく。
かの女と、精霊に。]
救いたいと言う気持ちは……間違いじゃないよ。
[俯くイレーネに、静かに告げて]
……書の真実を知ってるのは、恐らく混沌の王。
そして、秩序の王。
それ以外だと、ある意味本質的に近い、我が王……虚の御方。
そして、その知識を押し付けられた、俺くらいのもんだろうな。
天聖なるものとはいえ、一介の精霊の知る所ではあるまい。
知らなければ、よかった。
知りたいことは、知れなかった。
[それきり、アマンダから眼を逸らすと、歩みを進めるティルへと向けます。]
[自分が生きていない筈のもので、生きる意味はなかったことを。
自分に足りないものはなんなのかを、足りないもの得ることを。]
書を、やっぱり、君は渡してくれないのだろね。
[困ったように聖なる人の子を見やって、
次に、飛ぶ鳥の姿の精を見やる。]
書を、封に戻す気も、
もうないのだね。
―Kirschbaum―
[...は今日のおすすめを二人前頼んで食べている。
ひたすら食べないとすぐに眠りに引き込まれる感触]
なんか、隊長やダーヴィットさんがあんなに食べるかわかる気がするなあ…。
[ぽつんと呟き、おかわりを頼もうとした瞬間――
力が発動されたのを身体で感じる]
ふわっ!始まったのか!ティル…って、いない!
[やっと翠樹の少年の不在に気づく]
[封印すれば――
元に、戻れるだろうか。
前のように、成れるのだろうか]
[けれどそれでは、少女は救われなくて。
けれどこれでも、少女は救われなくて]
必要なのは助けることでは無い。
ひとなどを助けることが出来ると思うのならアマンダ、それは驕りだ。邪魔だてをするのならお前ごと貫く。
…無意味だな。
[ティルの言葉に、溜息を。]
[大地に依らずに、手の中に氷の刃を生む][刃は幾つかに分かれ、手の上へ浮かび][小さく踏み出してそれを、未だ立ちはだかるアマンダへ向かわせる。]
ベアトリーチェは居ない筈の存在だった。
だからわたしは、自分の望みは持たないの。
[こどもは左の手に書を抱いて、天聖の指環をした右手を天に掲げます。]
望むのは――きみのために。
[ティルの問いかけるような言葉に、光を纏った小鳥はどこかかなしげにして居りましたが、こどもの肩を離れてそらへとゆきます。]
…もうティルなんて信じない!
どこにいる?どうなっている?
なにか冷たくて尖った気配を感じたけど。
[感触でしか気配がわからず、言葉にうまくできなくて]
知らなければ? 知りたいこと?
[ベアトリーチェの言葉に、思わず肩越しに後ろを振り返る]
ベア! 君はいったいなにを…ティル?!
ユリアンは…ああもう!
[答えはなく、少女の視線の向けられた先に気付く。翠樹を唯一止められそうな疾風の少年の姿は、ない]
[立ち上がり、外へと飛び出す。
飛び立つ翼は深紅。
胸に輝く逆鱗は青。
夜空を渡る、力強い皮膜の翼。
夜風に唸る、力強い赤鱗の尾。
それは、燃え盛る破壊の竜。
喪われてなお消えぬものを、壊して輪廻へ戻すもの。]
そうなの。
知らなかったのね。
[押し付けられた、という言葉には一瞬だけきょとんとオトフリートを見るが。
すぐに裂け目の向こうへと視線を戻して]
間違えちゃったのね。
やりなおすことはできないの?
[そして向こうの者たちも動き出す]
だめだよ。
これ以上間違えちゃだめなんだよ……!
[何が駄目なのか自分でも良くわからないままに。
声は届かないことを分かっていても声が出る]
[口で引き抜くは茎のつるぎ。
少し悲しげな小鳥の様子は見てはいても、声を伝えることもしなかった。]
君自身が望まなくば、精が君に生を与えた意が、本当にあるか?
ベアトリーチェ。
[茎を持つ手には、そこから蔓が巻きつく。
それは決して、離さぬよにと。
人の子の名を呼び、苗床は静かに、見る。
――その左に持った剣を、たっと駆けてかの女に刺すよに。]
無駄だアマンダ。
少女は、己の望みのために動くと言った。
ティルも、己の望みのために動くのだろう。
[アマンダへ放ったものは、致命的な傷を負わせる意図は無く
ミハエルはそんな己を自嘲。少し笑う。
アマンダへ、その後ろのベアトリーチェへ向けて歩く。]
だからそこを退け。
[向けられた視線に気づいたのかどうか。
揺らがぬ異眸からは定かではなく]
知らなかったのは、知るべき事じゃないからさ。
書が何故存在するのか。
何のための存在なのか。
……それらが広まれば、書のある『意味』は失われる。
[呟くような言葉は、ごく小さく]
やり直す……か。
その選択肢を、渦中の者が選べなくては……。
[狙いがぶれたのはもしかしたらそのコエのせいだったかもしれない]
大丈夫だよ、ここには他のヒトもいる。
[特別関係のない二人は、お互いやっていてもらおうなんて思ってるなんて言わない。
正直、地の精に加勢されるのも面倒だと思ってるなんて言わない。]
大丈夫、もうすぐ、書は消せるよ。
…ダメ!
[大地へと手を当て、鉱物の盾を生む。
けれど結界を司る氷の精霊には敵わない。盾は砕かれ、威力が落ちた刃を払うも腕には深紅が咲き、足は縫いとめられる]
ダメだよ、無理に奪っても、またきっと繰り返される!
[哀しげな叫びはきっと届かないだろうけど]
ああああ、もう!
だからそういう時は僕にも言えと、何度言ったら!
[文句を言いつつ慌てて外にでようとした時、
後ろから寝ていたはずのダーヴィットに追い抜かされ
扉を空けるとそこは、紅き竜が黒耀の空を飛ぶ姿]
…ダーヴィットさん
[一瞬足が止まるが、直ぐに我に返り。
地面を蹴って、家並みの上を飛び上がる]
―…→遺跡―
[少し意識がコエにそれていたからか、
軽く光の刃にはじかれて。
バランスを取るために、蔦が動く。]
っ――
君は、本当に望んでいるのか、フィロメーラ!
[目は、真摯な光をもって、精を睨むよう]
[アマンダは、ミハエルの表情に戸惑う。
精霊として彼の言い分が正しい事は、わかってはいるのだ。
けれど――]
私は――
[ミハエルへの言葉は、辺りに満ちた澄んだ光にかき消される]
[長く伸びた髪は金糸の如く、
頭を覆う羽根兜と身に纏う甲冑、
そして手には銀に煌めく剣と盾。
閉じられていた双瞳が開かれれば、
その黄金には意志の光が宿る。
――其は名も無き天聖なる君に仕える、戦乙女(ワルキューレ)]
[彼女は溢れた力に押され、地に転がった少女を庇いて立つ]
「……ええ、望みました。」
[その声は鳥の時と変わらず、鈴を転がすかのように。
しかし其処には感情を押し隠すような響きがあったろうか]
[赤い翼ははためいて、青い瞳はそれを見つける。]
輪のなかに戻れぬから、その輪を壊すつもりなのか?
[小さな少女と小さな鳥に、静かに竜は問う。]
……そこまで、過干渉をするか……。
[現れた戦乙女の姿に、呆れたような声を上げる]
それだけの想いを、意思を。
何故、他に向けられん……?
[呆れたようなため息を一つ、こぼしつつ。
傷の具合を確かめる。
時計の旋律に癒され、傷は既に塞がっていた]
……最悪には、備えておくか。
[できれば、やりたくはないが、と。
小さな声で呟いて]
今もか?
[庇い立つ姿に、苗床はも一度問いかける]
今も、それを君は望むか、精よ。
かの女が、何も望むことのない状態で、生きているのだと君は言うか?
そう動かれて、本当に君はそれを望んでいるのか?
[人の子を一度見、苗床はじっと金の目を見つめる。
隙は、ない。
頭の片隅で警告が鳴る]
…子供の姿であるうちに、人の器に留まっているうちに仕留めて置けば良かった。
[アマンダへ答えることはしないまま]
[彼女の目の前で、凪払うように腕を振るった
腕には、鋭い氷の爪。それで、遮るものを斬り払うように]
少女 ベアトリーチェは、陶芸家 アマンダ を能力(襲う)の対象に選びました。
[迷宮の奥の闇の柱が、びりびりと揺れて、見る間に粉々に砕け散る。傷一つ無く地に立つのは、今は影ではなく、黒衣の神父]
[翠樹の問いに、彼女は揺らぎを抱こうか]
「全ては、食い違ってしまった。」
[金の眼差しは静かな光を湛える。哀しみにも似た]
「私は彼女の望みを叶えるために動いていた筈なのに、
何時しか私は、……私の望みの為に動いていた。」
過干渉の理由、か。
ベアトリーチェに情が移っちまった。とか?
……ありえねえよな、それは。
[何気なく口をついて出た言葉に、苦笑い。]
あ、あ、あ、……
[どう見ても過剰な力。
均衡なんてあったものではないだろう]
うーっ。
[どれだけ無茶をしても避けてきたこと。
でももうそうも言っていられないかもしれない。
右手をそっと左手の上に持ってゆく]
[溢れる光にそちらを見上げる。
眩しいほどの天聖の気。
そして現れたのは――戦乙女(ワルキューレ)。圧倒される]
……!
[けれど、
氷の精が刃を転がる子どもに振るおうとすれば、大地を蹴って]
――させない!
[変じた姿は、大人程の大きさの、額に薔薇色の石を乗せた獣]
食い違っていることに気づいても、君はそれをやめないのかい、フィロメーラ?
[聖なる精に、しづかに尋ねる。]
君は、それに気づいても、
変えられなかったのかい?
……君の手はかの女に届いていたのに。
いや……。
[ハインリヒの言葉に、小さく息を吐いて]
案外、間違っちゃいないかもしれん、それは。
天聖と時空。
この二つの属は、他に心を傾けすぎる事を禁じられている。
無垢であり、また強き力を持つが故に。
……だが、それ故の孤独を持ち。
他に、惹かれる。
……俺だって、例外じゃない。
―遺跡―
[上空から皆の姿を見つけ、降り立とうとした瞬間、
あふれ出した光の奔流に煽られて。
なんとか苗床の横に着地して]
あんた、ベアトリーチェを見捨てる気なのか。
全然良くないよ!
[戦乙女に抱きかかえられた少女の姿を見た瞬間、
ふつふつと今まで感じたことの無い怒り。
――ぱりん。何かが砕ける音がした。]
[左手を握ったまま、オトフリートの方を見る]
対無きが故に強く、対無きが故に弱い属性。
[そしてベアトリーチェを、いや、フィロメーラを見る]
[影輝の少女の動きを視界の隅で捉え]
……落ち着け、ブリジット。
あれだけ大きな天聖の気、君一人で制する事は厳しい。
いざとなったら、俺が制する。
君は、力を残しておくんだ。
「止める時は、私が消える時。
そしてそれは、ベアトリーチェの死を意味する。」
[戦乙女とて、竜と魔とを同時に対処するのは困難か。
自ら動きはせずに、警戒の態勢の儘]
[風がぴたっとやんだ]
[只でさえ制御の仕方を知らない少年。
全属性の集結。鍵の書の封印。影輝王の結界。
不安定な要素の中、なんとか今まで
ぎりぎりで支えられてきた絶妙なバランスが。
対の大地のゆらぎのせいだろうか?
それとも怒りのせいだろうか?一気に崩れた。
拘束された足かせが壊れ、一気に解き放たれる]
少女 ベアトリーチェは、騎士 ダーヴィッド を能力(襲う)の対象に選びました。
えっ、う、うん。
[オトフリートの言葉にビクッと反応して、慌てて肯いた。
握った手は放さぬままに、機を読もうと集中する]
そうか。
[オトフリートの返答を聞き、小さく笑う。]
その想いと意思は、間違っちゃいなかった。
ただ、やり方を間違った。それだけなんだろうな、多分。
[青い瞳は戦乙女と、苗床を見比べるようにして。]
…君が引き留めているから、彼女は還ることも、生まれることも出来ない…。
[その言葉は、どちらに向けられたのか?]
陶芸家 アマンダは、騎士 ダーヴィッド を投票先に選びました。
それならば君が消えぬように、
今このときを、ずっと生きればよかったじゃないか。
[かなしむように、そう告げて。
となりに降り立った、風の子の姿。
ちらりと見やって、また精を見やる]
何故、そんなに多くを望むのだよ。
精であるのなら、何故。
僕ら魔の者よりも、君は、君らは……理を大切にするのではないの?
その子供がフィロメーラとやらの望みを叶えようとする限り、事は終わらないというのに
[土の精霊が額に抱いた石は硬く
弾かれた爪は砕ける]
愚か者が…!
[叫び、]
[新たな氷の剣を造り、アマンダである獣へ突き立てるべく振り下ろす。]
[疾風]
[頷く様子に、微かに笑みらしきものを掠めさせつつ]
……確かに、俺たちは対なき故の強さと弱さを持つ。
でも、だからこそ。
対ならざる対……なのかも知れない。
[ダーヴィッドの言の葉に、揺らいだかれの心は、
きっと伝わるまい。
書の姿を見たときに思った。
あれは力の塊だと。
力の塊であれば――消滅は不可能。
なればこの身のうちにそれを封じ、深く深く、眠りにつけばよいのだと。
それを、誰に、伝えることもなく、
苗床は、きめていた。]
[ふと耳に入る言葉に、反射的に叫ぶ]
死は終りではないよ。
大地で眠り、また新たな生の糧となる。
生きている時だけが全てではない。
誰かの墓場は新たな生を育む揺り篭となるのだから。
[それでも、氷の精から少女を守るように動かない]
貴族 ミハエルは、少女 ベアトリーチェ を投票先に選びました。
[最初は、少女に外の世界を見せたい。それだけだった。
けれども彼女は、自分の望みに気付いてしまった。
余りにも単純で、そして自分勝手な]
「――私はこの世界が、嫌いだから。
秩序の王が棄て去った、この世界が。」
[口許には自嘲の笑み。理を守るべき精霊は、理を厭うたのだ]
ああ。
ほんの少しだけ、ね。
[ハインリヒに返すのは、苦笑。
それからイレーネの様子に、少しだけ、困ったような表情を見せ]
……このまま、あの二人が消滅してしまうのと。
君の領域である『輪転』に還すのと。
……どちらが、優しいと思う?
未来がなくなるのと、続くのと。
[ゆらり。ゆら]
[...の背後にぼんやりと人影が浮かんでいる。
それは、男性にも見え、女性にも見え。
幼くもあり、年齢を重ねたようにも見え。
何者でもあり、何者でもなく
何にも規定されない、自由を愛する存在]
[もしこの場に影輝王がいたら
...と同じ蒼き髪の存在に
懐かしさを覚えたかもしれない]
[仮令、火の竜が何と言おうとも、
――かの女が居心地の良い空間から、出ようとしないのは当然だと思っていても。
仮令、その鍵が本当は何よりも必要だと、世界が求めているのだと、わかっていても、
――世界は決して消滅を望まないのだとわかっていても]
[突然掴まれた服の裾に驚いてそちらを見た。
イレーネを見ればまた小さく肯いて]
致命的に壊してしまわないために。そのために。
[封じられている力の全てを、正しく用いるために。
どうにか立ち上がると表情を改めた]
[オトフリートの言葉に、思案する。
どちらが優しいのか。
それは…]
…わからない…
わからないけれど…いや。
いやなの…
[両手で顔を覆う。
揺れる。]
[こどもはぎゅっと書を抱きしめながら、皆の言葉を聞いています。
なにが正しくて、なにが間違っているのか、わかりません。どこで食い違ってしまったのでしょうか。
荒れ狂う風に眼を瞑ります。けれども書の力か指環の力か、それがこどものからだにまで届くことはありませんでした。]
君は。
他の誰がこの世界をすきでも、
生きているほかの誰かが、好きでも。
決して喪いたくないと思っていても。
君は、滅びを願うのか……?
[ユリアンのそばの、その存在に。
気づいていても、いたとしても。
自らの言の葉に、自らの望みが、
少ししくりと痛んでも。
決してかの精より目を離すことはない。]
少年 ティルが「時間を進める」を選択しました
……じゃあ。
二度と逢えなくなるのと。
また、逢えるようになるのと。
どちらが、君は、嬉しい?
[静かに呼びかけつつ。
左手で、そっと、銀の髪を撫でる。
右の腕には、いつの間にか漆黒の光鎖]
[オトフリートに髪を撫でられ、落ち着きを取り戻していく。
そして、小さく小さく、本当に小さく答える。]
…二度と逢えなくなるのは、いや。
イレーネ。
あなたが司るのは『輪転』の領域。
あなたが持っているのは癒しの力。
あなたもその力を貸して?
そうすればきっと。
[最悪の事態を避けることも出来るでしょう、と]
[怒り、哀しみ、痛み、こどもにはわからない、たくさんの感情が、辺りに溢れていました。誰よりも近かった筈のフィロメーラの心も、離れてしまったからでしょうか、今はわからなくなってしまっていました。ただ、ひどく辛そうに思えました。]
…ならば尚更、裁かねばならぬ。
【力】の流転を守るが、竜の勤め!
[口腔に力が凝縮する。
その火気は、吐息を幾千度もの炎へ変える。]
[落ち着いていく様子に、穏やかに笑んで]
あのままでは、二度と逢えなくなる。
だから、止めなきゃいけない。
それに、ブリジットの言うとおり、君の力を正しく用いるなら……。
本当の意味で、救える。
君は、命竜の娘。
生命の海に祝福されし子なのだから。
[静かに語る、その声には、歳を経た存在を思わせる響きが伺えて]
[制御出来きれてない風は、
敵味方関係なく吹き荒れる。
突然、背後の影が消える。
その瞬間、無秩序の風が収束して、
ベアトリーチェとアマンダに襲い掛かる]
[風は二人を取り囲むように吹きかかる。
二人を外からの攻撃から守るように]
[アマンダは振り下ろされる刃を見つめたまま、動かない、動けない]
だって、聞いてない!
ベアが何を望んでいるのかを!
[耳に届いたフィロメーラの言葉に、思わず振り向き叫ぶ]
フィロメーラ! 君は!
ベアと出逢った世界(こと)も否定するの!?
[迫り来る刃を忘れ]
[何かが、歪んだ。それは彼女の表情か、心か]
「……滅びは、創世に必要な事。」
[迷いを断つように、戦乙女は剣を振わんと。
しかしそれは、一瞬の注意が逸れたうちに放たれた、竜の火炎に止まる。彼女だけなら避けられよう、少女だけでも書と指環の力があれば護れよう。しかし、それはあくまで一つの存在なればこそ。分たれた今となっては――]
[ブリジットの言葉に、顔を上げる。]
…どうしたら、どうなる?
私は。
私の力は…
[知らず、わき腹の傷に手をやる。
まだ、痛む。]
[クレメンスの動きを感じて、首を巡らせる。
あぁ、置いていかないで。
でもここからも離れたくない。
動けない。
わからない…!!]
[彼女は剣を振う事を、避ける事を選ばず、盾を翳す。
しかし力を有した盾なれども、本性を表した竜の火炎を完全に遮断する事など、出来る筈もなく。灼けつく炎は、鎧を纏った彼女の身を焦がす]
あなたが心から望めばいいの。
壊れてほしくない、というその気持ちを。
ちゃんと受け止めて、素直にその力を受け入れて。
そうすれば力のありかたはおのずとわかるよ。
[そこから先は竜の領域。
オトフリートの方をチラリと見る]
フィロメーラ!
[わずかなゆがみを持った精に、
火の竜の炎が襲い掛かる。
思わず名を呼んだのは――
かの精が望むは、本当は自らも望んでいたからかもしれないからか。
かの精と自分が、似た存在であると思っていたがゆえか。]
[命竜の子の声は届いたのか?やはり、その心の動いた様子はなく、ただ、内に溜め込んだ大きな力が膨れ上がっていく気配だけが、その場に広がる]
[刃は砕け]
邪魔を
するな…!
[叫びは咆哮に変わり
少年の姿は白い狼に変わり]
[アマンダの頭上を軽々と飛び越える。]
[その一瞬、ユリアンを睨み付け]
[こどもを取り巻く風は、フィロメーラにまでは届きません。眼の前で、もうひとりの自分とも云える存在が火の中に包まれてゆくのが見えました。]
……フィロメーラ!?
[ふつり、なにかが弾けるような感じがありました。]
[混乱しているイレーネの様子に、ぽんぽん、となだめるように頭を撫でて]
……一緒にいるだけが、つながりじゃない。
……俺は、虚を追い出される時に、『魂の父』に、こう言われたよ。
あああ、フィロメーラ!!
やめてやめて!
壊れ、ないで…!!
[ブリジットの言葉は耳に届いていたけれど。
冷静に、望む事など今の彼女には出来るわけもなく、ただ恐怖に叫ぶ。
クレメンスの気配、オトフリートやブリジットの言葉、そして燃えるフィロメーラ。
どんどん取り乱す。]
本当に、馬鹿だよ、フィロメーラ。
君は。
[火の舌が焼いたかの精に、苗床は呟くように言う。]
……過ぎた願いは身を滅ぼすというに。
[少年の姿が白き狼へと変わる。真冬のような輝く真白]
…っ、ミハエル!
[頭上を越える白き狼。向かうは少女。
跳躍では間に合わぬと、身体をしならせ長い尾を振り払う]
[氷の精が飛び掛るを見るも、
その風の力が強きを知るからか]
書を、渡すんだ、ベアトリーチェ。
封をしなければなるまいよ。
それがなければ、君のフィロメーラは、こうならなかったのだから。
[それだけの大声をあげたのは、初めてのことでした。頭の中は、まっ白でした。護りの風からも抜け出て、書の力も指環の力も使うのを忘れて、炎の収まらないその中に――フィロメーラのもとへと、駈けだします。]
君は、
あれを喪わせたいのではなかったの?
[尋ねるコエは、わずか、冷たさも含んでいたかもしれないけれど、
わずか、悲しみも含んでいたかもしれないけれど。]
「…」
[ただ一言、光の中から、呟きが漏れる。それは、古の魔法。失われし古代魔法のうち、もっとも聖なるただ一つの言霊]
[全ての障害を除くための…………]
陶芸家 アマンダは、少女 ベアトリーチェ を投票先に選びました。
[火の中にかけこむかの女を、
追うかは悩む必要はなかった。
かれはただ願う。
苗床は、強く願う。
書を、鍵を、
この手に入れることだけを。]
ベアトリーチェ、行くな!
危ない!
[風の守りより抜け出た少女に慌てて
旋風で絡めとろうとも、すんでのところで間に合わず]
壊れたものは、治すこともできる!
だから、自らを失するな!
[取り乱すイレーネに向けて、やや、厳しい言葉を投げて]
確かに書の消滅は望んでいるけど!
ベアトリーチェも大事なんだ!
[矛盾を含む考えに気がつかないまま、
身体が自然と動く]
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