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流水竜 ナターリエ は 精神竜 アーベル に投票した。
生命竜 クレメンス は 翠樹竜 ベアトリーチェ に投票した。
大地竜 ザムエル は 精神竜 アーベル に投票した。
精神竜 アーベル は 大地竜 ザムエル に投票した。
影輝竜 ノーラ は 大地竜 ザムエル に投票した。
氷破竜 ブリジット は 大地竜 ザムエル に投票した。
機鋼竜 エーリッヒ は 大地竜 ザムエル に投票した。
翠樹竜 ベアトリーチェ は 大地竜 ザムエル に投票した。
大地竜 ザムエル に 5人が投票した。
精神竜 アーベル に 2人が投票した。
翠樹竜 ベアトリーチェ に 1人が投票した。
大地竜 ザムエル は村人達の手により処刑された。
機鋼竜 エーリッヒ は、翠樹竜 ベアトリーチェ を守っている。
次の日の朝、機鋼竜 エーリッヒ が無残な姿で発見された。
現在の生存者は、流水竜 ナターリエ、生命竜 クレメンス、精神竜 アーベル、影輝竜 ノーラ、氷破竜 ブリジット、翠樹竜 ベアトリーチェ の 6 名。
/*
あんま確定ロールするんは勘弁してもらえんかのぅ…。
それでも返す時は返すが。
そっちがそのつもりなら抗い続けるぞ。
/*
中でひょっこり失礼。
本当ならもう少し先がある予定じゃったがw
不機嫌で引き込まれたならまだ手元にあるかな、とは。
右手で握り込んでしもうとったし。
それ以外で描写するのであれば取られたことになろうが。
/*
役職的に結界送りは投票でしか出来ませんので、剣を奪って送るなら襲撃と投票を逆にお願いしようかなと考えていました。もちろん、大地殿と機鋼殿のお許しがあればですが。
不機嫌ならば此方は奪おうと腕輪を掴んではいましたが、奪えたかどうかはザムエル殿次第です。
墓下で続きをするのもありですが、とりあえず方針を決めないと地上の方を待機させてしまうので、ずずいとご意見願います。
けっきょく。
…多忙で寡黙ってた癖に、のこってます、ね。わたし。
[大変 心苦しい。]
んー…やっぱり今の仕事でしっかりとした参加は難しいのですかね。
仕事は好きなので、RP村を止めるつもりとかは無いのですけれど。
…別の参加体型を確立しないと、今まで通りにはやっぱり。
/*
まぁ個人的感情を言えば奪われたくないところではあるが。
その理由は罷り通るまい。
奪うなら物理的にぶちのめして欲しかったとk(お黙りなさい
逆に出来るならそれでも構わんぞぃ。
/*
本音を言えば奪って送ったという展開をしてみたいのですが。
持ったまま不機嫌墓下だとエルザ殿と被るので。
ですが、やり残した事があるのなら――…なんですよね。
剣二本狼側持ちが嫌だと思う方もいるでしょうし。
ノーラ殿が持ってたらまた話は別でしたが、展開は流れるものなのです。だからこそ楽しくもあり胃が痛いのですけれど。
[ノーラの顔半分の闇と、蛍火のような目には少しだけ驚いた。
驚いたが、特に奇妙だとかは思わなかった。]
へぇ、お前さんそんな顔してたんか。
初めて見た。
おまえさんだって、他人に与えてる物はあるさ。
ただ写すだけの影に子供は懐かねぇよ。
小さいのは素直で正直者だからな。
[へらり笑って。視線は別の方向へとうつる。
向こうはどうなったか、ここからは見えない。心に声も落ちてこない。
頭の痛みは、まだ若干残ってはいたが。
口から出る溜息は、身を案じるそれ。]
/*
奪われたく無いなら無理にとは申しませんが…。
ただエルザ殿と被るかなと。(剣持って不機嫌で結界送り)
物理的にぶちのめせる竜材は既に結界内でした。
御期待に沿えず申し訳ない(苦笑)。
機鋼殿のご意見を待ってみます。
生命竜 クレメンスが「時間を進める」を選択しました。
/*
ザムエル殿からの返答がありませんが、奪って吊り襲撃を逆にさせていただいていいのかな?
また村側天孤側が奪い返すもありですし、そろそろ時間が。
投票を委任します。
生命竜 クレメンスは、精神竜 アーベル に投票を委任しました。
影は闇と光より生まれるから。
< 続く言葉には、そうかな、と短く呟いた。思案の色。
指先は頬の在るべき場所より奥に潜る。
其処には何も見えないのに、何かが蠢いていた。
視線が転じられるのに合わせて、揺らめく螢火の眼。剣に宿る影輝の力を、近しく感じる >
……お前は、行かないのか?
< 写しを残して、問いを返す。
* どうであれ、導かれるように動くのだが *>
―東殿・回廊―
なるほど、理に適ってると。
[思案の様子と蠢くものを、軽く笑い見据えて。
問いには緩く首を振る。]
気にはなるが…約束守るのが先だ。
一旦、向こうに行ってくるわ。
また後でな、ノーラ殿。
[へらり、ノーラに何時もの笑みを向けて。
揺らされた男はその場からゆらと、消えた。
後には僅か、琥珀の光が舞い残った。]
――…、?
[それは仔が影竜殿の名を告げて、一寸の後であった。
…否、もしかしたら一寸も無かったやも知れぬ。
強い力は幼子と云えどもしかとその身に感じたか、時空の気配に眼を見開く。
話には聞けど、私を含め事実目前で見たのは初めてであった。
降りかかる力の行く先を知れば慌てたかの様に、機竜殿へと躊躇い無く短い手を伸ばす。]
――エーリ、…っ!
[仔は咄嗟に名を呼べど、其れ如きで食い止められるものではない。
さては手は愚か、声が届くよりも先。
強い力に包まれるかの様に、機竜殿の身体はその場から*消え失せた*。]
―東殿/回廊―
[腕輪に流し込まれた精神の力が、大地の老竜の一瞬飛んだ意識の隙を突いて暴れ狂う。強く握りこまれた腕輪から老竜の指を引き剥がす事は敵わず、青年はその手の甲へと噛み付いた]
――…っ!
[そうして、噛むだけでは足りぬ傷の痛みを増幅して送り込む。
神経に直接与えた痛みが老人の指を痙攣させた、その僅かな緩みを突いて無理矢理に奪い取り、同時に結界内へ送り込んだ]
翠樹竜 ベアトリーチェが「時間を進める」を選択しました。
─西殿・中庭─
……っ!
[それの訪れは、いつもと同じく唐突。
空間の揺れと、それがもたらす不快感。
いつになく強い揺れ幅は、先の剣の暴走のためか]
……うげっ……虚竜王、マジ、キレてねぇ……?
[思わず上がったのは、呻くような、声]
でも……月闇の時とは、違うし、それに……。
[自身が送られた時に感じたものと良く似た空間の揺れ。
それもまた、感じられていて]
っきしょ……今度は、誰だよっ!
[結界内へ送り込まれた老竜の意識が言霊に飲み込まれていたかどうか、青年にはわからなかった。
制御しない力の連続使用と、心の力による送り込み。
そして剣の所有者が移り、今まで大地の竜が感じていた剣の暴走が青年へと襲い掛かる]
っぐ…あ…っ!
[無理矢理に押さえ込もうとするも、仮契約すらない青年に容易い事ではなく。逆に心を揺らされて結界の維持が危うくなる。
剣か、結界か。
どちらも青年は失うをよしとせず、結果、自身の心を凍らせる事で腕輪の封を試み――…]
ノーラさん、に?それ、は…!?
[幼竜が、名を呼ぶ声と共に、虚無の中に呑み込まれる感覚]
虚竜王……待っ……!!
[それが虚竜王の力だと、メモリーの一つが告げていた。だが、自分には、伝えなければならないことが、あるというのに]
[意識を喪わずに済んだのは、恐らくその想いのあまりの強さ故]
ここ、は……結界の中、か。
[ぼろり、と左腕がまた崩れる]
[ふる、と首を振り、水鏡の中を確かめる。
変わった状況。
そして、対なる力が近くに感じ取れる事に不安を感じ取る]
……まさか、爺ちゃんが?
[精神の竜に送り込まれたのか、と。
ならば、虚竜王が捕らえたのは、誰か。
風を巡らせ、気配を辿る]
…っ。
[不安定な結界の揺れに、意識は流されそうになる。]
手に落ちた…か?
[何者かが、剣の力を押し込めたようで。
水鏡に映る、うろたえた幼子の姿。]
あんにゃろ!
[どちらにせよ、こっちへ放り込まれたに違いない。
エリィを探して、三枚翼は空を切る。]
―西殿中庭―
御師さ…!?
[ティルの声に顔を上げるのと同時か暫し遅れて。
感じていた痛みが一瞬消え、そして逆に強くなって戻った]
…聖魔、剣…!
[強くなった理由は分からず。そしてティルの声に滲む焦りのような何かもまた、どうしても気になって]
…認識……脱出不能……
[ぽつり、と呟く]
ほんと、役に立たねえ、な。
[ぼろぼろとメタルの腕は崩れ落ちる。先とは違い跡形もなく、燃え尽きた灰のようにそして、腐食の広がる身体は、何故か徐々にメタルの色に変わっていく]
中:
…しまったなぁ。キーアイテム貰ったはいいが。
おいさんこれは持て余すのが。
うっかり中庭に転移して他の竜に奪われそうですよ!><。(これ
っと、火炎の兄さん、そっちは任せた!
[三枚翼を見送って、自身は自身の対の気配を辿り、追うよに駆けた]
っとに、もう!
孫の手焼かすんじゃねぇよっ!
[文句を言いながらも、声と瞳には、案ずる色]
―西殿結界内・中庭―
[さてノーラとは別れれば、うっかり転移先を誤ったようで。]
…ありゃ。外?
[出てきたのは噴水より少し離れた所。
きょろり、辺りを見回して。
現状位置を把握して。
あれ何か竜が多いですよと気づいたが瞬間。
一目散に、ダッシュして建物の中に、逃げた。
それはもう素早く黒虫のごとく。]
[まるで自ら、癒える事を拒むように…それは或いは、対なる精神との共鳴の一つの形だったろうか?]
アーベル、さん……
[がたりと重い音をたてて、半ば無機の人型と化した身体は地に伏した。一度彼自身を呪った剣を手にしたクレメンスの癒しが、届くことはもう無い**]
[けれど目の前に現れてしまわれればそれは]
クレメンス様っ!
[痛みを無視しようとしながら走る。
彼の手の中にあるその波動を追いかけて]
/*
オティーリエの所に逃げ込みたかったんだけれど、結界に逃げ込んだら地上の竜達つまらないしね。
剣を奪わせてもらった以上、これくらいのダメージは必要だと思うのでした。
でも、ザムエル殿吊りは剣奪っちゃえ!の応援と思うのですよ。
[可能なら、命竜の首ねっこひっつかんで連れていきたかったが、それはさておき。]
…お前ィ……何だよ、その姿は…
[変わり果てた悪友の姿に、それ以上言葉も出ない。
自分も色々突っ込みどころ満載だが、漫才どころじゃない。]
[駆けながら、風が拾うエルザの声を聞き]
……あっちも、後でどつきたおさねぇとっ!
[苛立ちを込めて吐き捨てつつ、駆けた先。
意識を失い、倒れた大地の竜の姿が視界に飛び込む]
爺ちゃんっ!
[駆け寄り、そう、と手を触れる。
大地の力。
疾風と対成すそれは、確りと感じられる。
属の加護が失われておらぬのであれば、それは、死してはいない、という事なのだけど]
爺ちゃん、爺ちゃんってば!
[そこに気づく冷静さはないようです。
ゆさゆさ、がくがく揺さぶり中]
精神竜 アーベルは、流水竜 ナターリエ を能力(襲う)の対象に選びました。
精神竜 アーベルは、翠樹竜 ベアトリーチェ を投票先に選びました。
?おい、アーベル!
[掠れて途切れた言葉に声をかけるが、返事は無い。
かすれた声から聞き取り難いかったが。
剣を、手に入れたのかそれとも。]
…やられたか?まずいな…。
[こちらが手にする鎖、せめてこっちは確実にオティーリエに渡しておきたいが。
さて背後にエルザが追いかけてる中、どうやって渡すかと。
走りながら手を顎に当てて考える。]
…いくらメモリーのバックアップ取って換装可能だってってもなぁ、
そんなんもう、お前じゃねぇだろが!
[抱き上げるのは冷たい鋼のボディ。
どうすれば良いのか判らず、それでもなんとかしたくて。
とにかく安全な場所へと。]
なーってば、もう!
こら、返事しろってば!
返事しねぇと、怒るぞ!
[段々物言いが無茶になって来たのは、精神の竜に記憶を読まれた影響か。
封じられたはずの、母竜を失った記憶の。
誰かが誰かのために犠牲になる事。
親しいものを失う事。
そのどちらも忌避する思いの源は冷静さを奪うが。
ピアがてちてちぺち、と頬を叩き、落ち着くようにと訴えてくると、少しは気が鎮まり]
ん……そだな、とにかく、休めるとこに……。
[呟くよな声は、泣きそうな響きを帯びて]
[肉体的にはどうしても劣る。
しかも逃げるのは持久力と回復力だけはピカ一とも言える相手で]
ダメ、です。
それ以上、刺激しないで、ください…!
[それでも必死に後ろから追いかけ、走る]
―東殿・氷破の部屋―
[幾許かの間、気を失ってしまっていた氷破の竜が、ようやっと目を覚ます
……ッ、くう……。
[頭に手を当て振りながら、身体を起こす。
後方には、身体の節々を凍て付かせた水竜の姿が見えて]
――ナターリエ!
[慌てて周りの術を解く。
氷の壁やそのかけらは、水にはならず、霧散して行き]
……、ごめんなさいね。剣を守るのに夢中だったとはいえ……。
[そう呟くと、ナターリエの身体に触れて]
氷破竜 ブリジットが「時間を進める」を選択しました。
[とはいえ、抱え上げるとか背負うとか。
成長途上の身体はそういう事には向かない。
それでも、火炎の竜を運んだ時よりはきっとマシ。多分]
……よっと……。
[足は多少引きずる形になるが、それでもどうにか背負い上げ。
ずりずりずるずる、西殿の内部へと向かう]
―東殿・氷破の部屋―
[壁に手を当てながら、ゆっくりと立ち上がり、廊下へと出て行く]
そう、遠くまでは……、いえ。
遠くまで逃げていてもらいたいのだけれど……。
[ふるり、頭を振るいながら、壁伝いに回廊を進んでいく]
―西殿結界内・回廊ダッシュ―
[エルザが追いかけてくるのに気づてか。
大人しくオティーリエの元へは向かえない。]
しくったなぁ…あれか、これも剣の影響かそれともおおっと!
[すぐ後ろに手があって、慌ててかわした。
ふたたび本気で走れば距離はまた少しはなれ。
走ってる途中で、感じるのは対の一つ。酷く、弱っているような気配は在るが。」
―西殿結界内・回廊ダッシュ―
って、こりゃ…エーリッヒか?
[アーベルはザムエルの方に向かっているはず。
だとしたら、これは不機嫌で送られたのだろうかと。
それとも少し前、言った通りに先にエーリッヒを送ったのか。
考えていたら再び距離は縮みはじめ。
エルザの声は辛うじて届いたか。]
あぁー?刺激?
[まだ足は動く動くが。]
─西殿・回廊─
[ずりずり引きずりで、ちょっとどこか痛くなってるかも知れないね、なんて事は今は考えずに、西殿の中へとたどり着く]
……階段昇るのが、辛いんだよなあ……。
取りあえず、広間か食堂か、そこまで連れてくか……。
[なんて呟きつつ、移動開始。
カケラを警戒するべく、風の探知は広範囲に広げておいた]
―西殿回廊―
[一瞬は届いたと思った指はスルリと躱されて。
次に近づいた時には疑問符が返って来た]
剣の意思が。怒りが。
壊してしまう。壊れてしまう…!
[オトフリートはそれを望んでいるとすら言ってのけた。
本当はそれも信じたくはない。信じられない。
そしてそれ以上に今前を走っている人は]
クレメンス様の、のぞみ、は。
ちがう、の、でしょ、う…?
[真意までは教えられていない。だが他の二人とは何か違う気がするのだ]
クレメンス!
[見えた姿へと叫ぶ。]
なんとかなんねぇのかよ、コレっ!!
[彼の目には分かるだろう。
火竜の背の古傷から漏れて滴り続けている命の雫。]
クレメンス!
[見えた姿へと叫ぶ。]
なんとかなんねぇのかよ、コレっ!!
[腕の中の機竜は、既にほとんど鋼と化して。
命竜の目には分かるだろう。
火竜の背の古傷から漏れて滴り続けている命の雫。]
……ん?
[とてとてと、歩く道すがら、風が拾ってきた、声]
おっちゃんと……天竜の、姉さんか?
[小さく呟く。
何やらおっかけっこをしているらしき状況は、色々と気にかかり]
……ピア、爺ちゃん、見ててくれな。
[相棒に向けて小さく告げ。
背負っていたザムエルを壁に寄りかからせ、常磐緑のマフラーを解き、その膝の上に。
マフラーは、傷を隠すのと同時に、守りの小結界としての役割をも持つ。もっとも、効果は弱いのだが]
よし、んじゃ、行ってくるぜい!
[走り出す片手ががっちり『風雷棒』を握っていたのは、言うまでもない]
< 散る光を黒の瞳に写し、暫し眺めた後に歩み出す。
石の影響を受けた所為か、少し、眩暈がした。
直接対峙したものよりは、格段にましなのだろうが。
平時よりも遅い足取りで、精神の力に霞む影輝の残滓を辿り――違和感 >
……、消えた?
< 小さく声を上げる。
それでも感じられた場所へと向う。
一室から、微かに冷気が漏れていた。倒れる影は、流水の竜だ。
一瞥してからその先を行くと、壁を頼りに歩く歳若い女の姿。実際には、幾つも歳を重ねているのは知っている >
ブリジット。
< 静かに、声を投げた >
―西殿結界内・回廊ダッシュ―
[走りながら聞こえたダーヴィットには。]
悪いけど、エーッリッヒのは癒し実行済み!
無機物領域は無理ー!
一旦時空のに、内側の時止めて仮死状態にでもしてもらえ!
ダーヴィットは、悪ぃがもうちょい待って!
[走り出したら止まらない、ではないが。
流石に剣を持ったまま、ほかの事に手をかける事は出来ない。]
―東伝・回廊―
[壁伝いに幾らか歩いたところで、背後から声を掛けられてはっと振り向く]
……ノーラ!
無事だったのね。良かった……。
[ほぅと安堵の息を零し、微かに笑んだ]
氷破竜 ブリジットは、精神竜 アーベル を投票先に選びました。
[駆けていく先、ふと、目に入ったのは琥珀の煌めき]
……風精、招魂……。
[小さな呟きに応じ、手にしたロッドの緑柱石が光を零す。
いつも操る風は、ザムエルの周囲に置いてきている。
今、使えるのは『風雷棒』を媒介にしたもののみなのだ]
……止めてこいっ!
[走りつつ、ロッドを縦に一振り。
琥珀を散らすものの足元へ向け、放つのは足払いの風]
―西殿回廊―
[会話をしながらでは流石に大変だったのか。
後一歩で手が届く、再びその距離までは詰められた]
お願い―…!
[右腕を、精一杯に伸ばす]
―西殿結界内・回廊ダッシュ―
意志?ああ、そういや何か言ってたっけか。
壊れるって、剣がかー?
だったらノーラ殿あたりは喜ぶだろうなぁ!
[へらへら笑いながら、全く微塵も深刻さも反省の色もない。
エルザの問いには、緩く首を振った。
走りながらだが。]
おいさんの望みは…。
[言いかけて、一旦沈黙。]
今は、望んだ先が見て見たいわな。
果てには何があるのやらーっと。
[走れば琥珀が後に続く。ちらり、ちらりと薄く光り。]
[翼のままでは背負えないので、当然いわゆる姫抱きで。]
…時空。
確かに彼女なら。
[探して、なんとかしてくれるよう頼みに。]
< 無事を喜ぶ様子に、知りはしないのだと悟る。
しかしそれを表には出さず >
……一体、何が。
< 彼女の傍へと寄り、僅か左に顔を傾けた >
―東伝・回廊―
[ゆるりと一度首を振り、]
どこから説明すれば良いのか分からないけれど……。
[口元に手を当て、悩ましげにして]
……アーベルが、揺らされたものだった。
それで剣を狙って、さっき襲ってきたの。
この際だから……大丈夫よね。
ザムエルが、剣を持っていて、それで……そうだ、彼の姿は見ていない?
[影輝の竜へと、尋ねた]
―西殿結界内・回廊ダッシュ―
[琥珀は、何かを捕らえたようにクレメンスの周りを舞い。
ぉ、と小さく何か言った所で。
エルザの手が伸びる。丁度腰のあたりの布をつかまれ。
たところで足払いの風がクリーンヒット。足が華麗に縺れて前に転がった。
エルザを巻き込んで。]
だあああああ!!
[ごろごろ二人で一緒に転がりながら、突き当たりの壁にずどん。イイ音が。
この場合、きっと一番可哀相なのは卵姫だと思われる。
おっさんはやっぱり3秒で立ち上がるわけなのだから。]
いえ。
< 左右に首を振る。嘘ではない。
沈黙を一拍置き、ブリジットの進んでいた方角に眼差しを向けた >
ザムエルが所有している事は、知っていました。
影輝の気配が感じられましたから。
そして、今は――感じられない。
[上着に手が届く。ギュッと握ったその時だった]
え…。
[どんな転ばれ方をしたのだろう。
掴む手を離す間も無く、共に転がる羽目となり。
壁に強く頭を打ち付ける形で止まった。
流石に掴んでいた手の力も緩んでしまうだろうか]
/*
…こんな感じ、かな。
これはクレメンス完全に逃げる気なのだろうなぁ。
剣どっちも奪えないのか。
…こっちは墓だから仕方ないのかな、うん。
[予想外の派手な物音にげ、と呟きつつ。
それでも、そちらへ向けてダッシュで走る。
壁に突っ込んだ様子にあちゃ、とか声が上がるものの]
……おっちゃん、逃がさねぇぜっ!
[エルザが追っていた、という事は、聖魔剣を持っている可能性がある、と。
そこまで論理的に解析できてはいないかも知れないが]
っせい!
[接近後、前転で視界から消えるフェイントをかけた後。
立ち上がりにジャンプを重ねて、ロッドを元気良く振り下ろす]
―東伝・回廊―
……逃げられなかった、か……。
[もっと早く、色々な手を打てれば良かった。
そう悔やんでも、今はもう遅い。水竜が言っていた通り、これからが大切なのだと
自分に言い聞かせて]
剣の気配自体が感じられないということは……、どこか遠くへ行ってしまったのかしら。
―西殿結界内・回廊突き当たり―
おっとこりゃ失礼。
でも原因はそこの風竜だからね!
[したたかに頭を打ち付けて、きゅぅと倒れこんでいるエルザの頭を、労わるように軽く撫でた。無論癒しは入れてあるが、揺れた頭の中身まではすぐに戻らないだろうか。
その間、怒涛の勢いで近づいてくる疾風の竜。
一瞬、視界からは消える。そしてジャンプした瞬間、上を見上げれば目が合っただろうか。]
…残念。ここでフェイントは悪手だぜ?
[ぺろりと舌をだし。その場から、瞬時に掻き消えた。]
まっすぐ首を取りに来るのが正解だなーという声と、琥珀の煌きだけがその場に残された。
わからない。
剣の存在そのものが分かるわけではないから、
力が抑え込まれただけかもしれない。
< 先程まで首飾り――もう一振りの剣を有していた腕を掴む。
黒布の下の手は、傷痕こそないものの、痛みを残していた >
ともかく、行ってみましょう。
残滓は辿れる、筈。
< 言うなり、先へ進もうと一歩踏みだす >
もし、二つが手に渡れば、どうなるのでしょうね。
ちっ……!
[消えた様子に、舌打ち一つ]
……次会ったら覚えとけ……。
[妙に殺気立つのは、先ほど感じ取った虚竜王の波動の影響か、他に理由があるのか]
つか、だいじょぶ?
[それでも、エルザに声をかけた時にはいつもと変わってないから、やっぱりなんか理由があるのかも知れない]
―東伝・回廊―
……お願い。
もしかしたら、まだ何か対応できるかもしれないから……。
[こくりと頷いて、先に進みだした影輝の竜へと続く]
二つが、揃ったら――
確か、一つになるんだったかしら?でも、殆ど扱い切れないと……
……世界の終わりでも、やってくるのでしょうかね。
―西殿結界内・何処かの部屋―
[居所がすぐに知れたのは、おそらく部屋にかけられていた封印のせいだろう。自身の対の一つ。その残滓に引き寄せられたかのように、部屋の中央に突然現われて。
窓際のオティーリエに情緒の欠片も無く飛びついたのは、最近飛びついてなかった分が多分に含まれております。
確かめるように触れたら。
まぁとうぜん床に沈められたわけだが。]
ッツ…。
[流し込まれた癒しの力は、けれど頭よりも全身に薄く広がって。当然脳震盪状態からの回復は覚束無く]
あ、まっ…!
[慌てて立ち上がろうとするも、支えに突いた左腕に力が入らない。ぺたりと座り込み、消える姿を見送る羽目になって]
…逃げられてしまいました。
[右手で額を押さえつつ、ゆるく首を横に振ってティルに答えた]
聖魔剣、持っていらっしゃったのに。
[無念そうに唇を噛む。
上着を掴んだときに感じた。既に推測ではなく、確信であった]
< 揺れる焔が積み重なった惨劇の跡を照らす。
生まれた影を踏み、影輝の力を遡る >
終わりが訪れれば、次は、始まり。
今の理のない、新たな世界がつくられる――
< 確証のない、疑問交じりの科白。
氷破の竜よりも、歩みは幾らか速い >
そうであれば、良いのに。
< 距離は幾らか離れつつあった >
―東伝・回廊―
終わりと始まりは、表裏一体――か。
[幾分歩く速度の早い、影輝の竜の後に続きながら]
……もし、そうだとしたら。
新しい世界が見れなさそうなのは、残念ね。
[ゆるり首を振り、少し開いた差を埋めるべく、早足になる]
あー……やっぱり。
[エルザの言葉に、ため息一つ]
つーか、空間渡るわ3秒で復活するわ、ずるっこだっつーの。
[人の特殊能力にケチつけちゃいけません。
それはともかく]
しっかし、めんどーだなぁ……。
爺ちゃん、こっち来てたけど、神斬剣持ってなかった。
精神のに取られたとなると、両方向こうに渡っちまったって事になる。
……こうなると、頼みは竜王さんたちの隠し玉、か。
[以前、ギュンターが言っていた事。
揺らされたものが二振り共に剣を得ても、昇華はできない、という話]
もっとも、それにだけ頼るわけにゃ、いかねぇけどな。
/*
つか、便利に跳びすぎだからクレさんwwwwww
それ、時空レベルだからwwwwww
生命とか精神は無敵化しやすいんだから気をつけれwwwww
終わり自体は、恐ろしくないですか?
< 不意に、振り向いた。
その瞬間、詰まりかけた距離、
足下で揺らめくのはブリジット自身の影 >
―東殿・回廊―
[急に振り返られ、ブリジットは瞳を瞬かせて]
ああ、そうね。
なんだか、気付いたら終わってそうだったから。
痛かったり、苦しかったり、熱かったりするのは、ちょっと難儀かしらね。
[井戸端で話すかのように、どこか苦笑めいて呟いた]
この世界には、良いところもある。
……良いところがある分、その裏には悪いところもあるのだろうけれど……。
[心竜の青年の事を思い出しながら、呟く]
どうして…!
[小さいけれど叩きつけるような叫びは消えた生命竜へ。
またはぐらかされた。そんな気分もあった]
御師様も奪われて、ですか。
[ゾクリとした感覚は、単なる気のせいでももうあるまい]
そこは結局話してもらせませんでした。
養父があそこに居るのに意味があるらしいというだけで。
ええ、どうにかして剣を。
このままでは本当に、暴走すらしかねません…!
[胸元に手を当てる。今は頭痛やらの方が強いけれど、消えてもいない不快さの伝わってくる痛み]
―西殿結界内・何処かの部屋―
まーた痩せてきてないか?肉食ったか肉。食堂ちゃんと行けよ?
[へらり床に沈んだまま笑う様子に、相変わらずの月闇の対応。
立ち上がり攻防はいくらか続いたろうか。
調子にのっているのは、きっと二人しか居ないから。…というよりは、少々気が抜けたからか。
まぁそんな些細な違いは、オティーリエには限りなく関係なくどうでもいいことなのだろうが。
いい加減青筋どころか殺気以上の何かががはっきり見えかけてきた所で、危機感感じて離れ逃げ。服の中に入れておいたものをテーブルに置いた。
直接渡さなかったのは、なるべくなら触れずにいたほうがいいという思いの表われか。
先ほど受けた頭痛は、まだ鈍く頭に残っている。
それは、けっして表に出しはしないけれど。]
ノーラ殿からお土産だ。取られないように気をつけな。
…んじゃ、聖魔剣、任せたわ。
[ひらり手を振りながら…アーベルがやられたかもしれない、とは言わなかった。
何事かを聞く前に、再び姿は消える。]
[ゆっくりと立ち上がる。まだ少しふらつくしバランスが取り難い。だが歩けないほどじゃない]
探しましょう。
まだこの結界内にいらっしゃるはずです。
[上げた顔はどこか悲壮にすら見える*表情で*]
剣の暴走、か……。
[水鏡の前で火炎の竜と交わした言葉を思い出す]
無理に力を使おうとすれば、全部消える、って解釈でいいんだよな、結局。
……そんなリスクまで背負って……それで、手にした『自由』なんて。
結局、力に伴う色々に縛られるだけで、きっと、今よりも動けなくなるのがオチだって事。
……なぁんで、わかんねぇのかなぁ。
[思い返すのは、先に聞いた、精神の竜の願い]
/*
申し訳ありません、流石に限界で。
動かし他はご自由にお願いします。
説得されれば探索以外もすると思います。今なら簡易治癒と体力分与はそこそこに使える、予定。
ええ、そうです。
[全部消える、の言葉に頷いた]
神にすら干渉するもの。退けるもの。
そのエネルギーが純粋に噴出したなら。そこに残るものは何もない。そう、或いは神すらも。
[それは伝承の中でも推測に近い部分だろうけれど]
…本当に、どうして…。
[呟く声はどこか*力なく*]
……そうですね。
全ては表裏一体。
光があるから闇があるように。
< 氷破の竜の足下の影が、地面から剥がれ宙に浮かび上がる。
ブリジットそっくりの姿を象った黒は、ゆらゆらと揺らぎ、形を変える。一時大きく膨れ上がり、ぐるりと渦を巻いた。主たる彼女に襲い掛かるような動きを見せるも、一時視界を覆ったのみで、直ぐに霧散する。
灯りをともす焔は弱まり、光と闇の境も縮まる。
影も大分、薄らいでいたようだった >
自身が消えるから、ではないの。
< 何事もなかったかのように、言葉を続ける。
今まさに、消えた影を見詰めながら >
ひとりの力で為せることなど、知れているのに。
―東殿・回廊―
[己の影に、目を瞬かせて。
影が襲い掛かるように見えると、僅かに身構えるも。
間も無く霧散して、目の前に再び、影輝の竜の姿が見えた]
ああ……自身が消えてしまうから、か。それもありといえばありね。
[苦笑して呟き、そして続けられた言葉に、こう答えた]
そう。ひとりの力じゃ出来ることなんて高が知れている。
だから、手助けする。協力しあったりもする。
[少し目を伏せ、呟く]
[エルザの肯定に、やっぱりか、とため息一つ]
……頭のいいヤツほど、小さな事には気づけないって言うじゃん?
動けないから自由じゃない、なんて言ってる内は、ほんとの自由は掴めねぇんだけど。
……一回、限界まで痛い目見ねぇと、わかんねぇのかもな。
[軽く、肩を竦めて]
とりあえず、探しに行く前にさ。
爺ちゃん休ませるの、手伝ってくんない?
すっげえ参ってるみたいだし……ほっとけねぇから。
[駆けてきた方を見やりながら言う。
オレ、回復とかできないから、と頼み込み。
同意を得られたなら、*ザムエルの元へと向かう*]
それが第一に来るとばかり。
< 実を言えば、襲う気はあった。
それを止めたのは、力が足りなかったか、自身の意志か。
真意を口にはせず、前へと向き直る。
影もまた、いつの間にか、ブリジットの足下に還っていた >
剣の力を使わねば叶わない程の願い、
どれだけの者が集わなければいけないのか。
< 掌に視線を落とす。
願いの事など、ブリジットは報せていない筈だった >
―東殿・回廊―
よく変わり者と言われますから。
[あまり理由になっていない気がしたが、それでもそう返答し]
……そうですねえ。
願いの種類にもよるとは思うけれど。
願いが分かれば、誰か叶えるのに適した人も、居たかもしれない、とかね。
……奇麗事過ぎるかしらね、色々と。
[眉を寄せて、苦笑気味に呟いた]
綺麗事に救われる者も、居るかもしれません。
……眩しいとも、思うけれど。
< 独りごちるように言うも、前方に発見した姿に警戒も薄く歩みを速め、その傍に膝を突いた。意識は無い。しかし、手には、しっかと握られた黒の腕輪 >
―東殿・回廊―
[最後の呟きは、微かに聞き取れず。
影輝竜の後を追うように、早足で向かう]
……腕輪がある、という事は……。
[老地竜の姿を思い浮かべ、辛そうな表情を浮かべる]
手から……外せそう、かしら。
剣にしては、力を感じな――…
< 氷破の竜より先に手を伸ばす。彼女に渡さないために。
しかし結果として、それが仇となった。
青年の心によって、剣の力が抑え込まれていたとは知らず。
触れた指先から流れ込むのは、その一端。それも己に近しい影輝の属と、混沌を齎す精神の属。暴走のひとかけらを受け、弾かれるように手を引いた >
……、っ…………!
< 伸ばしたのが、聖魔剣を手にしていた方であったのも、悪い方向に運んだか。
剣の怒りは暴走を促進させ、体内を駆け巡る。
腕を押さえ、身を縮こまらせて目を瞑った >
―東殿・回廊―
ノーラ!
[影輝竜の手が弾かれるように、腕輪から離れる。
その後もうずくまるように身を縮みこませ、目も伏せられて]
……ッ、何が……力を押さえ込んでいる?
暴走をか、それとも剣自体をか……。
[そこまで呟いたところで、首を振って]
大丈夫?ノーラ、ノーラ!
貴方は私を罰するか……
< 低く、抑えた呟き。
ブリジットを振り仰ぐと、微かに右の髪がずれる。
螢火の瞳が明滅していた >
触れては、いけない――
―東殿・回廊―
罰する……?
[眉を寄せ、倒れている心竜を見やったが、直ぐに首を振り。
影輝竜を見ると、蛍火を思わせる瞳が、闇の中から覗いていた]
触れては――、剣が暴走しているから?
[忠告は聞き入れたが、それでも焦る様にして]
< 今は黙して答えない。
剣もまた、伝える言葉を持たない >
暴走、しているだけならば、影輝の力は容易に感じ取れるはず。
ゆえに恐らく、封を施されているものと。
これ以上、下手に働きかけるのも、危ういかもしれない。
< 確証を取れぬ侭に呟く。他の手に渡らぬための言も混じって吐いたが、あながち間違いでもないだろう。
根幹から揺り動かされる感覚。
果たして、剣の暴走にのみ因るものか。
灯りのつくり出す影が、先とは異なり、意図せず蠢いた >
―東殿・回廊―
そう……、そちらは今は、良いとして……ッ。
ノーラ、貴方は大丈夫なの?
[そっと身体に触れようとするだろうか]
< その手が触れる刹那、人の容を保っていた姿は崩れ、以前に混沌の欠片の模した黒の塊と似たものになり、腕輪を手にした精神の竜の影に溶け込んだ。
まるで泉に石が落ちたかのように、*黒の波紋が起こる* >
―東殿・回廊―
――ッ!
[ノーラの身体が、影の塊のようなものへと変貌し、心竜の影へと溶け込んだ。
まるで水紋のように、影が揺れたかと思えば、間も無く収まり、一つの影となった]
……、……ノーラ。
[名前を呼ぶも、反応は無く。
暫くの間、心竜の青年をじっと見つめていた]
―東殿・回廊―
一先ず……他の者を探して、集めましょう。
[一番気掛かりなのは、翠樹の仔。
騒ぎに怯えて、どこかで泣いていなければ良いがと、その場を後にする。
ちらり、一度だけ振り返り、呟く]
……貴方の願い、伝えて欲しかった。
[心竜にも、その影にも聞こえはしないだろう呟きを残して。
ブリジットは、翠樹の仔を探すべく、その場を*後にした*]
/*
昨日の本来の流れ。
錯綜する意識の中、己が誓いと己が律を思い出し言霊破壊→アーベルに一撃食らわせて相対→本性解放、腕輪を岩石でがっちりガード
をやる予定だった。時間無くて出来なかった。
やりたかったんだよ本性解放!!
[不意に右手に走る激痛。意識の錯綜に囚われし今、その痛みを痛みとして感じたかどうかは定かではない。しかしそれは全身をも支配し、指の痙攣を生み出す。腕輪を握っていた指が、緩んだ]
[腕輪を奪われた後も剣の力の暴走は己に襲いかかって来ているような感覚に囚われ。意識の錯綜は尚も続く。結界内へ送り込まれたと言うことも認識していなかった]
─西殿・中庭─
[傍から見たそれは気絶しているように見えたか。ティルに揺らされ叫ばれても動く様子は無い。
意識下では相反する思いが鬩ぎ合う。抑える、抑えられぬ。心の底より誓いし決意と、植えつけられた呪を持つ言葉がいがみ合っているようだった]
──貴方には抑えられない
この命削られようとも、剣を護り抜く──
[己が精神力と植えつけられた言霊が幾度となくぶつかり合う]
──儂には止められぬのか?
──否、影竜王様にお誓い申し上げたではないか。
──喩え抑えが完全ではないにせよ、儂には剣を護る義務がある。
──抑えられぬのでは無い。
──抑えねばならぬのだ!
[意識下の奥底で、言霊がパチンと弾け飛んだ]
[そうして目を覚ましたのは結界に送られた幾許か後。そこは孫と教え子に運ばれた先の食堂だった。傍に二人が居ることで己が結界内に囚われたことを知る]
……してやられたか……。
[左手首にかかる重みが無い。腕輪が奪われたことは明白だった]
─西殿・中庭→食堂─
[噛まれた右手が疼く。痛みを増幅した影響もまだ残っているのか、持ち上げる手の動きはぎこちない。僅か眉を顰めた後に、小さな岩盤で傷を無理矢理コーティングした]
…取り戻さねば。
[ぽつり漏れたのは剣について。しかして結界内に居るためか、奪われた神斬剣の気配は感じられない。ひとまず傍に居る二人に、今のこちらの状況を*確認した*]
―回想:部屋―
[周りが騒がしかったが、外に出ることはない。
目を細めて。
完全に回復したとは程遠い己に、苦笑した。]
[その時、唐突に現れたクレメンス]
――っ、だから、いきなり抱きつくなと!
[変態と言いたくなる触られ方に、先日までの疲れの様子へ向けた心配など忘れ去り、蹴り飛ばす。]
何度言えばわかるんですかあなたは!!!
/*
ちょっくら離席。
>疾風・天聖
現在地は食堂。
西殿の様子を確認させてもらっとる。
その後は好きに動いてくれぃ。
居ない間の動きは自由にしてくれて構わん。
[慣れたが、もともとそんなものに慣れたくもなかった会話を繰り返し。
確かにストレス発散にはなったと後で思う。
余計なストレスがたまったが。]
[むしろその溜まったストレスが殺意となって、冷たい目でクレメンスを見る。]
[だからその時の、相手の状況にも気付けずに。]
ああ、うけとれましたか――
って
[告げられた言葉に、思わず聞き返そうとしたけれど。
その姿はすぐに消えた。]
……よくもまぁ。
[ため息をついたのは、少し後。
そうして、首飾りの形をした剣を、掴んだ。
拒絶は先に持ったときよりも強く感じる。眉を顰めた。]
私も普段どおりの調子ではないことぐらい、おわかりでしょうに。
それにここの方が危険だとは思いますけれど――仕方ない。
[己にはこの剣の力は使えない。
それはわかりきっていた。
今までは無理に使おうとしなかったけれども。]
ただ大きすぎるだけの力は、必要ないのに。
蘇るかもしれないのでなければ……
願いが叶うかもしれないのでなければ、持ちたくもないんですけどね。
エインシェントには、混血の力が比べられないと、気付いてもらいたいものです。
[後で戻ってきたらしっかりクレメンスに戻す心算ではあった。
それまでは――そう、この剣を使うことになっても――決して手放さない。]
[己の身に、どれほどの負荷がかかろうとも]
さて、ここよりも――行く場所はひとつですね。
地下、入れれば良いんですけど。
[闇の満ちる場所。]
[首飾りを身につけて、前のようにシャツとタイで隠す。
喉に描かれた刻印に触れた指は、少しそこを撫ぜた。]
[本性に無理に戻れば、声は暫く使えまい。それは人の世界の魔法が使えぬということ。
人の世界の魔法には、目くらましに丁度良いものも多々ある。
あちらに居たときに習ったそれを、今は一つ、唱えた。]
[回廊に出て、部屋の中を見る。
そこには、月闇の気配と――そしてかすかな流水の気配が残っていた。
生き物ではないが、アーベルの結界も残ったこの部屋に残されたそれは、ある程度の目くらましになってくれるには違いない。]
[そのまま、気配を探りながら向かうのは地下。
*暗闇の中でまどろみ、少しでも早く回復するために*]
─西殿・廊下─
呼ばれた気がするですだよ。
っと。……それはエーリッヒですか。
[それは唐突。エーリッヒを姫抱きしたダーヴィッドの前に彼女降臨。
ダーヴィッドから大まかな事情を聞き、顎に指を当てる。]
……なるほど、なのです。
ボクにも直截の手立てはないでありますが……
そこにエーリッヒを寝かせておくれやす。
[そうダーヴィッドに言うと、パチンパチンと腰のポーチの口を開く。
そこから飛び出したのは、トパーズ、クリスタル、アメジスト、そしてセレスタイト。
それらはセレスタイトを頂点として横たえられたエーリッヒを囲む三角錐を形作る。]
―東殿・回廊―
[さてオティーリエに聖魔剣を渡したのには理由が二つ。
一つはアーベルがそれを願ったこと。
二つは自身が持つには手に余る事。クレメンスには『守る力』が無い事と、それほど剣に執着していない為下手をすれば他の誰かに渡してしまいかねなかった事。
三つはオティーリエの部屋を去った場所、向かった先にある。
一つ増えたが気にしない。
アーベルの傍から少し離れた場所に、姿は現われた。]
…アーベル!
[倒れ伏せた竜に駆け寄り、身体に手を触れる。死んではいない、が。酷く消耗している。琥珀が集まり、回復を促すがどれほど効果があるだろうか。]
怪我、じゃねぇな。精神的な疲労か。
爺さまから剣を奪うのに難儀したようだな。
[ちらと、その手にしたものを見るだけで触れはしないが。
感じる頭痛は、腕輪に近づけばより酷くなるような感じがした。]
―東殿・回廊―
[ちらと、その手にしたものを見るだけで触れはしないが。
感じる頭痛は、腕輪に近づけばより酷くなった。]
…エーリッヒが言っていた影響ってのはこのことかね。
[軽く眉を潜める。
最後まで三対残り辛うじて安定を保っていた心命機の一つも崩れた。
自身への影響も少しずつだが出てくるだろうか。おもに内側に。]
[横たわったエーリッヒがギリギリ入る程度のサイズの三角錐。
感覚の鋭い者ならば、その内外の世界が隔絶されたことに気付くか。
ふうとひとつ息を吐くと、]
……とりあえず、隔離空間を敷いたですが、絶対安静には変わりないさー。
停滞の効果を維持するのは、ボクでもこのサイズが限界なんだな、これが。
[そういう彼女の額には*珠の汗*。]
―東殿/回廊―
[崩れ落ちてからどれ程の時間が経った頃か、青年の傍らに生命の竜が現れた。体に触れた手から回復を促す琥珀が生まれ、青年の赤に染まった手の内を癒していく]
………ぅ…
[微かに眉を顰めた青年は、それでも目を覚ます事はなかった。
体は癒されても精神の消耗は現在進行形で続いている]
[それが危うい均衡を保ち、やがてゆっくりと均されていくのは影に解け込んだ影輝の竜の影響だろう。
『神斬剣』が帯びる属性の精神と影輝、二つの竜の力は天秤のように揺れながら釣り合いを取り始めている。何かのきっかけがあればまた容易く安定が危うくなるとしても]
―東殿・回廊―
起きたか?…ん、まだか。
まぁ…ここじゃ回復するモンも回復しないかね。
[よいしょとアーベルの左手を引き、背中に乗せるようにひっぱりあげて、背に担ぐ。ついて来る影に違和感を覚えたが、今は放っておく。
少し離れた場所まで移動し、そこの部屋の寝台にアーベルを寝かせてから、自身は椅子に腰掛けテーブルに突っ伏した。
消耗してるのはこちらも同じだったり。疲れはだいぶ、溜まってきている。]
─西殿・食堂─
[エルザの手を借り、ザムエルを運び込んだ食堂。
目覚めた老竜のやや無茶とも見える手当てと、剣への拘りに言いたい事はあるものの、それは押さえ。
西殿の状況、感知からの推測を含む情報などを伝えた後]
……オレ、ちょっと、ギュンターの爺様んとこ、行ってくる。
[言い置き、足早に三階へと。
二人が共に来る、といっても、拒む理由はなかった]
─西殿・会議場前─
[やって来た会議場前には、相変わらず難しい顔つきの天竜の姿。
しかし、さすがにその様子には疲労の色が伺えた]
なー、爺様。
竜王もさぁ、さっきのは、感知してるよな、当然。
……このままなんにもしねぇで、竜郷吹っ飛ばすような事、ねぇよな……?
[恐る恐るの問い。返る言葉は]
「全ては、王の御心のまま」
……答えんなってねぇっ!
[突っ込みは超・高速でした]
―東殿/回廊―
[傷は治っても、固く腕輪を握り締めた掌には赤が残っている。無理に開いて拭くのは無理だから当然だが。左手を引っ張られ背に担がれて運ばれる間もその指が緩む事は無い]
………。
[寝台に寝かせれた時、微かに唇が動いたが音は結ばれなかった]
大体、竜郷吹っ飛ぶってさ、こういう比較したかぁねぇけど、人間界が一個吹っ飛ぶのとは違って、連鎖で全部吹っ飛ぶって事じゃねーの!?
いくらなんでも、スケール違い過ぎんだろ!
[叫び自体には否定はなく。
というか、できれば否定がほしかったのだが、それはさておき]
……っつかさ。
何とか取り戻すつもりでいるけど、剣、どっちもあっちが握ってんだよ。
こないだ、あいつらには真・聖魔剣にするのは無理っつってたけども、ほんとにだいじょぶなのかぁ?
[問いへの答えは、すぐにはなく。
しばし、睨み合いの緊迫タイム]
「如何な手段を用いようと、現状、昇華させる事は何者にもかなわぬ」
……そーいわれても。
なんか、強引な方法でやってくるかもしれねぇし。
「正規以外の術が通るほど、軽いものではない。
仮に、何者かの命を用いたとて、封は解けぬ。
……その程度で解かれてはならぬ物故に」
ちょ、命がけが『その程度』扱いかよ……それ、どんだけ……。
[言い方はさすがに癇に触ったが。
同時に、その重みは知れて。
ため息一つ]
―東殿・回廊―
[動いた唇は何を告げていたか。人の名前のように見えたが。
答えは微か届く声で知ることになるわけだが。
はぁと一つついた息は、少しだけ呆れも含んだろうか。
アーベルの頭を撫でて。]
…お疲れさんと。
こっちも、アレはオティーリエに渡しておいたぜ。
[その後突っ伏したまま、ちらとアーベルを見るが反応は薄い。
念のため心話で話しかけようとも思ったが、余計な負担がかかりそうで止めた。
表面上なら直ぐ癒せるが、心や疲労は領域外。
こればかりは時に頼るしかない。…時空のが居たら早く回復したろうか。]
一人じゃ補えるものが少ねぇよなぁ…。
[それでも某風竜には反則言われてるおっさんだが。]
……んじゃあ、最後にこれだけ。
『現状、誰にもできない』って事は。
つまり、それができるのは……。
[確かめるように言いつつ。
青の瞳は、会議場へ。
天竜はその視線を追うも、肯定否定、そのどちらも態度に示しはしなかった]
…………。
わかった。
[今の状況と、その反応と。そこから掴むのは、独自の推論]
つうかさ。
爺様もちゃんと物食えよ? いざって時に動けねぇとか、泣けんぜ?
[一転、軽い口調に戻って告げると、会議場前を離れ、階下へと]
[突然現れたユーディットに狼狽えながらも、エリィへの処置を任せて見守る。]
…なんとかしてやんなきゃならないんだ。
コイツ、俺を守ろうとして剣の力をまともに…
[触れて弾き飛ばされ、流され呑み込まれた自分も決して無事とは言えなかったが、それよりも抗おうとした彼の方が酷く。
いや、彼が受けた事で、自分はこの程度で済んでいるのかもしれなくて。]
なんかあったら、コイツの兄貴達に合わす顔が無いさね。
[三角錘の中で横たわる姿。
あまりに痛々しく、目を背けた。]
/*
白でそれいうのかよw
さて、自己犠牲ルートのフラグ折りになりますか。
つか、生贄とかもらっても嬉しくないだろしなー、御大もいずまさんも。
ぺい、ってされるのがオチ。
/*
さて、物凄い勢いで剣設定の囲い込みが行われている訳ですが(笑)
狼が成し得るかどうかは別として、絶対無理設定されちゃうと、それなんて噛ませ犬?になりますね。
剣は地上墓下に分けて所持しているのですから、設定で縛るんじゃなく動きで止めに来て欲しいものです。
―東殿/どこかの部屋―
[呆れの溜息はともかく、髪を撫でられて青年の寄せられた眉から力が抜けた。穏やかな寝顔とは言いがたいけれど、見守られている内にそれなりに安定してきた様子になっていく。
尤も、視線や声への反応は薄く、凍らせた心は溶けていないのだが。
そして時は過ぎ、やがて微かに左の指先がぴくりと動いた。右の手にも力が入り、既に乾いた赤が小さく剥がれシーツに落ちる]
……ぅ……、っ!
[ぱち、と音がしそうな勢いで青年の瞳が開き、側の気配――生命の竜を見る。その色は心の奥を覗く赤紫]
―東殿・どこかの部屋―
[自分も軽く眠っていたのか、どれくらい経ったかよくは分からず。
先に目を開ければ、呻きと、微かな動き。
開いた赤紫の瞳に、灰茶の瞳は覗かれるが、静かに見据え返した。
心竜は内の何を見ただろうか。
想いだけならば、騒動の原因である二竜主とした他竜への労わり、命竜としての性が。
過去を覗き見たならば――この世界とは違う風景が。
世界の崩壊。何が起こったのか、悟る前に全てが終わり。
一転、現在の世界。
どうしてか、生きながらえた二つは、だが異なる世界で生きることが出来なかった。
例えるなら二匹のクラゲが砂漠に落とされたように。世界と存在は合わず。
生きられないなら、共に世界で眠り合おうと。そう誓い合ったのに。
一つは、それでももう一つが生きながらえる事を望み。
世界とのバイパスの役目を果たし先に、消えた。
それからは、永い永い孤独の日々。
望郷と片翼への愛憎は、ゆっくりと殻に覆われ褪せてゆく。]
中:
…『繋ぎ』の意味で使ったんだけど<バイパス
合ってるかな…(あああああ
そして返事がね!遅いのがね!ごめんアーベル…。
中:
そしてこの過去設定はよいのかどうか。
あんま細かいとここ駄目ー!ってのがあるかと思って、ある程度暈してたら時間かかったよ!
本当は創始の頃から居るとか書いたらアレだろうしなぁ…。
まぁ創始でなくても、世界と融合しときゃ時間経過で自然全部にゃ回るだろうが。<琥珀のあれ
/*
…心覗く設定美味しすぎた。
ソロールじゃなく相手の設定(役職の理由とか)を促せる点で。
時空殿のももうちょっと上手く引き出せたらよかったんだけど。初回襲撃でイッパイイッパイでした。もったいない。
中:
まぁ、纏めると。
おいさんは別の世界の住人で、世界が滅んだ時に片割れと何でかこっちの世界に飛ばされて、でも体が合わなくて生き延びれないから、そいじゃ世界と融合して(融合能力が元から有った)消えようかって話になった所が、相方がそれ拒否って先に世界と融合してクレメンスを生きながらえましたよと。
竜になった経緯は細かくするとまたなんか抵触しそうだからうにゃうにゃ暈して。
まぁとりあえず、竜王に竜にしてもらったとかだ。
エインシェントを名乗ってるのは、貰った体が元々そうだったのか、それとももってる力のせい。
…ええと、すいませんめっさルール違反してたらエピで土下座します。
とりあえず俺つえーと害にはならんようにしたつもりなんだが。
この回復能力と転移は反則だったろうか。
[赤紫の瞳に映ったのは灰茶の瞳、見えるのは生命の竜のしての労わり、そして覗いてしまったのは――…生命の竜の遠い遠い過去。
青年の目が見開かれ、その色は熱が引くように紫紺へと戻っていく]
………、えぇ。
おはようございます、クレメンス。
[心を凍らせていなければもっと動揺が表面に出たのだろう。青年は温度の低い声で静かに生命竜の笑顔から目を逸らした。覗いてしまった光景に、心の奥底では覚醒した『願い』が揺れる。
目を伏せて腕輪と指輪を嵌め、眼鏡は少し迷ったがかけずに青年は無理矢理に体を起こした。立ち上がる事は出来ずに壁に背を預けて寝台に足を投げ出す]
御迷惑をおかけしたようですね。此処は?
……オティーリエと、剣は?
貴方が此処にいるという事は無事と見ていいのかな。
[いざとなれば剣と彼女と共に結界を破って行くように――逃げるようにと伝えていたのだから、居るのならば無事なのだろうとの判断]
―東殿・どこかの部屋―
[心を覗かれたことに気づいているのかいないのか。
こちらはいつもと変わらずに、椅子を引き少し近づく。]
気にすんな。だいぶ消耗してたっぽいしな。
剣は変わりないか?
[ひらと手を振り、質問にはさぁと首を振る。]
どっか空いてた部屋だ。倒れてた所からはそんなに遠くねぇ。
[軽く、心に届いた声に頷く。]
ああ、どっちも無事だ。
聖魔剣はオティーリエに渡してある。
それから爺さまと…、エーリッヒが結界の中だ。
こっち側に残ってるのは、ナタ、氷竜殿、翠樹の嬢ちゃんとナギ、それからノーラ殿だな。
んで。これからどうするんだ?
[剣は手に入れた。あとはどう動くのか。
その先はクレメンスは知らない。
揺らされきっていない為なのも原因だろうか。
まぁ何をするにしても、おそらく暫くは動けないだろうが。
自分の消耗はまだ何とでもなる範囲だが、アーベルにかかっている負担は大きい。回復にはまだ時間がかかりそうだと予感した。]
―東殿/どこかの部屋―
[近づくクレメンスの足元に視線を落し、かけられた声に頷く]
はい、大地殿の意思はとても固くて。
過剰に剣へ精神力を注ぎ暴走させた分、その反動で宥めるのに力を持って行かれてしまいました。
――…今は小康状態のようですが。
[膝の上でしっかり握る黒の腕輪――『神斬剣』に視線を落す。
それが影に沈んだ影輝の均衡もあっての事であるとは、剣の持つ気配に紛れて気付けない]
─西殿・階段─
……あー、それにしても。
[ぽてぽてと、階段を下りていく]
さっすがにこんだけ八つ当たり続くと……直接食らってなくてもきついっつーの。
[珍しく零れ落ちたのは、愚痴。
八つ当たりを感知できる=余波はきっちり食らうわけで。
……実は、八つ当たりの度に消耗していたのは、絶対の内緒事だったりする]
……あー、そーいや、あっちはどーなったんだろ。
[関連して思い出したのは、虚竜王の不機嫌の今回の犠牲者の事]
―― 西殿・廊下 ――
[見知った気配に運ばれる感覚、血の匂い、遠く聞こえる声…接続を自ら落としたわけではなかったせいで、腐食を進めながらも無機の知覚は作動を続けていて、自らの周囲に時空の力が作用した事も感じていた]
―― 西殿・廊下 ――
『だめ…』
[子供がむずかるような、拒否の意志に反応したのは、他でも無い、彼をこの結界の内に送り込んだ虚竜王の力の残滓……言ってしまえば不機嫌のカケラ。それは拒否の意志とは容易く同調し、停滞の力を薄める]
[一度立ち止まり、探知の風を巡らせる。
一応、大丈夫だとは思うのだが]
火炎の兄さんも大概無理してるっぽいし……。
どっちもちゃんと休ませねぇと、ヤバイよなぁ。
カケラの事もあるし。
[カケラに関しては、火炎の放った焔がある程度は対応できるはず、と思いつつ階段を降りきり]
─ →西殿・廊下─
ん、と。
こっちか。
[風の捉えた気配の方へと歩みを進める]
―西殿:地下室―
[ある程度の回復しか見込めはしない。
すぐにこの剣に気付かれるだろう。]
――目を作りますか
[蝙蝠が一羽、閉めた扉から出て、先ほどまでいた部屋のそばに向かう。
ぴたりと天井にとまると、しばらくは様子を見る。]
[暗い翠の目は、その目を通して。まわりを見る。]
[飛んでゆくときに見えた廊下の様子も。
決して、構うことはなかった。]
[闇の中でどんな顔をしていようとも、それは見えるわけがない。]
―東殿/どこかの部屋―
[彼女と剣の無事、結界の中と外の竜達、そしてかけられた問い。
いつかは当然訊かれるはずであったそれに、青年は口元に微かな笑みを浮かべた]
二つを合わせ『真・聖魔剣』に。
――…そう言いたい所なのですが、この状態では少々難しい。
[口元の笑みが苦笑に変わり、生命の竜を見る。紫紺は覗き込みはしないけれど、その心の動きをいくらかは映す]
……貴方は、いいのですか?
[今更かもしれないが、止めないのか言外に問う。それは生命竜の心の奥を覗いたからこその言葉]
[途中遭遇したカケラに関しては、以下略。
進路を塞ぐようであれば『掃除』して、そうでないならひとまず無視をして]
……っとー。
あ、いたいたー。
[そんなこんなでたどり着いた場の空気は、やたらと深刻だったかも知れない]
って、げ……。
これ、大丈夫……じゃ、ねぇよな?
[三角錐の中のエーリッヒと、傍らの二人とを見比べながら問いかける。
……何かしら、違和感のようなものを感じるのは、何度も感知した不機嫌の影響かも知れない]
―― 西殿・廊下 ――
[ゆっくりと引き延ばされた時間の中で閉じていた瞼が開く]
だめ だよ…俺は…眠ら、ない。
[対なる精神と生命、誰よりも彼等を止めなければならないのは、自分だと。剣の力が彼等を…この世界そのものを害する前に]
[未だに難解?なユーディットの説明をどうにか把握した所に聞こえた、微かな声]
……あれ?
[振り返れば、目を開いた機鋼の竜]
だいじょーぶ……かよ?
―― 西殿・廊下 ――
[焔竜は、苦い顔を向けたろうか。それには「御飯食べてる?」とかいささかピント外れな問いかけを投げて]
あは…だいじょーぶ、では…ないですけど。
[風竜には、淡く笑みを見せた]
ま、見たまんまだよな……。
[淡い笑みに、さっくり返して]
つか、そろいも揃って、ぼろぼろ過ぎ。
死人出てねぇのが奇跡じゃねぇの、コレ……。
―― 西殿・廊下 ――
[風竜の言葉に、そうですね、と頷いてから。僅かに目を伏せる]
……俺が……機鋼の力が消えたら……アーベルさんとクレメンスさんの力が弱まったりは、しないかな。
[それは、可能性のひとつとして口にした言葉。風竜の過去に触れるとは知らず]
―東殿・どこかの部屋―
流石爺さまだぁな。頭も固けりゃ心も固ぇってか。
[へらり笑って、顔をみやり。]
無茶にはこの際多少目ぇ瞑るかね。結果よければ何とやらだ。
[それから視線は膝の上の黒い腕輪に。
腕輪の均衡に影が役立っているのは、こちらも気づいていない。]
[二つをあわせて一つの剣に。
以前そういえばそんな事を聞いた気がしたが。
今難しい、にはまぁそうだろうなと、肩を竦めて一度椅子からは立ち上がる。
同じ部屋であれば、以前氷竜に出した即席の茶でもあるだろうと探し、見つかれば湯を入れて一つだけもってきて寝台の傍のテーブルへと置いた。自分の分はない。
再び椅子へと腰かけて。
問いと共に投げられた紫紺の視線には、少しの間沈黙し。]
そうだなぁ…ああ、一つだけ頼んでいいか?
どうやって願いを叶えるか分からんが。
俺の願いは叶えないでくれ。
…無論降りるわけじゃねぇよ。
叶える願いが少ない方が、負担も影響も薄くなるだろ。
[答えの代わりの頼みには、さてどんな顔をされたか。]
はあ?
[目を伏せながらの言葉に、最初に上がったのは、とぼけた声。
次の瞬間]
……お、ま、え、な。
弱まるどころの騒ぎじゃねぇだろっていうか!
そういう事は、ネタでも考えんじゃねぇよっ!
[火炎の竜もいい顔はしないだろうが。
それに勝るとも劣らない、不機嫌な様子で怒鳴っていた。
手まで出なかったのは、一応、状況を考えての、自重]
[へらと、いつもの軽薄の笑みを浮かべ。
さも何でもないことをいうように口調は軽く。]
止めは、しないさ。
だが今は…世界の崩壊すら省みずに、渇望した願いってやつが叶った時の、その結末が見てみたい。
おいさんはよ、もう全部捨ててまで願いをかなえようって気持ち、薄いのよな。
何度か、その時の心持ちを思い出しはしたんだが。
[内側に埋めた過去は、殻を破って何度か鮮やかにその時の情景を、強い思いを呼び起こし、揺らされた。だが。]
それでも時間が経てば……すぐ色褪せちまう。
代わりに出てくんのは、姐さんやら兄さんやら、チビやら氷竜殿やら卵姫やらティルやらなにやら、そういうので。
…歳は取りたくないもんだな。色んなものが増えちまう。
[苦笑して返したその顔にあるのは、微かな悲しみと苦み。]
―― 西殿・廊下 ――
[怒られました。多分、これまで沈黙していた機鋼の砦のにーちゃん達からも、一斉突っ込みが入ったと思われます]
あう…ごめんなさい。
[しょげた]
俺は、一番叶えて欲しい時に、願いを叶えられなかった。その手段が俺には無かったからな。
ただ時間だけが過ぎていって…その結果がこれだ。
今のお前さんらには、強い願いも、叶える為の手段と力もある。
全部揃ったら何が出来るか、何をするか。
…ま、止めはしないさ。
[それは、進むも引くもという二つの意味を含んではいたが。]
―東殿/どこかの部屋―
[暖かな湯気ののぼるカップに視線を落し、沈黙を待つ。
やがて返された生命の竜の頼みに、小さな声を上げて笑った]
願いを叶えない事が願いなら、叶えない事が叶える事。
ですが、貴方が言いたい事は違うのでしょうね。
[負担を減らす為と言われ、やはりという風に頷いて顔を上げる。
そして語られるクレメンスの言葉と心を静かに受け止めていく。
凍らせた心は揺れて、ゆっくりと溶けて、緩んだ封が腕輪の気配をよみがえらせていく。危うい均衡を保ちながら]
[兄弟総突っ込みまでは気づく訳もなく。
しょげた様子に言いすぎた? とは思うものの]
……それって、おっちゃんと精神のを抑えるために、お前が犠牲になる、って事だろ、よーするに。
犠牲になる、っつーのは、見た目はカッコいいし、やってる方はいなくなるから気楽かも知れねぇけど。
……残った方は残された方は、それ、ずっとずっと背負わなきゃならねぇんだよ。
だから、冗談でも考えんじゃねぇ。
[ここまではやや、低い声で言って。
続いたのは、大げさなため息]
大体、そこまで悲観しなくてもいいだろーが。
前向きに考えろ、前向きに。
――…私の『願い』、オティーリエの『願い』――…
[青年の口元には、いっそ優しげな笑み]
止めないなら、止まる筈も無い。
私は――…『願い』を叶えますよ、クレメンス。
貴方が得られなかった機会を、手段を、手に入れたのですから。
[言葉と共に黒の腕輪をもう片方――左の腕に嵌める。
少しずつ心の封を説き、使える力を戻しながら青年は微笑んだ]
―― 西殿・廊下 ――
[風竜に低音で諭され?ると、いちいちごもっともと頷く]
はい…もう、考えません、から。
そうですね…俺にも、まだ、出来ることがある…きっと…
/*
今回はある程度力ずくバトルコースでなく、説得されコースを目指しているのですが、ラスボスがへたれては意味がない。
心を揺らしつつも目的に邁進して――止められつつ力尽きるくらいがいいのですが難しいです。
それしか『出来ない』って思っちまったら、その時点で負け。
一意専心・終始一貫に見えても、実際には諦めてるのとかわんねぇ。
[さらりと言って。
きっと、という言葉に、にい、と笑う]
とにかく、剣、何とかしねぇとだな。
ギュンターの爺様の話じゃ、真・聖魔剣への昇華は無理らしいけど。
周り見えねぇインテリは無茶やらかす、ってのはパターンだし。
[人間界で何度かあったようです、そういう事が]
―客室のひとつ―
[長い間休息を取ってしまったようで、身を起こすと体が重かった。
ふると頭を振り、寝台から降りると顔を洗い身支度を整える。]
長く眠ってしまいました。
[舌打ち混じりに呟き、眼鏡をかけて部屋の扉に手を掛け押し、足を進めた。]
止めて欲しかったのかね?
だけど、そいつは俺の役割じゃねぇよ。
おいさんそんな若ぇわけでも、優しいわけでもねぇからな。
[穏やかな笑みには、快活な笑みを返して。
腕輪を嵌める様を見つめる。]
羨ましいよ、お前らが。
[それでも願いをかなえると、はっきりと口にした心竜に、酷く穏やかに微笑んだ。]
―廊下―
[なにやら声が聞こえた気がして足を向ける。
小さな人だかりと、遠くから見ても真面な状況ではないと分かる機構の様子に、一瞬固まってから足を向けた。]
…何が…?!
[踵が床を打つ。]
[床を蹴る音と、気配に視線をそちらへ向ける]
あ、雷撃の姉さん。
[呼びかけつつ手を振ると、肩のピアも一緒に手をちたちた振り]
すみません、疲労がたまって居たのか、だいぶ寝過ごしたようです。
エーリッヒ殿が居ると言う事はまたこちらに送られたのですね。
ご無事そうではないですが…何か出来る事は無いですか?
[ピアに少しだけ表情を緩めた後、エーリッヒの様子に強く眉を顰める。
…自身に治癒の技など無い事は良く知って居たのだけれど。]
[剣を、という風竜の言葉に、はたと思い出す]
そうだ、剣は、今、どうなって?
ベアトリーチェが、ノーラさんに渡したと言ってた、けど。
[まさに雷撃の如くに駆けてきた雷竜には、笑みを向ける]
え、と。だいじょうぶ、じゃないけど、だいじょうぶ、です。
ユーディットさん、のおかげで、痛みはないですし。
[どうやら、時空の停滞のおかげで神経系の伝達速度が遅れている様子。それを自分の力でさらに痛覚として感知するのを避けているとか、そんな感じらしい]
んー、休もうとしねぇの多いし、ちゃんと疲れとるのはいいんじゃね?
[お前も休め、という突っ込みは知らない。らしい]
うん、虚竜王の八つ当たりで。
あと……爺ちゃんが、こっちに。
剣は……二本とも、揺らされた連中の方に渡っちまってるよ。
[ため息混じりに、状況を説明]
[エーリッヒには、眼鏡の奥の目を痛ましそうに細めて]
充電が必要なら言ってくださいね?
[そういう問題ではなさそうだが。
ティルの言葉には目を見開いて]
ザムエル殿が…!!
では剣がひとつになってしまうのでしょうか?
振るわれたなら一体何が…?
[息を飲んだ]
[なんとなく、そんな気はしていた。浸食する剣の力の中に見え隠れする対の気配]
それじゃ、やっぱり…時間は無い、ですね。
[ゆっくりと、身を起こす。さらり、と僅かにどこかが崩れた]
…ふざけんな。
[抑えた声は、そのままぶつけたら壊してしまいそうだったから。]
消えればとか、壊れちゃえばとか、そんなこと思うんじゃねぇ。
[機竜の長兄の誕生に深く関わったのもあり、幼い頃から見てきた機竜達は弟も同然の存在だったから。]
さっさとここ出て機鋼王んとこのラボぶち込んでやっから…覚悟しとけな?
んー、なんか、ギュンター爺様の話だと、剣を一つにするのはできねぇみたい。
[その術の推測はあるが、あくまで推測なので、言いはせず]
だから、無茶やらかす前に剣を取り戻せばいいんだろうけど。
[両方が結界外に出されたら、手は出せない。
さてそこをどうするか、と思った矢先に立ち上がるエーリッヒの様子に]
ちょ、だいじょーぶかよ、ほんとに?
[雷竜の言葉には、目をぱちくりと]
充電…あ、お腹すいた時にお願いすれば良かった!
[今更気付いた]
ありがとうございます、無事に戻れたらお願いします。
[崩れ続ける身体にエネルギーだけを貰っても意味は無さそうだったので、そう言って、また笑った]
[焔竜の声に滲む想いには、さらにごめんなさい、と眉を下げる]
あー、機鋼王のラボにこの状態で行ったら、なんか喜んで改造されそうな…
[多分正解]
[身を起こそうとするエーリッヒに、慌てて]
無茶をしてはいけません。
貴方が無茶をして何かがあった時、悲しむ人が居るのでしょう。
[少しキツい目をして、言葉を紡ぐ。
その後目はダーヴィットに向き、抑えてくれるのだろうか、と。
…当の焔竜も元気そうにはあまり見えなかったが]
[無事に戻れたら、の言葉には眉を力一杯顰めて]
無事に戻りますよ。
誰も彼も。
[睨む暖かみある目は風竜王の指導をする時と変わらない。]
[心配そうな、周囲の声には、まだかろうじて生身のままの右手を上げた]
だいじょうぶじゃないです!(きっぱり)
でも、じっとしてたら、先には進めませんから。
[時を留める時空の結界を、自分の足で踏み越えた]
[結界を踏み越える機綱に眉を顰めたまま]
自分でまずいと思う前に引くのですよ?
[パチと手の中に小さな静電気が起こった。]
[こっちはこっちで、燃料タンクに被弾した戦闘機状態だが、それはとりあえず棚にあげておくとして。]
ともかく、どっちかがこっちに居るときになんとかするしか無いだろ。
もしくは…結界を維持してる奴をなんとかすりゃ、フラストレーション溜まり放題の王達がちょちょいと…
[それもかなり危険です。]
おま、それをきっぱり言うのかよっ!
[突っ込みいれつつ、止める事はしない。
留まり、守られるだけでは何も変わらないのは事実だから]
……ってとー。
んじゃ、この中でできる事は……剣探し、かな。
あと。
内側から結界破る方法がほんとにねぇのか、探してみねぇ?
……精神のは、暴れると『悪い方向に』壊れるって言ってた。
てことは、『良い方向に』壊す事も出来る、って事だよな?
[確かめるように問いかけつつ、ぐるり、場にいる者の顔を*見回して*]
…古傷開いたんだっての。
そこだけ生命力巡んなくなってるから、簡単には塞がらないんだよなぁ…
[一枚足りない三枚翼をぱたり。]
[その古傷のことは、兄達のメモリーの中にも有り]
人のこと言えないじゃんか!俺抱えて動いたりしてっ!
無理ばっか…
[そーだ、と思いついた顔で、案ずる様子でこちらを見ている雷竜を振り向いた]
この馬鹿が、また無理しそうになったら、雷撃で眠らせちゃってください!
[いや、たぶん、自分が先]
[ティルの言葉にふむ、と頷いてくっと拳を握り締める。]
そうですね。
何か手が無いか…比較的元気な私が走り回るのが良いと思います。
[ゴゴゴゴと効果音を出しつつパリパリと音を立てた。
それから眼鏡の奥の濃紅で回りを見渡した]
[クレメンスがオティーリエへ何を抱いていたかを、茶を啜る青年が気付いていたかは窺えない。
ただ、生命の竜の穏やかな笑みを見る眼差しは、凪いでいた]
[風竜の提案には頷いて]
俺は、さすがに剣を探し回るってのは無理そうですから、結界を調べてみます。
[幸いメモリーとの接続は生きている。更に結界の維持者が対である精神と判った今なら、何か新しい手段が考えつけるかもしれないと、そう言った]
[エーリッヒの言葉と、ダーヴィットの言葉が耳に入ると
至極真面目な顔で]
えぇ、貴方に限らずそうしましょうか。
[深く頷いた。]
別に無理なんかしてないんだけどなぁ。
やれる事やれる範囲でやってるだけで。
[それが無理だと(略)]
まぁ、俺も探ってみるさね。
[小さな灯火を偵察に。]
/*
あぁ、村側動き出してくれて良かった。
でもオティーリエに墓下の負荷掛け捲りでごめんなさい。
会いたいけど、ラスボスは地上で踏ん張るべきだと思うのです。
―東殿/どこかの部屋―
[茶を飲み終えた後、生命竜が回復に努めるのと同様、青年も体を横にせぬまま浅い眠りについていた。
腕輪は今のところ所有者である青年を苛む事はなく、沈黙を保っている。それは精神と影輝のニ者が共にある為だろう]
――…そろそろ、動けるかな。
[二つの剣を一つにする為に、まずは邪魔をする力を持つ者を排除する必要があると寝台から降り立つ。上体が少しふら付いたが、壁に手を付く事なく姿勢を正した]
私も何か無いか探してみますね。
[探知等が使えないのが歯がゆいが、そういって手をこまねいて居るつもりは無い。
誰か共にか一人かは周りの竜にまかせ、廊下から歩き中庭へと出た。]
―中庭―
―中庭―
[うすらと漂う水の気配、水鏡が外の様子を写し出す。
暫しの間見つめ手を伸ばせば生れ広がり消える波紋。]
ここは外と通じていたり…しないのでしょうか。
[思うは言葉となって口唇から零れる。]
[そうして、浅い眠りの内に判断した自身の状態を手短に伝える]
剣と共に結界へ入るのは、今は無理のようです。
中でバランスを崩したら結界が弾けかねません。
ですから――…私の代わりにオティーリエを頼みます。
[彼女は無理をするから、と哀しげな眼差しで微かな笑みを浮かべ]
剣を手に迎えに行きたかったのだけれどね。
怪我をしたら呼びますから、それまでは彼女と剣を。
[頼みます、と信頼の心を寄せて前を向く]
二つの剣を――…一つにする為に。
[秘なる書の青年は禁じられた知識と、かつての友から覗き見た秘密を引き出していく。二つの竜王。天聖と影輝。
十五竜王は結界の中に、ならば代理の、または新たな――…]
探さなくてはな、エレオノーレ殿を。
[足元には*影*]
―回想―
御師様が…。
はい、先にそちらですね。
[掛けられた言葉に逸る心は一時鎮まる。
神斬剣は聖魔剣と違い、個としての意識を投じてはこなかった。
つまりそれは、何かあればより直裁的な力となって動くはずで。
それだけ負荷の掛かり方も大きそうだった]
―回想―
[案の定、食堂に寝かされていたザムエルは精神的にもかなり磨耗した様子で。それが心竜に掛けられた呪を振り払うためでもあったのだとは知れなかっただろうが]
…私ではここまでしか。
[初歩の治癒術では血止めをするのが精一杯というところ。
後は少しでも回復力が上がるように力を注ぎ込む程度しか出来なかった。それも命竜のそれとは異なり、どこまでもゆっくりとしたものでしかなく]
気付かれましたか、御師様。
はい、状況は…。
[ティルと一緒に説明をした。
剣が二振りともに相手側の手にあることを知ったザムエルが強引とも見れる方法で傷を塞ぐのを見、少しばかり悄然となってしまうのは止められなかった]
―回想―
[ギュンターの所にゆくというティルにはついていこうとしたのだが。少しばかり状態が追いつかなかった]
…もう少し、ここで休んでから。
それから私は剣を探してみます。
[隠されているだろうそれを見つけ出すのは、たとえまだ結界内にあってもそう容易いことではないだろうが]
私は私の出来ることを。
何か分かったら教えてください。
[ザムエルから送られただろう視線には、あえて沈黙を返す。
そう、本当は「動けない」のが正解だった。ザムエルが落ち着いたのを見て、少しばかり安堵してしまったがために。
過剰な力は身体に負担を掛ける。今は酷く「疲れやすい」状態で。それでも口には出さなかった。出せば心配をかけるだろうし、階上へと向かう相手など怒りもするだろうから]
─西殿・廊下─
[それぞれ動き出す面々を見送り。
さて、自分はどうするか、と考えて]
んー……。
オレの力は、起きた事を感知する、方。
積極的に探すには、むかねぇよなぁ。
あ、てゆーか。
今の話、爺ちゃんたちにもしとかねぇとヤバイか。
[二人はまだ食堂にいるだろうか、と考えつつ、そちらへと足を向ける]
―回想―
[エーリッヒ達の話を聞けたのはいつだろう。
聞いたのは彼らが動き出した後で。心配ではあったけれどその邪魔をしないようにを先に心がけた]
[そして自分は。剣に向かって何度も「声を掛け続け」た。
少しでも反応を引き出すことが出来ないかと。届く可能性が低いことは承知の上で、それでも諦めずに]
―回想終了―
[何度目かの休息の後。
今もまた、目を閉じて意識を澄ませて声ならぬ声を紡ぐ]
─西殿・食堂─
[食堂に戻り、状況を話して。
探査を試みるというエルザの邪魔をしないように、出て行こうとしたものの。
八つ当たりの後遺症が出たか、やや、足元が覚束なく。
……そんな状態で外に出してもらえるというのはさすがになく。
しばし、そこで休息を取る事となった。
実際、きつかったのは本当で。
どのくらい眠っていたかは自分でもわからなかったものの]
……ふわ……。
[目覚めて最初に目に入ったのは、眠る前と同じように意識を澄ませるエルザの姿]
[あの部屋に人は来ない。
ばさりと蝙蝠がはばたいた。]
―地下室―
[と、先ほどまでは反応しなかった首飾りが、かすかに熱を帯びた。]
[まどろみの中から、一気に覚醒する。
逃げ場は無いわけで。]
――まだ平気でしょうかね?
[快調には程遠いけれど。
そばの闇を、そっと掴んだ。]
―東殿・どこかの部屋―
[声に目を開ければ、アーベルがすでに立ち上がっており、ふらつく様子は辛うじて見えなかった。見ていれば、後に頼まれた事には従わなかったろう。
続くように自分も立ちあがる。
何度も繰り返した転移と治癒、そして剣を持ったときの反動と、三対の一つが欠けた影響は、こちらは頭痛と自己の回復方面に出たようで。
失った体力の戻りが遅い。今も完全には少し足りない80%といったところか。
目の前のアーベルよりは大分マシだとは思ったが。]
ん、了解。
…できればずーっと休んでてほしいもんなんだが。
そうもいかないんだろうな。
[完治はしていない様子に小さい溜息はついて。]
オティーリエの方は了解したけど。
王子でなくておっさんだって知ったら何て顔すんだろうなぁ。
[比べなくてもおっさんが行った時点で酷い顔になるでしょう。]
…ま、お守りくらいはするけどよ。爺さんたちも気にはなるし。
それよか、早くお姫様をお迎えにきてやってねぇ。
…イザというときの例の件も、継続了解だ。
[へらりと笑い、声と心に応えた。]
―東殿・どこかの部屋―
まぁ無理すんな。
怪我でなくとも、何かあったら呼んどけ。
[決意するような声にそう言いながら、自分はその場からゆらりと消えた。]
さってー。
[どうしようか、と考える。
属性的にも関わり的にも、剣探しは自分に向くか。
奪還で荒事になるなら、率先して動くつもりだが。
その点に関しては、火炎や機鋼に無理をさせるつもりはなかった]
問題は、どこにいるか、だよなあ……。
[的確に探せそうなのは、目の前で意識を凝らす天聖の竜だろうけど]
―西殿食堂―
[重ねの刻印を外しての感覚でも、その正確な位置は掴み取れない。未だ竜皇殿の全てを知るわけでもなく、西殿とて今回使われるはずだった場所しか教わっていないのだから、それは予想の範囲外だったりもしたのだが]
あ…?
[小さな小さな声が洩れる。
ティルが目覚めたのにも気付かぬまま、必死にその気配を追いかける]
『聖魔剣。今何処に』
[響きは風は揺らさぬままに、唇が動く]
―――。
[ぱちりと目を覚ました]
……?
[少しだけ、何が起こったか分からないように、周りを見渡していたが、はっと気づくと、その身を起こした]
大地の!?
氷の!?
[叫んで、辺りを見渡すが、誰の姿もない。
……それどころか、いやに静かだ]
……どういうこと?
全て、終わったのかしらぁ?
[ざわつくような流水の気配は感じない。
いや。流水どころか、どの属性の気配すら、いやに静かで―――そこで、ナターリエは自分の体に残っていた氷の力が全て消え去っていたことに気づいた]
治ってる……?
氷のが、治してくれたのかしらぁ?
[疑問に答えるものはいない。
今はただ疑問を解消する術もなく、ナターリエが部屋から抜け出した]
流水竜 ナターリエが「時間を進める」を選択しました。
―西殿・オティーリエが居た部屋―
[一度来た場所、再び戻るのは簡単だったが。]
…居ない。
何処行った?あー、まさか食堂とか。…でもなぁ。
[回復の為にも食べておけ、とは言ったが。今剣はオティーリエが持っている。そのまま顔を出す事はないと思ったが。
剣の気配も無い。争ったような跡はないから、見つかったわけではなさそうだが。
何処だろなーと思いながら、暢気にふらふら、とりあえず食堂の方へ。
食堂といえば、腹ペコ竜が居る可能性だって高いのに。
色々懲りてない気もする。]
―地下室―
[答えを告げるように、熱を帯びている。]
[彼女になにかは伝わらずとも、それが異常事態であることはよくわかった]
――まったく、厄介ですね。
この剣は。
[ため息。
そうして、手にしたのは一振りの闇の長剣。]
……。
[カツン……カツン。
と、嫌に自分の足音が響いた。
部屋の外へと出てみても、やはり、気配はほとんどしなかった]
終わっては……いなそうねぃ。
終わっていたのならば、ここまで気配がしないほうが、逆に不自然、か。
[ならば、昨日の結果はどうなったのか。
「揺らされている」精神を止めることが出来たのか。
はたまた、大地のが所有している『力ある剣』が奪い取られたのか。
もしも、まだ騒動は続いているのならば……誰が今度は結界内に閉じ込められたのか。
考えることは山ほどある]
さて……どうしようかしらねぃ。
精神竜 アーベルが「時間を進める」を選択しました。
精神竜 アーベルが「時間を進める」を取り消しました。
[一人で考えてるならば答えは推測の域を出ない。
全ての疑問に答えるような証拠が存在していないのだ。
当てもなく、ナターリエは歩き続け……やがて、食堂へと辿り着いた]
……一先ず。
喉の渇きでも潤しましょうかねぃ。
[食堂へ入り、そのまま足を台所へ向けると―――]
―――水の、気配?
[もちろん、台所ゆえに水の気配があるのは当然だが、それ以外に、水の力を使ったような匂いを感じる]
何故、こんな所で?
[それは、オトフリートが聖魔剣の場所を隠すために仕掛けておいたものだったが、聖魔剣が結界内に移動した以上、それを知る由は、もう無い]
―西殿・回廊食堂前―
[ふらふら食堂付近まで歩いていけば、やっぱり中には人の気配。
入り口に立ち、聞き耳を立てる。]
……。
[いぶかしみながらも、トラップの類は存在していないのをナターリエが確かめ、まあいいかと無視して、適当に台所内を散策して、飲み物を見つけると、豪快にそれをラッパ飲みした]
……くはぁ!うまい!
[なんか、妙におっさんくさい]
それにしても、誰も説明してくれる人がいないのは困りますわねぃ。
[飲み物を片手に、ナターリエが適当にテーブルに腰をかけた]
うーむ。どうしようかしらぁ。
―地下室―
逃げ場はないけれど
[エルザへと答えをささやく剣など、気にせずに。
まったく、目くらましで残してあった場所から、蝙蝠を引き上げさせる。]
[地下室の闇は、濃い。]
[迎え撃つには良い場所だが、そのまま逃げ道もない。]
─西殿・食堂─
[そろそろ動こうか、と思いつつ。
集中が深まったようなエルザの様子に、一つ、瞬く。
それと共に近づく気配があり。
ロッド手にして、ドア方面に移動してみたりする]
―結界の外―
[青年の気配は消せても腕輪のそれは消せないまま、結界の外へと歩み寄る。集中して剣がなく力を封じる銀を嵌めた右の指先を伸ばし、触れた]
………。
[ちり、と熱にも似た痛みに腕輪の気配が揺れる。
予想はしていたが、通り抜ける事は可能でも内部に入るのはあらゆる意味で危険と思えた。それでも試したのは万一の時の為]
< 海に抱かれるような心地がする。
それは生まれるより前、光と闇の合間を揺れていた頃に似る。
何も考える事なく、ただ、均衡を保つべく在った。
目も耳も口もなく、ただ、全てを写す。
遠く近く、静かな、声が聞えていた。青年の影が、滴を落とされたように微かに揺らめいたのは、灯りの所為だとでも思われただろうか。
名が一つ、紡がれる。
誘われる無い筈の瞳、一つめの眼を開くと、世界が見えた。
深い水の底に居るようで、遥か彼方の天を仰いでいるようだった >
影輝竜 ノーラが「時間を進める」を選択しました。
―西殿・回廊食堂前―
[探知能力はやっぱり苦手というか。
そもそも琥珀色のあれを使わないと探知は難しいのに、アレ使ったら隠れているのがスグばれるので、使わずに中を声やら気配やらだけで探っていたわけだが。
つまりは、誰かが近づいても今は気づかない。]
―西殿食堂―
[羽搏きのような何かが混ざり、声は再び遠ざかる。
けれど最後に感じたのはここよりも深い、濃い闇に包まれた場所]
…下っ!?
[弾かれるように立ち上がった。椅子が倒れ、派手な音が鳴る]
精神竜 アーベルが「時間を進める」を選択しました。
精神竜 アーベルが「時間を進める」を取り消しました。
─西殿・食堂─
[風の力を使わず、気配と足音を消す。
ここらは、人間界での何でも屋稼業で身についていた。
扉に近づいた所で響く、エルザの声と椅子の倒れる音]
下?
[呟きながらも、意識は扉に集中]
―地下―
[戻ってきた蝙蝠は、闇に溶け込み。
それらは幾つかの礫になる。]
[腕にまとわりつく闇は、布になり。]
[暗い翠の目は、扉を見据える。]
―西殿・回廊食堂前―
[派手な音に、何事かと隙間から片目を瞑って覗き込む。
多分、この現状傍から見たら凄く怪しい。
辛うじて見え感じたのは、中央にエルザとザムエル。
手前にいるティルには、近すぎて逆に気づいてない。
とかやってたら背後に何か居た。]
うおぁ!
ちょ、ダーヴィットかよ!
ばっくりしたー。
[心臓に手を当てて引きつった笑みを浮かべる。]
< 仄かな光をともした瞳と、深い闇を象った瞳が天を視る。
此処が昏いのか世界が暗いのか、水面の向こうに在るのは黒の輪郭ばかり。
どれもが同じ色なのに、どれもが違っているように思えた。
届きそうな距離に、近しいものがあるような気がした。
それが、己が属を有した剣――今は腕輪であると、理解していたか否か。
求めるように、感覚の無い手を伸ばした >
―西殿・回廊食堂前―
ああそうだ、そういやお前さんも怪我ってたんだっけか。
ちょい貸し。
[言いながら、怪我部分―背に回り、動かない翼の根元に手を当てる。]
─回想 西殿・食堂─
[エルザとティルから粗方の情報を聞き、ギュンターの下へ行くと言うティルをそのまま見送る。未だここから動くには痛覚の増大が影響し、難しいところがあった。
同じく残ると言うエルザに視線を向ける。言葉をかけぬそれに返ってきた沈黙には心中で溜息をついた]
[剣を取り返す。そうは言っても今の体調は万全ではない。無意識の中で意識の奥底に張り付いた言霊は砕いたが、増強された痛みによる影響は未だ消えず。回復までにしばらくの時間を有する。
エルザと共に食堂内でしばしの休息。ティルが戻ってきたのはどれほど経った後だったか。再び得られた情報を聞き、己の中で整理する]
…やはりやるべきことは限られて居るかの。
剣を探し取り返す、結界の安全な解除を試みる。
事態を打破するは、この辺りか。
[誰に向けたでも無い呟きが漏れ落ちた。その後、ふらつく足でまた探索に出ようとするティルを引き止め半ば強引に休憩させる。己も同じく再びの休憩を要し、そして今に至る]
─回想終了─
盗み聞きとは、趣味悪いなぁ…うん。
[色々不具合持ちでも、身体能力で遅れを取ることはあんまりない。
クレメンスを取り押さえようとひっつかむ。]
―西殿・回廊食堂前―
[傷はすぐに癒される。ちなみにこの時点で琥珀粒子が乱舞しているので色々アウトなきもしなくもなく。]
…あれ。今は回復させない方がいいんだっけ?
[とか思ったのは、ダーヴィットにひっ捕まえられた後でした。]
[巻き込んだにも拘らず、頼らせてもらってばかりだと青年は思う。
だからこそ、万一の時には彼等には逃げて欲しかった。『願い』を叶える為の剣と共に。結界を確認したのも、その一環だ。
王子、と心話で言われた時に微かに苦笑が零れたのは秘密の事。
彼女は守られるだけのお姫様ではないし、青年は…彼等を巻き込み利用した存在なのだから]
[直後、扉の外で動く気配。
いろんな意味で止まってる理由はない、と思ったから、思いっきり扉を開けた。
ドアは多分、内開き]
……うおりゃっ!
[扉を開けた先にクレメンスを認めたなら、元気いっぱい、伸ばしたロッドを振り下ろす。
……巻き込みの可能性? 考えてない、ない]
─西殿・食堂─
[まどろみに似たそれは立てられた大きな音により途絶える。すぅ、と閉じられていた瞳が開いた]
……何事じゃ。
[視線は立ち上がったエルザと、扉の近くに立つティルへと]
っと…!?
[背中の古傷に触れられて、びくり。
その部分から本来あるはずの一枚目の翼までは魂を失い、腐り落ち死に絶えた骸。
塞がらぬ傷口からこぼれ落ちる命の欠片。
もっと詳しく分かるなら、二対目の翼だけが非常に若いことにも気がつくかも。]
―西殿・回廊食堂前―
[扉が空いて届いた殺気に、捕まれていたが無理やり捻って体回避。ここらへんは条件反射に近いものが。
間に合えば、ダーヴィッドにロッドの矛先が向くのだが。]
―中庭―
[水鏡を見ていたけれど、大した情報となりそうなものは見えず、溜息を着く。
こちらから向こうに繋がっているのだろうか、と思えば水鏡に向かって雷を飛ばしてみるも、パチパチと水を伝う雷は表面を滑り、空へと霧散する。]
…術?
誰かが…ここから向こうを見る為に?
[腕を組み、空を見上げる。
結界の内側から見える空は、何時もと違うように見えるのは気のせいなのか事実なのか。]
―中庭―
[左の黒腕輪――『神斬剣』から影輝の属が揺らぐのが伝わる]
……あぁ、そこにいたのですか。
[足元へと伸ばされる黒い手に向かい、右の手を差し出す。
いつかの時のように、紳士へも淑女へも思える仕草]
―地下室―
[これが反応するということは、と、剣を見て。
扉へと近付く。]
[あけると、そこには無数の欠片。
ゆるりと手を伸ばし、ふたつの欠片の姿が変ずるのを見る。]
[そのまま戸を閉めた。]
[ふたつの欠片がどんな形になったのか、そしてこの地下室に来るのは誰なのか。
まだ、彼女は知らない**]
あ、ごめん。
[見事に巻き込んだ火炎の竜には軽く言って]
つうか、文句はおっちゃんに!
[早口に言いつつ、引き戻したロッドを再度、クレメンスに向けて横なぎに叩き込む。
高速回復をする相手を押さえるには連続攻撃が一番、という事らしい。
とにかく、こうでもしないと捕まらないから、とか。
結構真剣に思っているようです]
─西殿・食堂─
[どっこいせ、と掛け声をかけて椅子から立ち上がる。扉の先にロッドを振り下ろしたティルを見やりながら足はそちらへと]
[途中攻撃を食らった者のくぐもった声が聞こえた気がした]
―西殿・回廊食堂前―
[翼に当てた癒しは、あまり効いていないようで。
あーこりゃダメな部類だなとは感覚的に。
ダメな部類とは、エーリッヒの無機物だったり、呪いがかけられたような傷だったり、それから身体的に限界がきているものだったり。
ダーヴィットのは3番目のに近いかな、とか思っていたが。
がっつり捕まれて、わーい逃げたいなーと思っていた矢先にティルの一撃が身体を掠める。
身代わりはダーヴィットにお願いしました。合掌。
その拍子に手は離れ、すたこらさっさと逃げ出そうとしたら横薙ぎの一閃が。こちらは流石に避けきれずにクリーンヒット。
壁にたたきつけられる。]
い、って!
[背中と脇腹の痛みに軽く顔を顰めるが、それも直ぐに修復される。
それでも逃げ出す足は大分鈍ったが。]
―西殿食堂―
[直後にやってくる反動。揺り返しの眩暈をテーブルに手を突くことでどうにかやり過ごす]
はい、今の声は…。
………。
[顔を上げれば扉前は騒動の真っ最中]
< 触れる手。
水が湧き出るように、揺らぐ影は立体へと至る。
まるで青年とそっくりな、しかし、真っ黒な人形のように。
音もなく蠢き、其処から徐々にかたちを変えていく >
流水竜 ナターリエは、精神竜 アーベル を投票先に選びました。
[ふぅむ、とひとつ呻いて小さく両手をホールドアップ。]
…ここでは判りません。
別の場所へと行きましょう。
[独り言を呟いて、中庭を後にする。
それからコの字になる建物の端、入り口から建物へと入り、階段へと向ってゆっくり歩く。
ふよふよと浮く欠片はひょいとかがんで避けたりしつつ]
逃がすかっ!
[叫びつつ、逃げる後を追う。
暴風警報発令中。
なんかムキになってるのは気にしちゃいけない。
結局は結界の内外を移動できるクレメンスを抑えておかなくては、剣がどちらも結界外へ出てしまう、という危惧があるからなのだが]
……考えてみれば、終わっていない、ということは、精神を止められてない、ということですわねぃ。
誰が結界内に囚われたか。『力ある剣』がどうなったのかは分からなくても、これだけは確実ですわぁ。
[くぴくぴと。
考えながら、飲み物を飲んでいく]
とは言え。
一人で相対するのは、無理がありますわねぃ……。
誰か、味方は残ってないのかしらぁ。
[最後の一滴まで余さず飲み干すと、空になった入れ物を適当に投げ捨てて、ナターリエが食堂から出て行った]
―― 結界の傍 ――
[ずっと立っていることは出来ずに、地面に座り込んで、結界の壁に生身の右手を沿わせる]
ああ…感じるもの、なんだ。
[或いは結界を強化した虚竜王の力のせいなのか]
―中庭―
[自身の姿似のような影を、青年は口元に笑みを浮かべて見つめた。その瞳は真意を覗くように紫紺から赤紫へと変わっていく]
あなたの『願い』は――…何?
[エレオノーレ、と音なく青年の唇が紡ぐ。影ではなく個の名を]
─西殿・食堂─
[扉傍は騒動の真っ最中。ティルが元気にクレメンスをしばいて居る。
しかしそれを止めることなく視線はエルザへと。この二人はとりあえず大丈夫だろうと思ってるとか。一応は気にかけつつエルザに]
声じゃと?
剣からの声が聞こえたのか?
―西殿・回廊食堂前―
[足が鈍れば風に適うものはなく。
腕を取られ馬乗りにされればあっさり床には倒れ伏した。]
ぎゃー。離してぇー。
[本気とはいえない悲鳴をあげれば、きっと怒りは煽られるか。]
――…、
< 紡がれる名。影はまた、容を変える >
“私”を知りたい。
< 右半身は暗い影の侭。
左半身は、皆の前で取っていた「エレオノーレ」の姿を取る。
影竜王の影であることを、旧き記憶の器であることを命じられ、僅かに王の姿を似せて象られたそれは、真に、己自身と言えるか定かではない >
[複雑に絡み合う、結界の術の中に、織り込まれた術者の想い…いや、意志か]
自由…でも…
[他者を封じることによって得る自由とは、何?]
ああ。
考えてみれば、水で探知すれば……って、床が乾いていますわぁ!
も、もう探知出来ない……。
私の栄光は短かったですわねぃ。
[大げさに、肩を落としてうなだれたが]
まあ、いいわぁ。
歩き続ければ、誰か見つかるでしょう。
[すぐに復活して歩き出した。
それにしても、大雑把である]
中:
ナタ、一人にしてごめんよー!
おいさんは今西殿で捕まえられてるのが><
じったんかベアちゃんあたりがきてくれるといいんだけどねぇ。。
─西殿・食堂近辺廊下─
[予想よりも容易く捕まえられた事にやや、拍子抜けしつつ。
しかし、ここで気を抜く訳にはいかない、と力は抜かない。
成長途上で悩み中とは言え、竜としてはれっきとした成人。
力はそれなりにあるんです]
……離せ言われて離すのがいるかああああ!
[軽い物言いに、ぴくりと何か反応したようですが。
物理的な突っ込みいれる前に、ピアがキックにいきました。
疾風竜に比べれば、全く軽いだろうけど]
前ほど、明確には聞こえませんでしたけれど。
確かに聖魔剣の意思でした。
[ザムエルに頷き、倒してしまった椅子を直す。
クレメンス周りの攻防戦が止まるのを見て]
多分こちらから。
行きます。
[表情を引き締め、食堂から*出ようとする*]
あなたがあなたを知る為に、何を求める?
[暗い影の半身と、エレオノーレの半身。
両の目で見つめながら青年は囁く。その心に染み入るように]
私の『願い』を手伝ってくれるなら、私もあなたを手伝いましょう。
…どうしたら。
[ゆるり、足取りは重くなる。
階段を上がる途中ふと足を止めて窓から外を見る。
まるまる封じる結界。
王達に会いたい、そう思っても開かない会議場。]
─西殿・食堂─
ふむ……聖魔剣はこちらに、神斬剣はあちらに、ということじゃろうか。
神斬剣の気配はここにはない。
クレメンスがここに居ることから、アーベルが持っている見て良いじゃろう。
となると、聖魔剣を持って居るのは…。
[脳裏に浮かぶのは知己の姿。少し苦い表情となる。行くと言うエルザに気付くと]
待て、お主だけでは…!
[そう言ってその後を追う。騒ぎの原因はそのままに向かうことになるだろうか]
[思いを馳せながら目線を巡らせる。
ふ、と息を吐いて背筋を伸ばし、頭を振った。]
いけません。
前向きにならないと。
―西殿・回廊食堂前―
[ティルの怒号にもへらりへらり。
相変わらず軽薄な笑みをうかべていたら、ピアに顔を蹴られた。]
わーい。ぎぶぎぶ参った。
[まぁ可愛いものだったが。いやほんとに。
比べる対象がオティーリエの一撃だからそりゃそうだとかは置いておいて。]
んでもおいさん捕まえた所でなーんもなんないんだけどねぇ?
[それは存外に剣は持って居ないと言ったようなものだったが。]
……理を打ち破る力を。
影は影で在らぬよう、
己は己で在れるよう――
< 沁み入る赤紫は、影の色を変える >
剣を。
< 傍に在りながら王の手に在り、触れられなかったもの >
/*
強:エインシェント>通常種>>混血:弱
↓
抵抗できずに負けフラグ。
ひとりで、きてください。
一瞬とかやりたいなら いいんですが。
いや、地上にないと、白反映はしないし。
どうにも なら ない
[いつ如何なる時であっても、結界の維持に精神は触れている。
結界に使われたのは心の力。もしも、読み解けるのならば]
『自由』…を得る為に……邪魔をされない為に…。
先に封じたのは……彼等なのだから……。
[青年の思いの残滓が、ゆっくりと響きあう]
なんもなくても、押さえとかねぇとあぶねぇだろ。
[返す言葉は素っ気無い。
エルザとザムエルが動き出すのは目に入っていたから、そちらの邪魔をされるのが困る、というのも大きいのだが]
っつーか。
おっちゃん、この状況、楽しいのかよ?
[それでも、跳躍されたら自分にはどうにもできないとわかっている。
ならせめてもの時間稼ぎを、と、問いを投げかける。
それは、少なからず気になっていた事でもあって。
声はいつになく、真剣な響きを帯びていた]
―東殿・回廊―
…、ん。
[数歩その小さな足を進めては仔は立ち止り、辺りを見回す。
それを幾度として繰り返す様子は、何かを捜している様であった。
何を求めているかまでは私には判らぬ。
しかしどうやら機竜殿が目の前にて姿を消してから――
幼子の様子は常と異なっていた。]
[寂しいのは、自分なのか、それとも、精神の竜への想いなのか、或いは…もっと違う何かなのか]
封じられた、願い…
[精神の竜の心の欠片は、無機の心に響く]
だから、あなたも封じる?
それでは、永遠に…終わりは来ない。
―東殿・回廊―
[命竜の所から離れてから、あちこちを探していたが。
やはり疲れが溜まっているのか、歩みは遅かった]
……、早く、見つけてあげないと……。
[翠樹の仔の心配をしながら、他の竜が残っていないか探し回る。
雷竜や風竜、剣の所持者である闇竜すら見当たらない。
ここ暫くどたばたしていた所為か、まともに情報が整理できていなかった]
―西殿・回廊食堂前―
うはははは、そいつぁ正しいな。
[危険人物扱いされて、へらりと笑む。]
あー楽しいかどうかは微妙だなぁ。
たのしー!って言うには問題あるし。
[それは封じられた竜王だったり、怪我を負ったエーリッヒだったり、まぁ色々あるわけだが。
届いた独り言のような心の声に、一瞬、表情が止まるが。
すぐにまたへらり、常の笑み。
周囲には琥珀の煌き。
エルザとザムエルの周囲にも、それは舞う。
振り払っても逃れられないのは、そもそも琥珀が二人の内側にも存在しているからだ。]
…ザムエル殿と、エルザ殿?
何かありましたか?
[ぴしと背筋を伸ばして階段を再びあがろうとすると、老竜と天竜の姿が見え。
細く声を、かけた。]
……そう、それがあなたが求めるもの。
理を打ち破る力。
[影輝の竜の答えに、青年の口元の笑みが深くなっていく]
ならば、此方へ来るといい。
あなたが――…剣を持つべき者になればいい。
影竜王が持つは『神斬剣』、『神斬剣』を持つは…【影竜王】
[赤紫の瞳が見つめ、告げるは言霊]
私の『願い』は『自由』を得る事。
刻印、人の姿、そして――『律』から竜を解放する事なのだから。
わかってんじゃねーかよ。
[ばっさり切り捨てた。酷い]
まあ、けらけら笑って楽しい言われたら、さすがにも一発入れたけどな。
[結構本気だ]
……んじゃ、なんで。
[次の問いは短い。
聞きたい事は山ほどあるが、しかし。
それらは全て、この一言に行き着くから。
だから、短く、それだけを投げた]
ところで。ログを読んできたものの、
もはや何処に向かいたいのか判らない俺が、居ます。まいごだ!
……対抗する人、いないしな。
狼勝利ってことで、もうエピの方が、いいんじゃ。
とか、思わなくも、…ない。のは、俺の気のせいか。そうか。
でも、もうやる事が、無い。
剣、まさかの展開で二つとも向こうに渡っちゃったしな。
…ナギを、本気化すれば。……対抗出来なくは、無いけれど。
そんな気力。
俺が、ないz(
[きしきしと、音を立てて、メタルの身体は崩れていく、その欠片の上にも涙はこぼれ落ちて]
ごめんなさい……俺が、もっと早く……
[気付いていれば…?いや、産まれていれば…機鋼の属はおそらく…そのためのもの]
─西殿・廊下─
[エルザと共に廊下を歩む。剣の居場所を察知したエルザに続きながら、周囲に舞う琥珀に気付く]
…何じゃこれは。
[振り払うもそれは離れることなくついてくる。ばたばた動いていると、先から声をかけられた]
ぬ、ミリィか。
エルザが、剣の、聖魔剣の場所が分かったと。
[相手が無事である姿にひとまず安堵。訊ねられたことに返し、視線をエルザに]
…。んん?
これは、…陣営勝利を目指すRP村だったっけか?もしかして。
どーしよ。ほんとう、どーしよ。
メモで聞いた方がいいんじゃねーかな…。
「狼勝利ルートでエピしませんか」って。
[ぽてぽてと。
行く当ても無く、ただひたすら回廊を歩き続ける]
……ヒマですわぁ。
ドカーン!とも、ギャー!とも、ぎしぎしあんあんとも、何も聞こえませんですし。
ふーむ。それとも、私以外全員消えてしまったのですかねぃ。
んなアホな。
[一人でボケて、一人でツッコんでおいた]
まあ……ここにいる人の数を考えたら、そう容易く出会わないのも、おかしいことではないですわねぃ。
それにしても、どこかでものの気配ぐらいは……と?
[そこでようやく止まり、ナターリエが辺りを見渡した]
―西殿・回廊食堂前―
おいさん自分の事は一番良く理解してるからなぁ?
[ばっさり言われた言葉も、本気で言われた言葉も薄い笑みでかわすように。]
何で、か。
[短い問い、だが続きは聞かなくても分かる問い。]
俺もあんな風に願った事があるから…かな。
[紡ぐ言葉は少し低く、そこに嘘は一見すれば見られないだろう。]
―西殿・回廊食堂前―
全部無くなっても、叶えたいもんがあった。
だけど俺の願いは叶わなかった。
まだ、その願いは消えたわけじゃねぇが…。
あの時ほど、強く想う事はもう出来ねぇ。
[想うには、時が経ち過ぎて。]
だから、誰にも理解されんでも、他の全部犠牲になっちまったとしても。
あいつらがそれを願うなら、叶えられるならそうすればいいってな。
まぁおいさんのワガママだな!
[けらりけらり。]
[寂しさも哀しみも、千年かけて静かに降り積もり心に沈んだ澱。
精神を司る心の竜が、忘れる事も消す事も諦める事も出来ず、心の奥底に封じるしかなかった『願い』は、ひとたび蘇れば何よりも強い渇望と変わる。
封じるのではなく、求めるのは解放。
だからこそ竜を封じる王を閉じ込め、『律』を断ち切るのだと――]
ご無事なようで、良かったです。
お疲れに見えますが…お二人とも。
[舞う琥珀を振り払おうとばたばた手を振る様を見て、この琥珀は虫?等と思ったけれど口にはしなかった。]
剣の場所が?
…私もご一緒して宜しいですか?
邪魔が入った時の駆除くらいならお手伝い出来ると思います。
[歳とは言え、眠りすぎて体力は有り余っている。]
[ゆっくりと目を閉じる]
…メモリー…転送…
[記憶を兄弟達に預ける。自分が間に合わなくとも、いつか、その悲しみが癒えるように]
―西殿回廊―
[ザムエルには頷いて、共に歩き出す。
気付かれただろうか、僅かに震えていることを。
心の奥に残っている恐怖。それがどう影響してしまうのかを考えている余裕は、けれど今はなかった]
エミーリェ様。
ええ、見つけました。聖魔剣はこの地下に。
…お力をお貸しください。
[地下にはエルザも足を踏み入れたことが無い。
けれど造りから場所の予想はつく。
闇深く閉ざされた階段の扉を開く]
生命竜 クレメンスは、精神竜 アーベル を投票先に選びました。
―地下室―
[気配を探る。
固まっていたのがふたつ、そしてひとつ。
移動をしているのがわかった。]
[誰かまではわからない]
――まずいですね。
[通常種・エインシェント。わからないが、混血である自分にとって、荷が重い。
だからといって誰に頼らねばならぬほど落ちぶれてもいないし、もしそれがクレメンスなら邪魔にしかならないので意味もない。]
[かといってアーベルを呼ぶなど出来るわけもないし、そうしたいわけもない。]
[使うべきはあの欠片。ふたつしか変えなかったのが悔やまれたが―ー
もし三人であれば、二人を欠片にひきつけることもできるだろうか。]
[闇をそろりと戸からだし、蝙蝠に変じたそれらは、変じていない欠片をそれぞれに抱えた。
一人以上が入ろうとするなら、最初だけでも止めるために。]
よし、冷静に考えよう。びーくーる。
…現在6人。明日吊り襲撃あわせが無ければ4人。
今のロールの様子を見る限り、まだクレメンスが削られる事は無さそうだから、
明日の時点でシステム的にPP。
さらにノーラが揺らされれば、削られるのは必然的に
氷破、流水、翠樹3人の内2人。
……。
…いやいやいや。(冷や汗かいた)
ルートが、既に確定して、いまいか。
クレメンスがこちらに寝返るのかもしれんが。
……しかしタイミングが見えない。
だめだ、明日が見えない。
翠樹竜 ベアトリーチェは、精神竜 アーベル を投票先に選びました。
[地下へ降りる扉にたどりついたエルザたちに、変化したての二体の欠片がとびでた。
闇から出たそれらの体は――何だったか。
そんなものは、作り出した彼女には預かりしらぬこと。]
[語られる言葉を珍しく神妙な面持ちで聞く。
一通り聞いて、それから]
……なあ。
おっちゃん。
『願い』って、なんだと思う?
[小さな声で、問いかけた]
えーと……。
[少し考えている
↓
属性をさぐってみた
↓
寒くて、もさもさしていた
↓
?]
ん?
とりあえず、精神ではなさそうですわねぃ。
なら、名乗り出ましょうかぁ。
私は、流水のナターリエです。
近くにいるのは、誰かしらぁ?
< 影竜王。
其は名を与えたもの。
「エレオノーレ」という影をつくったもの。
影が其になるということは、影が主を呑むということ。
――数多の影が蠢く。
エレオノーレが沈んでいた青年の影のみならず、
残された随行者の影、静物が地に落とす影、仄かな光と薄い闇の合間、
竜皇殿全体の影が、主の許を離れ、意志を持ったかの如く、独りでに動く >
なぁに、この程度。
先程十分に休んだ。
[嘘ではない。尤も完全に戻ってはいないが]
おお、共に来てくれるはありがたい。
取り返そうとすれば抵抗されるのは目に見えて居る。
頼らせてもらうとしよう。
[ミリィの申し出をありがたく受ける。己の体調に不安があるのも事実だ]
[オティーリエを探さないのは、そもそも場所が分からない為闇雲に動き回っても時間と体力を消費するだけだというのが一つ。
万一戦闘状態になれば当然邪魔になるというのがもう一つ。
ただ状況を知るために、琥珀は周りを揺らめかせた。]
…地下、ね。
[声は表には出さない。]
―東殿・回廊エントランス―
この声……
[聞き覚えのある声に、微かに歩み寄っていく。そこには、]
ナターリエ!よかった、もう大丈夫なのね。
[回廊のエントランスに当たるところで、流水竜と邂逅した。
それでもまだ付近に、別の気配が感じられて]
―中庭―
[姿を変える影を見ながら、青年は黒い腕輪に手をかける。
空を飛びたいだけなら、魔に堕ちればよかった。
刻印から放たれたいだけなら、竜王を目指せばよかった。
そうではなく願ったのは、ただ竜としての生。
本当の姿である事に代償を強いる、『律』からの解放なのだから]
/*
だからここで奪ったり奪われたりしても表ログに反映されないからあんまりよろしくないのだって…っ!><
なのでせめてもの時間つぶしを考えると、
そんな 大人数で 混血の 元に こられても まったく 意味が ない よ
という。
こっちも体調悪いからなー
自分の属性の場とはいえー
[エルザが開いた扉から飛び出した欠片に、目を見張って即座に肩当てを投げて鎖を伸ばした。
鎖は扉を穴として対角線を斜めに走り、欠片の進行をを止める。
欠片は、ぐにゃり、姿を変えていく――]
危ない…っ!!
[鎖は、二体の欠片をそのまま絡めとろうと、蛇のようにうねる。]
―西殿・回廊食堂前―
へぇ、ティルが問答とはやるな。
[それは普段の言動からですかと。]
そういうの、おいさんも得意じゃないんだがなぁ。
…こうなってほしいと思う物事。
心の底から欲するもの。
[かねぇと。]
…願い、か。
[起き上がらないまま、ぽつり。]
あのころの俺なら、揺らされてた…かもな。
あのころの願いは、もう叶えたけどさ。
[古い記憶は空への渇望。
それは、機竜の中の古いデータとも、心竜の記憶とも似ているのだろう。
成竜となるために古い鱗を脱ぐ通過儀礼。
その時に目指した変容は、自分の命を担保にした危険な賭け。
脱皮のときに肉体の構成を大きく変えるのは、耐え切れず命尽きる危険性をはらんだもので。
それを克服して手に入れた、二対目の翼。]
…、ブリジット!……と。
…?
[行く先の気配が氷竜殿である事に気付いたか、幼子は嬉しげな声を上げる。
…続く言葉とともに首を傾いだのは、まさか名が出てこなかった為とは夢にも思わぬが。
ふと、足元が揺らぐ。幼子もそれに気付いたか床へと眼を落とした。
仔の足跡。その足元に伸びるあらゆる影が、揺らめいたのが私の眼にも明らかだった。]
……、ノーラ?
[ぽつりと幼子は声を零す。
確かに、この様な事が出来るは彼の竜しか居るまい。]
ブリジット!
[ようやく見つけた竜の姿に、ナターリエが胸をなでおろした]
……良かったですわぁ。
やっと、誰か見つけられて。
[アホな。とかツッコんでいたが、結構真剣に、他の人はもういないんじゃないかとか思っていたようだ]
寒い気配は、貴方でしたのねぃ。
……とすると。
もさもさした気配、は?
[首を捻って、辺りを見渡して、もう一つの姿を見つけた]
翠樹……!
[当然、名前は覚えてませんよ。ええ]
っ!?
[突然、足元が揺らいだ。
こけかけそうになりながらも、視線を足元へ移せば、自らの影が、離れていく姿]
これ、は……!?
─西殿・地下階段前─
[身体は鈍いが動かぬわけではない。傷の残る右手が僅か震えたが、握り込むことでそれを押し留めた。ミリィも共に辿り着いた地下階段前。エルザがその扉を開けた]
…ぬぅ!
[闇より飛び出す何か。形が変ずる最中の欠片だった。身構えた直後、ミリィが鎖の付いた肩当てを投げ、欠片の縛を試みる]
変じ始めの欠片が居ると言うことは、やはり剣はこの下か!
[右腕をローブの中へと引っ込める。ローブの中に隠し、腰に据えていた何かをその手に掴んだ]
[三人のうち、二人を引き離せたらと思えども、闇の蝙蝠が見るのはやはりさすがと言える光景。
蝙蝠たちは抱えた欠片をそこにめがけて叩き込む。
触れた竜の属性をしめす形になるだろうとは予測がついた。]
生命竜 クレメンスは、翠樹竜 ベアトリーチェ を投票先に選びました。
< 全ての影は一箇所に集まる。
結界のものまでを奪う事は、さしもの影も出来まいか。
存在の欠片とも言うべき他者の影を奪い凝縮し一つに固め、黒の――加減によっては深紫にも見える、靄にも似た一匹の巨大な竜へと変わり果てた >
―西殿地下への階段―
ありがとうございます。
[大丈夫、とは言わなかった。
探査の疲れ、力を抑えなくしたための疲労、それらは軽いものではなかったから。だが決して弱くは無い笑みでミリィへと感謝を述べる]
っ!
[そして階段への扉を開けるとほぼ同時だった。
顔を庇うようにして咄嗟に一歩後ろへと下がる。
直後鎖が飛び出してきたそれへと絡みついた]
―東殿・回廊エントランス―
リーチェ!それに、ナギさん!良かった、無事で――
[そこまで呟いたところで、流水と翠樹の影が――それだけではない。
様々な影という影が、揺らいで見えた]
これは……剣の影響……!?
それとも、ノーラが……!
心の底から。
[小さく繰り返す]
オレ、さ。
このどたばた始まって、その根っこにあるのが『願い』って聞いて。
それからずっと、わかんねぇんだよな。
オレにだってほしいものあるし。
叶えたい事あるし……ま、それって無理だけど。
でもさ。
……上手く、言えねぇんだけど。
たくさん、色々、哀しませて、それで叶う願いって、寂しくねぇのかな……?
オレは……たくさんを哀しませた『願い』を託されて、生きてて。
……すっげ、寂しいんだよ……ね。
[呟きは、とても小さなもの]
…っ
[蝙蝠が叩き込んだ欠片のひとつがみぞおちにヒットし、体を折って飛んでさがる。
鎖を戻し睨むと、もくもくとした雲のようなモンスターに変容するのが、見えた。]
…雷、その始点の雲、ですか…
物理的に攻撃しにくそうですねぇ、これはまた…!
[宙に浮くそれから注意は外さず、ザムエルとエルザの方も視線を飛ばす。]
ノーラ……?
[当然、影を使役するのは、彼の竜でしな成し得ない訳ではあるが、それでも、ここまでの力を使用するべき場面とは一体?]
……再会の喜びや、情報交換とかは後回しにしたほうが良さそうねぃ。
ノーラが影を使役しようとするならば、この先にノーラの姿があるのは明白。
その場所に行くのが先決ぽいですわぁ。
[言いつつも、影が向かう先へと走り出す]
ブリジット。
そこの仔のフォローは任せるわよ。私はあまり面識もないですしねぃ。
――…!
[自らの影が奪われし行く先――強大な影が視界へと入る。
其の姿か力にか幼子は小さく息を呑んだ。
無理も無かろう、その姿は私ですら圧倒される。]
…っ ノーラ、
[水竜殿や、氷竜殿から掛けられた声にすら幼子は気付かぬ様子で
新緑の足跡を残し、其の足は竜の姿がある中庭へと向かい始める。]
[半分見失いながらも、なんとか他の影が向かう先も計算に入れつつ、走り続け―――辿り着いた場所は、影と精神のいる中庭。
そこでナターリエは、巨大な影の竜と化しているノーラを見つけた]
影と、精神が、対立している……?
っと。精神がいるなら考えてる暇ない、か!
[すぐさま視線が通らない物影に隠れて、自身は水鏡を移して、その鏡が映し出す映像で、中庭の様子を眺め始めた]
―中庭―
[影が集まり、黒にも深紫にも見える巨大な竜へと変わる。
それは【影竜王】の姿]
――『神斬剣』をどうぞ、【影竜王】よ。
[黒の腕輪を奉げ持つように青年は微笑む。
影輝の力と精神の力、二つが混じり合い、腕輪は剣の姿へ]
『真・聖魔剣』と成し、『律』をお断ち下さい。
[もう一つ必要なのは【皇竜王】と『聖魔剣』
ギュンターと竜都を引き換えに、エルザを、もしくは野心持つ天聖の竜を見つければいいと――…]
─西殿・地下階段前─
[掴んだそれを袖から投げ出すように引き出す。カカッ、とぶつかる音がして、その手に現れるは銀色の長い棒。ミリィが捕えた欠片に突きを放とうとして──目の前へと飛び込んでくる変形前の欠片]
くっ…!
[突きの形から変じてこちらに飛んでくる欠片の叩き落としにかかる。一つは棒に打ち落され、そのまま消滅。しかしもう一つ飛んで来ていたのには反応が遅れた。反射的に左手で払いのける。さした威力もないそれは消滅させるまでには至らず。地に落ち変形を始めた]
……ええい、厄介な。
[形作りしは人型。ただし、その材質は、岩石]
己が属たるものへ変化するとは…。
やりにくいことこの上ないのぅ。
[短い舌打ちをし、その相手へと相対す]
―東殿・回廊エントランス―
ええ、分かったわ。
[水竜へとこくり頷いて]
……っ、リーチェ!
下手に見つかったら大変だから……っ、待って!
[幼子を追うように、中庭へと掛けていく――]
/*
我慢してきた。
ずっと我慢してきた。
だが、ダメだ。
これだけはいわせろ。
皇竜『王』じゃねえええええええええええええええええっ!
「すめらぎ」と「おう」を重ねたら、わけわかんねぇだろうってばよ(号泣)
[蝙蝠を見て、そちらへと肩当てを飛ばすもゆっくりのような早いような動きをする雲の化け物に阻まれ、舌打ちをする。
ばっとエルザとザムエルへ向き]
蝙蝠が、あちらへ!
きっとあそこに!
[声だけかけ、パリパリと音をさせて髪を逆立たせていく。
雲の化け物は、ゆっくりと腕のような部分を延ばして来、それを手から電撃を放つ。
宙の水分を伝い、雲が紫色と白色に光るが大したダメージは与えられているように見えず、眉を顰めた。]
[やってきた竜達の気配に青年は振り返る事なく、気配を生む]
邪魔はさせません。
[青年から生まれた混沌の気配に誘われるように、混沌の欠片が中庭に集い出す。まるで影が集まった時の再現のように]
―西殿・回廊食堂前―
寂しい、か。
おいさんにもその気持ちはすっげー、よく分かるなぁ。
[よしよしと、ティルの頭を撫でる。口調は軽いが、別にからかっているわけではない。
いつの間にか、床からは倒れ座り込む格好になっていた。]
…叶える為に必至になって、その後の事なんざ、見えてない奴が多いんだろうな。
[それは今のアーベル叱り、オティーリエ叱り。
そして己の片翼叱り。]
[ミリィの声に顔をあげ、消え行く蝙蝠を視線に捉えた]
御師様、エミーリェ様。
すみません、お任せします…。
[蒼白い光宿した左手を翳して、一瞬の間を計る。
二つのカケラが変じたそれの、合間を縫おうと]
< 捧げられる剣。
竜は螢火を宿した眸で青年を見下ろす。
首を擡げる動きにつれて、影が揺らぐ。容は定まり切っていない。
逞しい腕の一本が伸ばされ、鋭い爪先が剣へと近付き――
触れた瞬間、白と黒の二色が弾ける。
反発。
揺らぐ天秤は、大きく傾いている >
…っ、ノーラ。
[駆け出した先の中庭へ幼子は戸惑いも無く足を踏み入れる。
水竜殿が身を隠している理由など、仔には些細な事である様であった。
ざわりと、仔の足跡を新緑が繁る。
尤も――その根元に足元に、影は、無い。]
……っ、
[庭の中程まで来した頃か。
見覚えのある欠片に囲まれ、幼子は漸く足を止めた。
触れてはならぬと記憶している。――しかし自らに様が在るは、この先。]
……っ、ノーラ!
[声を上げる。影竜殿が、気付いてはくれぬかと。]
─西殿・地下階段前─
[ミリィに言われ、視線を転じると蝙蝠が地下へと消えて行くのが辛うじて見て取れた]
あやつが居ると言うことか!
エルザ!
[声を張り上げながら棒を岩石へと振り下ろす。ガキン、と金属同士がぶつかるような音を立て、そのまま鍔迫り合いのような状態に]
お主は先に地下へ行くのじゃ!
ここは儂らで抑える!
[階段への道を作るべく、欠片の気を引き、大きく立ち回った]
[エルザに路をあけるよう、雲に自ら突っ込み押さえつける。
質量があったりすり抜けかけたり、ふわふわやわやわとややこしい化け物だ。]
ザムエル殿、敵を交換しませんか?
どうにも雷が通らず厄介ですが、土で固める事なら出来るでしょうか。
そちらの敵は、私が雷撃で砕けましょうか。
[口調は軽く、だが声音は真剣に。
ギリ、と、欠片の変じた化け物を睨みながら、背の方のザムエルに向けて言葉をかける。
近くを舞う琥珀には、気づく事が出来なかった。]
[精神の言葉で、周りに混沌のカケラが集まってきたのを感じる]
切り札の……切り時かしらねぃ。
[静かにそう言って―――ゴポリ―――と、ナターリエが口から『混沌のカケラ』を吐き出した。
それは、混沌に属した属性無き、『虚無のカケラ』
だが、長き間にわたってナターリエの中にしまいこまれたそれは、流水の属性を僅かながらも有した。言わば、流水と虚無のコラボレーションである]
『力ある剣』……奪ってきなさい。
[混沌のカケラ如きが、『力ある剣』を手に取ることが出来るはずは無い。
だが、一瞬だけでも弾き飛ばすことが出来るのならば、それだけで充分。それに、他の混沌のカケラに混ざってしまえば、見分けることは難しいはずだ。
混沌と流水のカケラが、ナターリエの命令通りに、『力ある剣』へと飛び掛る―――]
[反発は剣を奉げる、否、現在の所有者である青年の手に衝撃を与える。だが眉を少し寄せただけで、奉げる姿を解きはしない。
危険の警告である痛みを切り離し、『願い』を叶える為に]
――…どうか、『律』を――…
[精神の力を剣に侵食させ、反発を抑えようと試みながら願う]
[頷きを、感謝を返す間もあればこそ。
闇に閉ざされた階段を一気に下る]
[青白い光が細く照らし、その周囲を琥珀が舞う]
[チリリと走った胸元の痛みに唇を噛み。
手の届いた扉を開け放った]
……撫でんなっつてんだろ。
[少しだけ、むっとしたように言って]
周り見てねぇ願い。
[それもわかる。
かつて幼き竜が、虚無の因子に触れたのは、外界への憧れ故だったから。
覗かれた影響か、他に作用があったのか。
記憶の封は、緩く解けて。
過去に己が成した事は既に記憶の内]
……後から後悔できるんならいいけどさ。
あいつらがやろうとしてる方法だと、それもできねぇんじゃねぇの?
……おっちゃんは、それでも、それが見たい……?
[そして、我が身は混沌のカケラの中を無理に進み出て、自らの目で中庭の前景が見える位置へと移動。
その代償は、混沌のカケラによる一斉の攻撃。傷は浅くない]
さて、結果は何なりや―――?
[ナターリエに、次の手は残されてはいない]
名案じゃな。
己が属では効果も薄い。
[ミリィの案に同意し頷く。階段傍から離すべく、弾くようにして鍔迫り合いから逃れた。岩石が一・二歩、後方へと後退る]
倒してエルザ殿を追わないと…!
失礼します!
[ザムエルの肩に手を置いて、前へと飛び出る。
2本の鎖を両手でピンと張り、両側に落ちる肩当てがぶらりと揺れた。]
……はっ!
[青白い光が鎖を伝い、肩当てへと集まって行く。
< 幼児の呼ぶ名。
青年の称す位。
螢火の双眸が移ろい、影の一旦が零れ落ちた。
微かに、【影竜王】を象ったものが、崩れる >
―中庭―
[翠樹の仔の傍らまで着くと。
少し離れた所で、かけらによる一斉攻撃に合う水竜の姿が見え]
ナターリエ……!
[叫ぶように声を張り上げた。
視界の端には、巨大なる影を"影竜王"と呼ぶ心竜の姿]]
だからこうして来たのです。
[月闇の竜をまっすぐに見る]
それは、私が預かりしもの。
[構えた左手、青白い光がゆらゆらと揺れる]
私のものではなく……故に返していただかなければなりません。
[震えているのはその手か、力か]
ええ。そうでしょうね。
[肯定]
ですが、これを欲するのはわたし一人ではない。
あなたのものでないのなら、其処まで義理立てをして取り戻す必要もないのではありませんか?
[ゆるりと微笑み]
―西殿・回廊食堂前―
[ティルにへらりと、小さく笑んだ。
それは老齢な老人の笑みに近い、どこか枯れたような。]
この世界には沢山生きてる奴が居る。
何を思うかは、そいつらが歩いてきた道毎に違う。
きっと世界…ロウやカオス、揺らすものにとっちゃそんな事、どーでもいいんだろうけどよ。
それでも必至こいて、生きて生かされて。
中には死ぬ奴がいて、残された奴は寂しくて。
[へらり、笑みはゆっくりと。
ほの暗いものへと変わっていく。
内の内に常に在る、時と共に培われた澱み。
闇より暗い、クレメンスの素となるもの。]
―西殿・回廊食堂前―
寂しいのも、後悔も、きついのも、俺は見飽きたのさ。
今はその先にあるものが、見たい。
後悔しないで突っ走るのも、きっと悪い事じゃねぇ。
『輪転』は、何があろうと止まる事はない。
命は、代わりがきくから、命たりえる。
[一転、へらりと笑うは道化の仮面。
そしてクレメンスはその場から掻き消え―――]
[言霊を発していた為に、混沌と流水のカケラへ気付くのが遅れた。剣は手から弾き飛ばされ、下へと転がる]
――っ、邪魔をするな!
[弾かれた際に負った傷は深いが痛みの無い今、関係が無い。青年は傷を負わせたものに目もくれず剣を拾い、それを逆手に構えた]
剣よ、怒るのなら代償を持って行くがいい。
そして代わりに、その力を――…
[滑らせるのは胸の中央やや左、心の臓のある位置。
怒り従わぬ剣であっても、罰するを躊躇う事はなく青年の胸へ
―――そして、その真裏にある背の刻印を、破壊する]
[ 言霊の力は残り、腕は未だ剣へと伸ばされる。
抑え込む力により、二度目の反発は少ない。
されど触れた腕に流れ込む拒絶の意志は、本来の影の持ち主――心竜であり、水竜であり、氷竜であり、樹竜でもあろう――にまで伝播する ]
“偽りでは真には成れぬ。其は竜王に非ず”
[ 其は誰の科白か ]
[ミリィの動きに合わせ身体に力を入れる。彼女が前へと飛び出すのを確認してから、反転するようにして後方へと移動。直後、伸ばされてきた雲の手に対し、右手を一閃した。瞬間、握っていた棒は二つの亀裂が入り、三つの棍へと変じ。うねりに似た動きをするそれは、雲の腕に絡むように回され。相手の一拍の間を作り出す]
岩縛陣!
[絡め取った雲の腕に岩石が纏わりつく。棍を離しても岩石は雲の身体目掛けて徐々に浸食していき。その重量により雲の動きも若干鈍る。侵食の速度がいつもより遅いのは、結界内故か]
ノーラ、おうさまに、なりたかったの?
……ノーラは、ノーラになりたいんじゃ、なかったの?
[仔には謎掛けにしか聞えぬ筈だった言葉。
しかして、幼子とは言え言の葉の真髄までは判らぬとも、
その言の響をそのまま受け取る能力には優れていたのか。
傍らに寄る氷竜殿へと一度視線を向け。
すぐさま、その小さき視線は巨大なる影へと注がれる。]
ノーラが、おうさまになったら、やだよ…っ!
精神竜 アーベルが「時間を進める」を選択しました。
欲する者の手にあれば良いものでもありません。
私は預かりし者としての責も負わねばなりません。
[言いながらも兆す疑問。何故自分だったのか。
小さく頭を振って振り払う]
それに。少しでも早く鎮めなければ。
災いの剣となってしまう。
[首飾りとなった聖魔剣を見据える。その姿は仮初のもの。
本来の姿は、剣。
変じたのは契約に従ってのこと。
スッと息を吸い込んだ]
…焔よ。
[活力を溜めることの出来ぬ体では、使える力はあと僅か。
それでも放った灯火はゆるりと飛び、剣を止めようとするものを援護すべく、激しく燃え盛った。*]
Bahamutが娘たるAnneliesが子、一時の契約結びしElsabethaの名において。
聖魔剣よ、二振りの一となりて、鎮まれ――!
―中庭―
[反応が遅れた――水竜が弾いた剣は、回収することも出来ず]
……こうなったら……!
[翠樹の仔の前に飛び出し、アーベルを見据えた――所で。言葉が、響いた]
……、今の、声は……?
生命竜 クレメンスは、精神竜 アーベル を投票先に選びました。
[力いっぱい振りかぶり、岩石の化け物へと肩当を叩き込む。
出来た亀裂に、もうひとつの肩当てを更に叩き込み…――]
……sparking!!!
[叫び、髪を逆立てて雷撃を落とし込む。
内から雷が弾け、溜まり、石はピシピシと小さな亀裂を走らせ、亀裂から光が漏れる。]
…っは!
[最後に力を籠めれば、粉々に砕け散る。
砕けた破片が頬を、肩を、額を掠めて赤が散るも、ザムエルの方のは飛ばないよう避けず立ち。
空中を、パリパリと青白い光が渡った。]
……やれ、参った。
そこまでの意思か。
[少しは、周りの混沌のカケラを消滅させたが、絶対的量には到底届かない。
そうこうしている間に、アーベルは、せっかく弾き飛ばした剣を楽にもう一度拾い、その胸へと突き刺す。
自分の命すら辞さないその意思は驚嘆に値するのだが……
段々と、怒りが沸いてきた]
……そこまでして、自分の願いを叶えたいか。
自分自身で、どうしようともせず、もっと、強力な力頼みか!!
自分の命を絶つほどの覚悟があるのに、自分では出来ぬと諦めておるのか!!
―西殿・地下室―
[次に現われたのは地下。手繰るのは、揺らされた若竜。
今がけっこう危うい状況であることは、琥珀から知らされていた。]
オティーリエ!
[名を呼び、存在が知れたらひっ捕まえて、結界内部のどこかへ飛ぼうと。]
投票を委任します。
影輝竜 ノーラは、翠樹竜 ベアトリーチェ に投票を委任しました。
[本性に変わった青年から剣は抜け落ち、怒りと反発を弱めエレオノーレ――偽りの【影竜王】の手を受け入れた。
触れられた剣がその手に何を伝えるのかを青年が知る事は無い。
竜都に赤い雨が舞い、昼か夜かわからぬ光の中、青い虹がかかる]
/*
あ、ええと、ごめんなさい。
そこで 投げられても こまるというか。
ええと。
エルザさんが取れるか取れないかの描写をしてくれるとありがたいです。
とりたいというのはわかるんですが、剣がどうやって具現化するのかとかまったくわからないので。
[怒りの言葉を吐き出した後に、頭に飛び込んでくる言葉に、ナターリエが顔をしかめた]
“偽りでは真には成れぬ。其は竜王に非ず”
知っているわ!!
「偽者」が「本物」になんてなれないことなんて!!
だが、それがどうした!!
「偽者」には「本物」には作れない輝きを作ることが出来るのだ!
それは、誰にも叶えさせない!
私が、私自身の道を、私の手で、足で作り出すのだ!
/*
あう、ごめんなさい!
強引に奪っていいかどうかでこちらも躊躇いました。
方向としては二石以外の形が崩れて再結成のつもりでしたけれど。
とりあえず進めます。
―地下室―
[その時に現れたクレメンスに、このたびばかりは捕まらない。
引いて、叫ぶ。]
アーベル殿は!?
わたしよりも、そちらに。
あの方は、無茶をなさいますから――!
わたしは、ここなら大丈夫ですから!!
[動き鈍りしも尚、こちらへと向かってくる雲。鎖で繋がれた三節の棍を繰り、反対の腕を絡め取り、縛をかけ。両足、胴、首にも同様に岩の縛をかけて行く。途中、岩縛の重さを逆に利用し揮われた一撃を左肩に受けた]
ぐっ……。
[みしりと骨が軋む音。技が徒となったか、少なくとも骨には罅が入ったようだった]
…ええい、歳は取りたくないもんじゃの。
[それでも、全ての縛をかけられた雲は、その重さに地に伏せることとなる。三節を棒に戻し、岩石化した部分に突きつけ、力を込める。たちまち、雲は岩石へと包まれ、その動きを止めるに至った]
……って!
[消えた姿に舌打ち一つ。
それでも]
……考える前に突っ走るのはオレのやり方だし、だから、走るのは勝手なんだよ!
だけど!
それしかないとか、それじゃなきゃダメとか……。
ああもう、なんでごちゃごちゃ小難しく考えるんだよ、どいつもこいつも!
願いなんて、口に出して言わなきゃ……。
思うだけじゃ、絶対叶わねぇだろうにっ!
[苛立ちをこめて吐き捨てつつ、風を集め、走る。
エルザは地下、と言っていたか。
とにかく、気配を感じる方へと]
< 落とされた影が取るは、幼児のよく知る者の姿 >
……リーチェ?
< 動きを止めた影の竜の傍らで、黒の瞳が仔竜を映した >
どんなに「不可能」と言われても!
どんなに「徒労」と言われても!
私は絶対に諦めやしない!
全ての常識なんて―――「クソ食らえ」!!
―西殿・地下室―
お前らどっちも同じ事言いすぎなんだよと。
こーの似たもの同士!
[アーベルはオティーリエを、オティーリエはアーベルを。
今回は前者を選んだだけだが。]
後ろに爺さんと雷竜のも居る。
袋小路だと捕まるぜ?
[言いながら、それでも強制的には手を取らない。]
…っ、
ノーラ、
[幼子の名を呼ぶ声。仔は一度だけ――今度こそ驚愕に眼を見開き。
しかし弾かれるようにして、その傍へと駆ける。
たしと小さく芝生を叩く足は、僅かに緑を茂らせて。]
[首飾りは二つの石を残して姿を散じる。
同時に二石は浮き上がり、二者の間に留まりて]
[石の周囲に集まるのは光る水。
それは縦に伸び、一際眩い光を放った後、そこに浮かんでいたのは、宝飾の施された鞘に納まった片手持ちの長剣]
[伸ばした左手が鞘に触れる。
途端に流れ込んでくる怒りと痛みに耐えながら、握る]
影輝竜 ノーラは、精神竜 アーベル を投票先に選びました。
[力を振り絞り届ける心の声は、悲痛なまでに強く響いた]
結界の解放と引き換えに――…
天聖の者に――…聖魔剣への承認を――…
[竜なればこそ心臓を傷つけても生きてはいるが、神斬剣の傷がそう易々と塞がるはずがない。だからこそ――最期の願い]
―中庭―
[目の前で起こっていることを、しばし呆然と見つめていた。
赤い雨。青い虹。そして、碧い虹に似た、竜の姿――。
徐々に、氷破の竜の表情は、悲痛な表情となっていき]
……そこまでの、願い……。
[空を見上げるように、竜の姿を仰ぎ見る。
小さき頃の、仔の面影はそこには見当たらなかった]
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