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[ふわり、ふわり。何だか空気の海を泳ぐように歩く。
一番気がかりなフランの後を着いてまわった。
あれこれストーカー?と思わなくもなかったが、死んでるのだからきっと無効だよねと思いなおして、堂々とストーカーすることにした。
こういう事する時は死人って便利なんだなぁとか何だかズレた思いを抱いたり。
エリカが彼女の身体の上に現れたのには何でか気づかずに。
その姿と声とを認識できたのは、彼女が運ばれた先でのことだった。]
おっ。
ええとおねーさん!
[ひらりと彼女の方を向いて、手を振る。
やっぱりエリカの名前は覚えていなかった。]
─ 中央議事堂 ─
きゅうん
[少女の様子>>24を見て、犬はふらつきながらも残った足で床を踏み立ち上がる。
先に右後足を前に出し、跳ねるようにして床を蹴ってから、右前足と左後足で着地。
時間をかけてではあるが、それを繰り返してどうにか少女の傍へと歩み寄る]
わふ
[敢えて何かの意思を伝えることはなく、ただ傍に寄り添うように床に伏せて、頭を少女の膝辺りに擦り付けた]
ん。
[軽く首を傾げた姿勢のまま、届いた声に振り返る]
ああ、ケイジさん。いたの。
何してるん?
[こちらも、ここまで認識できていなかったらしい。
どこかそっけなく、それでも少し人間味のようなものを取り戻して問いかけた]
え、別に何にも。
ああ暇だからふーちゃんおっかけてはいたけど…
べっ、別にストーカーじゃないよ!
[馬鹿正直に言った所で慌てて首を振って否定した。
それから後の言葉が何となく思いつかなくて、少し間が開いたが。]
ええと、お疲れ様…でいいのかな。
[後ろ頭に手を当てながら、そんな事を言った。]
ぱとらっしゅ……わたし……ひと……ころしちゃって……
[こちらに苦労して近づいてきたパトラッシュをみてぼろぼろと泣き出してしまいながら]
わたし……ちがうの……そんなつもりじゃ……
[膝にすりつく感触には気づくけど、
それ以上に混乱した様子で頭を抱えて首を横に何度も振る]
─ 中央議事堂 ─
[パトラッシュは上手く動けないのか、首を横に振る>>20のが見えて視線を外し。
確認を請け負ってくれたレッグの所作をじっと見て、外れ>>17という声に目を伏せ。
響いた機械音声>>#0に、強く唇を噛んだ。]
…すみません、お願いします。
[エリカを抱え上げたレッグ>>18の後について、部屋に向かう。
エリカに向けてだろう、男性の呟きは耳に入ったけれどそれについては何も声をかけず。
廊下に出ていく彼を、呼び止めた。]
…あの。
手当、ちゃんとしてください、ね。
[撃った自分が言うのもおかしいけれど、そう、声を投げ。
返答がなんであれ、出ていく彼を見送ることなくその場に留まった。]
ケイジさんだけ、じゃなくて。
エリカさん、まで。
[死んじゃった。
そう、声には出さずに唇を動かす。
苦しさを感じて息を強く吐き出すと、同時にぽろりと涙が零れた。]
…、……ぁ…
[頬を伝う水に指を添わせようとして、左肩に走る痛みに顔が歪む。
掌を見れば、自分の血とエリカの血に濡れた赤に染まったままで。
それを見止めると更に視界が歪み、瞳から水が溢れて。
声をあげて、泣いた。]
『まもなく、定刻に、なります。
生き残った皆様は、議事堂に集まってください』
[そう告げる機械音声が早くも鳴り響いていた]
カレン、それは俺も同じだよ。
それも……2人。
でも、そうしなきゃ生き残れないんだ。
PSMを、探さないと。
どんな手段を使ったとしても。
─ 中央議事堂 ─
[泣き出す少女>>26を見上げて、首を伸ばしてその頬を舐める]
わぅ わふん
[少女の言葉を受けて犬は、自分もだと言うように鳴く。
事実、この2回の撃ち合いで両方とも自分の銃撃で死なせているのだ。
それが役目だと思っているため、躊躇いも少ないのだが]
くぅん
[混乱した様子にはこれ以上かける言葉が見つからず、小さく鳴いて視線を床へと落とした]
/*
そーいえば落ちたのは両方ともフランの縁故者だった。
[トラウマ思い出しなう]
うーん。
人数的に今日終わる流れでも良いはずだよね。
だが誰がPSMかなんて表のロールじゃ分かんないんだぜ!
どっち勝利でも良いから別に良いんだけどさー。
ふーん?
即否定するんは怪しねえ。
前にもやったことあるんじゃ。
[チラリと横目で言った後、フッと笑うような気配を滲ませた。
暫しの沈黙の後、届いた言葉に]
そやね。
もう何も悩むん必要もないって考えれば。
お疲れ様だわ。そっちもね。
[廊下に出てゆくレッグの背に視線を投げながら、小さく頷いた]
えええ流石にないない!
危なすぎるでしょ生きてる時にそれは。
[横目で見られてぶんぶん、面がずれそうな勢いで首を振ってそこはきっちり否定した。
死んでも十分アレだがそこには気づいてない。]
そだねー。生き死にで悩む事はないよねうん。
ありがと。
[面の下でにかりと笑いながら、言った。]
─ 中央議事堂 ─
[集合場所から移動せずに少女の傍で伏せてからしばらくして、再び定刻を知らせる放送>>#1が流れる。
犬は伏せた状態のまま、右前足の収納スペースを開き、残った3本の小型レーザー銃の中から1本口に銜えて取り出した。
全員が揃うまでは伏せたままに。
時が迫れば銃口が正面を向く形に銜え直して、その場に座る形となる]
…… くぅん
[残るのは犬を抜いて3人。
うち1人を撃つ心算は全く無く、残る2人から選ばなければいけない。
女性なのか、青年なのか。
判ずるための情報を持たない犬は、2人が現れると注意深く観察するように見詰めた]
お手伝い犬 パトラッシュが「時間を進める」を選択しました。
[銃のエネルギーはまだ残っている。
左肩の傷はそのままにしていたが、銃を撃つには支障無いと思った。
でも、誰を撃てばいいのか、迷いがあった。
一回目は、パトラッシュを撃った。
でも、死んだのはケイジ。
二回目は、レッグを撃った。
でも、死んだのはエリカ。
死んだ二人は、人間で。
その二人を、撃ったのは。]
……あの、子。
[白い犬に視線を向け、呟いた。]
死んでてもどうかと思うよ。
[幽霊に何がどこまで出来るかは知らないが。サクッと突っ込む。
ずれそうな仮面を見る目がジト目に近くなったのは、直後に笑っている辺り、多分わざと]
あんま、ありがたくはないとも思うけどね。
[フ、と息を吐くような仕種をした]
─ 中央議事堂 ─
いや……、もうこんなこと……
[聞こえてきた放送に泣いて震えながら、パトラッシュに返す言葉は震えたままで]
だって、エリカさんだって……わたし……
そんなこと……したかったわけじゃ……
[意識がはっきりしてないなかでのこと、でも記憶はしっかりと、たしかに自分が引き金を引いた、エリカを殺すために]
[女性から向けられた視線>>33には、怯むことも無く、叫ぶことも無く。
ただ静かに見返すのみで。
犬にしては冷静すぎる態度であると見えたことだろう]
[2人の様子を観察する間、尻尾は考えるように緩く左右に揺れる。
見目だけを見ても、やはり判ずることは出来ない。
分かるのは、青年の左腕が機械であることと、女性がここに来る前に泣いていたことくらいか]
… くふん
[探ろうとしても、考えても、分からないままで。
犬は困ったように耳を垂れさせる。
それでも選ばなければいけないから、犬は今ある自分の優先順位のまま、対象を定めようとしていた]
― 中央議事堂 ―
[集合場所まで戻り、ぐるりと周囲を見回す。
犬と少女は変わらず寄り添い合い、こんな状況だが微笑ましくも思えた]
…………。
[始まってからずっと、少女を守り支えよう、と一貫した態度を取り続けている犬。
悩んで答えがでないなら、その信念に賭けてそちらは撃たないのもありか、と。
ふと、そんな思考が過ぎって、消えた]
[混乱をしているメイン人格に介入をしようとする、
時刻に撃たなければ、殺される。
ダレカを、だれでもよかった、
この傍にいてくれる犬以外であれば……]
[二人に武器を向けたのは、パトラッシュだけ。
判断材料というには、あまりに薄い理由。
けれど、それ以外の理由も、なくて。
迷いながらも、銃口を向けた。]
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