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なかなか落ち着かないな、みんな。
[なんて他人事のように言いながら、それでもどこか懐かしい空気にほっと息を吐く。
イヴァンが帰ったと言う事はおじさんに話は伝わっただろう。そうなると、実家に伝わるのもすぐで、それを思うとほっとした息が溜め息に変わりそうだったけれど。
少しして、イヴァンが作業を終えたと顔を出し、確認を求めた>>118なら]
え、もう終わったのか?仕事早いな。
[と驚きと関心の声を落とし、エーファと共に厨房へ向かうのを見送った。
エーファの腕に納まった黒猫に小さく手を振って、見ればどこか不安げな面持ちのユリアン>>141と目があって首を傾げた]
何か気になることでもあるのかい?
そういえば、仕立て屋になったって聞いたけど、ご家族は元気なのかな?
[問いはするけれど深く問い埋めるつもりは無く。気を紛らわせるために彼の家族へと話題を移す。
どんな返事が返ったとしても、深く入り込むことはしないけれど]
[厨房からエーファたちが戻ってきたなら>>143、お茶のおかわりを頼んで、新たに客が増えたなら自己紹介をしただろう。
イヴァンから演奏について訊かれ、カルメンと言う名を聞いてはたりと瞬く]
カルメンって……あの?
[十年ぶりに村に帰った男には、その名は「資産家のお嬢様」と言う印象しかないが、その彼女が覚えていたと言う事にまず驚いて]
こっちに居る間ならいつでも大丈夫だよ。
村の皆に挨拶して回るくらいしか予定ないし。
[他に聴きたい人がいれば、いっそみんなの前で演奏するのもいい、なんて提案もしてみる。
カルメンの今の話は、当人が聞かせてくれるまでは男から問う事はないだろう]
[やがて、広間にギュンターが現れ、一つの話を持ち出す]
へぇ、旅の歌い手さんが?
それはぜひ聴いてみたいけど、この寒いのに外で?
[旅の歌い手が演奏会をする>>#5と聞けば、音楽を仕事とするものとして興味を惹かれないわけが無く。
いずれにせよこの屋敷に泊まるのだから問題ないと決めて]
俺も?
いや、俺は外での演奏は遠慮する。
バイオリンは元々室内楽用だし、この寒い中じゃ指が上手く動かないからね。
[暖かい部屋でならいくらでも、と、最後に付け加えて]
―演奏会―
[そうして、月夜の演奏会が始まる。
冴え冴えとした月明かりの下、朗々と歌われるは『幻燈歌』
その内容を、男自身もよく知っていた。
古くから伝わるお伽。子供の頃、祖父が聞かせてくれた昔語りの一つだった]
(こうして聴くと、なんだか不思議な感じがするな)
[胸騒ぎにも似たそれがどういうものかは今はまだ知らず、同じ音楽家としての興味が赴くままに耳を傾ける。
時折聞こえる何かが軋む音>>#6も、演出であるかのように感じながら]
………そういえば、満月ですね、今夜は
[ぽつり、呟く声は誰かに聞こえただろうか。
それが、何かに符合すると、気付くものはまだいない。*]
─ 演奏会 ─
[お茶の時間の片付けと、予想外に増えた夕飯の支度やら何やらが一段落ついた頃、月を背にした演奏会が始まる]
…………。
[この歌い手がちゃんと音色を紡ぐのを聞くのは初めての事だ。
普段の語り口から、声がいいのは察していたけれど]
……すご。
[零れ落ちるのは、小さな呟き。
『幻燈歌』と呼ばれるその歌は、詩として読んだ事はあるけれど、こうして聞くのは多分初めてで]
……こんな歌だったんだなぁ……。
[感慨深く呟く意識は、目の前の音に向けられている。
遠くから聞こえる自然の音、そちらには意識を向けたくはなかったから。
そのためにいつもより強く集中していたから、ユリアンの落ち着きのなさ>>161に気付く事はできなかった。]
[演奏会が終われば、黒猫を伴って三階の自室へと戻る]
……なぁ、モリオン。
[ベッドに寝転んで、黒猫を呼ぶ。
月明りの下の猫は、その名の由来となった黒水晶の如く煌めいて見えた]
今日、寒くなりそうだよなぁ。
[なんて呟くと、意を察したのか黒猫は隣に潜り込んでくる。
その温もりに安堵しつつ、氷の音を意識しないようにしながら眠りに落ちて──。*]
[旅の歌い手が月下にうたうは『幻燈歌』。
おとぎばなしのように、その詩をきいたことはあるけれど
綺麗な月がそう思わせるのか
それとも歌い手の見事な歌声がそうさせるのか
重なり消える自然の音色も相俟って
幻想的なその歌に、引き込まれる。]
――……。
[歌声が止んで、しばらく茫としていたが
惜しみない拍手>>160にはっと我に返った。
遅れて、控えめな拍手をして]
見事だった。
[と、歌い手に賛辞をおくる。]
─ 翌朝 ─
[少年の朝は早い。
館に戻っている間は休みの使用人たちの代わりに、家事の一切を取りしきるから仕方ない。
休みなのに休みじゃないなんて理不尽だとは思うが仕方ない、なんて割り切っているのは余談だが]
さて、と。
朝ご飯どーしよっかな……って、さむっ!
あー……まずは、広間の温めからだなぁ。
[なんてぼやきながら着替えを済ませ、黒猫を伴い階下へと下りていく。
いつもならそのまま広間へ向かうのだが、その日は何故か、その前に外を見よう、という気になって]
……ふうっ……昨夜も冷えたから、どーなったかなぁ。
[呟きながら玄関を開けて外に出る。
気になるのはやはり、庭園の薔薇たち。
そちらへ向かうべく歩き出そうとして]
……え?
[何気なく、橋の方を見やった蒼い瞳が見開かれる]
ちょ……なんで?
[村へと続く唯一の道。
それがあったはずの場所に見えたのは冷たい真白の──氷の堤]
え、え?
えーーーーーーっ!?
[何が起きたのかの理解が追い付かなくて。
上がったのは、言葉にならない大声だった。*]
[演奏家であるオトフリートの呟き>>170に、
夜空を仰ぎ、僅かに目を細めた。]
月、綺麗ですね。
[自然の美しさに感嘆するようにぽつと呟く。
ユリアンの落ち着かない様子>>161は
感じ取ってはいたものの、
大丈夫ですか、と案じる言葉をそっと掛けるくらいに止め、
寒さに凍える前に室内へと戻り、
広間で少し暖をとってから、客室で夜を明かす。**]
[朗々と歌い上げられたその声が夜空に溶けて消える。
耳に痛いほどの静寂が戻る前に拍手の音>>160で夢幻から現へ引き上げられた]
見事ですね……
『幻燈歌』をこのように歌い上げるのを聴いたのは初めてです。
[演奏家としてまだ未熟だからこそ、その歌声の素晴らしさが身に沁みた。
自然の美しさと音の調和。同じように感嘆の声を零す青年の呟き>>176に小さく頷いた。
もしも時間があるのならぜひ音楽について語ってみたいものだ、なんて思いながら、惜しみない賛辞を口にする。
そうして、演奏会が終わったなら、ギュンターにどの部屋を使えばいいかと尋ね、返事を得たなら礼を言い、広間に置いた荷物を持って指定された部屋へと向かった]
―二階・客室―
[用意された部屋へと向かい荷物を下ろす。楽器の扱いは特に慎重に。
流石にこの時間では練習をするには少し遅いと、ケースを軽く撫でて]
あの人たちに聴いてもらえたなら、少しは認めてもらえるんですかね?
[などと一人ごちる。
会わずに離れる、と言うわけには行かないだろう。今更引き止められるとも思わないけれど]
明日は、イヴァンが帰るなら一緒にご挨拶にでも行きましょうか。
[と、とりあえずは前向きな予定を立て、寝巻きに着替えてベッドへと入る]
……今日は特に冷えますね……
[呟きながら目を閉じる。
演奏会中に感じていた胸騒ぎにも似た何かを抱えたまま……――*]
―翌朝/二階・客室―
[慣れぬ寝台でもしっかり眠れるのは、性格と言うよりは普段の旅の多い生活のせいだろう。
移動の疲れと、普段会わない人々に会ったという気疲れは、男を程よい眠りへと誘い
それが、唐突に破られた>>175のは、まだ早朝とも言える時間だった]
……何があったんです、こんな早い時間に…
[もそりと起き上がり、声の主を確認しようと窓から外を見て……]
――…え?
[屋敷を取り巻く氷の堤、それがひときわ大きく成長しているのがわかる。
そして]
は?って、え?ちょっとあれ、どういうことです?
[視線をめぐらせた先、その場にあるはずの橋が壊れ、代わりに見えるのは氷の白。
見えているのに答を探すのは、その状況をにわかに受け入れられなかったせいだ。**]
村の設定が変更されました。
8人目、旅人 ゼルギウス がやってきました。
旅人 ゼルギウスは、共有者 を希望しました(他の人には見えません)。
[その男が小島の屋敷に担ぎ込まれたのは、一週間ほど前の事。
橋を渡り切った辺りで倒れていた所を使用人が見つけ、そのまま主の命で保護された。
旅の途中で何かに襲われ、命からがら逃げてきた……という事情の断片は聞きだせたものの、それ以外は錯乱気味のためにわからないまま、落ち着くまでは、と主が面倒を見る事になった]
…………。
[月下の演奏会には、そんな彼の姿も片隅にあった。
主に誘われて出てきたのだが、やはり、どこか落ち着かぬのか。
『幻燈歌』が終わると同時、他者への挨拶もそこそこに宛がわれた客室へと戻っていたのだが]
……つきのうた……。
[演奏会の最中に漏れた小さな呟き、それに気づいたものは果たしていたか]
[男については、身上書という形で、屋敷の主からこんな内容が自衛団に提出されていた。**]
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■名前:ゼルギウス
■年齢:20代半ば
■職業:不明・旅人らしい
■経歴:ギュンターの屋敷の近くで倒れていた所を保護された。
何かに襲われたらしいが、そのために錯乱気味になっており、どこから来たのかなどの詳細は不明。
──────────────────
/*
あ、初回くんだ。
こいつなー、キリングできるか心配なんだよなー(狂信ならその勢いでいけると思うんだが)
人数的に三日目に人狼落ちないと終わるから代わりに吊られるわけに行かないしなぁ。最終日はどっちでもいいけど
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