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─中央・廃墟─
あはっ、それは企業秘密だぁね。
[眉を顰めるヴィリーに楽しげにそう答える。
そして、ヴィリーの呪文が形を成し顔面に迫り来る火球。
──それを迎えたのは、悪魔の微笑みだった。]
……残念。あと数歩足りなかったねぇ。
[その言葉と同時、顎に収束していた光が放たれる。
光の奔流は、火球はもちろん、ヴィリーの咄嗟の呪文により起こされた風や裂かれた空間をもがりがりと削り潰さん勢いで襲い掛かる。]
―中央エリア・ビル屋上―
[口が上手い、という評に返すのは、愉しげな笑み。
それから、鴉はぐるり、と周囲を見回す。
『龍眼』が、きょとり、と動いた]
……他も、動き回ってる……か。
[小さな声で呟いて。
対峙の場となったビルとは違うビルの屋上で、こちらを見やる姿を捉えたなら。
常磐緑は僅か、険しさを宿して*細められ*]
/*
昼間、ねてられる、とはいえ。
6時半に一回起きにゃならん事を考えると、限界っ……!
しかし、カルメンはあんだけ毛嫌いしてて、ローザだと口説きたいってのも大概どーなんだろね、こやつわ。
─外・廃墟中央付近─
どんだけ化けモンな威力だっ…
『あーあ、こりゃ先手とって速攻が良かったかもネ。』
今更っ…!
[言いながら、再び呪文は紡がれる。
言葉にならない、音の羅列のようなものは、歌のように高く低く紡がれてゆく。
その間、腹や足のあたりが、がりと裂かれ食われるような感覚に襲われた。]
――――――――――!
[パンっ!と弾くような音がすると同時に、竜の一撃は掻き消された。
同時にその中心で、傷だらけの主が膝を付く。髪は肩まで伸び、身体はほんの僅かに縮み丸くなっていた。]
『あーあ、今の消すので全部使っちまったかー。ま、しょがないネ。うん。』
[おしゃべりな剣は、いつのまにか元の姿にもどり主の傍らに付き立てられていた。]
―中央エリア→西エリア―
ご期待に沿える一幕となりますよう務めます。
[期待の混じる響きを受け、移動しながら丁寧に答えた]
ええ。あの勢いでは戦い続けられないでしょう。
残るは6人…。
まだまだ役者の数も十分に、ですね。
どうぞ存分に興の尽きない時を。
[愉しげな言葉にも抑揚は殆ど変えずに答え。
湿地帯に入ると集中のために一度通信を*切った*]
─中央エリア・別ビル屋上─
[見詰めていた先の二人が動く。一人は床に座り込み、もう一人はこちらに視線を向けて居た]
あら、気付かれてしまったわね。
[呟いて、微笑みわざと小さく手を振って見せた。効果の薄い、軽い挑発にも見えるか]
彼を地に墜とせる者は居るのかしら?
あの子なら出来るかしら。
でもあの子にはこの手でお仕置きしたいところですし。
まぁ、”下”でもお仕置きは出来ますけれどね。
[どちらでも良いと言うように、口許の朱が弧を描いた]
─中央部・廃墟─
…………わぁお。
[弾けるような音とともに竜の咆哮が掻き消された事にも驚くが、それ以上にその場で膝を突く『女性』の姿に目を丸くする。]
おやおや。初めて見た時から、なぁんかおかしな波動だと思っていたけど。
お兄さん、女だったのぉ? それとも『呪い』か何か?
[いつの間にやら十字架に戻っていたそれに肘掛け、見下ろす格好で首を傾げて問い掛ける。]
─中央エリア・別ビル屋上─
[感情を押し殺したような硬い返答。意識が切り替わったかしら、とは胸中での言葉]
ええ、そちらも愉しんで下さいまし。
[それを最後に切られる通信。愉しげな笑いは、尽きない]
───愉しまなければ損ですもの。
[半ば義務化された『遊戯』への参加。その考え方は身に染みついたものだった]
─外・廃墟中央付近─
[尤も嫌いな人種に負けた。その事実がだいぶ痛いのか、噛み付かんばかりの勢いでカルメンを睨み上げた。]
煩い、俺は…オンナなんかじゃ……
『んーんー、とりあえず俺はノーコメントしとこっかな!言うと旦那が怒るし。
あ、性別複雑化してんのは呪いのせいじゃーないよー。
そもそも呪いだって…』
グリズっ…!
[物言いから、どちらよりかは知れるだろうか。
それ以上言えば殺すといわんばかりの勢いで主が制す。
負けん気ばかり強い主に、剣は軽くため息ついた。]
『はいはいもう喋んないのー。魔力切れして息すんのもきっついくせに。
姉さん強いねぇ。カーックイー。何てったっけそれ。アエーシュマ?いいもん見せてもらったー。』
[剣の方は負けたというのに、至極暢気に紐をゆらゆら揺らしていた。]
─外・廃墟中央付近─
煩い、黙れ…この借りは返す………
『はいはいよしよし。
まとりあえず、こっちの負けーって事で俺らは引っ込むネ。勝った人たちによーろしくぅ。
姉さん何が目的かは知らないけどさ、遠くで旗振ってるから頑張ってネェ。』
グリズっ…!
『だーめ。はい、お迎え来たから帰るよー。』
[そう言うと、カルメンが何かしようともせずとも、現れたカバディに無理やり乗せられ、その場から逃げるように*離れた。*]
─中央部・廃墟─
ふぅん。なぁるほぉどねぇ……
[噛み付かんばかりの勢いのヴィリーと、至極暢気に話す『グリズ』と呼ばれる剣の掛け合いをニヤニヤと見ている。
そしてグリズから訊ねられたことに、こてり首を傾げると]
ん。ありがとぉ。
それに、アエーシュマはわたしの分身だからねぇ。
ま、キミもなかなかのもんだったよぉ?
[そう言って、サイもどきに乗せられ去っていくヴィリーと愉快な仲間たちを見送った。]
いつでも来てねぇ。
…………その時は、しっかり身体で返してもらいますけど。(ぼそ
[そして、愉快な仲間たちが見えなくなるまで、十字架に肘掛け、笑顔で手を振っていたが、]
…………(ぐらり。どしゃ
[ヴィリーたちが見えなくなってほぼすぐ、そのまま横倒れに崩れ落ちる。]
……あー。やっぱり『このまま』じゃアレは少々どころじゃなく負荷大きすぎたかぁ。
しばらく動きたくない気分ですわぁ。
[そうして、そのまましばらくの間、地べたをゴロゴロと転がっているので*あった*。]
蜂蝶 オクタヴィアが「時間を進める」を選択しました。
─中央エリア・更に別のビルの屋上─
[屋上の対戦を観戦し終えた後、もう一つの対戦場所を探すべく、影を使ってビルの合間を飛ぶ]
…あら、どうしてアレが彼らに使われているのかしら。
[その場所を見つけたのは丁度ヴィリーがサイのクリーチャーに乗せられ去って行くところ。参加者に襲いかかるはずのそれが乗り物と化していることに軽く首を傾げた。動きに合わせ、イヤリングがチリリと鳴る]
先に下がっていると言うことは、彼が負けたのかしら。
あのサイを従わせているのだとすると……彼らでは手を焼くかしらねぇ。
どちらもお手並み拝見、となるのかしら。
別の意味で楽しみですわ。
[この事実を知って、あのサイを作った部署はどんな顔をするのだろうか。そちらの方にも興味が湧き、クス、と笑いを漏らした]
[崩れ落ちるカルメンには気付いていたが、手を差し伸べる義理も無く。僅か視線を向けるだけで直ぐに屋上にある物陰へと消えて行く]
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